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五大国

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
5大国から転送)

五大国ごたいこくとは、ある範囲(通常は全世界だが例外もあり)を政治的・経済的・外交的・軍事的影響力などでリードする5つの大国のことである。五大国の内訳は時代や分野などによって変化してきた。現代においても、五大国といっても複数ある。

国連五大国(安保理常任理事国)

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現在

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国連における五大国(国連安保理常任理事国

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現在の国連大使 現在の代表国 元の代表国 国家元首 政府の長
アメリカ合衆国の旗 アメリカ トーマス・グリーンフィールド アメリカ合衆国の旗 アメリカ(1946-現在) ジョー・バイデン(大統領)
イギリスの旗 イギリス マーク・ライアル・グラント イギリスの旗 イギリス(1946-現在) チャールズ3世(国王) キア・スターマー首相
フランスの旗 フランス ジェラール・アロー フランスの旗 フランス(1958–現在) フランスの旗 フランス第四共和政(1946-1958) エマニュエル・マクロン(大統領) ガブリエル・アタル首相
中華人民共和国の旗 中国 張軍 中華人民共和国の旗 中華人民共和国(1971-現在) 中華民国の旗 中華民国(1946-1971) 習近平主席総書記[注釈 1] 李強総理
ロシアの旗 ロシア ピョートル・イリイチョフ ロシアの旗 ロシア(1992-現在) ソビエト連邦の旗 ソビエト連邦(1946-1991) ウラジーミル・プーチン(大統領) ミハイル・ミシュスティン首相

現在の首脳

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国連憲章第5章第23条では、常任理事国となる5か国を以下の順に定めている[1][注釈 2]


第二次世界大戦の戦勝国のうち、国際連合の設立に中心的な役割を果たし、なおかつ常任理事国である「Permanent 5」と呼ばれるアメリカ合衆国、イギリス、フランス、ソビエト連邦(ソビエト連邦の崩壊後は、ロシアに代わる)、中国(1971年に中華民国から中華人民共和国に代表権が代わった)。この常任理事国のいずれもが核拡散防止条約で特権的に核兵器の保有が認められており、軍事参謀委員会を構成する。また、これら常任理事国の国語である英語フランス語ロシア語中国語は、国際連合の公用語である。第一次世界大戦後の列強のうち、敗戦国となった大日本帝国ドイツイタリアが脱落し、戦勝国となったソビエト連邦と中国を加えた5ヵ国が世界五大国と称された。

日本ドイツインドブラジルには、自国が常任理事国に加わろうとする動きがある(G4諸国)。冷戦時代には、アメリカ合衆国とソビエト連邦が五大国の中でも抜きん出た存在であった。しかし、1989年東欧革命・冷戦終結によりソビエト連邦の影響力は大きく低下し、更に1991年にソ連自体も崩壊したことから、2000年代初頭まではアメリカ合衆国による一極支配と言われる状態になっていた。

その後、アフガニスタン紛争イラク戦争でアメリカ合衆国の国力は相対的に低下し[要出典]、中華人民共和国の経済成長と急速な軍備拡大・海洋進出、ロシアの天然ガスを用いた資源外交・経済成長と軍備拡大によって、アメリカ合衆国による一極支配は弱まっている。

先進五大国(G5)

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いずれも20世紀初頭以降に「列強」かつ「先進国」と称され、現在も国際社会に政治的・経済的影響を与えている国である。

第二次世界大戦前も先進工業国として認識され、さらに戦後も民主主義国として先進工業国としての地位を維持、もしくは回復したアメリカ、イギリス、フランス、西ドイツ、日本を対象とした先進国首脳会議が1975年に計画され、その5ヵ国が先進5ヵ国(G5)と呼ばれる。実際の会議にはイタリアも参加し、さらに翌年にはカナダも加わった。この7ヵ国をもって「G7」と呼ばれる。1990年にはドイツ再統一により西ドイツが現在のドイツとなる。ソ連崩壊後に加入したロシアを入れると「G8」となるが、これに伴い先進国首脳会議は主要国首脳会議に名称が変更された(当時のロシアは1人あたり名目GDPが1000ドル台であり先進国とは言い難かったため)。

過去の五大国

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ウィーン体制下

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ナポレオン戦争後のウィーン体制下での五国同盟(1818年四国同盟より改称)加盟国(イギリスフランス王国オーストリア帝国プロイセン王国ロシア帝国)を五大国としている。

国際連盟体制下

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第一次世界大戦後はヴェルサイユ条約に基いたヴェルサイユ体制が国際関係の柱となった。戦前列強のうち、敗戦国となったドイツオーストリアと、ロシア革命とその後の共産化によって国際社会から孤立したソビエト連邦が排除され、戦勝国となったアメリカ、大日本帝国、イタリアを加えた5ヶ国が世界五大国と称された。このうち、アメリカ合衆国を除く4ヶ国は、国際連盟発足時の常任理事国であった。アメリカは国際連盟の提唱国でありながら上院の承認を取れず国際連盟には参加しなかった。

ドイツとソビエトが国力を回復させて軍備を増強し、再び列強の一員に加わった1930年代後半になると、従来の「五大国」という括り方はされなくなっていった。

地域の五大国

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統一前のイタリア

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統一前のイタリアでは有力な都市国家をさして五大国と呼んでいた(フィレンツェ共和国メディチ家)、ミラノ公国ヴェネツィア共和国ローマローマ教皇領)、ナポリ王国)。

注釈

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  1. ^ 中国共産党中華人民共和国を指導していくことが謳われているため、総書記は共産党と国家の最高指導者とされる。
  2. ^ 英語: The Republic of China, France, the Union of Soviet Socialist Republics, the United Kingdom of Great Britain and Northern Ireland, and the United States of America shall be permanent members of the Security Council.

関連項目

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  1. ^ “Chapter V: The Security Council (Articles 23-32)”. United Nations. https://www.un.org/en/about-us/un-charter/chapter-5 2023年4月15日閲覧。