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ガイヤース

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
ガイヤース
ゴドルフィンの勝負服(欧州)
欧字表記 Ghaiyyath[1]
品種 サラブレッド
性別
毛色 鹿毛
生誕 2015年4月19日(9歳)
Dubawi
Nightime
母の父 Galileo
生国 アイルランドの旗 アイルランド
生産者 Springbank Way Stud[1]
馬主 ゴドルフィン[1]
調教師 チャーリー・アップルビーイギリスの旗 イギリス[1]
競走成績
生涯成績 13戦9勝
獲得賞金 £759,161[1]
勝ち鞍
GI バーデン大賞 2019年
GI コロネーションカップ 2020年
GI エクリプスステークス 2020年
GI インターナショナルステークス 2020年
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ガイヤースGhaiyyath[1])は、アイルランド生産、イギリス調教の競走馬。主な勝ち鞍は2019年バーデン大賞(GI)、2020年コロネーションカップ(GI)、エクリプスステークス(G1)、インターナショナルステークス(G1)。2020年のワールド・ベスト・レースホース・ランキング1位[2]、カルティエ賞年度代表馬[3]

馬名

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馬名のアラビア語表記は غياث(母音記号付:غَيَّاث, GhayyāthもしくはGhaiyāth, ガイヤース)[4]で意味は「多大なる救援を与える者、大いに助ける者、数多くの助力を行う者、他者を苦しみ・悩みからよく助けてあげる存在」[5]

戦績

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2015年4月19日にアイルランドで誕生。同年11月のゴフス社当歳馬セールに上場され、ゴドルフィン最高経営責任者(当時)であるジョン・ファーガソンによって110万ユーロで落札された[6]

2017年9月にデビュー。初戦は3着に敗れたが、2戦目を5馬身差の圧勝で初勝利を挙げると、3戦目のオータムステークスも制して重賞初勝利を挙げる。この時点でチャーリー・アップルビー厩舎の2歳世代の一番馬と目されるようになり、翌2018年ゴドルフィンの悲願である英ダービー制覇[注 1]に向けて英2000ギニーダンテステークスから始動するプランが組まれていた[6]

しかし、故障により3歳春のクラシックシーズンは棒に振ることになった。同年9月のプランスドランジュ賞がシーズン初出走となったが、ブランクを感じさせずに重賞2勝目を挙げる[7]。しかし、結局3歳時はこの一戦のみとなった。

2019年は始動戦のアルクール賞を完勝。次戦のガネー賞では初のG1挑戦ながら1番人気に推されたが、実力馬ヴァルトガイストから4馬身半差の3着に敗れた[8]。休養を挟んで出走したバーデン大賞で2着に14馬身差を付ける圧勝劇を演じ、G1初制覇を飾った[9]。この衝撃の走りに対して、騎乗したウィリアム・ビュイックは「彼はモンスターだ。真のモンスターだよ」と最大限の賛辞を送った[10]

ビュイックは次走の第98回凱旋門賞についても、「エネイブルは強敵ですが、ストレスなく先手を取れるようならチャンピオンになれると思います」と自信を示していた[11]。しかし、当日は大外12番ゲートから積極果敢に逃げたが、直線では大きく後退し、10着に沈んだ。アップルビー師は春のガネー賞の敗戦も踏まえて「彼にとってはもう少しレース間隔が空いた方が良いということだろう」と述べ、翌春のドバイ開催まで休養に入ることになった[12]

2019年ワールド・ベスト・レースホース・ランキングで5位にランクインした[13]

明け5歳となった2020年は2月のドバイミレニアムステークスで復帰し勝利を収める。その後はイギリスに戻り、コロネーションカップエクリプスステークスインターナショナルステークスを逃げ切り、G1競走3連勝を達成した。

G1競走4連勝を狙った9月のアイリッシュチャンピオンステークスでも逃げの手を打つも、マジカルにかわされ2着に敗れた。その後、凱旋門賞を回避し、チャンピオンステークスブリーダーズカップ・ターフへの参戦を検討していたが、10月19日にゴドルフィンから現役引退が発表された。引退後はアイルランドのキルダンガンスタッド種牡馬入りする。

インターナショナルステークスのレーティングが130となり、2020年のワールド・ベスト・レースホース・ランキング1位となった[14]

競走成績

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以下の内容は、Racing Post[1]の情報に基づく。

出走日 競馬場 競走名 距離 着順 騎手 着差 1着(2着)馬
2017.09.15 ドンカスター 未勝利 芝8f 3着 J.ドイル 5馬身1/4 Blue Laureate
0000.09.28 ニューマーケット 未勝利 芝8f 1着 J.ドイル 5馬身 (Proschema)
0000.10.14 ニューマーケット オータムS G3 芝8f 1着 W.ビュイック 1馬身3/4 (Dream Today)
2018.09.22 パリロンシャン プランスドランジュ賞 G3 芝2000m 1着 W.ビュイック 3馬身 (Sacred Life)
2019.04.07 パリロンシャン アルクール賞 G2 芝2000m 1着 W.ビュイック 3馬身 (Soleil Marin)
0000.04.28 パリロンシャン ガネー賞 G1 芝2100m 3着 W.ビュイック 4馬身1/2 Waldgeist
0000.09.01 バーデンバーデン バーデン大賞 G1 芝2400m 1着 W.ビュイック 14馬身 (Donjah)
0000.10.06 パリロンシャン 凱旋門賞 G1 芝2400m 10着 W.ビュイック 33馬身 Waldgeist
2020.02.20 メイダン ドバイミレニアムS G3 芝2000m 1着 W.ビュイック 8馬身1/2 (Spotify)
0000.06.05 ニューマーケット コロネーションC G1 芝2400m 1着 W.ビュイック 2馬身1/2 Anthony Van Dyck
0000.07.05 サンダウン エクリプスS G1 芝2000m 1着 W.ビュイック 2馬身1/4 Enable
0000.08.19 ヨーク 英国際S G1 芝2100m 1着 W.ビュイック 3馬身 Magical
0000.09.12 レパーズタウン 愛チャンピオンS G1 芝2100m 2着 W.ビュイック 3/4馬身 Magical

種牡馬時代

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2021年からアイルランドのキルダンガンスタッドでスタッドインした。同年のシーズンオフからは、オーストラリアでもシャトル種牡馬として繋養される。種付け料は2万7500豪ドル[15]

血統表

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ガイヤース血統 (血統表の出典)[§ 1]
父系 ミスタープロスペクター系
[§ 2]

Dubawi
2002 鹿毛
父の父
Dubai Millenium
1996 鹿毛
Seeking the Gold Mr. Prospector
Con Game
Colorado Dancer Shareef Dancer
Fall Aspen
父の母
Zomaradah
1995 黒鹿毛
Deploy Shirley Heights
Slightly Dangerous
Jawaher *ダンシングブレーヴ
High Tern

Nightime
2003 栗毛
Galileo
1998 鹿毛
Sadler's Wells Northern Dancer
Fairy Bridge
Urban Sea Miswaki
Allegretta
母の母
Caumshinaun
1997 栗毛
Indian Ridge Ahonoora
Hillbrow
Ridge Pool Bluebird
Casting Couch
母系(F-No.) 20号族(FN:20-c) [§ 3]
5代内の近親交配 Northern Dancer5×4=9.38%、Mr. Prospector4×5=9.38% [§ 4]
出典
  1. ^ Free 5X Pedigrees2019年9月19日閲覧
  2. ^ Free 5X Pedigrees2019年9月19日閲覧
  3. ^ Ghaiyyathの血統表2019年9月19日閲覧
  4. ^ Free 5X Pedigrees2019年9月19日閲覧

脚注

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注釈

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  1. ^ 結果的にガイヤースと同世代・同厩舎のマサーがゴドルフィンに初の英ダービーの栄冠をもたらすことになる[7]

出典

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  1. ^ a b c d e f g Ghaiyyath”. Racing post. 2019年9月19日閲覧。
  2. ^ International Federation of Horseracing Authorities”. www.ifhaonline.org. 2021年1月26日閲覧。
  3. ^ https://world.jra-van.jp/news/N0008180/
  4. ^ المهيري, متابعة-خالد. “«غياث» لجودلفين أفضل حصان في العالم بجوائز كارتييه” (アラビア語). www.albayan.ae. 2023年5月8日閲覧。
  5. ^ الوافي في الأسماء العربية ومعانيها. دار الحمراء للطباعة والنشر. (2001). p. 242 
  6. ^ a b Godolphin and Charlie Appleby pin Derby hopes on Ghaiyyath”. The Guardian (2018年3月29日). 2019年9月19日閲覧。
  7. ^ a b ParisLongchamp: Godolphin Derby hope Ghaiyyath returns for clash with Willie John”. Racing TV (2018年9月21日). 2019年9月19日閲覧。
  8. ^ Scott Burton (2019年4月29日). “Waldgeist Leaves Favorite Ghaiyyath Trailing in Ganay”. Bloodhorse. 2019年9月19日閲覧。
  9. ^ Martin Stevens (2019年9月1日). “Ghaiyyath shows benefits of combining Dubawi and Galileo influences”. Racing Post. 2019年9月19日閲覧。
  10. ^ Ghaiyyath dominates in G1 Grosser Preis von Baden”. Godolphin (2019年9月1日). 2019年9月19日閲覧。
  11. ^ ゴドルフィンの秘蔵っ子ガイヤース、野心的なルカ調教師が送り込むナガノゴールド”. JRA-VAN ver. World (2019年10月3日). 2019年10月8日閲覧。
  12. ^ Godolphin and Charlie Appleby pin Derby hopes on Ghaiyyath”. The Guardian. 2019年9月19日閲覧。
  13. ^ LONGINES WORLD'S BEST RACEHORSE RANKINGS 2019”. 20120-10-22閲覧。
  14. ^ International Federation of Horseracing Authorities”. www.ifhaonline.org. 2021年1月26日閲覧。
  15. ^ ダーレー、初年度シャトルスタリオンの種付料を発表(オーストラリア)[生産]”. 公益財団法人 ジャパン・スタッドブック・インターナショナル. 2021年4月8日閲覧。
  16. ^ Ghaiyyathの血統表”. netkeiba.com. 2019年9月19日閲覧。
  17. ^ Horse Profile for Zhukova (IRE)”. Equibase. 2019年9月19日閲覧。

外部リンク

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