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「東海道五十三次」の版間の差分

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2024年3月5日 (火) 12:46時点における最新版

歌川広重『東海道五十三次』より「日本橋

東海道五十三次とうかいどうごじゅうさんつぎは、江戸時代に整備された五街道の一つ、東海道にある53の宿場を指す。古来、道中には風光明媚な場所や有名な名所旧跡が多く、浮世絵和歌俳句の題材にもしばしば取り上げられた。

なお、昭和になって京都から先の大坂(伏見、淀、枚方、守口)までを加えて東海道五十七次と唱えることもある [注釈 1][注釈 2][信頼性要検証]

また、奈良時代の律令制による東海道では、延喜式によると、伊勢の鈴鹿駅から常陸の雄薩(おさか)駅まで55駅が設置されている。 道標に、一里塚(東海道の一里塚一覧)が、江戸幕府参勤交代のため、各宿場本陣(旅籠)、脇本陣(旅籠)が指定された。

五十三次の一覧

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節内の全座標を示した地図 - OSM
節内の全座標を出力 - KML

数は品川宿からの通し番号である。江戸と京の間は里程1248、487.8キロメートル (km)。 

東海道五十三次には、旅籠が全部で3000軒近くあったといわれ、宿場ごとによってその数は著しい差があった。人口の多い江戸や京都周辺や、箱根峠七里の渡しなど、交通難所を控えた宿場も多かった[1]。特に旅籠の数が多かった宿場は、七里の渡しの港があった宮宿(熱田宿)が247軒とその数は群を抜き、その対岸の桑名宿も120軒あった[1]。宮宿は旅籠の数では、東海道はもとより日本一大きな宿場町であった[1]。他に100軒を超えたのは、岡崎宿の112軒である[1]箱根八里の東麓に位置する小田原宿は95軒、西麓の三島宿にも74軒の旅籠があり、その手前の大磯宿(66軒)、平塚宿(54軒)、藤沢宿(45軒)と比べると多かった[1]。このほか旅籠の多い宿場は、品川宿(93軒)、川崎宿(72軒)、戸塚宿(75軒)、浜松宿(94軒)、四日市宿(98軒)、草津宿(72軒)、大津宿(71軒)があった[1]

宿場 里程 令制国 現在の自治体 座標 特記事項
都道府県 市区町村
日本橋 起点 武蔵国 豊島郡 東京都 中央区 北緯35度41分01秒 東経139度46分28秒
1. 品川宿 2里 荏原郡 品川区 北緯35度37分19秒 東経139度44分21秒
2. 川崎宿 2里半 橘樹郡 神奈川県 川崎市 川崎区 北緯35度32分08秒 東経139度42分28秒
3. 神奈川宿 2里半 横浜市 神奈川区 北緯35度28分22秒 東経139度37分56.2秒
4. 保土ヶ谷宿 1里9丁 保土ケ谷区 北緯35度26分38.5秒 東経139度35分44秒
5. 戸塚宿 2里9丁 相模国 鎌倉郡 戸塚区 北緯35度23分42.1秒 東経139度31分47.5秒
6. 藤沢宿 1里30丁 藤沢市 北緯35度20分44.4秒 東経139度29分10.7秒
高座郡
7. 平塚宿 3里半 大住郡 平塚市 北緯35度19分38.2秒 東経139度20分16.1秒
8. 大磯宿 27丁 淘綾郡 中郡 大磯町 北緯35度18分32.4秒 東経139度18分55.1秒
9. 小田原宿 4里 足下郡 小田原市 北緯35度14分55.4秒 東経139度9分39.7秒 小田原城
10. 箱根宿 4里8丁 足柄下郡 箱根町 はふや本陣跡
11. 三島宿 3里28丁 伊豆国 君沢郡 静岡県 三島市 樋口本陣跡
12. 沼津宿 1里半 駿河国 駿東郡 沼津市 北緯35度6分0.4秒 東経138度51分26.7秒
13. 原宿 1里半 北緯35度7分31.9秒 東経138度47分50.4秒
14. 吉原宿 3里6丁 富士郡 富士市 北緯35度9分46秒 東経138度41分8.3秒
15. 蒲原宿 2里30丁 庵原郡 静岡市 清水区 東本陣跡
16. 由比宿 1里 本陣公園
17. 興津宿 2里12丁 東本陣跡
18. 江尻宿 1里3丁 寺尾本陣跡
19. 府中宿 2里29丁 有度郡 葵区 上伝馬本陣跡 駿府城下
20. 鞠子宿 1里半 駿河区 本陣跡
21. 岡部宿 1里29丁 志太郡 藤枝市 内野本陣跡
22. 藤枝宿 1里29丁 北緯34度52分11.3秒 東経138度15分9.8秒
23. 島田宿 2里8丁 島田市 本陣跡
24. 金谷宿 1里 遠江国 榛原郡 柏屋本陣跡
25. 日坂宿 1里24丁 佐野郡 掛川市 片岡本陣跡
26. 掛川宿 1里19丁 本陣跡 掛川城
27. 袋井宿 2里16丁 山名郡 袋井市 東本陣跡
28. 見付宿 1里半 磐田郡 磐田市 本陣跡 本坂通(姫街道)と分岐
29. 浜松宿 4里7丁 敷知郡 浜松市 中央区 杉浦本陣跡 浜松城
30. 舞阪宿 2里30丁 脇本陣
31. 新居宿 1里(海上) 湖西市 疋田本陣跡
32. 白須賀宿 1里24丁 浜名郡 本陣跡
33. 二川宿 2里16丁 三河国 渥美郡 愛知県 豊橋市 本陣資料館
34. 吉田宿 1里20丁 本陣跡 吉田城
35. 御油宿 2里22丁 宝飯郡 豊川市 鈴木本陣跡 本坂通姫街道)と分岐
36. 赤坂宿 16丁 松平本陣跡
37. 藤川宿 2里9丁 額田郡 岡崎市 本陣跡広場
38. 岡崎宿 1里25丁 北緯34度57分28.5秒 東経137度10分9.1秒 岡崎城
39. 池鯉鮒宿 3里30丁 碧海郡 知立市 本陣跡
40. 鳴海宿 2里30丁 尾張国 愛知郡 名古屋市 緑区 本陣跡
41. 宮宿 1里半 熱田区 宮宿 赤本陣南部家跡 熱田神宮周辺。
桑名宿へは東海道唯一の
海上路七里の渡しで結ぶ。美濃路と分岐
42. 桑名宿 7里(川舟) 伊勢国 桑名郡 三重県 桑名市 本陣跡 (船津屋) 桑名城
43. 四日市宿 3里8丁 三重郡 四日市市 黒川本陣跡
44. 石薬師宿 2里27丁 鈴鹿郡 鈴鹿市 小澤本陣跡休憩所
45. 庄野宿 27丁 本陣跡
46. 亀山宿 2里 亀山市 樋口本陣跡 亀山城
47. 関宿 1里半 伊藤本陣跡
48. 坂下宿 1里24丁 松屋本陣跡
49. 土山宿 2里半 近江国  甲賀郡 滋賀県 甲賀市 本陣 田村神社境内
50. 水口宿 2里25丁 本陣跡
51. 石部宿 3里12丁 湖南市 小島本陣跡
52. 草津宿 2里25丁 栗太郡 草津市 田中七左衛門本陣 中山道と共有(草津追分)。
53. 大津宿 3里24丁 滋賀郡 大津市 本陣跡 中山道と共有。北陸道と結ぶ。伏見街道と分岐
三条大橋 3里 山城国 愛宕郡 京都府 京都市 東山区 東詰 京街道と結ぶ。
武蔵国
相模国
伊豆国
駿河国
遠江国
三河国
尾張国
伊勢国
近江国
山城国

東海道五十七次

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東海道の延長線として、元和5年(1619年)に設置された京街道 (大坂街道)の宿場を含めて東海道五十七次と呼ぶことを、近年広めることにより街づくりに貢献している[要出典]。(2021年現在の国道1号である)

数は品川宿からの通し番号である。

宿場 令制国 現在の自治体 特記事項
都道府県 市区町村
53. 大津宿 近江国 滋賀郡 滋賀県 大津市 髭茶屋追分で東海道から分かれる[注釈 3]
54. 伏見宿 山城国 紀伊郡 京都府 京都市 伏見区
55. 淀宿 久世郡
56. 枚方宿 河内国 茨田郡 大阪府 枚方市
57. 守口宿 守口市
高麗橋 摂津国 西成郡 大阪市 中央区 江戸時代は京橋(大阪市)[注釈 4]であった。

脚注

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注釈

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  1. ^ 「東海道は品川宿より守口宿」(幕府道中奉行所御勘定 谷金十郎、宝暦8年(1758年))
  2. ^ 「東海道と申すは、熱田より上方は、伊勢路、近江路を通り伏見、淀、牧方、守口迄外はこれ無き」(土佐藩から問いに対する幕府大目付勘定奉行からの回答、寛政元年1789年)
  3. ^ 東海道から京街道に入る場合は三条大橋は通らず髭茶屋追分(大津市追分町)で南西に折れるルート(大津街道)をとるため、大津宿の次は伏見宿となる。
  4. ^ 大阪府大阪市中央区都島区の境の寝屋川で、大阪城の出入口である。

道中掛御勘定奉行へ差出

   覚
   東海道と申者
    右、何れ之宿より何れ之宿迄之儀に御座候哉、
   東海道    品川より大津迄
   中山道    板橋より守山迄
   木曾路
   甲州街道   内藤新宿より上諏訪迄
   奥州街道   白沢より白川迄

(マヽ) 日光街道 千住より鉢石迄拾駅

   水戸街道   水戸道中
   佐倉街道   佐倉道中
    右七海道も、何れ之宿より何れ之宿迄之儀に御座候哉、
  右為心得奉伺候、以上、文化八年六月十七日

出典

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  1. ^ a b c d e f 浅井建爾 2001, pp. 98–99.

参考文献

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  • 浅井建爾『道と路がわかる辞典』(初版)日本実業出版社、2001年11月10日。ISBN 4-534-03315-X 

関連項目

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外部リンク

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