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この項目では、シュガー・ベイブ のアルバム「SONGS」の30周年記念盤について説明しています。
『SONGS -30th Anniversary Edition- 』(ソングス サーティース・アニバーサリー・エディション)は、2005年 12月7日 に発売された、シュガー・ベイブ のアルバム『SONGS 』のリイシュー・アルバム。
2005年 (2005 ) 、大滝詠一 の主宰するナイアガラ・レーベル の第一弾として1975年 (1975 ) に発表されたシュガー・ベイブ 唯一のアルバム 『SONGS 』[ 注釈 1] の発売30周年を記念して新たにボーナス・トラック を多数収録、笛吹銅次こと大滝によるリマスタリングで再CD化された“30th Anniversary Edition”。これまでのCD化について、大滝は「最初は『NIAGARA CD BOOK I』で。CDになるからCDのような音にした方がいいんじゃないかと、86年当時は思ったんですけどね。自分はアマチュア・エンジニアだったから、プロのエンジニアの人だったらどうだったんだろうかという、もし、75年の時点で誰かプロのエンジニアでやっていたらという。初CD化のときでもう10年も経っているし、技術も変わっているからその仮説の証明にはならないんだけども、ちょっとそれをやってみたかったわけですよ。やっぱりプロがやると違うなと思ってね。僕はアマチュアとしての力量をはっきりと知らされたというかね。ところが山下 くんから、いやいや、ああいうものは味のもんなんだ、って言われて。あれはオリジナルじゃなきゃだめだよって。それで94年にイーストウエスト盤を出したんです」[ book 1] という。
リマスタリングのテーマは“あるがまま”だとし、「アナログをトランスファーしたままをスルーで。1曲ずつ動かしてったりとかはしない。だから繰り返して聴いたらよくなるはずです。で、繰り返して聴いたら印象が変わっていくっていう。今はいろいろ変えられるから、一曲ごとに変えてるともうのっぺりした印象になる、繰り返して聴くと。昔、アナログのカッティングって、始めたら1曲ずつは変えられなかったのよ。あれのよさがあると私は考えているわけ。だから本編は一切いじってないです。ボーナスは本編に合わせるようにいじりました。このナイアガラの30周年記念は、プロデューサー/エンジニア、笛吹銅次としての30年後の答えでもあるんですよ、実は。だからこれは30周年記念が全部終わったときにトータライズしたものが多分見えてくるはずですから。だけど、30年経ったので経年変化はあるんだけども、経年変化もまた嬉しからずやと。技術が革新するごとにアップデートして今のものに合わせていくというのではなくて、そのときのものを自然な形で保存していく。そこにたどり着きましたね」[ book 1] という。本作のクレジットを見る限り、アナログのマスターテープ素材を音響ハウス でデジタル変換後、さらにソニーのスタジオでもう一度デジタル変換し直し、大滝の福生45スタジオ に持ち込みデジタル領域でマスタリングが施されたことになる[ book 2] 。
ブックレットには、「シュガー・ベイブ『SONGS』30周年を迎えて」と題し、レコーディング・メンバーである山下達郎 、大貫妙子 、村松邦男 、野口明彦 、上原裕 のほか、伊藤銀次 と寺尾次郎 によるコメント、「『SONGS』30周年を迎えて」と題した大滝のコメントを収載。オリジナル・エレック 盤の歌詞カードも折込み封入。ジャケットの紙質と裏表のデザインが、エレック盤オリジナルLPを踏襲したものになっている。
SHOW
word & music by 山下達郎
DOWN TOWN
words by 伊藤銀次 , music by 山下達郎
蜃気楼の街
words & music by 大貫妙子
風の世界
words & music by 大貫妙子
ためいきばかり
words & music by 村松邦男
いつも通り
words & music by 大貫妙子
すてきなメロディー
words by 伊藤銀次・大貫妙子・山下達郎, music by 大貫妙子・山下達郎
今日はなんだか
words by 山下達郎・伊藤銀次, music by 山下達郎
雨は手のひらにいっぱい
words & music by 山下達郎
過ぎ去りし日々“60's Dream”
words by 伊藤銀次, music by 山下達郎
SUGAR
words & music by 山下達郎
(Bonus Tracks)
夏の終りに (Demo)
words & music by 山下達郎
新たに発見された8チャンネルのマルチトラック・テープからのリミックス・ヴァージョン。従来盤の冒頭でカットされていたやりとりが、全編収録されている[ book 2] 。
パレード (Demo)
words & music by 山下達郎
SHOW (Demo)
words & music by 山下達郎
指切り (Demo)
words by 松本隆, music by 大瀧詠一
想い (live version)
words by 長門芳郎, music by 小宮やすゆう
M16,17両曲ともクレジットはないが、1974年4月18日 (1974-04-18 ) 、池袋シアター・グリーンで行われた“HOBO'Sコンサート”からのライブ・ヴァージョン。<想い>の作曲者である小宮やすゆうは、オリジナルの少なかった結成後間もない頃の彼らにとって山下曰く「彼は我々の専属作曲家のようなものです」というほど、初期は交流が深かった。なお、「想い」はブックレットでは“words & music by 小宮やすゆう”となっているが、実際の作詞は長門芳郎[ book 3] 。
いつも通り (live version)
words & music by 大貫妙子
ほとんど初演に近い演奏だという。その後10月の演奏時にはアレンジがかなり変更されたが、あまり出来が良くなくてレコーディングに際し元のアレンジに戻された。
ためいきばかり (diff.mix version)
words & music by 村松邦男
ブラス・セクション入りの別ミックス。村松によれば、こちらが本テイクよりも先にミックスされたが、「なんかバンドっぽくないよね」という山下との会話から、アルバム収録のヴァージョンになったという。バンドっぽいサウンドについて村松は、そこまで意識していたわけではないとし、「例えば<いつも通り>の弦とかは、あっても不自然ではないけど、<ためいきばかり>のブラスには、度肝を抜かれるというか」[ book 4] としている。その他、ギターにも違いがみられる[ book 3] 。
SUGAR (wild mix version)
words & music by 山下達郎
オリジナル・ヴァージョンより約50秒短い[ book 3] 。
DOWN TOWN (カラオケ)
words by 伊藤銀次, music by 山下達郎
2015年 にリリースされた『SONGS -40th Anniversary Ultimate Edition- 』収録のカラオケ とはクラビネット のテイクが異なる[ book 3] 。
SUGAR BABE :
山下達郎
Lead Vocal (1,2,7-16,19), Electric Guitar, Acoustic Guitar, Keyboards, Vibe, Glocken, Percussion & Background Vocals
大貫妙子
Lead Vocal (3,4,6,7,17), Keyboards, Glocken & Background Vocals
村松邦男
Lead Vocal (5,18), Electric Guitar & Background Vocals
鰐川己久男
Electric Bass & Background Vocals
野口明彦
Drums (1,2,11-17,19,20) & Percussion
上原裕
Drums (3-9,18) & Percussion
………
大瀧詠一
Bass Vocals (7,11,19)
布谷文夫
Noise? (11,19)
福生Exciters
Noise! (11,19)
木村真
Percussion
………
Produced by 大瀧詠一 & 山下達郎
All Songs Arranged by 山下達郎
………
Recording Engineers : 笛吹銅次 & 山下有次
Studios :
Mixed by 笛吹銅次
………
Cover Illustration, Design & Photos : 金子辰也
《Re-Mastering Data》
A/D Transfers by 中里正男 at ONKIO HAUS , Ginza, 2005
D/D Transfers by 内藤哲也 at Sony Music Studios Tokyo , 2005
Mastering by 笛吹銅次 at Fussa 45 Studio , Fussa, 2005
Remixed by 笛吹銅次
Assistant Engineers : 内藤哲也、斉藤隆之、高山浩也 (Sony Music Studios Tokyo)
《Re-Issue Staff》
Director : 城田雅昭 (Sony Music Records)
Thanks To : 長門芳郎、前田祥丈、牧村憲一 、土橋一夫、高瀬康一
Reissue Supervisor : 山下達郎
Producer : 大瀧詠一 (The Niagara Enterprises)
This album was originally released in 1975 as Niagara NAL-0001
^ a b 湯浅学 「特集 シュガー・ベイブ」『レコード・コレクターズ 』第24巻第1号、株式会社ミュージック・マガジン、2006年1月1日、48-51頁。「インタヴュー大滝詠一〜やってましたよ、連日みんなで、夜中から朝までミックスを」
^ a b 武田昭彦「特集 シュガー・ベイブ『今も街のサウンドトラックとして』」『THE DIG』第43号、シンコーミュージック・エンタテイメント 、2006年1月17日、27-30頁、ISBN 4-401-61980-3 。「『Songs』全曲解説」
^ a b c d 島村文彦「特集 山下達郎が語る1975年のナイアガラ」『レコード・コレクターズ』第34巻第9号、株式会社ミュージック・マガジン、2015年9月1日、45-55頁。「『SONGS』歴代盤/オリジナル・アルバム未収録音源解説」
^ 木村ユタカ「特集 シュガー・ベイブ『今も街のサウンドトラックとして』」『THE DIG』第43号、シンコーミュージック・エンタテイメント、2006年1月17日、34-37頁、ISBN 4-401-61980-3 。「村松邦男インタヴュー」
SonyMusic
山下達郎 OFFICIAL SITE
大貫妙子 Taeko Onuki
その他
シングル
オリジナル
70年代
80年代
90年代
90年 91年 92年 93年 94年 95年 96年 98年 99年
00年代
10年代
20年代
配信
アルバム
スタジオ
ベスト
企画
ア・カペラ サウンドトラック レア音源集 ボックス・セット ライブ その他 コンピレーション
楽曲 プロデュース ラジオ
関連
カテゴリ
1970年代
1980年代
オリジナル ベスト セルフカバー サウンドトラック コラボレーション
1990年代
2000年代
2010年代
トリビュート
カテゴリ
KING (1971年 (1971 ) -1972年 (1972 ) )
Bellwood / KING
(1972年 (1972 ) -1973年 (1973 ) )
シングル
空飛ぶくじら (1972年6月25日 (1972-06-25 ) )
スタジオ・アルバム
大瀧詠一 (1972年11月25日 (1972-11-25 ) )
NIAGARA ⁄
COLUMBIA (1976年 (1976 ) -1980年 (1980 ) )
NIAGARA /
CBS/SONY (1981年 (1981 ) -1991年 (1991 ) )
シングル スタジオ・アルバム その他 (CM集・ インストゥルメンタル・ 編集盤等) ボックス・セット
その他(プロデュース作品・提供曲・作品集・編集盤等)
カテゴリ