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アサヒカメラ

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
アサヒカメラ
ジャンル カメラ写真
刊行頻度 月刊
発売国 日本の旗 日本
出版社 朝日新聞出版
刊行期間 1926年 - 2020年
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表紙[注釈 1]
発行年 写真家
1962 1 - 12月 安西吉三郎
1963 1-12月 今村昌昭
1964 1 - 4月 横須賀功光
5 - 8月 杉木直也
9 - 12月 林宏樹
1965 1 - 4月 藤井秀樹
5 - 8月 長岡宏
9 - 12月 立石敏雄
1966 1 - 4月 西宮正明
5 - 8月 浅野重司
9 - 12月 操上和美
1967 – 8 該当なし
1969 1 - 12月 操上和美
1970 1 - 12月 森山大道
1971 1 - 12月 小西海彦
1972 1 - 12月 篠山紀信
1973 1 - 12月 高梨豊
1974 1 - 12月 佐藤明
1975 1 - 12月 沢渡朔
1976 1 - 12月 柳沢信
1977 1 - 12月 大倉舜二
1978 該当なし
1979 1 - 12月 佐藤明
1980 1 - 12月 稲村隆正
1981 1 - 12月 稲越功一
1982 1 - 6月 十文字美信
7 - 12月 横須賀功光
1983 1 - 12月 沢渡朔
1984 該当なし
1985 1 - 12月 沢渡朔

アサヒカメラとは、朝日新聞出版2008年3月までは朝日新聞社)から刊行されていたカメラ写真に関する雑誌

概要

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1926年に創刊。前年に開催された『アサヒグラフ』主催「ニエプス写真百年祭」で、アマチュア写真家団体の統一組織として全日本写真連盟の設立が提案され、その機関紙として企画された経緯がある。

初代編集長は『アサヒグラフ』写真面を担当していた成沢玲川であり[2][3]、成沢は写真家立木義浩の伯父にあたる[4]

写真作品を紹介するページもあるが、鑑賞よりもむしろ「撮影」、すなわち写真機材や撮影技術の紹介に重点が置かれており、休刊までそのスタイルで一貫していた。

第二次世界大戦中の1942年に一時休刊するも、戦後の1949年10月号から復刊した。復刊後の編集長は津村秀夫(7年間)。2018年現在の編集長は佐々木広人[5][6]

長年にわたる部数低迷に加え、2020年には新型コロナウイルス感染症の流行の影響から広告収入が激減したことに伴い、発行を維持することが困難となり、同年6月19日発売の同年7月号を持って休刊することとなった。これにより現存する定期刊行の写真雑誌としては最古となる94年の歴史に幕を下ろした。今後は朝日新聞出版のニュースサイト「AERA dot.」で記事を配信するとともに、増刊やムックは発行を予定しているほか、木村伊兵衛写真賞は引き続き朝日新聞社・朝日新聞出版の共催で続けていくとしている[7]。最終号の特集は「構図は名作に学べ!」であった[8]

木村伊兵衛写真賞

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朝日新聞社主催による写真の賞で、プロ・アマ・年齢を問わず、毎年1月から12月までに雑誌・写真集・写真展などに発表された作品を対象とし、写真の創作・発表活動において優れた成果をあげた新人に贈られる。受賞発表・選考内容等は毎年3月発行の本誌に掲載される。

事件

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  • 本誌2009年1月号に表紙及び一部特集記事が先行掲載され、2009年1月31日に発売された写真集『20XX TOKYO』(篠山紀信撮影)に関して、公然わいせつ罪礼拝所不敬罪東京簡易裁判所から篠山本人に対し罰金30万円の略式命令が下った。
  • 写真家の丸田祥三小林伸一郎間で争われている風景剽窃裁判を記事にするにあたり、原告弁護団から提供を受けた裁判の争点となっている写真を裁判と無関係な写真にすり替え、事実とは異なる捏造記事を2009年3月号に掲載した。その後、アサヒカメラ側は自らの非を認めて謝罪し、2009年4月号にお詫びと訂正を掲載した。写真のすり替えについては、原告弁護団から写真の提供を受けたライターが「自分の自宅に隠した」ことを、アサヒカメラ編集部による内部調査で認めている。

1月号表紙・巻頭グラビア

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1995年からその年の1月号の表紙、及び、巻頭グラビアの撮影を篠山紀信が担当している。

巻頭グラビアタイトル 巻頭グラビアモデル 表紙モデル 頁数
2019 ラ・リューシュの館
  • 結城モエ
  • 松井りな
  • 高尾美有
  • 松井りな
  • 高尾美有
32
2018 処女(イノセンス)の館
  • 玉城ティナ
  • 今野杏南
  • 北条麻紀
  • 平塚千瑛
  • 水野沙羽
  • 明里つむぎ
  • 東凜
  • 橋本ありな
人形協力
4woods
早乙女トトロ
七彩
玉城ティナ 32
2017 快楽の館2
  • 壇蜜
  • 和泉里沙
  • KIKI
  • 麻乃ゆりあ
  • 境橋りお
  • 松田リヤ
  • 佐々木心音
  • 三上悠亜
  • 紗倉まな
  • 星空もあ
  • 桃瀬ゆり
  • 成田エリ
  • 染谷有香
  • 葉加瀬マイ
  • 堀江愛美
  • マックフォーデン裕美
  • 三上のどか
  • 遥エリ
  • 矢吹春奈
壇蜜 32
2016 館にてⅡ 記載なし 記載なし 32
2015 官能とデガダンの館にでの出来事 記載なし 記載なし 32
2014 Deauville Nuville 記載なし 記載なし 24
2013 Before/After
  • YURIYA KIRITANI
  • AYAKA TOMODA
  • YUKIKO SUOU
  • HITOMI NAKAMURA
  • MEISA CHIBANA
  • YUI FUJISHIMA
  • MAKO ODA
  • MIKU OHASHI
  • SAKI NINOMIYA
  • RISA TSUKINO
  • TSUBASA AMAMI
  • MAKOTO YUUKI
  • NANAMI KAWAKAMI
  • MIDORI HAYAKAWA
  • ASUKA KUROSAWA
桐谷ユリア 32
2012 Before/After 記載なし 記載なし 16
2011 AKB48劇場
  • 高橋みなみ
  • チームA
  • チームB
  • チーム研究生(AKB48)
大島優子 16
2010 仁左衛門の性根
  • 片岡仁左衛門
  • 坂東玉三郎
  • 片岡仁左衛門
  • 坂東玉三郎
16
2009 20XX 原沙央莉 原沙央莉 16
2008 海老蔵ラビアンス 市川海老蔵 市川海老蔵 16
2007 芝居小屋の勘三郎
  • 中村勘三郎
  • 中村扇雀
  • 片岡亀蔵
  • 片岡市蔵
  • 中村七之助
  • 坂東弥十郎
  • ボランティアの女子高生(同朋高校)
中村勘三郎 16
2006 カブキはカゲキ
  • 坂東玉三郎
  • 中村勘三郎
  • 尾上菊之助
坂東玉三郎 16
2005 夜へ EIKO KOIKE EIKO KOIKE 小池栄子 16
2004 Tokyo Digital Night
  • 米倉涼子
  • 小倉ありす
  • 薫桜子
  • 香山聖
  • 瀬戸朝香
南波杏 16
2003 かくも甘きデジタルの官能
  • 安達祐実
  • 小倉聖
  • 清水あき
  • 仲間由紀恵
  • 酒井はな
安達祐実 16
2002 ザ・デジタル
  • 天及りん
  • 苺みるく
  • 深芳野
  • 青木理央
苺みるく 16
2001 初春八掛拾大歌舞伎
  • 坂東玉三郎
  • 中村福助
  • 市川右近
  • 市川猿之助
坂東玉三郎 16
2000 肉体の愉悦
  • マニュエル・ルグリ
  • オレリー・デュポン
  • バンジャマン・ペッシュ
  • イザベル・ゲラン
  • モニク・ルディエール
  • エリザベット・モーラン
  • マニュエル・ルグリ
  • オレリー・デュポン
16
1999 愛と肉体
  • マニュエル・ルグリ
  • バンジャマン・ペッシュ
  • オレリー・デュポン
  • ステファーヌ・ブーリ
  • 木村規予香
  • ローラン・フォーゲル
オレリー・デュポン 16
1998 鍛錬と肉体
  • ピア・ゲネット
  • アンナ・ポリカルバヴァ
  • アン、ロベルト・ボッレ
  • ウラジミール・マラーホフ
アンナ・ポリカルバヴァ 16
1997 美しい肉体 (アトランタ五輪・TOTO国際スーパー陸上で撮影) 記載なし 15
1996 乙女の祈り
  • 吉野紗香
  • 水谷妃里
  • 宝生舞
  • 裕木奈江
  • 山崎俗里
  • 真田麻垂美
  • 栗山千秋
  • 豊宮三馨
  • 五十嵐淳子
  • アンジェラ
  • 小針知子
  • 吉川ひなの
  • 浜丘麻矢
吉野紗香 15
1995 芸術写真
  • ロビン
  • ポケない座の皆さん
  • コーリー
  • デビー
  • 制服向上委員会
  • ジミー
  • 吉野紗香
  • 梅宮アンナ
  • 宮沢りえ
宮沢りえ『白い花』 15

モデル名については該当雑誌内に表記が通り記述。巻頭グラビア・目次・撮影ノートにもモデル名の掲載が無き場合、“記載なし”とした。

但し例外的ではあるが1997年はモデル名の記載がなかったが、本文に“アトランタ五輪・TOTO国際スーパー陸上”とあり、モデルを特定する重要な情報としてこれを記載した。

また、2018年は“<人形協力>4woods、早乙女トトロ、七彩”とあり、人間モデルではないが人形を特定する重要な情報としてこれを記載した。4woodsラブドール製造メーカー、早乙女トトロはラブドールレンタル店 エロエロ天使店主、七彩はマネキン人形製造メーカーである。

年鑑

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アサヒカメラの編集で、第二次世界大戦前から断続的に年鑑が刊行されている。例えば「日本写真年鑑」、「アサヒカメラ年鑑」、「カメラブック」などである。刊行時期により、その内容は大きく異なる。

刊行は2011年以降休止されている。

刊行物

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アサヒカメラを名称に付けた、写真撮影に関する書籍を積極的に刊行している。例えば、次のようなものが存在する。

  • アサヒカメラ教室
  • アサヒカメラ講座/新アサヒカメラ講座
  • アサヒカメラ叢書
  • アサヒカメラニューフェース診断室

戦前のアサヒカメラの巻号

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戦前(第二次世界大戦終了まで)のアサヒカメラの「巻」は、1年の前半(1月号 - 6月号)と後半(7月号 - 12月号)で異なっている。そのようにしていた理由は不明である。なお、「巻」と刊行時期の対応は具体的には以下のとおり。

  • 第1巻→1926年(大正15年)4月号(創刊号) - 6月号
  • 第2巻→1926年(大正15年)7月号 - 12月号
  • 第3巻→1927年(昭和2年)1月号 - 6月号
  • 第4巻→1927年(昭和2年)7月号 - 12月号
  • 第5巻→1928年(昭和3年)1月号 - 6月号
  • 第6巻→1928年(昭和3年)7月号 - 12月号
  • 第7巻→1929年(昭和4年)1月号 - 6月号
  • 第8巻→1929年(昭和4年)7月号 - 12月号
  • 第9巻→1930年(昭和5年)1月号 - 6月号
  • 第10巻→1930年(昭和5年)7月号 - 12月号
  • 第11巻→1931年(昭和6年)1月号 - 6月号
  • 第12巻→1931年(昭和6年)7月号 - 12月号
  • 第13巻→1932年(昭和7年)1月号 - 6月号
  • 第14巻→1932年(昭和7年)7月号 - 12月号
  • 第15巻→1933年(昭和8年)1月号 - 6月号
  • 第16巻→1933年(昭和8年)7月号 - 12月号
  • 第17巻→1934年(昭和9年)1月号 - 6月号
  • 第18巻→1934年(昭和9年)7月号 - 12月号
  • 第19巻→1935年(昭和10年)1月号 - 6月号
  • 第20巻→1935年(昭和10年)7月号 - 12月号
  • 第21巻→1936年(昭和11年)1月号 - 6月号
  • 第22巻→1936年(昭和11年)7月号 - 12月号
  • 第23巻→1937年(昭和12年)1月号 - 6月号
  • 第24巻→1937年(昭和12年)7月号 - 12月号
  • 第25巻→1938年(昭和13年)1月号 - 6月号
  • 第26巻→1938年(昭和13年)7月号 - 12月号
  • 第27巻→1939年(昭和14年)1月号 - 6月号
  • 第28巻→1939年(昭和14年)7月号 - 12月号
  • 第29巻→1940年(昭和15年)1月号 - 6月号
  • 第30巻→1940年(昭和15年)7月号 - 12月号
  • 第31巻→1941年(昭和16年)1月号 - 6月号
  • 第32巻→1941年(昭和16年)7月号 - 12月号
  • 第33巻→1942年(昭和17年)1月号 - 4月号(戦前の最終号)

戦前の期間では全部で193号(193冊)が刊行されている。ただしそれ以外に「臨時増刊」も適宜刊行されている。臨時増刊の具体例は以下のとおり。

  • 1935年6月:最新の写真知識
  • 1936年4月:アマチュア春の写真術
  • 1936年7月:アマチュア夏の写真術
  • 1936年9月:アマチュア秋の写真術
  • 1936年12月:アマチュア冬の写真術
  • 1937年4月:春の大衆版
  • 1937年6月:夏の大衆版
  • 1937年8月:最新の写真知識
  • 1937年10月:秋の大衆版
  • 1937年10月:人物写真術
  • 1937年12月:冬の大衆版
  • 1938年4月:春の特別号
  • 1938年6月:夏の特別号
  • 1938年10月:秋の特別号
  • 1938年11月:子供の撮り方
  • 1938年12月:冬の特別号
  • 1939年4月:春の写真術 海と山
  • 1939年6月:夏の写真術
  • 1939年10月:秋の写真術
  • 1939年12月:冬の写真術
  • 1940年2月:最新の写真知識
  • 1940年4月:春の特別号
  • 1940年6月:夏の特別号
  • 1940年10月:秋の特別号

脚注

[編集]

注釈

[編集]
  1. ^ 1962年から1985年までの間、一人の写真家に4ヶ月以上連続で表紙を担当させた。 [1]

出典

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  1. ^ 「表紙にみるアサヒカメラの歴史」『アサヒカメラ』第91巻第4号、2006年3月、233 - 44頁、ISSN 0044-9148 
  2. ^ 上田を支えた人々 上田人物伝 成澤玲川”. 上田市マルチメディア情報センター. 2011年7月15日閲覧。
  3. ^ 金丸重嶺「写真界夜話(8)成沢玲川のこと」『アサヒカメラ』第42巻第5号、1957年7月、186-187頁。 
  4. ^ 日本大百科全書・立木義浩
  5. ^ “秋田のバーで月刊カメラ誌編集長と語る会”. 秋田経済新聞. https://akita.keizai.biz/headline/2983/ 2018年5月4日閲覧。 
  6. ^ “カメラ誌 ヌード特集号は異例の売上げでネット書店で即完売”. NEWSポストセブン. https://www.news-postseven.com/archives/20140228_243062.html?DETAIL 2014年2月28日閲覧。 
  7. ^ “現存する日本最古のカメラ雑誌「アサヒカメラ」が休刊に”. デジカメ Watch. (2020年6月1日). https://dc.watch.impress.co.jp/docs/news/1256119.html 2020年6月1日閲覧。 
  8. ^ アサヒカメラ最終号の特集は「構図は名作に学べ!」 篠山紀信・森山大道らが語る94年の歴史と思い出も、AERA dot.、2020年6月19日。

関連項目

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外部リンク

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