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オスプレイ級機雷掃討艇

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
オスプレイ級機雷掃討艇
基本情報
艦種 機雷掃討艇 (MHC)
前級 ハークネス
ブルーバード級 (MSC)
要目
軽荷排水量 803トン
満載排水量 918トン
全長 57.25m
最大幅 10.95m
吃水 2.9m
機関方式 CODOE方式
主機 ・ID36 SS8V-AMディーゼルエンジン×2基
・補助電動機×2基
推進器 シュナイダープロペラ×2軸
出力 1,600馬力
速力 12ノット (22 km/h)
航続距離 2,500海里 (12ノット巡航時)
乗員 士官2名+曹士32名+予備人員21名
兵装 ブローニングM2重機関銃×2挺
C4ISTAR AN/SYQ-13 掃海艇情報処理装置
レーダー AN/SPS-64(V)9 対水上捜索用
ソナー AN/SQQ-32 可変深度式
特殊装備 AN/SLQ-48 機雷処分具
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オスプレイ級沿岸機雷掃討艇(オスプレイきゅうえんがんきらいそうとうてい、英語: Osprey-class coastal minehunter)は、アメリカ海軍が運用していた機雷掃討艇。同型艇は12隻。

設計

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当初ノルウェー海軍アルタ級掃海艇で実現したのと同様の表面効果翼船(SES)カーディナル級機雷掃討艇を計画していたが、機雷爆発により発生する衝撃に対する不安等からキャンセルされ、代わりにイタリアレリチ級機雷掃討艇英語版をベースにした本級が整備されることになった[1]。レリチ級を拡大したような外観であり、船型は長船首楼型、船体構造も同様にガラス繊維強化プラスチック(GFRP)によるモノコック構造となっている[2]

主機関としてはイソッタ・フラスキーニ社製ID36 SS8V-AM V型8気筒ディーゼルエンジンが搭載される。水中放射雑音低減のため、主機関は架台上に設置されている。また低速時には180馬力の補助電動機2基による電気推進を使用するほか、定点保持のためバウ・スラスターも備えている[2][3]

装備

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装備面では、先行するアヴェンジャー級掃海艦と同様、AN/SQQ-32可変深度ソナーとAN/SLQ-48自走式機雷処分具を搭載する。ただしレリチ級やアヴェンジャー級と異なり、係維掃海具や感応掃海具は搭載せず、機雷掃討に特化している[2]

AN/SQQ-32はアメリカレイセオン社とフランスのトムソン・シントラ社により開発された機雷探知機で、機雷探知機能はレイセオン社の技術に基づいて35キロヘルツの周波数を使用しており、5本の垂直ビームによって全周にわたって海面から海底までを捜索できる。一方、機雷類別機能はトムソン・シントラ社の技術に基づいて445-650キロヘルツの周波数を使用しており、0.13度の分解能を誇っている[4]

AN/SLQ-48機雷処分具(mine neutralization system, MNS)はハネウェル社によって開発されたもので、深々度機雷に対処する必要から、海上自衛隊のS-7などと同様の母艇給電方式を採用している。運用深度は推定500メートル、速力6ノットで、機雷類別用の高解像度ソナーとビデオカメラを備えている[5]

配備

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全艦2006年から2007年にかけてアメリカ海軍より退役した後、各国に引き渡されている。ギリシャ海軍エジプト海軍は各2隻を受領した。2008年4月29日トルコへ1隻引き渡すことが議会により承認された。その後、トルコに対する2隻目と台湾に対する2隻の販売が認可された。2010年9月28日、台湾に対する3隻目の輸出について米上下両院での承認が得られた。2010年9月29日に米国上院がインド海軍に対する2隻の販売を承認したとインドのメディアで報じられた。[6] [7] 2012年8月10日、台湾の左営港においてオスプレイ級2隻の台湾到着を記念する式典が挙行されたが、正式な再就役は同年10月を予定している。

同型艇一覧
 アメリカ海軍 退役後
# 艦名 造船所 就役 退役 再就役先 # 艦名
MHC-51 オスプレイ
USS Osprey
インターマリン 1993年 2006年
MHC-52 ハーロン
USS Heron
1994年 2007年  ギリシャ海軍 M64 Calypso
MHC-53 ペリカン
USS Pelican
エイボンデール 1995年 2007年 M61 Euniki
MHC-54 ロビン
USS Robin
1996年 2006年
MHC-55 オリオール
USS Oriole
インターマリン 1995年 2006年  中華民国海軍 MHC-
1310
永靖
ROCS Yung Jin
MHC-56 キングフィッシャー
USS Kingfisher
エイボンデール 1996年 2007年  インド海軍 売却承認済
MHC-57 コルモラン
USS Cormorant
1997年 2007年
MHC-58 ブラックホ-ク
USS Black Hawk
インターマリン 1996年 2007年
MHC-59 ファルコン
USS Falcon
1997年 2006年  中華民国海軍 MHC-
1311
永安
ROCS Yung An
MHC-60 カーディナル
USS Cardinal
1997年 2007年  エジプト海軍 Shareen
MHC-61 レイヴン
USS Raven
1998年 2007年 al Faruq
MHC-62 シュライク
USS Shrike
1999年 2007年

出典

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  1. ^ GlobalSecurity.org MSH-1 CARDINAL Minesweeper Hunter
  2. ^ a b c 「世界の代表的対機雷戦艦艇 (特集 新しい対機雷戦)」『世界の艦船』第631号、海人社、2004年9月、74-81頁、NAID 40006349315 
  3. ^ Norman Polmar (2005). The Naval Institute guide to the ships and aircraft of the U.S. fleet. Naval Institute Press. ISBN 9781591146858. https://books.google.co.jp/books?id=8MwyTX-iA2wC 
  4. ^ 黒川武彦「センサー (現代の掃海艦艇を解剖する)」『世界の艦船』第427号、海人社、1990年10月、88-91頁。 
  5. ^ 大平忠「機雷処分具 (現代の掃海艦艇を解剖する)」『世界の艦船』第427号、海人社、1990年10月、96-99頁。 
  6. ^ US Senate OKs transfer of two minehunters to India
  7. ^ US senate approves sale of 2 Osprey-class minehunters to India

外部リンク

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