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スカーレットインク

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
スカーレット一族から転送)
スカーレットインク
欧字表記 Scarlet Ink[1]
品種 サラブレッド[1]
性別 [1]
毛色 栗毛[1]
生誕 1971年5月5日[1]
死没 不明
(1993年8月27日用途変更[2]
Crimson Satan[1]
Consentida[1]
母の父 Beau Max[1]
生国 アメリカ合衆国の旗 アメリカ合衆国[1]
生産者 Malholland Bros.[1]
競走成績
生涯成績 1戦0勝[3]
獲得賞金 525ドル[3]
テンプレートを表示

スカーレットインク (Scarlet Ink1971年5月5日 - 没年不詳) はアメリカ合衆国生産の競走馬繁殖牝馬。名前の由来は、映画「風と共に去りぬ」の主人公スカーレット・オハラ[4]。日本でGI競走5勝を挙げたダイワメジャー、GI競走4勝のダイワスカーレットなどの祖母、同9勝を挙げたヴァーミリアンなどの曾祖母。子孫に活躍馬を数々輩出し、本馬を起点とする牝系は俗に「スカーレット一族」と称される[3][5]

経歴

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アメリカで競走生活を送り、1戦0勝、獲得賞金525ドルという成績で引退。2歳時の1973年に日本社台ファームが1万3000ドル(当時のレートで400万円弱)という価格で購買し、日本へ輸入された[3]。競走成績が凡庸であった以外にも、両前脚が大きく内向しているという欠点があったことが安値の原因ともされているが、社台ファーム代表の吉田善哉は脚部の形は繁殖成績には影響しないとの持論があり、意に介さなかったとされる[3]。吉田は本馬の曾祖母が、子孫から数々の活躍馬を出しているYour Hostessであることに注目していたという[3]

繁殖牝馬として社台ファーム千歳で繋養された。繁殖入り後しばらくは、途中4年連続で不受胎となるなど期待に反する成績であったが、ノーザンテーストとの間に生まれた産駒スカーレットリボンスカーレットブーケがそれぞれ重賞優勝馬となり、母として成功を収めた[3]。しかしそれ以上に「母の母」として大きな実績を残し、特に2000年代に入ってスカーレットブーケの産駒であるダイワメジャー(父サンデーサイレンス)やダイワスカーレット(父アグネスタキオン)、7番仔スカーレットローズの孫ヴァーミリアン(父エルコンドルパサー)らがGI級競走を次々と制し、スカーレットインクから派生した牝系は、出身馬の活躍ぶりから「スカーレット一族」と通称されるほどになった。

スカーレットインクの産駒はいずれも筋肉質であり[3]、子孫から最初のGI優勝馬となったダイワメジャーもまた母方より受け継いだ、がっしりとした体躯を備えた力強い馬であった[6]。同馬は種牡馬としても複数のGI優勝馬を出しているが、やはりそうした特徴を伝える傾向にあるとされる[7]。スカーレットインクも逞しい馬体の持ち主で[6]、乗り運動の最中に騎乗者の手綱を力任せに引きちぎったという逸話を持つ、非常に力の強い馬であった[8]

産駒一覧

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生年 馬名 毛色 戦績 重賞勝利 出典
初仔 1975年 ヒカリローゼン
→(セン
鹿毛 エルセンタウロ 地方24戦1勝 [9]
2番仔 1976年 バウンスポート 栗毛 バウンティアス 36戦6勝
平地13戦4勝
障害23戦2勝
[10]
3番仔 1977年 コカトライス 鹿毛 地方39戦4勝 [11]
4番仔 1982年 スカーレットブルー 栗毛 ノーザンテースト 9戦1勝 [12]
5番仔 1983年 ダイナブルータス 栗毛 5戦3勝 [13]
6番仔 1984年 ダイナルーブル 鹿毛 ルセリ 8戦1勝 [14]
7番仔 1985年 スカーレットリボン 栗毛 ノーザンテースト 19戦3勝 報知杯4歳牝馬特別(GII) [15]
8番仔 1987年 スカーレットローズ 栗毛 11戦2勝 [16]
9番仔 1988年 スカーレットブーケ 栗毛 21戦6勝 札幌3歳ステークス(GIII)
クイーンカップ(GIII)
京都牝馬特別(GIII)
中山牝馬ステークス(GIII)
[17]
10番仔 1991年 ドリームチーム 栗毛 13戦4勝 [18]
11番仔 1992年 クリムゾンウイング 鹿毛 フレンチグローリー 7戦0勝 [19]

系図

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  • Manganese 1853 --- 4-d始祖
    • (8代省略)

※「f」は「filly(牝馬)」の略、「c」は「colt(牡馬)」の略。太字はGI級競走優勝馬。#は重賞競走優勝馬。

血統表

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父母はいずれもアメリカ産馬であり、父Crimson Satanはアメリカで2歳牡馬チャンピオンとなるなど通算58戦18勝という成績を残した[23]。主な産駒にデラウェアハンデキャップ(G1)の優勝馬クリズリンがいる[23]。母Consentidaは2戦0勝の成績[23]。曾祖母Your Hostessの血統に注目されての輸入であったことは前述したが、それぞれ米二冠馬のMajestci Prince[3]Real Quiet、イギリスのダービーステークス優勝馬セクレトが同じ系統の出身馬である[5]

スカーレットインク (Scarlet Ink)血統 (血統表の出典)[§ 1]
父系 ヒムヤー系
[§ 2]

Crimson Satan 1959
栗毛 アメリカ
父の父
Spy Song 1943
鹿毛 アメリカ
Balladier Black Toney
Blue Warbler
Mata Hari Peter Hastings
War Woman
父の母
Papila 1943
栗毛 アルゼンチン
Requiebro Re-echo
Trepadora
Papalona Papanatas
Tarumba

Consentida 1967
鹿毛 アメリカ
Beau Max 1947
鹿毛 アメリカ
Bull Lea Bull Dog
Rose Leaves
Bee Mac War Admiral
Baba Kenny
母の母
La Menina 1958
栗毛 アメリカ
Royal Charger Nearco
Sun Princess
Your Hostess Alhibai
Boudoir
母系(F-No.) (FN:4-d) [§ 3]
5代内の近親交配 Man o'War5×5、Peter Pan5・5(父内) [§ 4]
出典
  1. ^ JBISサーチ スカーレットインク 5代血統表2016年4月17日閲覧。
  2. ^ netkeiba.com スカーレットインク 5代血統表2016年4月17日閲覧。
  3. ^ JBISサーチ スカーレットインク 5代血統表2016年4月17日閲覧。
  4. ^ JBISサーチ スカーレットインク 5代血統表2016年4月17日閲覧。


出典

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  1. ^ a b c d e f g h i j スカーレツトインク(USA)”. JBISサーチ. 2016年4月17日閲覧。
  2. ^ ジャパン・スタッドブック・インターナショナル「スカーレツトインク(USA)」(要ログイン)
  3. ^ a b c d e f g h i 『優駿』2008年3月号、pp.70-72
  4. ^ 『優駿』2008年3月号 70頁
  5. ^ a b c d e f g h i j k l m n o p q r s t u 平出(2014)pp.50-51
  6. ^ a b 『優駿』2004年6月号、pp.13-17
  7. ^ 『優駿』2016年2月号、p.50
  8. ^ 『優駿』2015年8月号、p.36
  9. ^ ヒカリローゼン”. JBISサーチ. 2016年4月17日閲覧。
  10. ^ バウンスポート”. JBISサーチ. 2016年4月17日閲覧。
  11. ^ コカトライス”. JBISサーチ. 2016年4月17日閲覧。
  12. ^ スカーレットブルー”. JBISサーチ. 2016年4月17日閲覧。
  13. ^ ダイナブルータス”. JBISサーチ. 2016年4月17日閲覧。
  14. ^ ダイナルーブル”. JBISサーチ. 2016年4月17日閲覧。
  15. ^ スカーレッリボン”. JBISサーチ. 2016年4月17日閲覧。
  16. ^ スカーレットローズ”. JBISサーチ. 2016年4月17日閲覧。
  17. ^ スカーレットブーケ”. JBISサーチ. 2016年4月17日閲覧。
  18. ^ ドリームチーム”. JBISサーチ. 2016年4月17日閲覧。
  19. ^ クリムゾンウイング”. JBISサーチ. 2016年4月17日閲覧。
  20. ^ ブレイブスマッシュ”. JBISサーチ. 2017年1月23日閲覧。
  21. ^ ブラックホール”. JBISサーチ. 2022年1月17日閲覧。
  22. ^ ライラック”. JBISサーチ. 2022年1月17日閲覧。
  23. ^ a b c 『優駿』1992年4月号、p.135

参考文献

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外部リンク

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