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エッセンシャルクオリティ

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
エッセンシャルクオリティ
ゴドルフィンの勝負服
欧字表記 Essential Quality
品種 サラブレッド
性別
毛色 芦毛
生誕 2018年4月9日(6歳)[1]
Tapit
Delightful Quality
母の父 Elusive Quality
生国 アメリカ合衆国の旗 アメリカ合衆国
生産者 Godolphin Stables[1]
馬主 Godolphin Stables[1]
調教師 Brad Cox(アメリカ合衆国の旗 アメリカ合衆国[1]
競走成績
タイトル

エクリプス賞最優秀2歳牡馬(2020年)

エクリプス賞最優秀3歳牡馬(2021年)
生涯成績 10戦8勝[1]
獲得賞金 4,905,144ドル[1]
WBRR I123 - L123 / 2021年[2]
勝ち鞍
GI ブリーダーズフューチュリティS 2020年
GI ブリーダーズカップ・ジュヴェナイル 2020年
GI ベルモントステークス 2021年
GI トラヴァーズステークス 2021年
GII ブルーグラスステークス 2021年
GII ジムダンディステークス 2021年
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エッセンシャルクオリティ(英:Essential Quality)は、アメリカ合衆国で生産、調教されていた競走馬である。2020年のエクリプス賞最優秀2歳牡馬、2021年のエクリプス賞最優秀3歳牡馬に選出された。 主な勝ち鞍は2020年ブリーダーズフューチュリティステークスブリーダーズカップ・ジュヴェナイル2021年ベルモントステークスブルーグラスステークスジムダンディステークストラヴァーズステークス

戦績

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2020年9月5日チャーチルダウンズ競馬場ダート6ハロンの未勝利戦デビューし直線馬群に包まれる不利を受けながら後続馬に4馬身差をつけ初勝利を収める。2戦目はG1競走初挑戦となるブリーダーズフューチュリティステークスに出走。2番手追走から3コーナー過ぎで先頭に立つと、直線でも後続を引き離してG1初制覇を飾る[3][4]。11月7日のブリーダーズカップ・ジュヴェナイルでは道中中団追走から鋭く脚を伸ばすと、直線でいったん先頭に立った最低人気のホットロッドチャーリーを差し切りG1競走2連勝を果たした[5][6]。翌年1月、エッセンシャルクオリティは同年のエクリプス賞最優秀2歳牡馬部門の選考において231票を獲得、2歳王者の座に輝いた[7]

明けて3歳になった復帰戦のG3サウスウエストステークスは折からの天候不良による延期に加え不良馬場になったが完勝、次いでG2ブルーグラスステークスも快勝して5戦5勝とした[8]。本番であるケンタッキーダービーでは単勝オッズ3.9倍の1番人気に支持されて出走したが、スタート直後に2番人気のロックユアワールドにぶつけられ位置取りに手間取り、大きくコーナーを回ることを余儀なくされ、結果接戦の末に4着に敗れた[9]。ところが1着のメディーナスピリットから禁止薬物が検出、失格になったため3着に繰り上がった。

その後、エッセンシャルクオリティはプリークネスステークスを回避、6月5日のベルモントステークスに照準を定めた。同年のベルモントステークスは8頭立てで行われ、エッセンシャルクオリティはプリークネスステークス勝ち馬のロンバウアーなどを差し置いて1番人気2.3倍に支持された。スタートが切られると飛び出したのはホットロッドチャーリーで、それにロックユアワールドとフランスゴデイナが追走、エッセンシャルクオリティは5番手につけていた。レース史上でも最速のペースでホットロッドチャーリーが飛ばす中、エッセンシャルクオリティは第3コーナーで同馬を外から捉えて先頭に立つと、ホットロッドチャーリーの側も負けじと食い下がり、2頭の一騎討ちのまま決勝線に飛び込み、結果エッセンシャルクオリティが1馬身1/4差で勝利を手にした。2頭から約11馬身離された3着にはロンバウアーが入っている[10][11][12]

ベルモントステークス後のエッセンシャルクオリティの大目標は真夏のダービーとして有名なトラヴァーズステークスであり、その前哨戦にG2ジムダンディステークスが選ばれた。5頭立ての少頭数だったがレースではひたすら外を回り続け、最終コーナーでもケンタッキーダービーの時のように大きくコーナーを回すことになったが最後は内から抜けた馬に半馬身つけて快勝した。本番のトラヴァーズステークスでは2番手追走から最後の直線で逃げ粘るミッドナイトバーボンとの競り合いをクビ差で制しG1レース4勝目をマークした[13]

2か月の休養後、11月6日のブリーダーズカップ・クラシックでは1番人気に推されるもニックスゴーの3着に敗れた。このレースを最後に現役を引退、2022年よりジョナベルファーム種牡馬入りする[14]

競走成績

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出走日 競馬場 競走名 距離(馬場) 頭数 馬番
着順 騎手 斤量(lb./kg換算) タイム 着差 勝ち馬/(2着)馬
2020.09.05 チャーチルダウンズ メイドン競走 ダ6f(Fs) 11 4 1着 S.ブリッグモハン 119/54 1:09.98 4馬身 (King's Mischief)
0000.10.03 キーンランド ブリーダーズフューチュリティ G1 ダ8.5f(Fs) 9 4 1着 L.サエス 122/55.5 1:44.37 3馬身1/4 (Keepmeinmind)
0000.11.06 キーンランド BCジュヴェナイル G1 ダ8.5f(Fs) 14 5 1着 L.サエス 122/55.5 1:42.09 3/4馬身 Hot Rod Charlie
2021.02.27 オークローン サウスウエストS G3 ダ8.5f(Sl) 7 1 1着 L.サエス 124/56 1:45.48 4馬身1/4 (Spielberg)
0000.04.03 キーンランド ブルーグラスS G2 ダ9f(Fs) 9 4 1着 L.サエス 122/55.5 1:48.50 クビ (Highly Motivated)
0000.05.01 チャーチルダウンズ ケンタッキーダービー G1 ダ10f(Fs) 20 14 3着 L.サエス 126/57.2 (2:01.02) 3/4馬身 Mandaloun
0000.06.05 ベルモントパーク ベルモントS G1 ダ12f(Fs) 8 2 1着 L.サエス 126/57.2 2:27.11 1馬身1/4 (Hot Rod Charlie)
0000.07.31 サラトガ ジムダンディS G2 ダ9f(Fs) 5 5 1着 L.サエス 124/56 1:49.92 1/2馬身 (Keepmeinmind)
0000.08.29 サラトガ トラヴァーズS G1 ダ10f(Fs) 7 2 1着 L.サエス 126/57.2 2:01:96 クビ (Midnight Bourbon)
0000.11.06 デルマー BCクラシック G1 ダ10f(Fs) 8 3 3着 L.サエス 122/55.5 1:59.57 3馬身1/2 Knicks Go
  • 馬場状態:Fs=Fast, Sl=Sloppy


血統表

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タピットは全米首位種牡馬3回の種牡馬で、祖母コントライヴの産駒にブリーダーズカップ・ジュヴェナイルフィリーズの勝ち馬フォークロアがおり、近親に日本の三冠馬コントレイルやアメリカの二冠馬スマーティージョーンズBCジュヴェナイルなどGI4勝を挙げたフォルテがいる。

エッセンシャルクオリティ血統 (血統表の出典)[§ 1]
父系 ボールドルーラー系
[§ 2]

Tapit
2001 芦毛
父の父
Pulpit
1994 鹿毛
A.P. Indy Seattle Slew
Weekend Surprise
Preach Mr. Prospector
Narrate
父の母
Tap Your Heels
1996 芦毛
Unbridled Fappiano
Gana Facil
Ruby Slippers Nijinsky
Moon Glitter

Delightful Quality
2009 黒鹿毛
Elusive Quality
1993 鹿毛
Gone West Mr. Prospector
Secrettame
Touch of Greatness Hero's Honor
Ivory Wand
母の母
Contrive
1998 黒鹿毛
Storm Cat Storm Bird
Terlingua
Jeano Fappiano
*バジー
母系(F-No.) (FN:1-x(1-s)) [§ 3]
5代内の近親交配 Mr. Prospector 4x4x5x5, Fappiano 4x4, Secretariat 5x5x5, Northern Dancer 5x5x5, In Reality 5x5 [§ 4]
出典
  1. ^ [15],[16]
  2. ^ [16]
  3. ^ [15],[16]
  4. ^ [15],[16]


脚注

[編集]
  1. ^ a b c d e f Essential Quality (KY)”. EQUIBASE. 2021年6月7日閲覧。
  2. ^ 国際競馬統括機関連盟 (IFHA) The LONGINES World's Best Racehorse Rankings”. 2022年1月26日閲覧。
  3. ^ 米2歳G1ブリーダーズフューチュリティ、エッセンシャルクオリティが快勝”. JRA-VAN (2020年10月6日). 2020年11月8日閲覧。
  4. ^ Frank Angst (2020年10月3日). “Essential Quality Shines in Breeders' Futurity”. Blood-horse. 2021年6月7日閲覧。
  5. ^ エッセンシャルクオリティがG1連勝、BCジュベナイルも制覇”. JRA-VAN (2020年11月7日). 2020年11月8日閲覧。
  6. ^ Meredith Daugherty (2020年11月6日). “Essential Quality Rallies to Win Breeders' Cup Juvenile”. Blood-horse. 2021年6月7日閲覧。
  7. ^ Byron King (2021年1月28日). “Essential Quality Takes 2-Year-Old Male Honors”. Blood-horse. 2021年6月7日閲覧。
  8. ^ Byron King (2021年4月3日). “Essential Quality Lands Blue Grass With Determined Run”. Blood-horse. 2021年6月7日閲覧。
  9. ^ Byron King (2021年5月1日). “Medina Spirit Gives Baffert Record Seventh Derby Win”. Blood-horse. 2021年6月7日閲覧。
  10. ^ Byron King (2021年6月5日). “Essential Quality Prevails in Belmont Stakes”. Blood-horse. 2021年6月7日閲覧。
  11. ^ Stephen Whyno (2021年6月6日). “Brad Cox-trained Essential Quality wins Belmont Stakes”. The Washington Post. 2021年6月7日閲覧。
  12. ^ Belmont S. Presented by NYRA Bets Grade 1”. EQUIBASE (2021年6月6日). 2021年6月7日閲覧。
  13. ^ “エッセンシャルクオリティが米G1トラヴァーズSを快勝、コックス師は79年ぶり快挙”. JRA-VAN. (2021年8月29日). https://world.jra-van.jp/news/N0009532/ 2021年12月8日閲覧。 
  14. ^ “エッセンシャルクオリティとマックスフィールド、来年からゴドルフィンの種牡馬リストに”. JRA-VAN. (2021年10月25日). https://world.jra-van.jp/news/N0009890/ 2021年12月8日閲覧。 
  15. ^ a b c 血統情報:5代血統表|Essential Quality(USA)|JBISサーチ(JBIS-Search)”. JBISサーチ(JBIS-Search). 日本軽種馬協会. 2021年6月7日閲覧。
  16. ^ a b c d Essential Qualityの血統表”. netkeiba.com. 2021年6月7日閲覧。

外部リンク

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