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ジャパン・オータムインターナショナル

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』

ジャパン・オータムインターナショナルJapan Autumn International)は、日本中央競馬会が実施している国際競走シリーズである。

概要

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2008年度よりエリザベス女王杯からチャンピオンズカップまで4週連続で行われる、秋季の国際GI競走ならびにワールドスーパージョッキーズシリーズに海外の主要競走で好成績を挙げた外国馬および騎手の参戦を促すため、2007年11月19日に賞金総額約12億円の国際競走シリーズを実施することが発表された。

このシリーズでは指定された海外競走に優勝もしくは2着に入った外国調教馬に優先出走権が付与されるほか、対象の競走で外国調教馬が3着以内に入った場合、賞金に加え褒賞金を交付している。

ただこのシリーズの直後に、香港国際競走が行われ、近年そちらへ外国調教馬の参戦が多くなりつつあり、実際ジャパンカップ2019年の開催で外国馬の参加が一頭もないという異常事態となったことを踏まえ、2021年6月28日に日本中央競馬会関西定例会見(大阪市)の席で、「これまで、外国馬の関係者からは、帯同馬を連れていきたいが、走るレースがないと聞いたことがあったのです。今はジャパンカップの前日(平年の第5回東京競馬第7日)に「キャピタルステークス」がありますが、2021年から、外国馬の大量参戦を促すために、ジャパンカップが開催される週に、賞金条件戦クラスで国際競走を新設する」ことを目指すと、国際・競走担当理事の臼田雅弘が明かした[1]

そして2021年8月1日に発表された「令和3年度秋季競馬番組」[2]において、調教などで帯同する予定の馬の出走機会を拡大しつつ、ジャパンカップに出走を予定する外国馬がジャパンカップに出走しやすい環境を提供することを目指し、次の競走を国際競走に指定することになった。

競走名 施行競馬場 開催日・競走番号 出走条件 距離
(一般競走) 東京競馬場 第5回東京競馬第7日第8競走 3歳以上・2勝馬クラス[3] ダート1400m
シャングリラステークス 第5回東京競馬第7日第10競走 3歳以上・3勝馬クラス[4]
オリエンタル賞 第5回東京競馬第8日第9競走 3歳以上・2勝馬クラス[3] 芝2000m
ウェルカムステークス 第5回東京競馬第8日第11競走[5] 3歳以上・3勝馬クラス[4]

さらに、外国馬はこれまで、競馬学校白井市)か、三木ホースランドパーク三木市)の国際厩舎で原則1週間程度の検疫を受けなければならなかったが、より一層の外国馬の参戦を促す観点から、東京競馬場内馬場内に、国際厩舎の建設を進めている。これは諸外国においてはレースが開催される競馬場内での検疫が行われるのが通例であり、その流れを受けてのものである。2022年6月に完成し、秋開催より運用を開始した。これにより、外国馬は国際厩舎6棟・最大12頭が検疫を受けながら、競馬場で直接調整できるようになるという[6]

歴史

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褒賞金対象となる指定海外競走の変更については、各競走の記事を参照のこと。

対象競走

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2015年〜

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競走名 施行競馬場 施行距離 賞金総額
第1戦 エリザベス女王杯 京都競馬場 芝2200m 1億9270万円
第2戦 マイルチャンピオンシップ 京都競馬場 芝1600m 2億1300万円
第3戦 ジャパンカップ 東京競馬場 芝2400m 5億2100万円
第4戦 チャンピオンズカップ 中京競馬場 ダ1800m 1億7940万円

〜2014年

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競走名 施行競馬場 施行距離 賞金総額
第1戦 エリザベス女王杯 京都競馬場 芝2200m 1億9270万円
第2戦 マイルチャンピオンシップ 京都競馬場 芝1600m 2億1300万円
第3戦 ジャパンカップ 東京競馬場 芝2400m 5億2100万円[7]
第4戦 チャンピオンズカップ 中京競馬場 ダ1800m 1億7940万円[8]
ワールドスーパージョッキーズシリーズ 東京競馬場(西暦偶数年)
阪神競馬場(西暦奇数年)
 

優先出走権対象競走

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2008年6月にジャパンカップへの優先出走権が付与される競走4競走が発表された。2009年5月には新たにエリザベス女王杯とマイルチャンピオンシップへの優先出走権が付与される競走とジャパンカップへの優先出走権が付与される1競走が追加された。なお優先出走権を持った馬がジャパン・オータムインターナショナル指定競走への出走は2008年のジャパンカップに出走したペイパルブルが初めてとなった。

対象競走名 開催国・優先出走権付与競走名 付与設定年 優先出走順位
エリザベス女王杯 フランスの旗オペラ賞 2009年 1着
マイルチャンピオンシップ フランスの旗ムーラン・ド・ロンシャン賞
イギリスの旗クイーンエリザベス2世ステークス
ジャパンカップ イギリスの旗キングジョージ6世&クイーンエリザベスステークス 2008年 1着及び2着
アメリカ合衆国の旗アーリントンミリオンステークス 2009年 1着
アイルランドの旗アイリッシュチャンピオンステークス 2008年
ドイツの旗バーデン大賞
フランスの旗凱旋門賞 1着及び2着
チャンピオンズカップ サウジアラビアの旗サウジカップ 2020年 1着

褒賞金制度

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当シリーズでは外国調教馬の出走を促すため指定の海外競走で優勝もしくは2着となった外国調教馬が優勝した場合、優勝賞金に加え褒賞金も交付している。また2009年の改定で、3着以内に入った外国調教馬にも褒賞金が交付されることになった。褒賞金の獲得は2010年のエリザベス女王杯で優勝したスノーフェアリーが初めてとなった。指定の海外競走は各競走の記事を参照のこと。

歴代シリーズ優勝馬・騎手

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2008年~2014年

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実施年 エリザベス女王杯 マイルCS JC チャンピオンズC(2013年まではJCダート) WSJS
優勝馬 優勝騎手
2008年 日本の旗リトルアマポーラ 日本の旗ブルーメンブラット 日本の旗スクリーンヒーロー 日本の旗カネヒキリ フランスの旗イオリッツ・メンディザバル
2009年 日本の旗クィーンスプマンテ 日本の旗カンパニー 日本の旗ウオッカ 日本の旗エスポワールシチー 日本の旗横山典弘
2010年 イギリスの旗スノーフェアリー 日本の旗エーシンフォワード 日本の旗ローズキングダム 日本の旗トランセンド イギリスの旗ライアン・ムーア
2011年 イギリスの旗スノーフェアリー 日本の旗エイシンアポロン 日本の旗ブエナビスタ 日本の旗トランセンド アイルランドの旗ジョン・ムルタ
2012年 日本の旗レインボーダリア 日本の旗サダムパテック 日本の旗ジェンティルドンナ 日本の旗ニホンピロアワーズ 香港の旗ザカリー・パートン
2013年 日本の旗メイショウマンボ 日本の旗トーセンラー 日本の旗ジェンティルドンナ 日本の旗ベルシャザール イギリスの旗リチャード・ヒューズ
2014年 日本の旗ラキシス 日本の旗ダノンシャーク 日本の旗エピファネイア 日本の旗ホッコータルマエ 日本の旗浜中俊

2015年以降

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実施年 エリザベス女王杯 マイルCS JC チャンピオンズC
優勝馬
2015年 日本の旗マリアライト[9] 日本の旗モーリス[10]  日本の旗ショウナンパンドラ[11]  日本の旗サンビスタ[12]  
2016年 日本の旗クイーンズリング[13] 日本の旗ミッキーアイル[14] 日本の旗キタサンブラック[15] 日本の旗サウンドトゥルー[16]
2017年 日本の旗モズカッチャン[17]  日本の旗ペルシアンナイト[18] 日本の旗シュヴァルグラン[19] 日本の旗ゴールドドリーム[20]
2018年 日本の旗リスグラシュー[21] 日本の旗ステルヴィオ [22] 日本の旗アーモンドアイ 日本の旗ルヴァンスレーヴ
2019年 日本の旗ラッキーライラック 日本の旗インディチャンプ 日本の旗スワーヴリチャード 日本の旗クリソベリル
2020年 日本の旗ラッキーライラック 日本の旗グランアレグリア 日本の旗アーモンドアイ 日本の旗チュウワウィザード
2021年 日本の旗アカイイト 日本の旗グランアレグリア 日本の旗コントレイル 日本の旗テーオーケインズ
2022年 日本の旗ジェラルディーナ 日本の旗セリフォス 日本の旗ヴェラアズール 日本の旗ジュンライトボルト
2023年 日本の旗ブレイディヴェーグ 日本の旗ナミュール 日本の旗イクイノックス 日本の旗レモンポップ
2024年 日本の旗スタニングローズ 日本の旗ソウルラッシュ  

※国旗は優勝時の調教国、ワールドスーパージョッキーズシリーズは出場国。

出典

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  1. ^ ジャパンCウイークに2、3勝クラスの国際競走新設へ「帯同馬が出走できるレースを」2021年6月28日 14:43 スポーツニッポン
  2. ^ 「2021年度秋季競馬番組が決定しました」の「○2021年度競馬番組の概要(秋季)PDFファイル 355KB」5ページ(9)ジャパンカップ実施週の(国際)=〇囲みについて参照
  3. ^ a b 旧1000万円以下クラス
  4. ^ a b 旧1600万円以下=準オープンクラス
  5. ^ メイン競走の「ジャパンカップ」は第12競走で施工。
  6. ^ 東京競馬場の内馬場に「国際厩舎」、外国馬の参戦促す環境を整備へ 2021年12月7日 06時00分(中日スポーツ)
  7. ^ International Cataloguing Standards Book 2014 - The Jockey Club、2014年12月10日閲覧
  8. ^ 2014年(1 - 12月)ダート交流重賞競走一覧 - 地方競馬全国協会、2014年12月10日閲覧
  9. ^ 2015年エリザベス女王杯JBISサーチ、2015年11月16日閲覧
  10. ^ 2015年マイルCSJBISサーチ、2015年11月24日閲覧
  11. ^ 2015年ジャパンカップnetkeiba.com、2016年2月27日閲覧
  12. ^ 2015年チャンピオンズCnetkeiba.com、2016年2月27日閲覧
  13. ^ クイーンズリングが差し切り悲願のGI初制覇!/エリザベス女王杯netkeiba.com、2016年11月13日閲覧
  14. ^ ミッキーアイル逃走V! 2年6か月ぶりのGI制覇!/マイルCSnetkeiba.com、2016年11月20日閲覧
  15. ^ 【ジャパンC】(東京)~キタサンブラックが人気に応えて逃げ切るラジオNIKKEI、2016年11月27日閲覧
  16. ^ 【チャンピオンズC】サウンドトゥルーが直線一気でV!サンケイスポーツ、2016年12月4日閲覧
  17. ^ モズカッチャンが古馬を破って初戴冠! 鮫島師もGI初制覇/エリザベス女王杯netkeiba.com、2017年11月12日閲覧
  18. ^ またミルコ! ペルシアンナイトが17年ぶりの3歳馬V!/マイルCSnetkeiba.com、2017年11月19日閲覧
  19. ^ 5番人気シュヴァルグランが優勝 キタサンブラックは3着に敗れる GIジャパンカップ産経新聞、2017年11月26日閲覧
  20. ^ ゴールドドリームが差し切りV! JRAダートGI両制覇!/チャンピオンズCnetkeiba.com、2017年12月3日閲覧
  21. ^ 【エリザベス女王杯】GI・2着4度のリスグラシューがついに戴冠”. サンケイスポーツ (2018年11月11日). 2018年11月11日閲覧。
  22. ^ “【マイルCS】ステルヴィオが激戦を制しGI初V! W.ビュイック騎手もJRA・GI初制覇!/JRAレース結果 | 競馬ニュース - netkeiba.com”. netkeiba.com. https://news.netkeiba.com/?pid=news_view&no=146896 2018年11月19日閲覧。 

関連項目

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