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「名鉄モ770形電車 (2代)」の版間の差分

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外装は塗装変更など若干の変更に留まったが、機器類は福井鉄道に特化して改良された。福井鉄道では従来の高床式高速電車並みの高速性能を確保する必要があることから弱め界磁率を変更し、運転台の[[マスター・コントローラー|主幹制御器]]も変更している。[[集電装置#パンタグラフ|パンタグラフ]]はシングルアーム式に換装し、同時に偶数車のパンタグラフを撤去して奇数車のみ搭載とした。[[自動列車停止装置|ATS]]や列車無線装置についても、名鉄式から福井鉄道仕様に交換している。制動装置は従来通りSME(非常管付三管式[[直通ブレーキ|直通空気制動]])のままである。
外装は塗装変更など若干の変更に留まったが、機器類は福井鉄道に特化して改良された。福井鉄道では従来の高床式高速電車並みの高速性能を確保する必要があることから弱め界磁率を変更し、運転台の[[マスター・コントローラー|主幹制御器]]も変更している。[[集電装置#パンタグラフ|パンタグラフ]]はシングルアーム式に換装し、同時に偶数車のパンタグラフを撤去して奇数車のみ搭載とした。[[自動列車停止装置|ATS]]や列車無線装置についても、名鉄式から福井鉄道仕様に交換している。制動装置は従来通りSME(非常管付三管式[[直通ブレーキ|直通空気制動]])のままである。


改装終了後、2005年(平成17年)9月末から10月初めにかけて旧美濃町線の[[名鉄モ800形電車 (2代)|モ800形]]、[[名鉄モ880形電車|モ880形]]とともに陸路で搬出され、翌[[2006年]](平成18年)[[4月1日]]より、正式に運用に就いた。
改装終了後、2005年(平成17年)9月末から10月初めにかけて旧美濃町線の[[名鉄モ800形電車 (2代)|モ800形]]とともに陸路で搬出され、翌[[2006年]](平成18年)[[4月1日]]より、正式に運用に就いた。

なお、同じく福井鉄道に譲渡された[[名鉄モ880形電車|モ880形]]は歯車比の変更など高速化改造が必要だったため、2006年(平成18年)3月末まで、搬出がずれ込んだ。


2016年3月27日から福井鉄道と[[えちぜん鉄道三国芦原線]]の[[直通運転|相互直通運転]]が開始され、[[福井鉄道F1000形電車|F1000形]]と共に直通運転列車に使用されたが、定員数が少ないため、後に、F1000形全4編成が直通対応となったため直通運用から離脱し、2017年12月現在は福武線内の運用に就いている。
2016年3月27日から福井鉄道と[[えちぜん鉄道三国芦原線]]の[[直通運転|相互直通運転]]が開始され、[[福井鉄道F1000形電車|F1000形]]と共に直通運転列車に使用されたが、定員数が少ないため、後に、F1000形全4編成が直通対応となったため直通運用から離脱し、2017年12月現在は福武線内の運用に就いている。

2024年8月15日 (木) 10:14時点における版

名鉄モ770形電車(2代)
福井鉄道770形電車
名鉄モ770形771-770
黒野 1998年・旧塗装当時)
基本情報
製造所 日本車輌製造
主要諸元
編成 2車体連接[1]
軌間 1,067 mm
電気方式 直流600V架空電車線方式[1]
最高運転速度 70 km/h
起動加速度 2.0 km/h/s
編成定員 90人(座席52人)[1]
編成重量 26.2 t
全長 10,100 mm
全幅 2,106[1] mm
全高 3,956[1] mm
車体 普通鋼
台車 FS-532・FS-032[1]
主電動機 直流直巻電動機
TDK-8430-B
主電動機出力 38kW[1]
搭載数 2[1]基 / 両
駆動方式 中空軸平行カルダン
歯車比 6.00
制御装置 抵抗制御弱め界磁制御 MM38B[1]
制動装置 SME-3非常弁付直通ブレーキ
備考 冷房装置は東芝製RPU3004AJ(冷房能力10,500kcal/h)を1両あたり1基搭載。
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名鉄モ770形電車(めいてつモ770がたでんしゃ)は、1987年(昭和62年)に新製された路面電車車両の一形式である[1]

2005年平成17年)までは名古屋鉄道(名鉄)に在籍し、岐阜市内線揖斐線との直通列車を中心に用いられていたが、同線の廃止により福井鉄道へ譲渡され、同社770形電車として導入された。本項では名鉄・福井鉄道双方における経歴その他を記述する。

名古屋鉄道(1987年 - 2005年)

岐阜市内線・揖斐線両線には1967年昭和42年)より直通列車が運転されていたが、車両は大正時代末期に製造された旧型電車であった。1987年(昭和62年)に直通車のモ510形の一部とモ520形全車とを新型車両に置き換えることになり、本形式が新製されたものである。

770-771 - 776-777の4編成8両が日本車輌製造で新製された。名鉄の運営していた600V路線[注 1]では初の冷房付車両で、2車体を台車によって接続する連接車であった。

先に登場していた美濃町線専用の連接車モ880形からデザインや基本設計の多くを引き継いでいるが、側面窓は固定式に変更され、岐阜市内の併用軌道線内における急曲線通過を考慮して、車体幅は同形より130mm狭くなっている[1]。さらに、新製時からワンマン装置が設置された[1][注 2]。また、揖斐線の各駅はプラットホームが設けられていたが、市内線の電車停留所では道路上から乗降するため、乗降口を揖斐線のホーム高さにあわせ、市内線向けには折りたたみ式ステップを装備した[1]

走行性能は市内線内での低速運転と揖斐線内の高速運転を両立させた設計とされており、忠節 - 黒野間の揖斐線内における急行運転では弱め界磁を駆使し最高速度70km/hで走行した。

車体塗装については当初はスカーレット一色で登場したが、後に1997年(平成9年)に登場したモ780形に準じた塗装に改められた。なお、772編成は1994年(平成6年)から1997年(平成9年)の間「ブルーライナー・ミニ」として、本線系路線の特急用車両1000系パノラマsuper」に施された「ブルーライナー」塗装と、ほぼ同一の特別カラーに塗装されて運用についていた。

新塗装化後のモ770形
徹明町 2005年1月)
ブルーライナー・ミニ塗装の772編成
美濃北方 撮影年月不詳)

2005年(平成17年)4月1日の名鉄600V線区[注 3]全廃に伴い運用を離脱した。

福井鉄道(2005年 - )

福井鉄道770形 (福井駅前 2006年4月)
福井鉄道770形
福井駅前 2006年4月)
200形とすれ違う770形(右) (市役所前 - 福井駅前 2008年4月)
200形とすれ違う770形(右)
市役所前 - 福井駅前 2008年4月)

譲渡後の状況

岐阜での路線が廃止された2005年(平成17年)に福井鉄道へ譲渡された。

車両は4編成とも搬出前に、名鉄岐阜工場において内外装変更と機器類の改装を施された。

外装は塗装変更など若干の変更に留まったが、機器類は福井鉄道に特化して改良された。福井鉄道では従来の高床式高速電車並みの高速性能を確保する必要があることから弱め界磁率を変更し、運転台の主幹制御器も変更している。パンタグラフはシングルアーム式に換装し、同時に偶数車のパンタグラフを撤去して奇数車のみ搭載とした。ATSや列車無線装置についても、名鉄式から福井鉄道仕様に交換している。制動装置は従来通りSME(非常管付三管式直通空気制動)のままである。

改装終了後、2005年(平成17年)9月末から10月初めにかけて旧美濃町線のモ800形とともに陸路で搬出され、翌2006年(平成18年)4月1日より、正式に運用に就いた。

なお、同じく福井鉄道に譲渡されたモ880形は歯車比の変更など高速化改造が必要だったため、2006年(平成18年)3月末まで、搬出がずれ込んだ。

2016年3月27日から福井鉄道とえちぜん鉄道三国芦原線相互直通運転が開始され、F1000形と共に直通運転列車に使用されたが、定員数が少ないため、後に、F1000形全4編成が直通対応となったため直通運用から離脱し、2017年12月現在は福武線内の運用に就いている。

外装の変更点

車体塗装は白を基調とし、前面部窓の下と飾り部分の間、および側面部の窓部分に青帯、車両下部に黄緑と緑の帯が塗装されており、それぞれの色が、福井の雪、海、野、山を表現している。また、側面部の運転席側ドア付近に福井鉄道のロゴマークが付されている。なお、このデザインは同時期に搬入されたモ800形(福井鉄道800形)と共通のものとされている。

脚注

注釈

  1. ^ 岐阜市内線・揖斐線・美濃町線の各路線。
  2. ^ 当初は揖斐線内のみ、1997年(平成9年)からは岐阜市内線でもワンマン運転を実施している。
  3. ^ 岐阜市内線・揖斐線・美濃町線・田神線の各路線。

出典

  1. ^ a b c d e f g h i j k l m 鉄道ジャーナル』第21巻第8号、鉄道ジャーナル社、1987年7月、102-103頁。 
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