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2-ヘプタノン

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
2-ヘプタノン
2-Heptanone[1]
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識別情報
CAS登録番号 110-43-0 チェック
PubChem 8051
ChemSpider 7760 チェック
UNII 89VVP1B008 チェック
KEGG C08380 チェック
ChEBI
ChEMBL CHEMBL18893 チェック
特性
化学式 C7H14O
モル質量 114.18 g/mol
外観 無色の液体
匂い 果実香[2]、石鹸香[3]
嗅覚閾値 0.35ppm[2]
密度 0.8 g/mL
融点

-35.5 °C

沸点

151 °C

への溶解度 4300mg/l(25℃)
危険性
引火点 42℃
発火点 393℃
半数致死量 LD50 730mg/kg(マウス、経口)
特記なき場合、データは常温 (25 °C)・常圧 (100 kPa) におけるものである。

2-ヘプタノン: 2-Heptanone)はメチルケトンの一種。メチルノルマルペンチルケトン、アミルメチルケトンなどの別名がある。化学式C7H14Oで、無色の液体。果実香を持つ。消防法に定める第4類危険物 第2石油類に該当する[4]

2-ヘプタノンは、ゴルゴンゾーラの主要な香り成分の一つである

歴史

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1924年、スターケル(M.Starkle)はカビに感染したココナッツ油からメチルケトンが生じることを発見した。1950年、パットン(S.Patton)はカビで熟成したチーズから3種類のメチルケトンを単離し、チーズの匂いの主要成分であることを報告した。このことから、2-ヘプタノンや2-ノナノン2-ウンデカノンなどのα-メチルケトン類がチーズや果実の香料として使われるようになった[5]

生成

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ココナッツ油に含まれる脂肪酸カプリル酸Penicillium decumbensAureobasidium pullulansなどのカビを作用させると、カルボキシル基の隣の位置がβ酸化される。その後β-ケト酸脱炭酸酵素によりカルボキシル基が失われ、2-ヘプタノンとなる。菌体より胞子の方が活性が高く、エタノールアラニンを添加して胞子の発芽を促すことにより収量を増すことができる。Amastigomycotaを用いた実験では、培養液1リットル当たり90gの2-ヘプタノンを得ることができた。同種の反応は、炭素数14以上の脂肪酸では全く進行しない[5]

脚注

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  1. ^ Methyl n-amyl ketone, International Occupational Safety and Health Information Centre (CIS)
  2. ^ a b 製品安全データシート東京化成工業
  3. ^ 化合物とにおいの説明国立医薬品食品衛生研究所Microsoft Excel
  4. ^ 法規情報 (東京化成工業株式会社)
  5. ^ a b 井上重治『微生物と香り ミクロの世界のアロマの力』フレグランスジャーナル社、2002年8月1日、161-162頁。ISBN 4-89479-057-2