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JNN報道特集

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
JNN報道特集
ジャンル 報道ドキュメンタリー番組
出演者 料治直矢
田畑光永
小島康臣
小川邦雄
堀宏
蟹瀬誠一
阿川佐和子
田丸美寿々
岩城浩幸
池田裕行 ほか
(「メインキャスター」参照)
製作
製作 TBSJNN
放送
放送国・地域日本の旗 日本
開始から1982年3月まで(プライムタイム時代)
放送期間1980年10月4日 - 1982年3月27日
放送時間土曜日22:00 - 22:55
放送分55分
1982年4月から1995年10月1日まで(夕方時代前期)
放送期間1982年4月4日 - 1995年10月1日
放送時間日曜日18:00 - 19:00
放送分60分
1995年10月8日から2000年4月9日まで(夕方時代中期)
放送期間1995年10月8日 - 2000年4月9日
放送時間日曜日18:00 - 18:54
放送分54分
2000年4月16日から終了まで(夕方時代後期・末期)
放送期間2000年4月16日 - 2008年3月30日
放送時間日曜日17:30 - 18:24
放送分54分
番組年表
次作報道特集NEXT→報道特集
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JNN報道特集』(ジェイエヌエヌほうどうとくしゅう)は、1980年10月4日から2008年3月30日までTBS (JNN) 系列で放送された報道ドキュメンタリー番組である。通称は、後継番組の『報道特集NEXT』から改題し、その番組名として2010年4月3日から用いられている「報道特集」。

概要

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時事問題を様々な観点から分析。時には政治家経済評論家らをスタジオに呼び、より詳しくニュースを解説した。“報道のTBS”の原点を築いた看板番組[1]としても位置づけされる。2021年、後継番組「報道特集」と共に、第58回ギャラクシー賞(報道活動部門大賞)を受賞した。

芸能にもかかった時事的な話題もしばしば取り上げられることがあったが、芸能の話題がこの番組で取り上げられる事は少なかった。ただし、放送前日・当日に大きな事件が起こった場合には急遽放送内容を切り替え、通常のニュースショーと同じ形態での放送となる場合もあった。

番組に専属するスタッフの取材以外にも、JNN系列局やTBSの記者や別番組(『JNNニュースの森』など)の取材も放送していた。なお、初期は「スタジオに専門家を招き、司会者らと時事問題に関する討論」を放送したことがあった[注 1]

放送時間帯の変遷

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スタート当初はプライムタイムの放送であり、毎週土曜日の22:00 - 22:55の1時間番組(実質55分、以下は全てJST)であったが、後に、1982年4月から毎週日曜日の18:00 - 19:00(1995年10月以降は6分縮小して18:00 - 18:54)に移行。2000年4月からは18:30にドキュメンタリー番組枠が設置されたことから30分繰り上がり、17:30 - 18:24の放送になった。

CS放送TBSニュースバードでも2日遅れの火曜日の21:00 - 22:00に放送(ただし『ザ・プロ野球』放送日は再放送なし)。

2007年4月16日からはBSデジタル放送BS-i (現:BS-TBS)でも1日遅れの月曜日の20:00 - 20:54に放送された(2008年3月10日終了)。

放送時間が毎週土曜日22:00 - 22:55であった時期は、1981年のポーランド民主化運動を放送した回は世界的なスクープであるにもかかわらず視聴率は2%前後であった。初代アンカーマンの北代淳二は自らの意見を述べないスタイルを貫いたが、料治直矢に替わった。以降キャスターが自身の意見を述べるという、日本の民間放送における報道の方向性が変化した。

後に放送時間が毎週日曜日18:00 - 19:00(→18:54)へ移行した。1982年8月毎週末の台風報道、1983年1月の中川一郎変死スクープ報道、さらにフィリピンのベニグノ・アキノ暗殺事件においては20%強の視聴率を得、内外からも注目されて一時は時代の寵児的報道番組とも評された。

1994年、田丸美寿々がテレビ朝日より移籍してメインキャスターを務め、1997年2月をもって料治直矢は休養に伴い降板する(同年の夏に逝去する)。

2000年4月、放送時間が30分繰り上がり17:30 - 18:24となる。

しかし2002年10月、裏番組の『真相報道 バンキシャ!』が日テレで放送開始したことにより、一部時間帯で本番組との重複が発生し、重複時間帯の視聴率に陰りが見え始める。

『真相報道 バンキシャ!』対策もあり、2003年秋季にタイトルロゴとテーマ音楽やスタジオセットを刷新、番組スタッフを大幅に入れ替え、岩城浩幸キャスターも降板して大きく改変する。時代にあったテーマを掘り下げて北朝鮮問題や国内の社会テーマを中心に他の報道番組では取り上げていないスクープを連発した。

2004年当時、裏番組の『真相報道 バンキシャ!』もこの当時の平均視聴率は13 - 15%で、最高視聴率は同年7月17日の20.5%だったが、リニューアルにより視聴率が回復傾向に転じた本番組も10%を超える平均視聴率を記録しており、後半の時間帯のみとは言え、本番組の視聴率に対して裏番組の影響がそれほどなかったばかりか、両番組とも報道番組における数少ない視聴率10%超の番組となった。

リニューアル以降、いわゆるヒューマンドキュメンタリーの類はほとんど扱わず、逆に他の報道番組では取り挙げられないテーマに対しても果敢に挑み、系列局のエース記者やディレクターも多くを制作する。

2008年4月の改編で土・日の17時・18時台が枠再編されるのに伴い、同年3月30日放送分をもって同タイトルでの放送を終了。同年4月5日からは『報道特集NEXT』と題して毎週土曜 17:30 - 18:50に放送されるようになった。これにより、裏番組の『真相報道 バンキシャ!』との重複時間帯も解消された。『報道特集NEXT』内では、それまで放送されてきた『JNNイブニング・ニュース』に替わる土曜日夕方のJNNニュース枠を挿入する形の編成となった。

立ち退いた跡の2008年4月6日以降は、17:00 - 17:30は毎日放送制作のアニメ番組枠[注 2]に、17:30 - 17:55は『JNNイブニング・ニュース[注 3]』が30分繰り下がり枠移動、18:00 - 18:30は日曜23:30から放送されていた『世界遺産』が『THE世界遺産』と改題して移行されそれぞれ放送されている。

2010年4月3日からは、当番組開始から満30年を迎えるにあたり、番組名も『報道特集NEXT』から両番組の通称であった『報道特集』へと再改題した。放送時間・内容は『報道特集NEXT』と同じである。

期間 放送時間(日本時間
1980.10.4 1982.3.27 土曜日 22:00 - 22:55(55分)
1982.4.4 1995.10.1 日曜日 18:00 - 19:00(60分)
1995.10.8 2000.4.9 日曜日 18:00 - 18:54(54分)
2000.4.16 2008.3.30 日曜日 17:30 - 18:24(54分)

放送局

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放送対象地域 放送局 系列 備考
関東広域圏 東京放送 TBS系列 制作局
現:TBSテレビ
北海道 北海道放送
青森県 青森テレビ
岩手県 IBC岩手放送 1995年6月22日までの局名は『岩手放送』
宮城県 東北放送
山形県 テレビユー山形 1989年10月開局から
福島県 福島テレビ TBS系列
フジテレビ系列(当時)
放送開始から1982年3月まで[4]
日曜夕方への時間帯移動に伴い打ち切り
テレビユー福島 TBS系列 1983年12月開局から[5]
新潟県 新潟放送
富山県 チューリップテレビ 1990年10月開局から
1992年9月までの局名は『テレビユー富山』
石川県 北陸放送 1981年4月11日から1982年3月27日まで放送[6]
一度打ち切り後1982年10月3日から再開[7]
山梨県 テレビ山梨
長野県 信越放送
静岡県 静岡放送
中京広域圏 中部日本放送 現:CBCテレビ
近畿広域圏 毎日放送
島根県鳥取県 山陰放送
岡山県・香川県 山陽放送 現・RSK山陽放送
広島県 中国放送
山口県 テレビ山口 1987年9月まではフジテレビ系列とのクロスネット局
愛媛県 あいテレビ 1992年10月開局から
2002年9月までの局名は『伊予テレビ』
高知県 テレビ高知
福岡県 RKB毎日放送
長崎県 長崎放送
熊本県 熊本放送
大分県 大分放送
宮崎県 宮崎放送
鹿児島県 南日本放送
沖縄県 琉球放送

歴代出演者

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歴代キャスター

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期間 メイン格 メイン格以外
1980.10.4 1982.9 北代淳二
アンカーマン
料治直矢田畑光永小島康臣
キャスターリポーター
1982.10 1986.9 田畑光永 小川邦雄、料治直矢
1986.10 1987.9 堀宏 小川邦雄1
1987.10 1991.9 料治直矢 堀宏、小川邦雄
1991.10 1993.3 小川邦雄、蟹瀬誠一
1993.4 1994.9 小川邦雄、阿川佐和子
1994.10 1997.2 田丸美寿々吉岡攻2
1997.3 1998.9 田丸美寿々3 吉岡攻2
1998.10 2003.9 岩城浩幸池田裕行、吉岡攻2
2003.10 2008.3.30 (不在)

  • 1 料治の『ネットワーク』担当に伴う変更。
  • 2 不定期に出演。
  • 3 後継番組『報道特集NEXT』→『報道特集』も続投。

備考
  • 開始当初は、北代をアンカーマンに、料治・田畑・小島のキャスターリポーター体制だった。
  • 料治は、同局平日深夜のニュースを担当したため一時降板。小川も1988年10月から1年間、平日深夜の『JNNニュースデスク'88・'89』を担当していたが、当番組を降板することなく1994年9月まで出演した。

ナレーター

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スクープとなった報道

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問題となった報道内容

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脚注

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注釈

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  1. ^ 討論となった回のサブタイトルの例:"激突!「教科書はゆがんでいるか」 日教組自民・教科書攻勢仕掛人"(1982年放送。第一次教科書問題に関する討論)。
  2. ^ 同枠は2017年4月2日をもって一旦廃枠となったが、2022年10月から日曜17時のアニメ枠が復活し、これに先立って同時間帯に放送している『所さんお届けモノです!』(17:00 - 17:30)については2022年4月より土曜朝7時30分枠に移動し、同枠で放送されている『サタデープラス』は8時開始となった[2][3]
  3. ^ 2010年4月4日からは『Nスタ』として放送。

出典

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  1. ^ キャスター紹介”. キャスターのページ[報道特集]. TBS. 2000年10月24日時点のオリジナルよりアーカイブ。2023年7月29日閲覧。
  2. ^ 「機動戦士ガンダム 水星の魔女」放送は10月から!復活のMBS・TBS“日5”枠で、記念PVも”. コミックナタリー (2022年1月29日). 2022年1月29日閲覧。
  3. ^ 『所さんお届けモノです!』日曜夕方から土曜朝に引っ越し 『サタデープラス』は8時開始に”. ORICON NEWS. 2022年1月29日閲覧。
  4. ^ 『福島民報』1980年10月4日 - 1982年3月27日付朝刊、テレビ欄。
  5. ^ 『福島民報』1983年12月4日付朝刊、テレビ欄。
  6. ^ 『北國新聞』1981年4月11日付 - 1982年4月4日付各朝刊テレビ欄。
  7. ^ 『北國新聞』1982年10月3日付朝刊テレビ欄。
  8. ^ 鈴木秀美・山田健太・砂川浩慶 編『放送法を読みとく』p.84 2009年 商事法務

参考文献

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  • 「武骨の人料治直矢」 滝井宏臣/著(講談社)
  • 「テレビ報道 『報道特集』の現場から」/ 堀宏/著(サイマル出版会)
  • 「テレビ ヒット番組のひみつ 「ジェスチャー」から「おしん」まで」(志賀信夫/著)、日本放送出版協会(1984年の書籍のため、初期についてのみ。台風が番組の視聴率アップの一因となった等記載)

関連項目

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TBS系列 土曜22:00 - 22:55枠
前番組 番組名 次番組
雪姫隠密道中記
【ここまで毎日放送制作枠】
JNN報道特集
(1980年10月 - 1982年3月)
【ここからTBS制作枠】
ザ・サスペンス
※21:02 - 22:55
TBS 日曜17:30 - 17:55枠
JNNニュースの森
【30分繰り上げて継続】
JNN報道特集
(2000年4月 - 2008年3月)
JNNイブニング・ニュース
【30分繰り下げ】
TBS 日曜17:55 - 18:00枠
ミニ番組
JNN報道特集
(2000年4月 - 2008年3月)
あすのそら色
【30分繰り上げ】
TBS系列 日曜18:00 - 18:24枠
ヤングおー!おー!
※17:30 - 18:25
【この番組まで毎日放送制作、
日曜13時台へ移動して継続】
JNN報道特集
(1982年4月 - 2008年3月)
【この番組からTBS制作】
THE世界遺産
※18:00 - 18:30
【23時台後半枠から移動・改題】
TBS 日曜18:24 - 18:30枠
ミニ番組
JNN報道特集
(1982年4月 - 2000年3月)
いのちの響
【30分繰り上げ】
TBS系列 日曜18:30 - 18:50枠
JNNニュースコープ
【60分繰り上げて継続】
JNN報道特集
(1982年4月 - 2000年3月)
TBS 日曜18:50 - 18:54枠
ミニ番組
JNN報道特集
(1982年4月 - 2000年3月)
ニッセイワールドドキュメント・未来の瞳
※18:30 - 19:00