コンテンツにスキップ

英文维基 | 中文维基 | 日文维基 | 草榴社区

ロンバウアー

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
ロンバウアー
欧字表記 Rombauer
品種 サラブレッド
性別
毛色 鹿毛
生誕 2018年4月17日(6歳)[1]
Twirling Candy
Cashmere
母の父 Cowboy Cal
生国 アメリカ合衆国の旗 アメリカ合衆国
生産者 John Fradkin & Diane Fradkin[1]
馬主 John Fradkin & Diane Fradkin[1]
調教師 Michael W. McCarthy(アメリカ合衆国の旗 アメリカ合衆国[1]
競走成績
生涯成績 8戦3勝[1]
獲得賞金 1,040,500ドル[1]
勝ち鞍
GI プリークネスステークス 2021年
テンプレートを表示

ロンバウアーRombauer, 2018年4月17日 - )は、アメリカ合衆国競走馬。2021年のプリークネスステークスに優勝した。

経歴

[編集]

ケンタッキー州の生産者フレッドキン夫妻の生産したサラブレッド牡馬である。本来、フレッドキン夫妻は生産馬をすべてセリ市に出品していたが、2020年はCOVID-19パンデミックの影響でセリ市が休止となり、このため夫妻の所有下で競走馬登録された[2]

マイケル・マッカーシー調教師に預けられたロンバウアーは、2020年6月25日のデルマー競馬場の未勝利戦(芝8ハロン)でデビュー、これに勝利した。続くデルマージュヴェナイルターフステークス(芝8ハロン)で6着に敗れたのちにダートへ転向、9月26日のアメリカンファラオステークス(G1・サンタアニタパーク・ダート8.5ハロン)に登録された。同競走でロンバウアーは単勝オッズ12.70倍の穴馬扱いで、スタートで出遅れて道中は大きく外を回らされる展開だったながらも、最後には勝ち馬ゲットハーナンバーに3/4馬身差まで迫る2着に入った[3]。2歳時の最終戦にはブリーダーズカップ・ジュヴェナイル(G1・キーンランド・ダート8.5ハロン)に出走、後方待機から追い上げる競馬をしたものの5着に終わった[4]

明けて3歳となった2021年、ロンバウアーは2月13日のゴールデンゲートフィールズ競馬場で行われたエルカミーノレアルダービー(L・オールウェザー9ハロン)から始動、これを最後方からの追い込みでクビ差で勝利した。以降のクラシック路線において、マッカーシー調教師は強豪ボブ・バファート厩舎との競合を避ける方針を採り[5]、ロンバウアーはG2のブルーグラスステークス(キーンランド・ダート9ハロン)に登録された。しかしここでは2歳王者エッセンシャルクオリティとの対決となり、出遅れも響いて5馬身以上離された3着に敗れた[6]

ロンバウアーはこの時点で「ロード・トゥ・ケンタッキーダービー」のポイントを十分に稼いでいたが、フレッドキンはロンバウアーの走りがケンタッキーダービーには向いていないと判断し、これを回避してプリークネスステークス(G1・ピムリコ・ダート9.5ハロン)に直行する方針を採った[7]。10頭立てで行われたこの年のプリークネスステークスで1番人気はケンタッキーダービー1位入線馬[注 1]メディーナスピリット、2番人気にルコントステークス勝ち馬のミッドナイトブルボンが続き、一方のロンバウアーは最終単勝オッズ12.80倍という穴人気であった。レースが始まると先頭を引っ張ったのはメディーナスピリットで、ミッドナイトブルボンやフランスゴデイナがそれに続き、一方でロンバウアーは中団グループに位置していた。そして第3コーナーから徐々に進出して、最後の直線に向きあった時点で3番手まで押し上げたロンバウアーは、前を行くメディーナスピリットとミッドナイトブルボンの2頭を追い抜いてゴール、2着ミッドナイトブルボンに3馬身半差をつけて優勝を手にした[7][8]

プリークネスステークス優勝の時点では、フレッドキンはロンバウアーをベルモントステークス(G1・ベルモントパーク・ダート12ハロン)に出すか、もしくは芝の三冠路線に出すかの両にらみであった[7]。その後ベルモントステークスに出走させたものの、勝ち馬エッセンシャルクオリティから11馬身以上離された3着に敗れている[9]。その後、レースに出走することなく翌2022年1月に一旦は現役を引退し種牡馬入りする予定であったが、条件が整わなかったため現役を続行してS.ジョセフ厩舎へ転厩して調教を重ねたものの、レース出走はならず、2023年11月に正式に引退を発表した。引退後はケンタッキー州で種牡馬となる予定[10]

血統表

[編集]
ロンバウアー血統 (血統表の出典)[§ 1]
父系 ミスタープロスペクター系
[§ 2]

Twirling Candy
アメリカ 黒鹿毛 2007
父の父
Candy Ride
アルゼンチン 鹿毛 1999
Ride the Rails Cryptoclearance
Herbalesian
Candy Girl Candy Stripes
City Girl
父の母
House of Danzing
アメリカ 黒鹿毛 2002
Chester House Mr. Prospector
Toussaud
Danzing Crown Danzig
Crownette

Cashmere
アメリカ 栗毛 2011
Cowboy Cal
アメリカ 黒鹿毛 2005
Giant's Causeway Storm Cat
Mariah's Storm
Texas Tammy Seeking the Gold
Hot Novel
母の母
Ultrafleet
アメリカ 芦毛 1992
*アフリート Mr. Prospector
Polite Lady
Social Conduct Vigors
Jostling Queen
母系(F-No.) (FN:9-f) [§ 3]
5代内の近親交配 Mr. Prospector 4x4x5 [§ 4]
出典
  1. ^ [11], [12]
  2. ^ [12]
  3. ^ [11], [12]
  4. ^ [11], [12]


父トワリングキャンディはマリブステークスなどの勝ち馬。母キャッシュメアは未出走で繁殖入りした馬であった。祖母ウルトラフリートは4戦未勝利に終わった馬であるが、繁殖牝馬として2008年のブリーダーズカップ・ターフスプリント勝ち馬キャニオンフラッグなどを出しているほか、2代先にロアリングライオンなどが出ている。

脚注

[編集]

注釈

[編集]
  1. ^ のちに薬物検査陽性のため失格となった。

出典

[編集]
  1. ^ a b c d e f Rombauer (KY)”. EQUIBASE. 2021年6月7日閲覧。
  2. ^ Frank Angst (2021年2月2日). “Rombauer a Lucky Exception for Breeder Fradkin”. Blood-horse. 2021年6月7日閲覧。
  3. ^ American Pharoah S. Grade 1”. EQUIBASE. 2021年6月8日閲覧。
  4. ^ TVG Breeders' Cup Juvenile presented by Thoroughbred Aftercare Alliance Grade 1”. EQUIBASE. 2021年6月8日閲覧。
  5. ^ Sending Rombauer To Blue Grass ‘Was Primarily An ABB Decision: Avoid Bob Baffert’”. Paulick Report (2020年4月1日). 2021年6月8日閲覧。
  6. ^ Toyota Blue Grass S. Grade 2”. EQUIBASE. 2021年6月8日閲覧。
  7. ^ a b c Bob Ehalt (2021年5月15日). “Rombauer Upsets Preakness, Medina Spirit Third”. Blood-horse. 2021年6月8日閲覧。
  8. ^ Preakness S. Grade 1”. EQUIBASE. 2021年6月8日閲覧。
  9. ^ Belmont S. Presented by NYRA Bets Grade 1”. EQUIBASE. 2021年6月8日閲覧。
  10. ^ 21年のプリークネスS勝ち馬ロンバウアー、復活ならず2度目の引退JRA-VAN Ver world、2023年11月10日配信・閲覧
  11. ^ a b c 血統情報:5代血統表|Rombauer(USA)|JBISサーチ(JBIS-Search)”. JBISサーチ(JBIS-Search). 日本軽種馬協会. 2021年6月8日閲覧。
  12. ^ a b c d Rombauerの血統表”. netkeiba.com. 2021年6月8日閲覧。