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2017年レッドブル・エアレース・ワールドシリーズ サンディエゴ

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』

座標: 北緯32度42分18秒 西経117度10分10秒 / 北緯32.70500度 西経117.16944度 / 32.70500; -117.16944

2017年レッドブル・エアレース・ワールドシリーズ サンディエゴの位置(サンディエゴ内)
会場
会場
会場

2017年レッドブル・エアレース・ワールドシリーズ サンディエゴでは、通算12シーズン目となるレッドブル・エアレース・ワールドシリーズの内、2017年4月15日16日アメリカ合衆国カリフォルニア州サンディエゴで行われた2017年シーズン第2戦について述べる。サンディエゴでの開催は通算4度目で、2009年シーズン以来である[1]

概要

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サンディエゴ大会の様子(ピーター・ポドランセック

アブダビ戦に続き海上レースであり、2007年シーズン2008年シーズンにサンディエゴでのレースを経験したレース・ディレクターのスティーブ・ジョーンズは、レーストラックが天候が変わりやすい太平洋岸上にあるため、レースは風に大きく左右されるであろうこと、トラック自体はシンプルであるため、小さなミス一つでレースから脱落してしまうことを特徴として述べた[2]

室屋義秀(日本)は、本戦から機体の色をミントグリーンとスポンサーのファルケンのコーポレートカラーである青を基調とした色へ変更した[3]

チャレンジャーカップには、ダニエル・ジェネヴェイ(ハンガリー)とケニー・チャン(中国)のルーキー2名が初出場する[4]

マスタークラス
2本のフリープラクティスでは、初戦を制したマルティン・ソンカ(チェコ)が唯一59秒を切るタイムを記録したが[5]、予選前に行われる3本目で室屋がトラック・レコードとなる57秒909を記録したほか、ソンカ、マティアス・ドルダラー(ドイツ)とペトル・コプシュタイン(チェコ)が58秒台を記録した[6]
予選ではドルダラーが復調し首位通過、ミカエル・ブラジョー(フランス)は3本目のフリープラクティスで技術的な問題が発生し、予選をキャンセルした[7]
ラウンド・オブ・14では、昨年マスタークラスに昇格したピーター・ポドランセックがマット・ホール(オーストラリア)を下し、唯一58秒台を記録し首位通過、ポドランセックと同期デビューのコプシュタインはフアン・ベラルデ(スペイン)を下し初めてラウンド・オブ・8へ進出した[8]。ポドランセックはラウンド・オブ・8でも好調を維持しファイナル4へ初進出した[9]。ファイナル4に1番手で登場した室屋は58秒529の好タイムを出し、後続にプレッシャーをかけ、2番手のドルダラーがスプリットタイムで室屋を上回ったものの、パイロンヒットによるペナルティを受け後退[10]。カービー・チャンブリス(アメリカ)もペナルティを受け、最後に登場したポドランセックはクリーンなフライトによりドルダラーとチャンブリスを上回ったものの室屋には及ばず、2位に入った[10]。室屋はキャリア2勝目を挙げた。
表彰台にはアブダビ戦と異なる面々が並び、早くも混戦模様となり、優勝した室屋は自国開催の次戦に向けて弾みを得た形となった[11]。ドルダラーは3位という順位に満足しなくなっている自分に驚いていると述べた[11]。ラウンド・オブ・14でポドランセックに敗れたホールは、新しい機体がまだデフォルト状態であり、時間と予算をかけながら開発とトレーニングを重ねていき、シーズン終盤には優勝できる機体にすることをチームの目標として掲げていると述べた[11]
チャレンジャーカップ
フリープラクティスでは、フロリアン・バーガー(ドイツ)とケヴィン・コールマン(アメリカ)が、3本とも1位・2位を維持した[12][13]
予選では、バーガーがパイロンヒットによりペナルティを受け、コールマンが首位通過したが[14]、バーガーはパイロンヒットがなくてもコールマンにわずかに及ばないタイムだったため、翌日の決勝に向けて前向きに展望を語った[15]。決勝ではバーガーが優勝[16]、ヨーロッパ以外での優勝は初めてである[17]

マスタークラス

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予選

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No. パイロット タイム ペナルティ
1 21 ドイツの旗 マティアス・ドルダラー 58.332
2 99 アメリカ合衆国の旗 マイケル・グーリアン 58.978
3 8 チェコの旗 マルティン・ソンカ 58.980
4 95 オーストラリアの旗 マット・ホール 59.516
5 84 カナダの旗 ピート・マクロード 59.627
6 10 アメリカ合衆国の旗 カービー・チャンブリス 1:00.256
7 26 スペインの旗 フアン・ベラルデ 1:00.326
8 18 チェコの旗 ペトル・コプシュタイン 1:00.331
9 12 フランスの旗 フランソワ・ルボット 1:01.097
10 31 日本の旗 室屋義秀 1:01.384 +2秒1
11 37 スロベニアの旗 ピーター・ポドランセック 1:01.566 +2秒2
12 27 フランスの旗 ニコラス・イワノフ 1:01.606 +2秒3
13 5 チリの旗 クリスチャン・ボルトン 1:04.156
14 11 フランスの旗 ミカエル・ブラジョー DNS[7]
  • ^1 ゲート14通過時の水平角度違反にて+2秒のペナルティ[7]
  • ^2 ゲート10通過時の水平角度違反にて+2秒のペナルティ[7]
  • ^3 ゲート11通過時の水平角度違反にて+2秒のペナルティ[7]

ラウンド・オブ・14

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ヒート 順位 パイロット1 タイム1 タイム2 パイロット2 順位
1 4 日本の旗 室屋義秀 59.280 59.738 カナダの旗 ピート・マクロード 10
2 1 スロベニアの旗 ピーター・ポドランセック 58.929 59.672 オーストラリアの旗 マット・ホール 9
3 12 フランスの旗 フランソワ・ルボット 1:00.788 1:00.573 アメリカ合衆国の旗 カービー・チャンブリス 7
4 2 フランスの旗 ニコラス・イワノフ 59.067 59.479 チェコの旗 マルティン・ソンカ 5
5 6 チェコの旗 ペトル・コプシュタイン 59.730 1:00.246 スペインの旗 フアン・ベラルデ 11
6 14 チリの旗 クリスチャン・ボルトン 1:08.2661 1:02.2812 アメリカ合衆国の旗 マイケル・グーリアン 8
7 13 フランスの旗 ミカエル・ブラジョー 1:01.200 59.186 ドイツの旗 マティアス・ドルダラー 3
凡例
ラウンド・オブ・8進出
ノックアウト(敗退)
敗者の中で最速(=進出)
  • ^1 ゲート4及びゲート14でパイロンヒット、+3秒ずつ(計6秒)のペナルティ[8]
  • ^2 ゲート10通過時の水平角度違反にて+2秒のペナルティ[8]

ラウンド・オブ・8

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ヒート 順位 パイロット1 タイム1 タイム2 パイロット2 順位
8 5 チェコの旗 マルティン・ソンカ 59.492 59.271 日本の旗 室屋義秀 2
9 6 チェコの旗 ペトル・コプシュタイン 59.835 59.105 ドイツの旗 マティアス・ドルダラー 1
10 3 アメリカ合衆国の旗 カービー・チャンブリス 1:00.855 1:01.9461 フランスの旗 ニコラス・イワノフ 7
11 8 アメリカ合衆国の旗 マイケル・グーリアン 1:02.1182 1:01.432 スロベニアの旗 ピーター・ポドランセック 4
凡例
ファイナル4進出
ノックアウト(敗退)
  • ^1 ゲート3通過時の水平角度違反にて+2秒のペナルティ[9]
  • ^2 ゲート7にてパイロンヒットにより+3秒のペナルティ[9]

ファイナル4

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No. パイロット タイム ペナルティ
1 31 日本の旗 室屋義秀 58.529
2 37 スロベニアの旗 ピーター・ポドランセック 1:00.454
3 21 ドイツの旗 マティアス・ドルダラー 1:01.648 +3秒1
4 10 アメリカ合衆国の旗 カービー・チャンブリス 1:02.713 +2秒2
  • ^1 ゲート4でパイロンヒットにより+3秒のペナルティ[10]
  • ^2 ゲート10通過時に高度を超過[10]

最終結果

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パイロット ポイント
1 日本の旗 室屋義秀 15
2 スロベニアの旗 ピーター・ポドランセック 12
3 ドイツの旗 マティアス・ドルダラー 9
4 アメリカ合衆国の旗 カービー・チャンブリス 7
5 チェコの旗 マルティン・ソンカ 6
6 チェコの旗 ペトル・コプシュタイン 5
7 フランスの旗 ニコラス・イワノフ 4
8 アメリカ合衆国の旗 マイケル・グーリアン 3
9 オーストラリアの旗 マット・ホール 2
10 カナダの旗 ピート・マクロード 1
11 スペインの旗 フアン・ベラルデ 0
12 フランスの旗 フランソワ・ルボット 0
13 フランスの旗 ミカエル・ブラジョー 0
14 チリの旗 クリスチャン・ボルトン 0

チャレンジャークラス

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予選

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No. パイロット タイム ペナルティ
1 48 アメリカ合衆国の旗 ケヴィン・コールマン 1:09.905
2 6 ポーランドの旗 ルーク・チェピエラ 1:12.507
3 15 フランスの旗 バティスト・ヴィーニュ 1:12.793
4 62 ドイツの旗 フロリアン・バーガー 1:12.984 +3秒1
5 7 中華人民共和国の旗 ケニー・チャン 1:13.275 +2秒2
6 78 ハンガリーの旗 ダニエル・ジェネヴェイ 1:17.831
  • ^1 ゲート14でパイロンヒットにより+3秒のペナルティ[14]
  • ^2 ゲート10通過時に水平角度違反により+2秒のペナルティ[14]

決勝

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No. パイロット タイム ペナルティ
1 62 ドイツの旗 フロリアン・バーガー 1:09.383
2 48 アメリカ合衆国の旗 ケヴィン・コールマン 1:10.802
3 6 ポーランドの旗 ルーク・チェピエラ 1:12.576
4 78 ハンガリーの旗 ダニエル・ジェネヴェイ 1:15.115
5 15 フランスの旗 バティスト・ヴィーニュ 1:15.616 +3秒1
6 7 中華人民共和国の旗 ケニー・チャン 1:18.463 +6秒2
  • ^1 ゲート4でパイロンヒットにより+3秒のペナルティ[16]
  • ^2 ゲート10及びゲート14でパイロンヒットにより+3秒ずつ(計6秒)のペナルティ[16]

第2戦終了後のランキング

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マスタークラス

パイロット トー
タル
1 チェコの旗 マルティン・ソンカ 21
2 ドイツの旗 マティアス・ドルダラー 16
3 日本の旗 室屋義秀 15
4 スペインの旗 フアン・ベラルデ 12
5 スロベニアの旗 ピーター・ポドランセック 12
6 カナダの旗 ピート・マクロード 10
7 フランスの旗 ニコラス・イワノフ 10
8 アメリカ合衆国の旗 マイケル・グーリアン 8
9 アメリカ合衆国の旗 カービー・チャンブリス 7
10 チェコの旗 ペトル・コプシュタイン 5
11 チリの旗 クリスチャン・ボルトン 4
12 フランスの旗 フランソワ・ルボット 3
13 オーストラリアの旗 マット・ホール 3
14 フランスの旗 ミカエル・ブラジョー 2
チャレンジャークラス

パイロット トー
タル
1 ドイツの旗 フロリアン・バーガー 18
2 スウェーデンの旗 ダニエル・リファ 10
3 アメリカ合衆国の旗 ケヴィン・コールマン 10
4 ポーランドの旗 ルーク・チェピエラ 6
5 フランスの旗 メラニー・アストル 6
6 ハンガリーの旗 ダニエル・ジェネヴェイ 4
7 イギリスの旗 ベン・マーフィ 4
8 フランスの旗 バティスト・ヴィーニュ 2
9 中華人民共和国の旗 ケニー・チャン 0

出典

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  1. ^ サンディエゴ”. Red Bull Air Race. 2017年4月17日閲覧。
  2. ^ サンディエゴ:レーストラック解説”. Red Bull Air Race. 2017年4月17日閲覧。
  3. ^ 室屋義秀がニューペイントを公開”. Red Bull Air Race (2017年4月14日). 2017年4月17日閲覧。
  4. ^ Challengers soaring in San Diego”. Red Bull Air Race (2017年4月14日). 2017年4月17日閲覧。
  5. ^ サンディエゴ:マスタークラス フリープラクティス結果”. Red Bull Air Race (2017年4月15日). 2017年4月17日閲覧。
  6. ^ Muroya smashes track record in final Free Practice”. Red Bull Air Race (2017年4月15日). 2017年4月17日閲覧。
  7. ^ a b c d e サンディエゴ:予選はドルダラーがトップ”. Red Bull Air Race (2017年4月16日). 2017年4月17日閲覧。
  8. ^ a b c Podlunsek powers through Round of 14”. Red Bull Air Race (2017年4月16日). 2017年4月18日閲覧。
  9. ^ a b c Muroya makes the Final 4 after tough test”. Red Bull Air Race (2017年4月16日). 2017年4月18日閲覧。
  10. ^ a b c d サンデェイゴ:室屋義秀が優勝!”. Red Bull Air Race (2017年4月16日). 2017年4月18日閲覧。
  11. ^ a b c サンディエゴ:決勝レース後パイロットリアクション”. Red Bull Air Race (2017年4月16日). 2017年4月18日閲覧。
  12. ^ Berger leads the way in San Diego Free Practice”. Red Bull Air Race (2017年4月14日). 2017年4月17日閲覧。
  13. ^ Bergér controls final Free Practice session”. Red Bull Air Race (2017年4月15日). 2017年4月17日閲覧。
  14. ^ a b c Coleman beats the heat in Qualifying”. Red Bull Air Race (2017年4月15日). 2017年4月17日閲覧。
  15. ^ San Diego 2017 Reactions: Challenger Class Qualifying”. Red Bull Air Race (2017年4月15日). 2017年4月17日閲覧。
  16. ^ a b c Bergér sees off competitors in San Diego”. Red Bull Air Race (2017年4月16日). 2017年4月17日閲覧。
  17. ^ San Diego 2017 Reactions: Challenger Cup”. Red Bull Air Race (2017年4月16日). 2017年4月17日閲覧。

外部リンク

[編集]


前レース
第1戦 アラブ首長国連邦の旗 アブダビ
レッドブル・エアレース・ワールドシリーズ
2017年シーズン
第2戦 アメリカ合衆国の旗 サンディエゴ
次レース
第3戦 日本の旗 千葉