東京メトロ千代田線
千代田線 | |||
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千代田線の主力車両16000系 (代々木上原駅にて) | |||
基本情報 | |||
国 | 日本 | ||
所在地 | 東京 | ||
種類 | 地下鉄 | ||
路線網 | 東京メトロ | ||
起点 | 綾瀬駅 | ||
終点 | 代々木上原駅、北綾瀬駅 | ||
駅数 | 20駅 | ||
路線記号 | C | ||
路線番号 | 9号線 | ||
路線色 | グリーン | ||
開業 | 1969年12月20日 | ||
所有者 | 東京地下鉄 | ||
運営者 | 東京地下鉄 | ||
車両基地 | 綾瀬検車区、代々木車庫 | ||
使用車両 |
綾瀬-代々木上原間:6000系、16000系 10両編成 綾瀬-北綾瀬間:05系 3両編成 | ||
路線諸元 | |||
路線距離 | 24 km | ||
軌間 | 1,067 mm | ||
線路数 | 複線 | ||
電化方式 | 直流1,500 V 架空電車線方式 | ||
閉塞方式 | 車内信号閉塞式 | ||
保安装置 |
新CS-ATC ATO(綾瀬-北綾瀬区間運転列車) | ||
最高速度 |
綾瀬-代々木上原間:80 km/h 綾瀬-北綾瀬間:60 km/h | ||
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路線図
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千代田線(ちよだせん)は、東京都足立区の綾瀬駅から渋谷区の代々木上原駅間および、足立区の北綾瀬駅間を結ぶ東京地下鉄(東京メトロ)が運営する鉄道路線。鉄道要覧における名称は9号線千代田線である。車体および路線図や乗り換え案内で使用されるラインカラーは「グリーン」(緑)、路線記号はC。
概要
1962年(昭和37年)の都市交通審議会答申第6号において、東京8号線が「喜多見方面より原宿、永田町、日比谷、池ノ端および日暮里の各方面を経て松戸方面へ向かう路線」として示された。その後、1964年(昭和39年)の改訂で日暮里を経由し松戸方面に向かう経過地については、西日暮里、町屋、北千住を経て常磐線に接続し、綾瀬以遠は常磐線を線増することが示されたほか、喜多見方面から原宿までの経過地については喜多見 - 代々木上原間は小田急線を線増することが示された。同年12月6日の建設省告示3379号において、第6号答申の東京8号線は東京9号線として確定した。さらに、1972年(昭和47年)の都市交通審議会第15号答申では起点側に橋本 - 喜多見間が加えられた(ただし、小田急側の要請により乗り入れ区間は本厚木 - 代々木上原間とされた)。このうち、綾瀬 - 代々木上原間が千代田線として1969年(昭和44年)から1978年(昭和53年)にかけて順次開業している。
本路線の「千代田線」という路線名称は、営団(東京地下鉄の前身)で初めて職員より募集を行ったもので、応募された路線名称は1,443点、205線名に及んだ。審査の結果、応募数が208名と最も多かった「千代田線」が選ばれた。また、本路線は千代田区内を貫通して運転されていることもふさわしい理由とされた[1]。
車両規格の関係で十分な輸送力が確保できない既存3路線(銀座線・丸ノ内線・日比谷線)の混雑解消を目的とした「バイパス3路線」の第1号(他の2路線は有楽町線・半蔵門線)であり、大手町、霞ケ関、国会議事堂前など官公庁や大企業を多数擁する駅を通る重要な通勤路線である。特に東武鉄道との直通運行により、混雑が激しくなった日比谷線の混雑緩和が目的とされた。緩和効果については常磐線複々線化の沿革と問題を参照されたい。
茨城県や千葉県から東京都を結んでいる常磐快速線や、相互直通運転を行う常磐緩行線からの乗客が多いが、東武伊勢崎線の乗客が同線と相互乗り入れする日比谷線、半蔵門線を利用せず、北千住駅から千代田線を使う乗客も多い。理由は日比谷線よりも千代田線の方が日比谷・霞ケ関両駅[2] へ、また半蔵門線よりも千代田線のほうが大手町駅への所要時間[3] が短いためである。さらに、朝の通勤ラッシュ時の遅延が度々起きている。
北千住 - 綾瀬間は、運賃計算上はJR常磐線(各駅停車)との二重戸籍区間で、運賃などの扱いが異なる(後述)。この区間は東京地下鉄の路線で唯一「青春18きっぷ」が利用できる区間となっている。また、この区間は2013年3月23日の交通系ICカード相互利用開始以前からSuicaおよびSuicaと相互利用可能なICカードがすべて利用できた。
連絡乗車券は、直通するJR東日本(北千住接続、常磐線亀有 - 取手間、他に一部武蔵野線)・小田急電鉄(代々木上原接続、南新宿 - 代々木八幡間、東北沢 - 小田原・片瀬江ノ島・唐木田間および、箱根登山鉄道箱根湯本)のほかに東武鉄道への連絡乗車券も発売している(北千住接続)。
千代田線は代々木上原 - 綾瀬間と綾瀬 - 北綾瀬間で運行系統が分断されているが、駅ナンバリングの番号は代々木上原から北綾瀬まで通しでつけられている。なお、将来的には北綾瀬から代々木上原方面まで通し運行される列車が設定される見通しである。
路線データ
- 路線距離(営業キロ):24.0 km(綾瀬 - 代々木上原間21.9 km、綾瀬 - 北綾瀬間2.1 km)
- 軌間:1067mm
- 駅数:20駅(起終点駅含む)
- 複線区間:全線
- 電化区間:全線(直流1500V架空電車線方式)
- 閉塞方式:車内信号閉塞式
- 保安装置:新CS-ATC・ATO(綾瀬 - 北綾瀬間のみ)
- 列車無線方式:誘導無線 (IR) 方式
- 最高速度:綾瀬 - 代々木上原間80km/h・綾瀬 - 北綾瀬間60km/h
- 平均速度:綾瀬 - 代々木上原間42.2 km/h
- 表定速度:綾瀬 - 代々木上原間34.4 km/h
- 車両基地:綾瀬検車区、代々木車庫
- 地上区間:代々木上原駅付近、北千住 - 綾瀬 - 北綾瀬間(綾瀬 - 代々木上原間は計2.9 km、綾瀬 - 北綾瀬間は全線)
本路線の綾瀬 - 代々木上原間に要した建設費用は総額1,595億円である。
その内訳は土木関係費が941億6,138万3,000円、電気関係費が100億1,037万1,000円、車両関係費が270億7,430万3,000円、その他が282億5394万3,000円となっている[1]。
沿革
- 1964年(昭和39年)
- 1966年(昭和41年)7月30日 北千住 - 大手町間の建設工事に着手。以後、各区間の建設工事を順次開始。
- 1968年(昭和43年)12月16日 霞ケ関 - 代々木公園間の建設工事に着手。これにより、千代田線全区間で建設工事が始まる。
- 1969年(昭和44年)
- 1971年(昭和46年)
- 1972年(昭和47年)10月20日 霞ケ関 - 代々木公園間 (6.2 km) 開業。
- 1978年(昭和53年)
- 1979年(昭和54年)12月20日 綾瀬 - 北綾瀬間分岐線 (2.1 km) 開業(車庫線の旅客扱い化)。
- 1981年(昭和56年)10月5日 5000系の綾瀬 - 北綾瀬間以外での営業運転終了、綾瀬 - 北綾瀬間用をのぞき東西線に転属。
- 1982年(昭和57年)11月15日 常磐緩行線への乗り入れ区間を朝夕ラッシュ時間帯に限り取手駅まで延長。乗り入れ用車両として203系が営業運転開始。
- 1987年(昭和62年)4月1日 国鉄分割民営化に伴い乗り入れ先が東日本旅客鉄道(JR東日本)となる。
- 1988年(昭和63年) 小田急電鉄が新たな直通用車両として1000形を導入(直通対応車は一部編成のみ)、1990年(平成2年)までに9000形と順次置き換え(9000形は地上専用となり、2006年に運用終了)。
- 1991年(平成3年)3月16日 小田急線との相互直通運転を休日にも拡大。
- 1993年(平成5年)3月18日 06系営業運転開始。
- 1995年(平成7年)3月20日 地下鉄サリン事件発生。
- 1997年(平成9年)10月12日 営団地下鉄初のイベント列車「ドリームエクスプレス'97」が小田急多摩線唐木田 - 霞ケ関間で往復運行される(なお、有楽町線・日比谷線でも同様のイベントが同時に行われた)。
- 1998年(平成10年)3月11日 代々木上原 - 代々木公園間で職員3人が回送列車にはねられ死亡する事故が発生。
- 1999年(平成11年)
- 11月27日 全線で新CS-ATC化を実施。
- 12月4日 新CS-ATC化を踏まえたダイヤ改正を実施。綾瀬 - 代々木上原間の最高速度を75km/hから80km/hに向上し、同区間で所要時間を50秒短い38分10秒に短縮。JR東日本では列車の増発に合わせて209系電車(1000番台)を2編成投入。
- 2000年(平成12年)12月2日 小田急線との相互直通運転列車を大増発(日中30分ヘッド)、多摩線唐木田から綾瀬への急行を新設(当初は片道1本のみを小田急車で運転)。千代田線車両の小田急線内での夜間留置(外泊運用)が設定される。
- 2001年(平成13年)8月26日 綾瀬 - 北千住間で同区間を終日運休にしてのリフレッシュ工事が行われる。
- 2002年(平成14年)3月23日 小田急線への乗り入れ列車の大半を相模大野駅発着の準急から多摩線唐木田発着の多摩急行に変更(営団車が定期列車としては初めて多摩線にも乗り入れる)。綾瀬 - 北綾瀬間でワンマン運転を開始。
- 2003年(平成15年)3月29日 営団車での小田急小田原線内発着廃止。定期列車での本厚木・相模大野発着列車は、これ以降2016年3月25日まで小田急車の担当となる。
- 2004年(平成16年)
- 2006年(平成18年)5月15日 朝の通勤時間帯に女性専用車両を導入。
- 2007年(平成19年)
- 3月18日 PASMO導入。
- 小田急電鉄が新たな直通用車両として4000形を導入(1000形の直通対応車は2011年までに順次地上専用となる)。
- 2008年(平成20年)
- 3月15日 全車指定席特急(小田急ロマンスカー60000形「MSE」)の運転を開始。
- 9月11日 07系(07-101編成)が東西線編成と同様の青帯で千代田線で運用開始。12月まで。
- 2009年(平成21年)9月9日 JR東日本が新たな直通用車両としてE233系(2000番台)を導入。
- 2010年(平成22年)
- 2011年(平成23年)
- 3月14日 同月11日に発生した東北地方太平洋沖地震(東日本大震災)による発電所の停止に伴う電力供給逼迫のため、東京電力が輪番停電(計画停電)を実施。これに伴い、この日から小田急小田原線・多摩線との相互直通運転および特急ロマンスカーの運転が休止される。
- 4月1日 小田急小田原線・多摩線との相互直通運転が平日の朝・夕ラッシュ時のみ再開される。
- 4月29日 特急ロマンスカーの運転が再開される。
- 7月2日 土休日の小田急小田原線・多摩線との相互直通運転が再開される。
- 9月12日 平日日中時の小田急小田原線・多摩線との相互直通運転が再開され、東北地方太平洋沖地震発生前の運行に戻る[7]。
- 2014年(平成26年)
- 2016年(平成28年)
- 3月26日 ダイヤ改正により、JR東日本・メトロ・小田急の3社の車両がそれぞれ相互直通する運用形態に改められ(ただし、JR209系1000番台は小田急線に、小田急60000形はJR線には乗り入れない)、小田急線との直通列車を増発(多摩急行の大半は急行と準急に変更)。メトロ車での小田急小田原線内発着列車(準急)が13年ぶりに復活した。
- 2018年(平成30年)度 綾瀬 - 代々木上原間のホームドアの設置工事が行われる予定[9]。
運行形態
定期列車は後述の特急ロマンスカー(メトロはこね、メトロホームウェイ)を除き、全て各駅停車である。小田急線直通列車については、小田急線内での列車種別(準急・急行・多摩急行)で案内している。
現在運転されている営業列車は特急を除き、必ず綾瀬駅を通るようになっている。すなわち、綾瀬駅から代々木上原駅へ向かうA線はすべて綾瀬発および常磐線からの直通であり、代々木上原駅から綾瀬駅へ向かうB線はすべて綾瀬駅まで運転されている。したがって、A線の途中駅始発やB線の途中駅止まりの列車は存在しない。
平日は朝夕ラッシュ時が約2 - 4分間隔、日中時間帯が約5分間隔で運行されている。朝には霞ケ関駅発着や明治神宮前行きの電車も少数運行されている。土曜・休日は朝晩を除き、終日約5分間隔で運行されている。
種別\駅名 | 我 孫 子 |
… | 綾 瀬 |
… | 代 々 木 上 原 |
… | 唐 木 田 |
本数 | ||||
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急 行 | 3本 | |||||||||||
各駅停車 | 3本 | |||||||||||
6本 |
両端駅以外で列車の折り返しが可能なのは北千住駅・湯島駅・大手町駅・霞ケ関駅・表参道駅・明治神宮前駅・代々木公園駅である。表参道駅・代々木公園駅以外は各駅を発着する列車が現在でも設定されており、6000系には定期列車で行き先設定がない駅の分の方向幕もある。湯島駅の綾瀬寄りと霞ケ関駅の代々木上原寄りには引き上げ線が存在し、夜間に列車を留置して翌朝の当駅始発列車に充当している。大手町駅発着は平日夜の下り特急ロマンスカーのみである。これは、湯島駅の引き上げ線を利用して大手町駅まで回送してくるため、大手町駅で直接折り返しているわけではない。また、明治神宮前駅 - 代々木公園駅間では、代々木公園直下に設置されている代々木車庫への回送線が分岐しており、非常時に明治神宮前駅折返しを行う場合はこの回送線を利用して折り返す(明治神宮前駅構内はポイントがないため、直接折り返すことができない)。また、平日下りの明治神宮前行きは明治神宮前駅で乗客を降車させた後に代々木車庫へ回送し入庫する。この車庫の列車を代々木上原始発の上り列車に充当する時は、代々木上原駅まで下り回送列車となる。なお、一部の代々木上原行きは、代々木上原駅 - 代々木公園駅間を折り返し上り回送列車として走り、そのまま代々木車庫へ入庫する。
常磐線と小田急線との相互乗り入れ
代々木上原駅からは小田急小田原線の本厚木駅および新百合ヶ丘経由で多摩線の唐木田駅まで、綾瀬駅からはJR東日本常磐緩行線の取手駅までそれぞれ相互直通運転を実施している。2018年3月17日のダイヤ改正で小田原線の直通運転区間が伊勢原駅まで延長され、多摩線直通は廃止される。
乗り入れ可能な最端駅は、東京メトロ車、JR車、小田急車ともJR側は取手駅までである(ただし、小田急車の我孫子駅 - 取手駅間の乗り入れは夕方に平日2往復、土休日1往復のみ)。一方、小田急側は東京メトロ車とJR車では唐木田駅および伊勢原駅までとなっている(ただし、東京メトロ車およびJR車の本厚木駅 - 伊勢原駅間は定期回送列車のみ。また、小田急車は特急が箱根登山鉄道の箱根湯本駅までの営業運転に対して、通勤車は原則的に本厚木駅までの営業運転となっている(臨時列車はこの限りではない)。
特に、常磐緩行線とはほぼ一体化した運行形態になっていて、実質千代田線の延長のようになっている。そのため駅の列車案内では常磐緩行線の存在を強調して、綾瀬行きを「この電車は綾瀬止まりです」と案内したり、北千住駅で常磐線直通列車を「常磐線各駅停車」と案内することもある(これは、北千住駅が常磐快速線との乗換駅になっていることにもよる)。トラブル時には小田急線との直通運転が中止されることは多々あるが、常磐緩行線との直通運転が中止になることは、綾瀬駅が2面3線の構造で両方向での折り返し運転に対応できないこともあり、ダイヤが大幅に乱れている場合でもほとんどない(綾瀬駅 - 松戸駅間での輸送障害が発生した場合などは中止する場合もあるが最優先で復帰させる)。常磐緩行線発の上り電車のほとんどが千代田線へ直通する一方で、千代田線側からは常磐線へ直通運転をしない電車も朝ラッシュ終了近くから日中の時間帯を中心に多数設定されており、平日8 - 9時台は半数以上が綾瀬行きで、日中の場合は約半数が綾瀬駅で折り返す形態となっている。一方、ラッシュのピーク時間帯のほか、平日の夕夜間や土休日の朝夕は大半が常磐線直通となり、綾瀬駅発着の線内列車は少ない(特に平日の夕方は、19時台以降のA線綾瀬始発は23時台の1本しかない)。
常磐線方面は最遠で取手駅まで直通するが、取手駅発着は朝夕時間帯のみで、日中・夜間時間帯の運用はなく(土曜・休日の午後は14時台からある)、主に我孫子駅発着の運転となっている。また、常磐線との直通電車の初電は北千住駅発着で、いずれも4時台に運行されている(松戸発北千住行き・綾瀬発4時38分、北千住発我孫子行き・北千住発4時54分。いずれもJR車の運用)。東京地下鉄では各線の営業運転開始時刻を5時ないしそれ以後の3分以内に揃えているが(東西線のみ東陽町発4時58分の西船橋行きあり)、この列車のみは例外となっている。北千住駅で、北千住行きの列車はJR常磐線快速の上野行き始発電車に、北千住発の列車は上野発の始発快速電車からそれぞれ接続する。なお、最終列車も北千住行き(A線0時30分着)・始発(B線1時04分発松戸行)であり、前者は常磐線快速の上野行き終電に接続し、後者はこの快速の松戸行きの終電から接続する。特に後者の北千住発松戸行きは、東京地下鉄線内では唯一1時台に運転する列車である。
小田急線との直通列車は、唐木田駅発着の急行(小田急線内では、平日朝ラッシュ時は向ヶ丘遊園駅停車・経堂駅通過、日中は両駅停車)・多摩急行(向ヶ丘遊園駅通過・経堂駅停車)、本厚木駅発着(平日朝ラッシュ時B線1本は海老名駅始発)の準急(平日朝ラッシュ時B線のみ経堂駅通過、向ヶ丘遊園駅は終日停車)が運転されている。急行は日中時間帯と平日朝ラッシュ時B線、土休日夕方、多摩急行はそれ以外の時間帯に運転する。準急は朝と夕夜間に設定されている。小田急線内各駅停車の運用はない(代々木上原駅 - 梅ヶ丘駅間が複線のため運転本数の制約があり、また各駅停車のみ停車する直通運転区間内にある駅の一部が10両編成に非対応のため)が小田急車のみ折り返しの送り込みとして各停で運転される列車がある。
2018年3月17日のダイヤ改正で小田急線内直通列車は、急行の他に通勤準急、準急、各停が設定され、日中時間帯は準急として成城学園前発着(土休日のみ)、向ケ丘遊園発着がそれぞれ毎時3本設定される。なお、唐木田発着は後述の1本を除いて廃止となる。また、準急の停車駅に千歳船橋駅、祖師ヶ谷大蔵駅、狛江駅が追加されるほか、朝に新たに小田急線内通勤準急で運転する列車が設定され、小田急線内の停車駅は本厚木駅 - 登戸駅の各駅と、成城学園前駅、経堂駅、下北沢駅、代々木上原駅となる。なお、経堂駅を通過するのは平日夜の急行のみに変更される。平日A線に常磐線・千代田線発として成城学園前(急行・準急・各停)・向ヶ丘遊園(急行・準急・各停)・唐木田(各停)・相模大野(急行・各停)・本厚木(急行・準急・各停)・伊勢原(急行・準急・各停)行きが設定される。平日B線に本厚木(急行・通勤準急・各停)・海老名(通勤準急)・相模大野(急行・通勤準急)・向ヶ丘遊園(急行・準急・各停)成城学園前(急行・通勤準急・準急・各停)・経堂(準急・各停)始発が設定される。土休日A線に常磐線・千代田線発として成城学園前(急行・準急・各停)・向ヶ丘遊園(急行・準急・各停)・相模大野(急行)・本厚木(急行)・伊勢原(急行)行きが設定される。土休日B線に本厚木(急行)・向ヶ丘遊園(急行・準急・各停)成城学園前(急行・準急・各停)始発が設定される[10][11][12]。(括弧内は小田急線内の種別)
列車番号の末尾は、JR東日本車(以後本節ではJR車)がK、東京メトロ車がS、小田急車がEである。JRと東京地下鉄の列車番号は他の路線とほぼ共通。また、小田急線内では列車種別と運転順による列車番号が割り振られる。なお、2008年(平成20年)3月15日改正ダイヤでは、東京メトロ車の4本が唐木田で、小田急車(4000形運用)の2本、2015年(平成27年)3月14日改正ダイヤでは、加えてJR車1本が綾瀬車両基地で、東京メトロ車1本が松戸車両センターでそれぞれ運用終了・夜間留置となる「外泊運用」があった。
2016年3月26日のダイヤ改正以前は、3路線直通運用に充当される車両は東京メトロ車のみで、JR車の小田急線乗り入れおよび小田急車のJR線乗り入れ運用はなかった。これはJR車および小田急車の列車無線が他方に対応していなかったためである(ただし、千代田線と常磐緩行線の保安装置は同じであり、小田急車には当初からJR無線の準備工事はなされていた。JR側も実際には使用していなかったが列車番号末尾「E」を小田急車用として制定していた)。この制約により、綾瀬駅発着列車が少ない時間帯に小田急線直通列車を設定することが困難であったため、この不都合を解消するために2013年4月からJR車・小田急車による3路線直通運転対応工事が行われ[13]、2016年3月26日のダイヤ改正から3社直通運転が開始された[14]。これにより、日中時間帯や平日夕夜間の直通列車が1時間当たり3本になり、早朝・終電間際を除くほぼ全時間帯において直通列車が設定されるようになった。
2016年3月26日のダイヤ改正現在、特急以外の千代田線直通列車として最長距離を運転する列車は取手発本厚木行きの準急(平日夕方に2本、営業キロ93.7 km)である[15]。この取手駅 - 本厚木駅間の準急は、東京メトロ直通列車全体でも、半蔵門線の中央林間駅 - 南栗橋駅間(営業キロ98.6 km)、中央林間駅 - 久喜駅間(営業キロ94.9 km)に次ぐ運転距離である。取手駅 - 本厚木駅間の準急は2000年12月2日のダイヤ改正以前にも設定があり、当時は千代田線および常磐線に直通する種別は準急のみであった。その後、直通列車は唐木田駅発着の多摩急行が中心となり、2003年3月29日のダイヤ改正で常磐線内発着の準急が一旦中止となったことで、2016年3月26日に準急が復活するまでの間は唐木田駅 - 取手駅間(営業キロ80.2 km)の列車が特急以外の千代田線直通列車として最長距離を運転する列車となっていた。唐木田駅 - 取手駅間の列車は2016年3月26日以降でも、A線が平日は多摩急行で2本、土休日は急行で1本、B線は平日2本、土休日3本いずれも急行が設定されている。
なお、有料特急を含めた千代田線直通の最長距離を運転する列車は北千住駅 - 箱根湯本駅間の特急「メトロはこね」(平日1往復、土休日2往復、営業キロ104.4 km)である。また、東京メトロ直通列車で最長距離を運転する列車は、2017年3月25日のダイヤ改正で運転が開始された、副都心線を経由して元町・中華街駅 - 西武秩父駅間(営業キロ113.8 km)を走行する有料座席指定列車「S-TRAIN」(土休日のみ1往復)である。ただし、いずれの列車も東京メトロの車両では運転されることはない。
2016年3月26日改正ダイヤでは、メトロ車は1本が松戸車両センター(本所)・2本が唐木田・1本が海老名で、JR車は1本が綾瀬車両基地・1本が唐木田で、小田急車(4000形運用)は1本が綾瀬車両基地・1本が松戸車両センター我孫子派出所でそれぞれ運用終了・夜間留置となる「外泊運用」が組まれている。ただし2016年3月26日の改正以降、小田急が担当する運用のうち平日、土休日とも2本が東京メトロ車による代走となっている。その関係で、唐木田および海老名にさらに1本ずつメトロ車の「外泊運用」が組まれている。
綾瀬 - 北綾瀬間
綾瀬駅から北綾瀬駅までの分岐線は、代々木上原駅 - 綾瀬駅間との直通列車はなく、3両編成の列車が折り返し運転を行っている。ただし案内上「支線」とは呼ばれず、単に「千代田線」と案内される。開業時に設置された綾瀬駅と車両基地(綾瀬検車区)を結ぶ車庫線を営業用に使用しているものであり、開業前の北綾瀬駅の需要予測からホームの有効長も3両編成分で建設された。この区間は、全線が高架であり、地下を全く通らない。
この区間ではワンマン運転が行われており、綾瀬駅・北綾瀬駅にホームドア(ホームゲート)[16] が設置されている。ただし、駅番号は代々木上原駅 - 綾瀬駅間と通し番号で数えられており、アルファベットも本線と支線で表記が異なる丸ノ内線とは異なり(丸ノ内線は本線が「M」で、支線が「Mb」)、こちらは代々木上原駅 - 綾瀬駅間と同様「C」である。
また、有楽町線の野田市方面延伸(「東京直結鉄道」参照)に関して、一部半蔵門線との共用区間があることや、都心部への遠回りルートになることから、代替案として千代田線を北綾瀬駅から八潮駅、越谷レイクタウン駅または吉川美南駅を経由して野田市まで延伸する構想もある。
2013年度の事業計画によると、北綾瀬駅のホームの有効長を10両編成分に延伸して、代々木上原方面からの直通運転を実施する予定である[17]。完成は2018年度末を予定している[18][19]。
有楽町線との連絡線
霞ケ関駅付近に有楽町線桜田門駅とを結ぶ連絡線が接続している。これは東京地下鉄では8・9号連絡側線とよばれ、延長は572mある。有楽町線や南北線(市ケ谷駅構内に両線を結ぶ連絡線がある)車両の重整備を行うための綾瀬工場への回送や、特急「ベイリゾート」、東京湾大華火祭(小田急線からの直通、有楽町線新木場行き)などの臨時列車が連絡線を通過する。
特急ロマンスカー
2008年3月15日より、北千住駅と小田急小田原線・箱根登山鉄道箱根湯本方面との間に全車指定席の特急ロマンスカーが運転されている。東京地下鉄・営団のみならず、日本の地下鉄では史上初の指定席特急である。車両は東京地下鉄と連携の上で小田急電鉄が用意した60000形「MSE」が使用されている。
列車名は、本厚木発北千住行きが「メトロさがみ」、北千住および大手町(平日のみ)発本厚木行きが「メトロホームウェイ」、北千住 - 箱根湯本間が「メトロはこね」である。千代田線内の停車駅は北千住駅・大手町駅・霞ケ関駅・表参道駅の4駅。ただし、線内での追い越しは設備の都合上不可能であり、前後を走る列車に挟まれて走行することとなる。
また、2011年までは土曜・休日のうち年間30日程度(運転日は年度により異なる)は先述の有楽町線との連絡線を経由し、小田急線から新木場駅まで直通する臨時特急「ベイリゾート」も運行されていた。停車駅は表参道駅と有楽町線の豊洲駅・新木場駅であった(霞ケ関駅も停車したが、列車の向きを変えるための運転停車であり、乗客の乗降はできなかった)。2011年10月[20] 以降運行休止となり、2012年3月17日のダイヤ改正をもって運行中止となった[21]。さらに2016年3月26日のダイヤ改正をもって、唐木田方面への「メトロホームウェイ」も廃止となった。
これらの列車の運転開始に併せて、小田急線内では成城学園前駅に一部列車が停車している。また、一般の列車と同様に地下鉄線内では東京地下鉄の運行乗務員(運転士・車掌)が乗務し、乗務員交代のため代々木上原駅に停車するが、同駅では旅客の乗降扱いは行わない(一部の列車では車内販売員の乗降、および車内販売用の商品の積み下ろしも代々木上原駅で行う)。車内販売員は、小田急レストランシステムのロマンスカーアテンダントが小田急線内のみで業務を行う。
これらの列車は東京地下鉄線内のみを利用することはできず、利用するには距離に関係なく小田急線(箱根登山線を含む)と東京地下鉄線に跨って利用することが必要である(例:北千住駅→表参道駅は不可、表参道駅→成城学園前駅は可能など)。なお、小田急線内のみの利用はできる。
2009年より、それまで通勤形電車で運転されていた臨時列車に代わって特急ロマンスカーが臨時列車に運用されるようになった(「丹沢もみじ号」→「メトロもみじ号」、「初詣&初日の出号」→「メトロニューイヤー号」)。
運賃計算
北千住 - 綾瀬間はJR常磐線としての区間も兼ねるため、同区間の相互発着となる運賃は140円(ICカード運賃は133円)となる特定運賃が設定されている。定期乗車券の運賃・発売区分もJRの制度に準じている(通学定期券は、中学生用・高校生用もある)ほか、回数乗車券は両駅でのみ(北千住駅は千代田線のみ)同区間専用のものを発売している。また、同区間とJR常磐線(亀有・松戸方面、JR南千住・三河島方面)に跨って利用する場合、同区間をJR線乗車区間と見なし、運賃計算上の接続駅も実際の路線区分上の接続駅と異なることになる。
西日暮里までJR線(山手線など)、西日暮里 - 北千住間を千代田線、北千住から再びJR線を利用する場合(逆方向を含む)、一部の発着駅について「通過連絡運輸」という特別な運賃計算方法がある。詳細は連絡運輸#通過連絡運輸を参照。また、これに関連して綾瀬 - 西日暮里間で千代田線を利用して西日暮里からJR線を利用する場合(逆方向を含む)、綾瀬 - 西日暮里間の運賃を170円(ICカード運賃は165円。通常は乗車券200円、ICカード運賃は195円)とする特定運賃がある。詳細は綾瀬駅の記事を参照。
2007年3月18日からPASMOとSuicaの相互利用サービスが開始されたが、JRと東京地下鉄が相互直通運転を行っている取手 - 亀有間と高円寺 - 三鷹間を相互発着する場合に千代田線・東西線(大手町)経由か東中野・三河島(JR線)経由か区別できないという現象が生じる。この場合、入場駅・出場駅がいずれも共用駅(改札内を共有する駅、綾瀬・北千住・中野)でないJR線の駅の場合は後者、いずれか一方でも共用駅の場合は前者とみなされる。特に、取手 - 吉祥寺・三鷹間を相互発着する場合は全線JRを利用した方が運賃が高くなるため、問題となっている。
東京地下鉄および日比谷線・半蔵門線が乗り入れている東武鉄道ではPASMOおよびこれと相互利用可能なICカード(かつてはパスネットも)を利用することができるが、伊勢崎線北千住・押上経由で千代田線と半蔵門線を乗り継いだ場合は、PASMOの仕様上東武線の運賃は計算されず、全線東京地下鉄線経由で計算され、大手町経由または表参道経由と同一の金額が算出される。
車両
以下の車両が使用されている。
他社車両が乗り入れてきた際に発生する車両使用料を相互乗り入れ距離で相殺するため、小田急車にも関わらず小田急線に直通しない(代々木上原折り返し・霞ケ関発着)運用やJR東日本車でJR常磐線内に直通しない(綾瀬折り返し)運用もある。逆に、直通先の常磐緩行線では千代田線に直通しない東京メトロ車の運用もある。2014年3月15日のダイヤ改正で、日中の運転間隔が5分間隔となった関係で、日中の多摩急行は東京メトロ車のみの運用となったため、小田急車の千代田線内での折り返し運用が増加した。
各車両における弱冷車・車椅子スペース位置の違い | ||||||||||
← 代々木上原・唐木田・本厚木 綾瀬・取手 →
| ||||||||||
JR東日本車・東京メトロ車 | ||||||||||
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東京メトロ16000系4次車以降 | ||||||||||
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小田急車 | ||||||||||
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車両設備については、千代田線と常磐緩行線では弱冷房車(第4車両)や車椅子スペース・ベビーカースペース(第2・9車両)などの位置が揃えられているが(東京メトロ16000系4次車以降はすべての車両に設置)、小田急の車両は統一されていない(弱冷房車: 第2車両、車椅子スペース・ベビーカースペース: 第1・10車両)。かつては優先席の位置も異なっていた(JR東日本E233系2000番台も導入当初は2号車の優先席位置が異なっていた。対面側は車椅子スペース)が、こちらは2009年3月より小田急の車両が優先席の位置を移動することにより統一された。4000形第1 - 7編成の化粧板の着色にその名残がある。
車内には路線図が掲出されているが、これが2004年12月11日の小田急多摩線はるひ野駅新設に伴い全面改訂された。ただし、この時点では書体に大きな変更はなかった。さらに翌2005年8月24日の首都圏新都市鉄道つくばエクスプレス開業時には書体も含めて全面改訂された。また、JR東日本車に掲出されている路線図は常磐線(快速電車)と同一のものが長らく使用されており、千代田線内は駅名が列挙されるのみで乗り換え案内が全く掲載されていない状態が続いていたが、2004年秋ごろより常磐緩行線独自の路線図に変更され、千代田線内の乗り換え案内や駅番号まで掲載されるに至った。203系や209系1000番台ではこの駅番号の表記は「C1」「C2」…と、本来の表記方法の「C-01」「C-02」…とは異なっているものの、2009年より運用を開始したE233系2000番台のLCD式車内案内表示器では、本来の表記方法の「C-01」「C-02」…で表記されている。なお、メトロ車・小田急車の車内には東京メトロおよび東京都交通局(都営地下鉄)の路線図(メトロネットワーク)が掲出されているが、JR東日本車の割合が比較的高い路線でありながらJR東日本車にはこの掲示がなく、首都圏全体のJR線のみの路線図はあるという状況が続いている。
自社車両
綾瀬駅 - 代々木上原駅間
-
6000系
-
16000系
綾瀬駅 - 北綾瀬駅間
-
試運転中の05系
乗り入れ車両
- 東日本旅客鉄道(JR東日本)
- 209系1000番台 - 小田急線乗り入れ非対応で前面にサークルE表示を掲出している。
- E233系2000番台
-
209系1000番台
-
E233系2000番台
- 小田急電鉄
- 4000形
- 60000形「MSE」 - JR東日本線乗り入れ非対応
-
4000形
-
60000形「MSE」
過去の車両
自社車両
-
営団5000系
(スキンステンレス車) -
5000系
(アルミ試作車) -
6000系
(第1次試作車) -
06系
-
千代田線を走る
東京メトロ07系
(2008年9月30日 / 代々木上原)
乗り入れ車両
- 国鉄103系1000番台
- 国鉄207系900番台
- 2009年(平成21年)撤退、翌2010年(平成22年)廃車。
- 国鉄203系
- 2011年(平成23年)9月撤退、廃車または海外譲渡。
- 小田急9000形
- 小田急1000形
- 4000形の増備により、2010年(平成22年)夏頃に撤退。
-
国鉄103系1000番台
-
203系
-
207系900番台
-
小田急9000形
-
1000形
女性専用車
女性専用車 | ||||||||||
← 代々木上原・唐木田・本厚木 綾瀬・我孫子・取手 →
| ||||||||||
|
2006年5月15日から平日ダイヤの朝ラッシュ時に女性専用車が設定されている。両端の駅を7:10 - 9:30に発車する全列車に設定される(特急ロマンスカーおよび綾瀬 - 北綾瀬間をのぞく)。線内で9:30を過ぎた時点で女性専用車の扱いは解除となる。
- A線(代々木上原・本厚木・唐木田方面):1号車(進行方向先頭車両)、実施区間は取手→代々木上原間
- B線(北千住・綾瀬・松戸・我孫子方面):1号車(進行方向最後尾車両)、実施区間は唐木田・本厚木→綾瀬間
なお、東西線では途中駅である妙典始発の列車についても対象であるとの記述があるが、千代田線B線における霞ケ関始発列車についての言及が一切ない。
利用状況
2016年度の最混雑区間(A線、町屋 → 西日暮里間)の混雑率は178%である[24]。
開業当初から朝ラッシュ時の混雑は激しく、混雑率は1974年度の時点で210%を越えていた。綾瀬 - 北綾瀬間が開業した1979年度からは輸送人員が急激に増加し、1984年度には混雑率が260%を記録した。1985年度以降はダイヤ改正の度に朝ラッシュ時の運転本数が増発され、1988年度からは毎時27本が運転されるようになったが、混雑率は220%前後で高止まりの状況が続いた。
輸送人員は1991年をピークに減少傾向であったが、混雑率は1998年度まで210%を越えており、東京の地下鉄で最も混雑する路線であった。1999年度に新CS-ATCが導入されたことで、同年度のダイヤ改正から朝ラッシュ時の運転本数が毎時29本に増発され、混雑率は200%を下回った。また、2003年3月19日に半蔵門線が押上まで延伸して東武伊勢崎線との相互直通運転を開始し、北千住 - 大手町間のバイパス路線となったことで当路線の輸送人員がやや減少し、混雑率は190%を下回った。さらに、2005年8月24日につくばエクスプレスが開業し、北千住から東京都心へ直通する路線が増えた。
つくばエクスプレスの開業により、直通先の常磐緩行線は輸送人員が大幅に減少して混雑も緩和されている[25]が、同線からの乗換需要もあり当路線は現在も混雑路線であることに変わりはない。直近10年の混雑率は180%程度で横ばいであり、東京メトロの全路線では東西線に次いで高い混雑率である。
2007年度の一日平均通過人員は、北千住 - 綾瀬間が479,274人で最も多く、西日暮里 - 町屋間が477,242人、町屋 - 北千住間が449,018人であり、西日暮里 - 綾瀬間の通過人員が極めて多い。西日暮里駅で通過人員が減少するが、新御茶ノ水 - 西日暮里間は39万人弱で推移する。新御茶ノ水駅と大手町駅で通過人員が一気に減少し、二重橋前 - 大手町間が285,891人である。その後はほぼ横ばいで推移し、代々木公園 - 代々木上原間が220,239人で最も少ない(北綾瀬 - 綾瀬間を除く)[26]。
大手町、日比谷、霞ケ関、赤坂など、東京を代表するオフィス街や官庁街を直結することもあり、定期利用客の割合は東京メトロ全線で最も高い。北千住 - 大手町間は当路線が所要時間、本数とも有利であること、北千住から池袋、新宿方面も西日暮里で山手線乗り換えが最速であることなど、利便性や速達性に優れていることも混雑に拍車を掛ける一因となっている。遅延防止のため、朝ラッシュ時の綾瀬駅では相互発着を行い、北千住駅と町屋駅では所定の停車時間が経過すると乗降中であってもドアを閉める。
年度 | 最混雑区間(町屋 → 西日暮里間)輸送実績[27][28] | 特記事項 | |||
---|---|---|---|---|---|
運転本数:本 | 輸送力:人 | 輸送量:人 | 混雑率:% | ||
1973年(昭和48年) | 18 | 25,632 | 51,659 | 202 | |
1974年(昭和49年) | 18 | 25,632 | 55,057 | 215 | |
1975年(昭和50年) | 18 | 25,632 | 55,240 | 216 | |
1976年(昭和51年) | 18 | 25,632 | 58,525 | 228 | |
1977年(昭和52年) | 18 | 25,632 | 55,240 | 216 | 1978年3月31日、代々木公園 - 代々木上原間開業 |
1978年(昭和53年) | 18 | 25,632 | 58,265 | 227 | |
1979年(昭和54年) | 18 | 25,632 | 62,257 | 243 | 1979年12月20日、綾瀬 - 北綾瀬間開業 |
1980年(昭和55年) | 18 | 25,632 | 65,265 | 255 | |
1981年(昭和56年) | 21 | 29,904 | 69,278 | 232 | |
1982年(昭和57年) | 21 | 29,904 | 70,334 | 235 | |
1983年(昭和58年) | 21 | 29,904 | 75,600 | 253 | |
1984年(昭和59年) | 21 | 29,904 | 77,786 | 260 | |
1985年(昭和60年) | 24 | 34,176 | 78,649 | 230 | |
1986年(昭和61年) | 25 | 35,600 | 81,758 | 230 | |
1987年(昭和62年) | 25 | 35,600 | 82,225 | 231 | |
1988年(昭和63年) | 27 | 38,448 | 83,153 | 216 | |
1989年(平成元年) | 27 | 38,448 | 83,036 | 216 | |
1990年(平成 | 2年)27 | 38,448 | 83,620 | 217 | |
1991年(平成 | 3年)27 | 38,448 | 87,937 | 229 | |
1992年(平成 | 4年)27 | 38,448 | 86,923 | 226 | |
1993年(平成 | 5年)27 | 38,448 | 85,618 | 223 | |
1994年(平成 | 6年)27 | 38,448 | 84,816 | 221 | |
1995年(平成 | 7年)27 | 38,448 | 83,181 | 216 | |
1996年(平成 | 8年)27 | 38,448 | 82,603 | 215 | |
1997年(平成 | 9年)27 | 38,448 | 81,868 | 213 | |
1998年(平成10年) | 27 | 38,448 | 81,470 | 212 | |
1999年(平成11年) | 29 | 41,296 | 79,732 | 193 | |
2000年(平成12年) | 29 | 41,296 | 79,232 | 192 | |
2001年(平成13年) | 29 | 41,296 | 191 | ||
2002年(平成14年) | 29 | 41,296 | 78,217 | 189 | 2003年3月19日、半蔵門線押上延伸開業 |
2003年(平成15年) | 29 | 41,296 | 186 | ||
2004年(平成16年) | 29 | 41,296 | 184 | ||
2005年(平成17年) | 29 | 41,296 | 74,113 | 179 | 2005年8月24日、つくばエクスプレス開業 |
2006年(平成18年) | 29 | 41,296 | 74,220 | 180 | |
2007年(平成19年) | 29 | 41,296 | 74,550 | 181 | 2008年3月30日、日暮里・舎人ライナー開業 |
2008年(平成20年) | 29 | 41,296 | 74,143 | 180 | |
2009年(平成21年) | 29 | 41,296 | 73,561 | 178 | |
2010年(平成22年) | 29 | 41,296 | 73,905 | 179 | |
2011年(平成23年) | 29 | 41,296 | 73,075 | 177 | |
2012年(平成24年) | 29 | 41,296 | 73,019 | 177 | |
2013年(平成25年) | 29 | 41,296 | 73,289 | 177 | |
2014年(平成26年) | 29 | 41,296 | 73,428 | 178 | |
2015年(平成27年) | 29 | 41,296 | 73,564 | 178 | |
2016年(平成28年) | 29 | 41,296 | 73,334 | 178 |
駅一覧
- 駅番号はB線方向(代々木上原から北綾瀬の方向)に増加。
- 駅所在地はすべて東京都内。
- 駅間キロ・累計キロは営業キロによる。
- 綾瀬 - 北千住間を跨いでの常磐線以遠のJR線各駅との相互発着の場合、同区間はJR線として扱う。同区間のJRの営業キロは2.5 km。
- 特急ロマンスカー以外の種別は全駅に停車する。
- 東京地下鉄の路線で唯一、地下区間に相対式ホームの駅が存在しない[29]。町屋 - 根津の各駅は単式ホーム上下2層構造になっている。
- 凡例
- ●: 小田急線直通特急停車駅、|: 同通過駅
- ※: 乗務員交代のため運転停車するが、乗客の乗降はできない。
代々木上原 - 綾瀬間
駅番号 | 駅名 | 駅間 キロ |
累計 キロ |
特急 ロマンスカー |
接続路線 | 所在地 |
---|---|---|---|---|---|---|
C-01 | 代々木上原駅[* 1] | - | 0.0 | ※ | 小田急電鉄: 小田原線 (OH05)(本厚木駅・ 多摩線唐木田駅(特急は箱根登山鉄道: 鉄道線箱根湯本駅)まで直通運転。ただし2018年3月17日以降は伊勢原駅) | 渋谷区 |
C-02 | 代々木公園駅 | 1.0 | 1.0 | | | ||
C-03 | 明治神宮前〈原宿〉駅 | 1.2 | 2.2 | | | 東京地下鉄: 副都心線 (F-15) 東日本旅客鉄道: 山手線(原宿駅:JY19) | |
C-04 | 表参道駅 | 0.9 | 3.1 | ● | 東京地下鉄: 銀座線 (G-02) ・ 半蔵門線 (Z-02) | 港区 |
C-05 | 乃木坂駅 | 1.4 | 4.5 | | | 都営地下鉄: 大江戸線(六本木駅:E-23[* 2]) | |
C-06 | 赤坂駅 (TBS前) |
1.1 | 5.6 | | | ||
C-07 | 国会議事堂前駅 | 0.8 | 6.4 | | | 東京地下鉄: 丸ノ内線 (M-14) 、 銀座線(溜池山王駅:G-06)、 南北線(溜池山王駅:N-06) | 千代田区 |
C-08 | 霞ケ関駅 | 0.8 | 7.2 | ● | 東京地下鉄: 丸ノ内線 (M-15) ・ 日比谷線 (H-06) | |
C-09 | 日比谷駅 | 0.8 | 8.0 | | | 東京地下鉄: 日比谷線 (H-07) 、 有楽町線(有楽町駅:Y-18) 都営地下鉄: 三田線 (I-08) 東日本旅客鉄道: 山手線・ 京浜東北線(有楽町駅[* 2]:JY30・JK25) 地下通路で銀座駅・東銀座駅に連絡 | |
C-10 | 二重橋前駅 | 0.7 | 8.7 | | | 東京地下鉄: 丸ノ内線 (東京駅:M-17[* 2]) 東海旅客鉄道: 東海道新幹線(東京駅[* 2]) 東日本旅客鉄道: 東北新幹線・山形新幹線・秋田新幹線・上越新幹線・北陸新幹線・ 山手線・ 京浜東北線・ 中央線・ 東海道線・ 上野東京ライン〔宇都宮(東北)線・高崎線・常磐線(快速)〕・ 横須賀線・総武線(快速)・ 京葉線(東京駅[* 2]:JY01・JK26・JC01・JT01・JU01・JO19・JE01) | |
C-11 | 大手町駅 | 0.7 | 9.4 | ● | 東京地下鉄: 丸ノ内線 (M-18) ・ 東西線 (T-09) ・ 半蔵門線 (Z-08) 都営地下鉄: 三田線 (I-09) | |
C-12 | 新御茶ノ水駅 | 1.3 | 10.7 | | | 東京地下鉄: 丸ノ内線(淡路町駅:M-19) 都営地下鉄: 新宿線(小川町駅:S-07) 東日本旅客鉄道: 中央線(快速)・ 中央・総武線(各駅停車)(御茶ノ水駅:JC03・JB18) | |
C-13 | 湯島駅 | 1.2 | 11.9 | | | 都営地下鉄: 大江戸線(上野御徒町駅:E-09[* 2]) | 文京区 |
C-14 | 根津駅 | 1.2 | 13.1 | | | ||
C-15 | 千駄木駅 | 1.0 | 14.1 | | | ||
C-16 | 西日暮里駅 | 0.9 | 15.0 | | | 東日本旅客鉄道: 山手線 (JY08)・ 京浜東北線 (JK33) 東京都交通局: 日暮里・舎人ライナー (NT 02) |
荒川区 |
C-17 | 町屋駅 | 1.7 | 16.7 | | | 京成電鉄: 本線 (KS04) 東京都交通局: 都電荒川線(東京さくらトラム)(町屋駅前停留場:SA 06) | |
C-18 | 北千住駅[* 3] | 2.6 | 19.3 | ● | 東京地下鉄: 日比谷線 (H-21) 東日本旅客鉄道: 常磐線(快速)(上野東京ライン)(JJ05) 東武鉄道: 伊勢崎線(東武スカイツリーライン) (TS-09) 首都圏新都市鉄道:つくばエクスプレス (05) |
足立区 |
C-19 | 綾瀬駅[* 3] | 2.6 | 21.9 | 東日本旅客鉄道: 常磐線(各駅停車)(JL19)(取手駅まで直通運転) 東京地下鉄: 千代田線(北綾瀬方面) |
綾瀬 - 北綾瀬間
駅番号、累計距離は代々木上原より通算。両駅とも東京都足立区に所在。
駅番号 | 駅名 | 駅間キロ | 累計キロ | 接続路線 |
---|---|---|---|---|
C-19 | 綾瀬駅 | - | 21.9 | 東京地下鉄: 千代田線(代々木上原方面) 東日本旅客鉄道: 常磐線(各駅停車)(JL19) |
C-20 | 北綾瀬駅 | 2.1 | 24.0 |
発車メロディ
2015年6月から9月まで発車メロディに関するリクエストを募集した結果、乃木坂駅で「君の名は希望」(乃木坂46)が採用されることになり[30]、2016年3月26日から使用開始した[31]。メンバーの生田絵梨花がピアノ演奏した音源が使用されている[32]。合わせて放送装置も更新された。
今後の予定
- 新型行先案内表示導入
- 全駅に新型行先案内表示装置を導入し、液晶ディスプレイを用いてフルカラーで表示する。新たに行先駅にナンバリングを表示する[33]。なお、案内放送も同時に更新する(ただし乃木坂駅では、2016年3月26日のダイヤ改正および発車メロディ導入と同時に先行して案内放送が更新された)。
- 北綾瀬駅のホーム延長
- 10両編成対応に延長し代々木上原方面へ直通運転を開始する。同時に出入口を2か所新設。2018年度末完成予定[19]。
- ホームドアの設置
- 2018年度から2020年度にかけて全駅にホームドアを設置予定[9]。
脚注
- ^ a b 帝都高速度交通営団「東京地下鉄道千代田線建設史」参照。
- ^ 北千住から霞ケ関までの所要時間は日比谷線で29分に対し千代田線では22分。
- ^ 北千住から大手町までの所要時間は押上・半蔵門線経由で25分に対し千代田線では17分。
- ^ 免許申請当時の綾瀬駅の所在地は葛飾区上千葉町(現在の葛飾区小菅)であったが建設工事途中の昭和43年4月に葛飾区と足立区での区境界の変更が行われ現在の駅のある場所が足立区へ編入が行われ綾瀬駅の所在地が足立区綾瀬へと変更された。
- ^ 東京メトロハンドブック2008
- ^ 「東京メトロ16000系が営業運転を開始」交友社『鉄道ファン』railf.jp 鉄道ニュース、2010年11月5日
- ^ 「9月12日(月)から小田急線は通常ダイヤに戻ります (PDF) 」小田急電鉄ニュースリリース、2011年9月5日
- ^ 「05系改造車が千代田線綾瀬—北綾瀬間で営業運転を開始」交友社『鉄道ファン』railf.jp 鉄道ニュース、2014年5月3日
- ^ a b “中期経営計画「東京メトロプラン2018」” (PDF). 東京地下鉄. p. 14. 2016年3月26日閲覧。
- ^ "2018年3月、新ダイヤでの運行開始" (PDF) (Press release). 小田急電鉄. 1 November 2017. 2017年11月2日閲覧。
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参考文献
- 帝都高速度交通営団「東京地下鉄道千代田線建設史」
- 「鉄道ファン」2004年9月号 特集:東京メトロ(交友社)
- JTBキャンブックス「小田急電鉄の車両」(編者・著者 大幡哲海、出版・発行 JTB 2002年) ISBN 4533044697
- 「MY LINE 東京時刻表」各号(交通新聞社)
- 「小田急時刻表」各号(交通新聞社)