コンテンツにスキップ

英文维基 | 中文维基 | 日文维基 | 草榴社区

クオン (出版社)

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
クオン (出版社)
正式名称 株式会社クオン[1]
英文名称 CUON inc.
現況 事業継続中
種類 株式会社
出版者記号 904855, 910214
法人番号 6010001110980 ウィキデータを編集
設立日 2007年7月[1]
代表者 永田金司 (代表取締役)[1]
金承福 (代表取締役)[1]
本社郵便番号 663-8178
本社所在地 東京都千代田区神田神保町1-7-3
三光堂ビル3階[1]
資本金 600万円[1]
決算期 8月[2]
ネット販売 自社サイト (CHEKCCORI BOOK HOUSE)
主要出版物 叢書
『新しい韓国の文学』
『韓国文学ショートショート きむふなセレクション』他
出版以外の事業 書店経営
外部リンク 公式ウェブサイト
Twitter クオン (@CUON_CUON) - X(旧Twitter)
テンプレートを表示

株式会社クオン(英文名称:CUON inc.)は、東京都千代田区を拠点とする日本の出版社。韓国の作家による小説や詩集、ノンフィクション作品の翻訳書を出版している。

概要

[編集]

日本の広告代理店での勤務経歴のある代表の金承福(キム・スンボク)が、「韓国の本を日本に紹介」することを目的に2007年に創業[2][3]韓国文学の出版仲介業を経て、2011年に叢書『新しい韓国の文学』の出版を開始。第1作となる『菜食主義者』(ハン・ガン著)は、朝日新聞をはじめとする大手新聞の書評で紹介され[4][5][6]、2016年に同書がイギリス・ブッカー国際賞を受賞したことにより大きな話題を呼んだ[7][8][9]。2015年7月には、韓国書籍専門書店「チェッコリ」をオープンし、同書店でのイベントも開催している[10][11]。また、ECサイト「CHEKCCORI BOOK HOUSE」(チェッコリブックハウス)の運営も行っている他[12]、2020年より記事配信サイトnoteにてウェブマガジン「クオンの本のたね」を配信している[13]

沿革

[編集]
  • 2007年7月:金承福により創業。当初の本社所在地は東京都中央区月島[14]
  • 2011年:叢書『新しい韓国の文学』出版開始。同年、代表取締役の金が「K-BOOK振興会」を発足[15][16]
  • 2014年:叢書『クオン人文・社会シリーズ』出版開始。
  • 2015年7月:本社を現在の千代田区神田神保町に移転。同地に書店「チェッコリ」をオープン[17]。同年、叢書『日韓同時代人の対話シリーズ』出版開始。
  • 2016年11月:小説『土地』(朴景利著)の完訳版の出版を開始。2024年までに全20巻を刊行[18][19]
  • 2018年:叢書『韓国文学ショートショート きむふなセレクション』出版開始。
  • 2019年:叢書『CUON韓国文学の名作』出版開始。
  • 2020年:noteにてウェブマガジン「クオンの本のたね」配信開始。同年、叢書『K-BOOK PASS』出版開始。
  • 2022年:叢書『セレクション韓・詩』出版開始。

主な刊行物

[編集]

同社サイト内の書籍情報を参照。

韓国文学

[編集]
  • 朴景利『完全版 土地』(金正出 監修、吉川凪/清水知佐子 訳、2016年11月 - 2024年10月、全20巻)
  • クォン・ジエほか『ワタリガニの墓 韓国現代短編選』(金明順 訳、2021年4月、ISBN 978-4-910214-23-8)

日本語文学

[編集]

[編集]

エッセイ・ノンフィクション

[編集]

人文書

[編集]
  • クオン人文・社会シリーズ
    • 五十嵐 暁郎ほか『再生する都市空間と市民参画 ―日中韓の比較研究から』(2014年4月、ISBN 978-4-904855-22-5
    • 『朝鮮の女性(1392‐1945) ―身体、言語、心性』(金賢珠ほか 編、2016年3月、ISBN 978-4-904855-36-2
    • 金暻和『ケータイの文化人類学 ―かくれた次元と日常性』(2016年2月、ISBN 978-4-904855-37-9
    • 廉宗淳『「ものづくり」を変えるITの「ものがたり」 ―日本の産業、教育、医療、行政の未来を考える』(2016年8月、ISBN 978-4-904855-39-3
    • 姜仁淑『韓国の自然主義文学 ―韓日仏の比較研究から』(小山内園子 訳、2017年5月 ISBN 978-4-904855-63-8
    • 崔禎鎬『韓国の文化遺産巡礼』(舘野晳 訳、2018年8月、ISBN 978-4-904855-66-9
    • マーク・カプリオ『植民地朝鮮における日本の同化政策 1910~1945年』(福井昌子 訳、2019年6月、ISBN 978-4-904855-87-4
    • ユ・ガンハ『美、その不滅の物語 ―韓国・中国に美しき伝説を訪ねて』(水谷幸恵ほか 訳、2020年6月、ISBN 978-4-910214-00-9
    • パク・ソンヒ『日・中・韓伝統インテリア ―四合院、書院造、班家韓屋の装飾と美』(吉川凪 訳、2020年6月、ISBN 978-4-910214-01-6
    • ソ・ウンミ『緑茶耽美 日・中・韓 茶文化の美』(瀧澤織衣 訳、2022年8月、ISBN 9784910214306
    • パク・ウニョン『風景から見た東アジア庭園の美 ―詩的風景と絵画的風景』(姜信子 監訳、申樹浩 訳、2023年8月、ISBN 9784910214290
    • アジアの美探検隊 『「パラサイト 半地下の家族」を見る七つの視線』(廣岡孝弥 訳、2024年4月、ISBN 978-4-910214-61-0
  • 知のフォーラム

その他

[編集]
  • K-BOOK PASS
    • チャン・リュジン『仕事の喜びと哀しみ』(牧野美加 訳、2020年12月、ISBN 978-4-910214-15-3
    • シン・ギョンスク『月に聞かせたい話』(村山俊夫 訳、2021年1月、ISBN 978-4-904855-65-2
    • ヨジョ『とにかく、トッポッキ』(澤田今日子 訳、2021年3月、ISBN 978-4-910214-18-4
    • キム・ウォニョン『希望ではなく欲望 ―閉じ込められていた世界を飛び出す』(牧野美加 訳、2022年11月、ISBN 978-4-910214-39-9
    • チョン・ソヨン『#発言する女性として生きるということ』(李聖和 訳、2023年3月、ISBN 978-4-910214-44-3
    • ユ・ヒョンジュン『空間の未来』(オ・スンヨン 訳、2023年10月、ISBN 978-4-910214-48-1
  • インタビューシリーズ
    • イ・ギホほか『韓国の小説家たちⅠ』(呉永雅ほか 訳、2020年10月、ISBN 978-4-910214-02-3
    • キム・グミほか『韓国の小説家たちⅡ』(呉永雅ほか 訳、2021年1月、ISBN 978-4-910214-03-0
    • イ・ジンスン『韓国の今を映す、12人の輝く瞬間』(伊東順子 訳、2024年5月、ISBN 978-4-910214-59-7

脚注

[編集]
出典
  1. ^ a b c d e f 会社概要”. 株式会社クオン. 2019年12月27日閲覧。
  2. ^ a b チェッコリ 神保町の「韓国書店」 作家イベントも頻繁に”. 日経BOOKプラス (2023年8月25日). 2023年11月13日閲覧。
  3. ^ 韓国文学好きの“仲間”が集う出版社「クオン」とカフェ「チェッコリ」【全国に広がるサードコミュニティ10】”. スーモジャーナル (2020年12月3日). 2023年11月13日閲覧。
  4. ^ 源流の人 第35回 ◇ 金承福(出版社「クオン」代表、韓国書籍専門書店「チェッコリ」オーナー)”. 小説丸 (2023年9月7日). 2023年11月13日閲覧。
  5. ^ ハン・ガン「菜食主義者」書評 肉を食べず、手の届かない世界へ”. 好書好日 (2018年6月8日). 2023年11月13日閲覧。
  6. ^ 菜食主義者 ハン・ガン(著) - クオン版元ドットコム、2023年11月13日閲覧。
  7. ^ 16年ブッカー国際賞、韓国の女性作家韓江氏の「菜食主義者」に”. ロイター (2016年5月17日). 2023年11月13日閲覧。
  8. ^ 英文学賞の韓江「菜食主義者」 日本読者も魅了”. 聯合ニュース (2016年5月18日). 2023年11月13日閲覧。
  9. ^ K-BOOKフェス、オンラインで 「菜食主義者」著者ハン・ガンさんも”. 朝日新聞GLOBE+ (2020年12月5日). 2023年11月13日閲覧。
  10. ^ 【アジアで会う】金承福さん 出版社「クオン」経営者”. NNA.ASIA (2017年12月12日). 2023年11月13日閲覧。
  11. ^ 韓国文学ブームの仕掛け人に聞く!今なぜ「K-文学」が人気なのか?”. nippon.com (2021年9月11日). 2023年11月13日閲覧。
  12. ^ 韓国書籍のECサイト「CHEKCCORI BOOK HOUSE」、韓国原書や貴重な書籍などセレクトが人気 販売実績は右肩上がり”. 日本ネット経済新聞 (2023年8月18日). 2023年11月13日閲覧。
  13. ^ CHEKCCORIの2020年7月21日のツイート2023年11月13日閲覧。
  14. ^ 会社サイト”. クオン. 2008年5月17日時点のオリジナルよりアーカイブ。2023年11月18日閲覧。
  15. ^ 「プロパガンダ本は置かない」神保町の韓国専門ブックカフェ、金承福のこだわりと信念”. 朝日新聞GLOBE+ (2021年8月9日). 2023年11月18日閲覧。
  16. ^ KARTE CX VOX 「『韓国の本』と『日本の本』を繋ぐ株式会社クオンのCXに注目」by J-WAVE TOKYO MORNING RADIO”. XD(クロスディー) (2021年3月16日). 2023年11月18日閲覧。
  17. ^ 脱「普通の本屋」…出版不況打開へ韓国書籍専門店”. 在日本大韓民国民団 (2015年7月29日). 2023年11月18日閲覧。
  18. ^ 韓国のベストセラー「土地」 日本で完訳版出版へ”. 聯合ニュース (2015年9月24日). 2023年11月18日閲覧。
  19. ^ 朴景利の『土地』を日本語完訳…全20巻の大河小説7年かけて刊行へ”. 在日本大韓民国民団 (2016年10月12日). 2023年11月18日閲覧。

外部リンク

[編集]