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マティアス・ドルダラー

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
マティアス・ドルダラー
Mattias Dolderer
}
レッドブル・エアレース・パイロットのドルダラー(撮影:ジェイソン・ジャネツキー)
生誕 (1970-09-15) 1970年9月15日(54歳)
国籍 ドイツの旗 バーデン=ヴュルテンベルク州オクセンハウゼン英語版ドイツ語版
レース経歴
初出場 2009年
最高順位 1位(2016年
機体 ジブコ エッジ540
公式サイト
matthiasdolderer.com
テンプレートを表示
2017年レッドブル・エアレース・ワールドシリーズ 千葉 マティアス・ドルダラー(ドイツ)の機体

マティアス・ドルダラーMatthias Dolderer1970年9月15日 - )は、ドイツのプロのレースパイロット[1]バーデン=ヴュルテンベルク州オクセンハウゼン英語版ドイツ語版出身。2009年からレッドブル・エアレース・ワールドシリーズに参戦していた[2]

経歴

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飛行キャリアの始まり

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ドルダラーはかつて、時速約400kmで飛ぶレッドブル・エアレースの正確な飛行と、車庫に車を駐車することとを比較した。フライト・スクールを営む両親の元で育ち、3歳の時に父親と初めて飛行機に乗り、14歳で単独飛行を果たした。「初めて飛んだ時から、飛ぶことは私の情熱であり、インスピレーションそのものなんだ。私は人生のほとんどをハンガーや飛行場、コックピットで過ごしてきたからね。」と話している。

17歳の時にグライダーウルトラライトプレーンのライセンスを取得、その翌年にはプライベート・パイロットのライセンスを取得した。その数日後に参加したドイツ選手権で3位入賞を果たした。1988年から1991年には、ドイツ選手権に4度、ヨーロッパ選手権に2度参戦し、世界選手権のウルトラライトプレーンのナショナル・チームのメンバーに選出された。国内チャンピオンになったのを機に、ウルトラライトプレーンのキャリアを終えた

21歳の時、ドイツで最年少のフライトの教官になった。妹のヴェレナ (Verena) と共に、“プロアマ問わず飛行家たちやファンが集う場所を作りたい」という家族の夢を叶えるためにタンハイム飛行場を引き継ぎ、1993年にヨーロッパ最大の飛行イベントフライ・インを開催することで実現した。

1993年から、ヨーロッパ各地のエアショーに参加しており、1年の内、300日ほどを150種以上の飛行機のコックピットで過ごしている。2002年オーストリアフライング・ブルズのオフィシャル・パイロットになり、現在も別の機体であるがフライング・ブルズでパフォーマンスをしている[3]

フロリアン・バーガーはドルダラーのフライト・スクールで曲技飛行の訓練を開始した。

競技型曲技飛行

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2006年、将来的にレッドブル・エアレースのパイロットになりたいとの思いを強くし、競技志向の曲技飛行へ活動の重点を移していった。それから1年後には、曲技飛行世界選手権でアンリミテッド部門に参加した。2008年、厳しいトレーニングを終えた後に大きく飛躍し、曲技飛行のドイツ選手権で優勝し、ワールド・エアロバティック・カップのような国際大会でも上位入賞を果たすようになった。

2008年9月末に、スペインカサルビオスで行われたレッドブル・エアレースの予選キャンプに招待され、自らの道を切り開いた。6人の候補者の内、5人が世界選手権出場に必要なスーパーライセンスを取得。最終的にドルダラーも4人のルーキーの1人に残ることが出来た。

レッドブル・エアレースでは「Matthias Dolderer Racing」として活動していた。

2015年までの最高位は3位だったが、2016年第2戦で初優勝[4]。第4戦ではファイナル4が中止になるという事態が起こったが、2勝目を挙げた[5]。第7戦で3勝目を挙げ[6]、最終戦を前にワールドチャンピオンとなることが決定した[7]

戦績

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レッドブル・エアレース

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金色 銀色 銅色 ポイント圏内完走 ポイント圏外完走
1位 2位 3位 4-11位(2009年・2010年)
4-08位(2014年・2015年)
4-10位[注 1](2016年 - 2018年)
4-13位(2019年 - [注 2]
12位以下(2009年・2010年)
09位以下(2014年・2015年)
11位以下[注 1](2016年 - 2018年)
14位(2019年 - )
ドイツの旗 マティアス・ドルダラー
レッドブル・エアレース・ワールドシリーズ戦績
開催年 1 2 3 4 5 6 7 8 ポイント 勝利数 最終順位
2009年 アラブ首長国連邦の旗
11位
1
アメリカ合衆国の旗
13位
0
カナダの旗
13位
0
ハンガリーの旗
5位
7
ポルトガルの旗
6位
6
スペインの旗
3位
9
23 0 9位
2010年 アラブ首長国連邦の旗
7位
5
オーストラリアの旗
7位
5
ブラジルの旗
10位
2
カナダの旗
5位
7
アメリカ合衆国の旗
10位
2
ドイツの旗
7位
5
26 0 8位
2011年から2013年はレース休止
2014年 アラブ首長国連邦の旗
6位
3
クロアチアの旗
9位
0
マレーシアの旗
8位
1
ポーランドの旗
11位
0
イギリスの旗
4位
5
アメリカ合衆国の旗
4位
5
アメリカ合衆国の旗
3位
7
オーストラリアの旗
11位
0
21 0 7位
2015年 アラブ首長国連邦の旗
9位[9]
0
日本の旗
3位[10]
7
クロアチアの旗
6位[11][12]
3
ハンガリーの旗
7位[13][14]
2
イギリスの旗
10位[15]
0
オーストリアの旗
6位[16]
3
アメリカ合衆国の旗
5位[17]
4
アメリカ合衆国の旗
3位[18]
7
26 0 5位
2016年 アラブ首長国連邦の旗
2位[19]
12
オーストリアの旗
1位[4]
15
日本の旗
8位[20]
3
ハンガリーの旗
1位[5]
11.25
イギリスの旗
2位[21]
12
ドイツの旗
2位[22]
12
アメリカ合衆国の旗
1位[6]
15
アメリカ合衆国の旗
中止[23]
80.25 3 1位[7]
2017年 アラブ首長国連邦の旗
4位[24]
7
アメリカ合衆国の旗
3位[25]
9
日本の旗
4位[26]
7
ハンガリーの旗
13位[27]
0
ロシアの旗
10位[28]
1
ポルトガルの旗
8位[29]
3
ドイツの旗
12位[30]
0
アメリカ合衆国の旗
2位[31]
12
39 0 7位
2018年 アラブ首長国連邦の旗
13位[32]
0
フランスの旗
2位[33]
12
日本の旗
8位[34]
3
ハンガリーの旗
DNS[35]
0
ロシアの旗
13位[36]
0
オーストリアの旗
9位[37]
2
アメリカ合衆国の旗
11位[38]
0
アメリカ合衆国の旗
13位[39]
0
17 0 12位
2019年 アラブ首長国連邦の旗
11位
3
ロシアの旗
DNS
0
ハンガリーの旗
13位
1
日本の旗
12位
2
3 6 14位

曲技飛行大会

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開催期間 競技名 開催場所 クラス 順位 使用機 機体記号 備考
2006年 第46回 ドイツ選手権 ドイツの旗 ドイツ タンハイム英語版 Advanced 8位 EA-300L D-EXPS [40]
2007年 第47回 ドイツ選手権 ドイツの旗 ドイツ コッホシュテットドイツ語版 Unlimited 6位 EA-300S N8JX [41]
フリースタイル 4位 [42]
2008年 第48回 ドイツ選手権 ドイツの旗 ドイツ コッホシュテットドイツ語版 Unlimited 1位 EA-330SC D-EXMD [43]
フリースタイル 2位 [44]
2008年 7月5日 - 13日 第16回 FAI曲技飛行ヨーロッパ選手権英語版  チェコ フラデツ・クラーロヴェー Unlimited 19位 EA-330SC D-EXMD [45]

その他

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1988年 - 1991年
  • マイクロライトプレーン ドイツ選手権優勝[1]
1988年
  • マイクロライトプレーン ヨーロッパ選手権優勝
1990年
  • マイクロライトプレーン 世界選手権優勝
1991年
  • マイクロライトプレーン ヨーロッパ選手権優勝、ドイツ国内チャンピオン
2006年
  • ドイツ・エアロバティック選手権アドバンスト部門参加
2007年
  • ドイツ・エアロバティック選手権アンリミテッド部門参加
  • エアロバティック世界選手権アンリミテッド部門参加
2008年
  • ヨーロッパ・エアロバティック選手権アンリミテッド部門 19位[46]
  • エアロバティック・ワールドカップ(チェコ)アンリミテッド部門 2位
  • ドイツ・エアロバティック選手権アンリミテッド部門 1位
  • ドイツ・エアロバティック選手権 4分間フリースタイル・プログラム 2位
  • 2009年のレッドブル・エアレース参戦権を獲得

脚注・出典

[編集]

脚注

[編集]
  1. ^ a b 2016年シーズンは初戦のみ9位までポイント圏内、第2戦以降改訂された。
  2. ^ 2019年シーズンから予選上位3位までポイントが与えられる。[8]

出典

[編集]
  1. ^ a b Dolderer, Matthias. “Matthias Dolderer-Pilot Vita”. 2008年12月13日閲覧。
  2. ^ Four Rookie For 2009”. Red Bull Air Race GmbH (2008年11月19日). 2008年12月13日閲覧。
  3. ^ Red Bull Air Race. “Matthias Dolderer-Pilot Biography”. 2008年12月13日閲覧。
  4. ^ a b シュピールベルク決勝:パイロットリアクション”. Red Bull Air Race (2016年4月24日). 2016年4月25日閲覧。
  5. ^ a b Dolderer unstoppable in Budapest”. Red Bull Air Race (2016年7月17日). 2016年7月18日閲覧。
  6. ^ a b インディアナポリス:決勝レース・リアクション”. Red Bull Air Race (2016年10月2日). 2016年10月3日閲覧。
  7. ^ a b インディアナポリス:ドルダラーが優勝&ワールドチャンピオンを達成”. Red Bull Air Race (2016年10月2日). 2016年10月4日閲覧。
  8. ^ 2019シーズン:ルール&チーム変更詳細”. Red Bull Air Race (2019年1月30日). 2019年2月10日閲覧。
  9. ^ Reactions: Race Day from Abu Dhabi”. Red Bull Air Race (2015年2月14日). 2016年2月3日閲覧。
  10. ^ ボノムが開幕戦アブダビに続き2連勝!”. Red Bull Air Race (2015年5月17日). 2015年10月11日閲覧。
  11. ^ 第3戦ロヴィニ:決勝レース終了後パイロットリアクション”. Red Bull Air Race (2015年5月30日). 2015年10月11日閲覧。
  12. ^ 浅田真樹 (2015年6月2日). “【エアレース】室屋義秀、第3戦で10位もトップ争いへ視界良好”. Web Sportiva. 集英社. 2015年10月11日閲覧。
  13. ^ ブダペストはハンネス・アルヒが優勝!”. Red Bull Air Race (2015年7月5日). 2015年10月11日閲覧。
  14. ^ 浅田真樹 (2015年7月8日). “【エアレース】室屋義秀が強くなったからこそ味わう「勝つことの難しさ」”. Web Sportiva. 集英社. 2015年10月11日閲覧。
  15. ^ 浅田真樹 (2015年8月19日). “【エアレース】今季初の表彰台獲得。室屋義秀が「さらに上を狙える」根拠”. Web Sportiva. 集英社. 2015年10月11日閲覧。
  16. ^ 第6戦シュピールベルク:決勝レース後リアクション”. Red Bull Air Race (2015年9月6日). 2015年10月11日閲覧。
  17. ^ Bonhomme takes decisive win in Fort Worth”. Red Bull Air Race (2015年9月27日). 2015年10月11日閲覧。
  18. ^ 第8戦ラスベガス:決勝レース後リアクション”. Red Bull Air Race (2015年10月18日). 2015年10月20日閲覧。
  19. ^ アブダビ決勝: パイロットリアクション”. Red Bull Air Race (2016年3月12日). 2016年3月14日閲覧。
  20. ^ Muroya celebrates stunning home victory”. Red Bull Air Race (2016年6月5日). 2016年6月5日閲覧。
  21. ^ アスコット:決勝レース・リアクション”. Red Bull Air Race (2016年8月14日). 2016年8月15日閲覧。
  22. ^ Lausitz 2016: Master Class Race Day reactions”. Red Bull Air Race (2016年9月4日). 2016年9月5日閲覧。
  23. ^ NEWS UPDATE: Las Vegas race cancelled due to desert wind”. Red Bull Air Race (2016年10月17日). 2016年10月17日閲覧。
  24. ^ アブダビ:ソンカがキャリア初優勝”. Red Bull Air Race (2017年2月11日). 2017年2月14日閲覧。
  25. ^ サンディエゴ:室屋義秀が優勝!”. Red Bull Air Race (2017年4月16日). 2017年4月17日閲覧。
  26. ^ 千葉:室屋がホームレース2連覇を達成”. Red Bull Air Race (2017年6月4日). 2017年6月4日閲覧。
  27. ^ ブダペスト:チャンブリスが優勝 室屋は3位”. Red Bull Air Race (2017年7月2日). 2017年7月3日閲覧。
  28. ^ カザン:チャンブリスが2連勝”. Red Bull Air Race (2017年7月23日). 2017年7月24日閲覧。
  29. ^ Sonka stuns rivals with Porto win”. Red Bull Air Race (2017年9月3日). 2017年9月4日閲覧。
  30. ^ Muroya the master of Lausitz”. Red Bull Air Race (2017年9月17日). 2017年9月18日閲覧。
  31. ^ インディアナポリス:室屋が優勝&ワールドチャンピオン獲得”. Red Bull Air Race (2017年10月15日). 2017年10月16日閲覧。
  32. ^ 2018シーズン開幕戦アブダビ:優勝はグーリアン 室屋は2位”. Red Bull Air Race (2018年2月3日). 2018年2月4日閲覧。
  33. ^ Hall has the Edge in Cannes with historic win”. Red Bull Air Race (2018年4月22日). 2018年4月26日閲覧。
  34. ^ 千葉:マット・ホールが優勝”. Red Bull Air Race (2018年5月27日). 2018年5月28日閲覧。
  35. ^ BREAKING NEWS: Dolderer unable to race in Budapest due to illness”. Red Bull Air Race (2018年6月23日). 2018年6月26日閲覧。
  36. ^ Sensational scenes in Kazan as Sonka takes dramatic victory”. Red Bull Air Race (2018年8月26日). 2018年8月27日閲覧。
  37. ^ ウィーナー・ノイシュタット:決勝レース後 パイロットリアクション”. Red Bull Air Race (2018年9月15日). 2018年9月27日閲覧。
  38. ^ Goulian becomes a home race hero in Indy”. Red Bull Air Race (2018年10月7日). 2018年10月8日閲覧。
  39. ^ フォートワース:決勝レース後 パイロットリアクション”. Red Bull Air Race (2018年11月18日). 2018年12月3日閲覧。
  40. ^ Contest Profile - Aerobatic Contest Archive”. Aerobatic Contest Archive. 2018年6月23日閲覧。
  41. ^ Contest Profile - Aerobatic Contest Archive”. Aerobatic Contest Archive. 2018年6月23日閲覧。
  42. ^ Contest Profile - Aerobatic Contest Archive”. Aerobatic Contest Archive. 2018年6月23日閲覧。
  43. ^ Contest Profile - Aerobatic Contest Archive”. Aerobatic Contest Archive. 2018年6月23日閲覧。
  44. ^ Contest Profile - Aerobatic Contest Archive”. Aerobatic Contest Archive. 2018年6月23日閲覧。
  45. ^ Contest Profile - Aerobatic Contest Archive”. Aerobatic Contest Archive. 2018年6月23日閲覧。
  46. ^ Combined Results (overall)”. Aerobatic Contest Results Organiser. 2018年6月20日閲覧。

外部リンク

[編集]
タイトル
先代
ポール・ボノム
(2015)
レッドブル・エアレース・ワールドシリーズ チャンピオン
2016
次代
室屋義秀
(2017)