アンクルモー
アンクルモー | |||||||||
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2011年キングズビショップステークス (右奥の黄帽がアンクルモー) | |||||||||
欧字表記 | Uncle Mo[1] | ||||||||
品種 | サラブレッド | ||||||||
性別 | 牡 | ||||||||
毛色 | 鹿毛 | ||||||||
生誕 | 2008年3月10日 | ||||||||
死没 | 2024年12月19日(16歳没) | ||||||||
父 | Indian Charlie | ||||||||
母 | Playa Maya | ||||||||
母の父 | Arch | ||||||||
生国 | アメリカ合衆国 | ||||||||
生産者 | D. Michael Cavey DVM[2] | ||||||||
馬主 | Repole Stable[3] | ||||||||
調教師 | トッド・プレッチャー( アメリカ合衆国)[3] | ||||||||
競走成績 | |||||||||
生涯成績 | 8戦5勝 | ||||||||
獲得賞金 | $1,606,000[3] | ||||||||
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アンクルモー(英:Uncle Mo[1]、2008年3月10日 - 2024年12月19日) は、アメリカ合衆国の競走馬、種牡馬。主な勝ち鞍は2010年のブリーダーズカップ・ジュヴェナイル(GI)、シャンペンステークス(GI)。馬名の由来はスポーツ用語でMomentum=勢いを意味する。
現役時代
[編集]2009年のキーンランド・イヤリングセールで22万ドルでマイク・リポールによって落札される[4]。
2010年8月に東海岸の名門トッド・プレッチャー厩舎からデビューし、初戦で2着馬に14馬身1/4差をつける圧勝劇を演じる。この勝利により、プレッチャーは即座に1戦を挟んでブリーダーズカップ・ジュヴェナイルに向かうローテーションを発表した。2戦目に選ばれたシャンペンステークスでは過去30年で1983年のデビルズバッグ(1分34秒20)に次ぐ2番目の好時計となる1分34秒51[5]を記録してGI初制覇を飾ると、迎えたブリーダーズカップ・ジュヴェナイルもホープフルステークス勝ち馬のボーイズアットトスコノヴァ(Boys At Tosconova)に4馬身1/4差をつけて楽勝し、無傷の3連勝で2歳シーズンを終える[4]。エクリプス賞最優秀2歳牡馬の投票では238票中236票の支持を集めて選出された[6]。
3歳初戦のリステッド競走も快勝するが、次戦のウッドメモリアルステークスで圧倒的1番人気に支持されながらまさかの3着で初黒星を喫する。その後、γ-グルタミルトランスフェラーゼの値に異常が見られたため、アメリカクラシック三冠への出走を断念し、休養に入った[7]。
8月末のキングズビショップステークスで復帰し、ハナ差の2着となる。G2ケルソハンデキャップを制して挑んだブリーダーズカップ・クラシックで10着と大敗。同レース後、再びγ-グルタミルトランスフェラーゼの値が著しく上昇していることが確認されたため、現役引退が発表された。引退にあたって、調教師のプレッチャーは「2歳時の走りは今までに見たどの馬よりも素晴らしかった」と語った[7]。
競走成績
[編集]以下の内容は、EQUIBASEの情報[3]に基づく。
出走日 | 競馬場 | 競走名 | 格 | 距離 | 着順 | 騎手 | 着差 | 1着(2着)馬 |
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2010. 8.28 | サラトガ | 未勝利 | ダ6f | 1着 | J.ヴェラスケス | 14馬身1/4 | (Admiral Perry) | |
10. 9 | ベルモントパーク | シャンペンステークス | G1 | ダ8f | 1着 | J.ヴェラスケス | 4馬身3/4 | (Mountain Town) |
11. 6 | チャーチルダウンズ | ブリーダーズカップ・ジュヴェナイル | G1 | ダ8.5f | 1着 | J.ヴェラスケス | 4馬身1/4 | (Boys At Tosconova) |
2011. 3.12 | ガルフストリームパーク | タイムリーライターステークス | ダ8f | 1着 | J.ヴェラスケス | 3馬身3/4 | (Rattlesnake Bridge) | |
4. 9 | アケダクト | ウッドメモリアルステークス | G1 | ダ9f | 3着 | J.ヴェラスケス | Toby's Corner | |
8.27 | サラトガ | キングズビショップステークス | G1 | ダ7f | 2着 | J.ヴェラスケス | ハナ | Caleb's Posse |
10. 1 | ベルモントパーク | ケルソハンデキャップ | G2 | ダ8f | 1着 | J.ヴェラスケス | 3馬身 | (Jackson Bend) |
11. 5 | チャーチルダウンズ | ブリーダーズカップ・クラシック | G1 | ダ10f | 10着 | J.ヴェラスケス | Drosselmeyer |
種牡馬時代
[編集]2012年からアッシュフォードスタッドで種牡馬として供用が開始された[7]。初年度の種付け料は3万5000ドルに設定された[8]。2歳時の実績に加え、米国の主流血統であるミスタープロスペクターやエーピーインディの血を持たない貴重な種牡馬として人気を博した[9]。
初年度産駒は2015年にデビュー。その中の1頭であるナイキストがブリーダーズカップ・ジュヴェナイルを父子制覇するなど、新種牡馬のみならず北米全体での2歳リーディングサイアーに輝く[9]。ナイキストは翌2016年にケンタッキーダービーも制し、父の種牡馬としての評価を高めた。2016年に7万5000ドルだった種付け料は2017年に15万ドルまで高騰した[10]。
しかし、2世代目以降からはナイキストに続く大物産駒はまだ現れておらず、2018年の種付け料は12万5000ドルへと減額された[11]。
産駒は自身と同様に仕上がりが早く、2歳戦で強さを発揮する[12]。
2024年12月19日、左前足の怪我により安楽死を受けた。16歳没[13]。
主な産駒
[編集]- 2013年産
- ナイキスト(Nyquist) - 2016年ケンタッキーダービー、フロリダダービー、2015年ブリーダーズカップ・ジュヴェナイル、フロントランナーステークス、デルマーフューチュリティステークス
- ゴモ(Gomo) - 2015年アルシバイアディーズステークス
- アウトワーク(Outwork) - 2016年ウッドメモリアルステークス
- アンブライドルドモー(Unbridled Mo) - 2018年アップルブロッサムハンデキャップ
- 2014年産
- モータウン(Mo Town) - 2017年ハリウッドダービー
- 2015年産
- ドリームツリー(Dream Tree) - 2017年ハリウッドスターレットステークス
- 2016年産
- モーフォルツァ(Mo Forza) - 2019年ハリウッドダービー
- 2017年産
- バスト(Bast) - 2019年デルマーデビュータントステークス、スターレットステークス、シャンデリアステークス
- ヤウポン(Yaupon) - 2021年フォアゴーステークス
- 2018年産
- ゴールデンパル(Golden Pal) - 2021年ブリーダーズカップ・ターフスプリント
- 2019年産
- モードニゴール(Mo Donegal) - 2022年ベルモントステークス
- アモーレイ(A Mo Reay) - 2023年ビホルダーマイルステークス
- アデアマナー(Adare Manor) - 2023年クレメント・L・ハーシュステークス、2024年アップルブロッサムハンデキャップ、クレメント・L・ハーシュステークス
- 2020年産
- アレイビアンナイト(Arabian Knight) - 2023年パシフィッククラシック
- キングズバーンズ(Kingsbarns) - 2024年スティーブンフォスターステークス
母の父としての主な産駒
[編集]- 2019年産
- 2020年産
- ゴーロケットライド / Geaux Rocket Ride(2023年ハスケルステークス)- 父Candy Ride[15]
- 2021年産
- ムース / Muth(2023年アメリカンファラオステークス、2024年アーカンソーダービー)- 父Good Magic[16]
- ソーピードアンナ / Thorpedo Anna(2024年ケンタッキーオークス、エイコーンステークス、CCAオークス、コティリオンステークス、ブリーダーズカップ・ディスタフ)- 父Fast Anna[17]
- ハワードウォロウィッツ / Howard Wolowitz(2024年フランクリンシンプソンステークス)- 父Munnings[18]
血統表
[編集]アンクルモーの血統 | (血統表の出典)[§ 1] | |||
父系 | フォルティノ系 |
[§ 2] | ||
父 Indian Charlie 1995 鹿毛 |
父の父 In Excess1987 黒鹿毛 |
Siberian Express | Caro | |
Indian Call | ||||
Kantado | Saulingo | |||
Vi | ||||
父の母 Soviet Sojourn1989 鹿毛 |
Leo Castelli | Sovereign Dancer | ||
Suspicious Native | ||||
Political Parfait | Diplomat Way | |||
Peach Butter | ||||
母 Playa Maya 2000 黒鹿毛 |
Arch 1995 黒鹿毛 |
Kris S. | Roberto | |
Sharp Queen | ||||
Aurora | Danzig | |||
Althea | ||||
母の母 Dixie Slippers1995 黒鹿毛 |
Dixieland Band | Northern Dancer | ||
Mississippi Mud | ||||
Cyane's Slippers | Cyane | |||
Hot Slippers | ||||
母系(F-No.) | 8号族(FN:8-c) | [§ 3] | ||
5代内の近親交配 | Northern Dancer4×5×5=15.63% | [§ 4] | ||
出典 |
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脚注
[編集]注釈
[編集]出典
[編集]- ^ a b Uncle Mo(USA) JBISサーチ
- ^ Uncle Mo | Weatherbys Overview. Racing Post. 2018年11月10日閲覧
- ^ a b c d Horse Profile for Uncle Mo. Equibase. 2018年11月10日閲覧
- ^ a b Uncle Mo named champion juvenile. Kentucky Derby(January 27, 2011). 2018年11月10日閲覧
- ^ BELMONT PARK - October 9, 2010 - Race 9. Equibase. 2018年11月10日閲覧
- ^ Jason Shandler. Uncle Mo Runs Off With 2YO Male Honors. Bloodhorse(Janurary 17. 2011). 2018年11月10日閲覧
- ^ a b c Uncle Mo retired to Ashford Stud. Coolmore(November 7, 2011). 2018年11月10日閲覧
- ^ Mark Simon. Simon: Uncle Mo in rare company. DRF(March 23, 2016). 2018年11月10日閲覧
- ^ a b Bill Oppenheim. The Uncle Mo Show. Thoroughbred Daily News(March 22, 2016). 2018年11月10日閲覧
- ^ Uncle Mo Increased to $150,000. Thoroughbred Daily News(November 7, 2016). 2018年11月10日閲覧
- ^ Uncle Mo | Fee History. Racing Post. 2018年11月10日閲覧
- ^ Andrew Caulfield. Pedigree Insights: Uncle Mo Not to Be Overshadowed. Thoroughbred Daily News(Octobar 1, 2018). 2018年11月10日閲覧
- ^ “Ashford Stallion Uncle Mo Dies at Age 16”. www.bloodhorse.com (2024年12月19日). 2024年12月20日閲覧。
- ^ “ウィルソンテソーロ”. JBISサーチ. 公益社団法人日本軽種馬協会. 2023年9月26日閲覧。
- ^ “Geaux Rocket Ride (KY)”. Equibase. 2023年7月23日閲覧。
- ^ “Muth (KY)”. Equibase. 2023年10月8日閲覧。
- ^ “Thorpedo Anna (KY)”. Equibase. 2024年5月4日閲覧。
- ^ “Howard Wolowitz (KY)”. Equibase. 2024年9月8日閲覧。
外部リンク
[編集]- Uncle Mo | Stallions - クールモアグループによる紹介
- 競走馬成績と情報 netkeiba、JBISサーチ、Racing Post