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イルーシヴクオリティ

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
イルーシヴクオリティ
欧字表記 Elusive Quality[1]
品種 サラブレッド[1]
性別 [1]
毛色 鹿毛[1]
生誕 1993年1月27日[2]
死没 2018年4月14日(25歳没)[3]
Gone West[2][1]
Touch of Greatness[2][1]
母の父 Hero's Honor[2][1]
生国 アメリカ合衆国の旗 アメリカ合衆国
ケンタッキー州[2][1]
生産者 Silver Springs Stud Farm Inc. & Mrs. J. Costelloe[2]
馬主 ムハンマド・ビン・ラーシド・アール・マクトゥーム[2]
調教師 William I. Mottアメリカ[2]
競走成績
生涯成績 20戦9勝[2][1]
獲得賞金 413,284ドル[2]
勝ち鞍
G2 ジャイプールハンデキャップ 1998年
G2 ポーカーハンデキャップ 1998年
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イルーシヴクオリティ (Elusive Quality) とはアメリカ合衆国競走馬種牡馬

経歴

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(レースの出典については#競走成績の項を参照。)

ケンタッキー州、コステロ夫妻が所有するシルバースプリングス牧場によって生産され、シェイク・モハメッド殿下の所有馬となる[4][5]

3歳

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1996年の5月、ベルモントパーク競馬場の未勝利戦(D8.5ハロン)にラモン・ペレスを鞍上にデビュー。1番人気に応えて2着に11馬身半を付ける大差の逃げ切り勝ち。2戦目からはジェリー・ベイリーに騎手が代わる。3戦目のアローワンスを勝った後にキングスビショップステークス(G2、D7ハロン)に出走。メトロポリタンハンデキャップの勝ち馬オナーアンドグローリーが1番人気、ディストーテッドヒューマーが2番人気。イルーシヴクオリティは4番人気だった。レースは逃げを打つイルーシヴクオリティに2番手で追走するオナーアンドグローリー。直線でもリードを保っていたが、ゴール寸前で鼻差かわされての2着になった。次はG1初挑戦となるヴォスバーグステークス(G1、D7ハロン)。オナーアンドグローリーが1番人気、イルーシヴクオリティは3番人気での出走となった。しかしスタートで失敗して逃げ損ない、何の見せ場もなく勝ったラングフールから17馬身と4分の3差離された最下位8着に惨敗した。その次のアローワンスで2着になった後で鞍上をパット・デイに代える。その後はアローワンスを2走して2勝。3歳シーズンを8戦4勝で終える。

4歳

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翌年2月のアローワンスに勝利。この時のタイム1分20秒17はコースレコードだった[4][5]カーターハンデキャップ(G1、D7ハロン)で再びG1に挑戦。1.8倍の圧倒的な1番人気だったが、上手く逃げることが出来ずに中段を進まされ、そのまま5着に敗北(勝ったのはラングフール)。次走のトゥルーノースハンデキャップ英語版(G2、D6ハロン)では逃げることに成功したものの途中で失速、4着に敗れる。ここで再び騎手をジェリー・ベイリーに戻してアローワンス・トムフールハンデキャップ英語版(G2)と出走するがいずれも3着。4歳シーズンは6戦1勝で終わった。

5歳

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年明けからアローワンスを2連勝。5月のメトロポリタンハンデキャップ(G1、D8ハロン)で3度目のG1挑戦。このレースでは2番人気ワイルドラッシュにベイリーが騎乗したためリチャード・ミグリオーレが鞍上となった。1番人気はディストーテッドヒューマー。イルーシヴクオリティは8番人気と評価を下げていた。ワイルドラッシュとのハイペースな逃げ合いになり、レース途中で失速。勝ったワイルドラッシュから23馬身差開いた8着に完敗した。メトロポリタンハンデキャップの6日後のジャイプールハンデキャップ(G3、芝7ハロン)に鞍上をベイリーに戻して出走。7番人気のブリストリングが逃げ、イルーシヴクオリティは2番手追走。直線で先頭に立ちブリストリングに頭差を付けて優勝。初のグレードレース勝利となった。続けて7月のポーカーハンデキャップ(G3、芝8ハロン)ポーカーステークス英語版)に1番人気で出走。スタートから軽快に逃げたイルーシヴクオリティは2着に6馬身差の圧勝。レースタイム1分31秒63は当時の芝マイルの世界レコードであった[4][5]。しかし次のウッドバインマイル(リステッド、芝8ハロン)では4着、ケルソハンデキャップ(G2、芝8ハロン、ケルソステークス英語版)でも6着に終わる。このレースを以って引退。モハメッド殿下の兄マクトゥーム殿下所有のゲインズボロー牧場で種牡馬入りした[4][5]

競走成績

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年月日 競馬場 レース名 頭数 枠順 人気 着順 騎手 斤量 距離 馬場 タイム 着差 1着(2着)馬 出典
1996. 5. 3 ベルモントパーク メイデン 7頭 3番 1人 1着 R.ペレス 114 D8.5F 不良 1.41.20 11 1/2身 (Federal Secret) [RACE 1]
6. 5 ベルモントパーク アローワンス 6頭 1番 1人 2着 J.ベイリー 120 D8F アタマ Silver Finder [RACE 2]
7.19 ベルモントパーク アローワンス 5頭 3番 1人 1着 J.ベイリー 112 D8.5F 稍重 1.41.60 3身 (Action) [RACE 3]
8.24 サラトガ キングスビショップH G2 6頭 4番 4人 2着 J.ベイリー 112 D7F ハナ Honour and Glory [RACE 4]
9.21 ベルモントパーク ヴォスバーグS G1 8頭 1番 3人 8着 J.ベイリー 122 D7F 17 3/4身 Langfuhr [RACE 5]
10. 6 ベルモントパーク アローワンス 6頭 6番 1人 2着 J.ベイリー 115 D6F クビ Rage [RACE 6]
11. 5 チャーチルダウンズ アローワンス 7頭 4番 1人 1着 P.デイ 116 D6F 1.09.55 3 1/2身 (Receiver) [RACE 7]
11.20 チャーチルダウンズ アローワンス 7頭 3番 1人 1着 P.デイ 119 D6F 1.10.33 3 1/2身 (Hadif One) [RACE 8]
1997. 2.21 ガルフストリーム アローワンス 9頭 3番 1人 1着 P.デイ 119 D7F 1.20.17 5身 (Halo's Image) [RACE 9]
5. 4 アケダクト カーターH G1 9頭 5番 1人 5着 P.デイ 115 D7F 稍重 8 1/4身 Langfuhr [RACE 10]
6. 7 ベルモントパーク トゥルーノースH G2 7頭 1番 1人 4着 P.デイ 115 D6F 8身 Punch Line [RACE 11]
6.21 ベルモントパーク アローワンス 7頭 5番 1人 3着 J.ベイリー 118 D7F 3/4身 Richmond Runner [RACE 12]
7. 6 ベルモントパーク トムフールH G2 7頭 6番 1人 3着 J.ベイリー 114 D7F 4身 Diligence [RACE 13]
1998. 2. 5 ガルフストリーム アローワンス 5頭 2番 1人 1着 J.ベイリー 115 D7F 1.21.29 7身 (Sea Horse) [RACE 14]
4.29 チャーチルダウンズ アローワンス 6頭 6番 1人 1着 J.ベイリー 122 D6.5F 1.17.04 3 1/2身 (Charlie Chan) [RACE 15]
5.25 ベルモントパーク メトロポリタンH G1 9頭 5番 8人 8着 R.ミグリオーレ 115 D8F 23 1/2身 Wild Rush [RACE 16]
5.31 ベルモントパーク ジャイプールH G3 11頭 10番 2人 1着 J.ベイリー 115 T7F 堅良 1.20.99 アタマ (Bristling) [RACE 17]
7. 4 ベルモントパーク ポーカーH G3 9頭 2番 1人 1着 J.ベイリー 117 T8F 堅良 R1.31.63 6身 (Za-Im) [RACE 18]
9.2 ウッドバイン ウッドバインマイル 12頭 3番 1人 4着 J.ベイリー 55 T8F 堅良 5 1/2身 Labeeb [RACE 19]
10.17 ベルモントパーク ケルソH G2 6頭 2番 1人 6着 J.ベイリー 54.5 T8F 13 1/4身 Dixie Bayou [RACE 20]

種牡馬時代

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2002年から産駒がデビュー。初年度からフランスのモルニ賞でイルーシヴシティが優勝して産駒G1初勝利。2年目産駒からは米2冠馬スマーティージョーンズが登場。この活躍により2004年の北米リーディングサイヤーを獲得した。マクトゥーム殿下の死去に伴ってジョナベルファームに移動。種付け料も10万ドルにまで上がった。それ以降もブリーダーズカップ・クラシックレイヴンズパスなど多数の活躍馬を輩出。2003年から2008年にはオーストラリア2009年2010年にはブラジルへとシャトルされてその土地でも活躍馬を出した。

2017年をもって種牡馬を引退[4][5]。翌2018年に死去した[6]

代表産駒

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パート1国のG1馬のみ記載)

母父としての代表産駒

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血統表

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Elusive Quality血統 (血統表の出典)[§ 1]
父系 ミスタープロスペクター系
[§ 2]

Gone West
1984 鹿毛
父の父
Mr. Prospector
1970 鹿毛
Raise a Native Native Dancer
Raise you
Gold Digger Nashua
Sequence
父の母
Secrettame
1978 栗毛
Secretariat Bold Ruler
Somethingroyal
Tamerett Tim Tam
Mixed Marriage

Touch of Greatness
1986 鹿毛
Hero's Honor
1980 鹿毛
Northern Dancer Nearctic
Natalma
Glowing Tribute Graustark
Admiring
母の母
Ivory Wand
1973 鹿毛
Sir Ivor Sir Gaylord
Attica
Natashka Dedicate
Natasha
母系(F-No.) Natashka系(FN:13-c) [§ 3]
5代内の近親交配 Native Dancer 4×5、 Somethingroyal 4×5、 Nasrullah 5・5×5、 Princequillo 5×5 [§ 4]
出典
  1. ^ [7]
  2. ^ [8]
  3. ^ [9]
  4. ^ [7][8]


血統背景

[編集]

脚注

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  1. ^ a b c d e f g h i Elusive Quality(USA)”. JBIS. 2019年12月28日閲覧。
  2. ^ a b c d e f g h i j Elusive Quality (KY)”. Equibase. 2019年12月28日閲覧。
  3. ^ Avalyn Hunter. “Elusive Quality (USA)”. American Classic Pedigrees. 2019年12月28日閲覧。
  4. ^ a b c d e International Sire Elusive Quality Pensioned”. Blood Horse (2017年6月21日). 2020年1月12日閲覧。
  5. ^ a b c d e 国際的影響力を持つイルーシヴクオリティが種牡馬生活から引退(アメリカ)[生産]”. ジャパン・スタッドブック・インターナショナル (2017年6月29日). 2020年1月12日閲覧。
  6. ^ Elusive Quality Euthanized at Age 25”. Blood Horse (2018年3月14日). 2020年1月12日閲覧。
  7. ^ a b Elusive Quality(USA) 血統情報:5代血統表”. JBISサーチ. 公益社団法人日本軽種馬協会. 2020年4月13日閲覧。
  8. ^ a b Elusive Qualityの5代血統表”. netkeiba. Net Dreamers Co., Ltd.. 2020年4月13日閲覧。
  9. ^ 平出貴昭 (2019年9月18日). “『覚えておきたい世界の牝系100』掲載牝系一覧”. 競馬“血統”人生/平出貴昭. 2020年4月18日閲覧。
  10. ^ Touch of Greatness (VA)”. Equibase. 2019年12月28日閲覧。
  11. ^ Rossini(USA)”. JBIS. 2019年12月28日閲覧。
  12. ^ Sea Hero(USA)”. JBIS. 2019年12月28日閲覧。
  13. ^ Hero's Honor(USA)”. JBIS. 2019年12月28日閲覧。
  14. ^ Super Quercus(FR)”. JBIS. 2019年12月28日閲覧。
  15. ^ Majestic Roi(USA)”. JBIS. 2019年12月28日閲覧。
  16. ^ Ivory Wand(USA)”. JBIS. 2019年12月28日閲覧。
  17. ^ Gold and Ivory(USA)”. JBIS. 2019年12月28日閲覧。
  18. ^ Heart of Darkness(GB)”. JBIS. 2019年12月28日閲覧。
  19. ^ Anees(USA)”. JBIS. 2019年12月28日閲覧。
  20. ^ Heart of Darkness(GB)”. JBIS. 2019年12月28日閲覧。
  21. ^ シルクプリマドンナ”. JBIS. 2019年12月28日閲覧。
  22. ^ ヘヴンリーロマンス”. JBIS. 2019年12月28日閲覧。

レース結果の出典

[編集]
  1. ^ Maiden Special Weight”. Blood Horse. 2020年1月12日閲覧。
  2. ^ Maiden Special Weight”. Blood Horse. 2020年1月12日閲覧。
  3. ^ Maiden Special Weight”. Blood Horse. 2020年1月12日閲覧。
  4. ^ King's Bishop S”. Blood Horse. 2020年1月12日閲覧。
  5. ^ Vosburg S”. Blood Horse. 2020年1月12日閲覧。
  6. ^ Allowance”. Blood Horse. 2020年1月12日閲覧。
  7. ^ Allowance”. Blood Horse. 2020年1月12日閲覧。
  8. ^ Allowance”. Blood Horse. 2020年1月12日閲覧。
  9. ^ Allowance”. Blood Horse. 2020年1月12日閲覧。
  10. ^ Carter H”. Blood Horse. 2020年1月12日閲覧。
  11. ^ True North H”. Blood Horse. 2020年1月12日閲覧。
  12. ^ Allowance”. Blood Horse. 2020年1月12日閲覧。
  13. ^ Tom Fool H”. Blood Horse. 2020年1月12日閲覧。
  14. ^ Allowance”. Blood Horse. 2020年1月12日閲覧。
  15. ^ Allowance”. Blood Horse. 2020年1月12日閲覧。
  16. ^ Metropolitan H”. Blood Horse. 2020年1月12日閲覧。
  17. ^ Jaipur H”. Blood Horse. 2020年1月12日閲覧。
  18. ^ Poker H”. Blood Horse. 2020年1月12日閲覧。
  19. ^ Woodbine M”. Blood Horse. 2020年1月12日閲覧。
  20. ^ Kelso H”. Blood Horse. 2020年1月12日閲覧。

外部リンク

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