館山自動車道
高速自動車国道 (有料) | |
---|---|
E14 館山自動車道 | |
路線延長 | 55.7 km |
開通年 | 1995年(平成7年) - 2007年(平成19年) |
起点 | 千葉県千葉市中央区(浜野町) |
主な 経由都市 |
市原市、袖ケ浦市 木更津市、君津市 |
終点 | 本線は富津市(富津竹岡IC) 木更津南支線は千葉県木更津市(木更津南IC) |
接続する 主な道路 (記法) |
記事参照 |
■テンプレート(■ノート ■使い方) ■PJ道路 |
館山自動車道(たてやまじどうしゃどう、英語: TATEYAMA EXPWY[1])は、千葉県千葉市中央区の京葉道路から富津市の富津竹岡インターチェンジ (IC) へ至る高速道路(高速自動車国道)である。略称は館山道(たてやまどう)。館山自動車道と称すが、接続する富津館山道路も含めて館山市内までには入っていない。
高速道路ナンバリングによる路線番号は京葉道路、富津館山道路とともに「E14」が割り振られている[2]。
概要
[編集]北側は京葉道路、南側は富津館山道路と接続しており、東京都都心から千葉県の南房総市までを自動車専用道路で結ぶ。キロポスト表示は京葉道路一之江橋起点から、IC番号も篠崎ICからの通しとなっており、富津館山道路まで続いている。実質的には京葉道路起点から富津館山道路富浦ICまで1つの高速道路としてみなすことができる。また木更津JCTにて東京湾アクアライン連絡道(アクア連絡道)へ分岐し、神奈川県へもアクセスが可能である。2007年(平成19年)3月21日には首都圏中央連絡自動車道(圏央道)も接続した。
他の高速自動車国道との(予定路線区間等も含めて)直接接続が一切ない珍しい路線である。同様の高速自動車国道は、沖縄県にある沖縄自動車道のみであり、日本本土においては館山道以外にない。また、起点の京葉道路接続部(千葉南JCT)はランプウェイが整備されておらず、同様の例は千葉県内では他に木更津西JCT(アクア連絡道・圏央道接続点)がある程度で、全国的に珍しい。
国土開発幹線自動車道建設法における路線名は「東関東自動車道館山線」であり、高速自動車国道の路線を指定する政令で指定された正式な路線名は「東関東自動車道千葉富津線」となっている。
インターチェンジなど
[編集]ここでは、京葉道路 - 木更津南JCT - 富津竹岡ICを本線、木更津南JCT - 木更津南ICを木更津南支線とする。
- IC番号欄の背景色が■である部分については道路が供用済みの区間を示す。
- スマートインターチェンジ (SIC) および「ETC専用出入口」は背景色■で示す。
- バスストップ (BS) のうち、○/●は運用中、◆は休止中の施設。無印はBSなし。
- 略字は、ICはインターチェンジ、JCTはジャンクション、SAはサービスエリア、PAはパーキングエリアをそれぞれ示す。
- IC番号、キロポストは京葉道路篠崎ICからの通しとなっている。
本線
[編集]- 全区間千葉県内に所在。
IC 番号 |
施設名 | 接続路線名 | 起点 から (km) |
BS | 備考 | 所在地 |
---|---|---|---|---|---|---|
E14 京葉道路 船橋 篠崎 小松川 東京方面 | ||||||
- | (千葉南JCT)[3] | 35.7 | 一般国道16号京葉道路と東関東自動車道千葉富津線の境界 一般道との接続なし |
千葉市 中央区 | ||
13 | 市原IC | 国道297号(市原バイパス) | 43.7 | 市原市 | ||
- | 市原SA | - | 48.1 | |||
14 | 姉崎袖ケ浦IC | 県道24号千葉鴨川線 | 53.7 | |||
15 | 木更津北IC | 国道409号(房総横断道路) | 60.7 | 木更津市 | ||
16 | 木更津JCT | CA 東京湾アクアライン連絡道 C4 首都圏中央連絡自動車道 |
62.5 | 圏央道のJCT番号は、「110」 | ||
17 | 木更津南JCT | 木更津南・富津岬方面(E14木更津南支線) | 66.4 | |||
- | 木更津羽鳥野BS | - | ○ | |||
18 | 君津IC | 県道92号君津鴨川線 | 70.4 | 君津市 | ||
18-1 | 君津PA/SIC | 74.7 | スマートICは6 - 22時 | |||
19 | 富津中央IC | 国道127号 | 79.6 | 富津市 | ||
- | 富津浅間山BS | - | ○ | 2019年10月1日供用開始[4] | ||
20 | 富津竹岡IC | 県道91号竹岡インター線 | 87.1 | |||
E14 富津館山道路 館山方面 |
- 京葉道路は、市原ICから8.0 km先で接続している。
- IC番号・キロポストは、京葉道路から連続している。
木更津南支線
[編集]IC 番号 |
施設名 | 接続路線名 | 起点 から (km) |
---|---|---|---|
17 | 木更津南JCT | E14本線 | 0.0 |
- | 木更津南料金所 | ||
17-1 | 木更津南IC | 国道127号 | 2.0 |
終点 | 国道16号(東京湾岸道路) | 4.3 |
- キロポストは、木更津南JCTを起点に「支0.3」のように設置されている。
歴史
[編集]- 1995年(平成7年)4月26日 : 千葉南JCT - 姉崎袖ケ浦IC開通。
- 1995年(平成7年)7月18日 : 姉崎袖ケ浦IC - 木更津南IC開通[5]。
- 1996年(平成8年)3月28日 : 木更津JCT開通により、東京湾アクアライン連絡道と接続[6][注釈 1]。
- 2003年(平成15年)4月29日 : 木更津南JCT - 君津IC開通[8]。
- 2005年(平成17年)3月19日 : 富津中央IC - 富津竹岡IC開通[9]。
- 2007年(平成19年)3月21日 : 木更津JCTで首都圏中央連絡自動車道に接続。
- 2007年(平成19年)7月4日 : 君津IC - 富津中央IC開通により、着工から24年目で全線開通。同時に木更津南JCT - 君津ICが4車線化。
- 2009年(平成21年)3月29日 : 君津PAにてスマートインターチェンジの運用開始(千葉県では初のスマートインターチェンジ)。
- 2015年(平成27年)6月7日 : 首都圏中央連絡自動車道の神崎IC - 大栄JCT間開通により、京葉道路・東関東自動車道経由で千葉県外の高速自動車国道とも接続。
- 2019年(平成31年)3月31日 : 君津IC - 富津中央ICが4車線化[10]。
- 2020年(令和2年)3月6日 : 富津中央IC - 富津竹岡ICが4車線化[11]。これによりほぼ全線4車線化[11]。ただし、天羽トンネル下り線は1車線。
- 2023年(令和5年)12月7日 : 富津中央ICがETC専用に変更[12]。
路線状況
[編集]サービスエリア・パーキングエリア
[編集]館山自動車道は総距離が短いこともあり、休憩所は市原サービスエリア (SA) と君津パーキングエリア (PA) の2か所のみである。市原SAはガソリンスタンド、上り線にロッテリアがあり、スナック・ショッピングコーナーも上下線ともに24時間営業となっているが、下り線のガソリンスタンドは深夜営業をしていない。君津PAはトイレと自動販売機のみのPAとなっている。
主なトンネル・橋
[編集]- 天羽トンネル
- 上り線1,271 m
- 下り線1,255 m
トンネルの数
[編集]区間 | 上り線 | 下り線 |
---|---|---|
京葉道路接続部 - 富津中央IC | 0 | 0 |
富津中央IC - 富津竹岡IC | 1 | 1 |
木更津南JCT - 木更津南IC | 0 | 0 |
合計 | 1 | 1 |
- 富津中央IC - 富津竹岡IC間に1本ある以外、トンネルは存在しない。なお、接続する富津館山道路はトンネルが多い。
車線・最高速度
[編集]区間 | 車線 | 最高速度 | |||||
---|---|---|---|---|---|---|---|
上下線 | 上り線 | 下り線 | 大特 三輪・牽引 |
大型貨物 特定中型貨物 |
左記以外の車両 | ||
本線 | |||||||
南千葉JCT - 天羽トンネル付近 | 4 | 2 | 2 | 80 km/h (法定) |
90 km/h (法定) |
100 km/h (法定) | |
天羽トンネル付近 - 富津竹岡IC | 3 | 2 | 1 | (上下線) 80 km/h (法定) |
(下り線) 80 km/h (指定) (上り線) 90 km/h (法定) |
(下り線) 80 km/h (指定) (上り線) 100 km/h (法定) | |
木更津南支線 | |||||||
全線 | 4 | 2 | 2 | 80 km/h (法定) |
80 km/h (指定) |
80 km/h (指定) |
- 一部を除き全線4車線供用、木更津南支線を除くほぼ全線が最高速度100㎞/hで運用されている。
- ただし、終点の富津竹岡ICから南の富津館山道路が暫定2車線かつ富津竹岡ICがトンネルに囲まれている地形的制約上、天羽トンネルの下り線が1車線運用で、80㎞/hとなっている。
- 君津IC以南から終点までの16.7kmは暫定2車線だったが、2009年(平成21年)4月27日の第4回国土開発幹線自動車道建設会議にて4車線に整備計画が変更されたものの[13]、2009年(平成21年)10月、政権交代を果たした民主党の公共事業見直しにより国土交通省が4車線化事業の凍結を決定し、再び4車線化工事は白紙になった[14]。しかし、繁忙期には渋滞が頻発していたことから、2012年(平成24年)4月に事業許可を受け、その後2012年(平成24年)10月に測量、土質調査及び工事に向けた設計を開始、2015年(平成27年)1月20日に着工式が行われた[15]。君津IC - 富津中央IC間は2019年(平成31年)3月31日に[10]、富津中央IC - 富津竹岡IC間は2020年(令和2年)3月6日に4車線化された[11]。
交通量
[編集]本線
[編集]24時間交通量(台) 道路交通センサス
区間 | 平成11(1999)年度 | 平成17(2005)年度 | 平成22(2010)年度 | 平成27(2015)年度 | 令和3(2021)年度 |
---|---|---|---|---|---|
蘇我IC - 市原IC | 36,974 | 38,437 | 43,092 | 42,324 | 43,752 |
市原IC - 姉崎袖ケ浦IC | 26,364 | 27,057 | 33,536 | 34,217 | 34,991 |
姉崎袖ケ浦IC - 木更津北IC | 19,985 | 21,335 | 28,511 | 29,873 | 30,149 |
木更津北IC - 木更津JCT | 17,315 | 19,524 | 25,602 | 27,004 | 27,330 |
木更津JCT - 木更津南JCT | 14,385 | 16,656 | 24,478 | 27,180 | 28,029 |
木更津南JCT - 君津IC | 調査当時未開通 | 5,903 | 14,235 | 15,767 | 17,457 |
君津IC - 君津PASIC | 調査当時未開通 | 9,891 | 10,742 | 12,429 | |
君津PASIC - 富津中央IC | 9,651 | 10,449 | 11,974 | ||
富津中央IC - 富津竹岡IC | 調査当時未開通 | 4,240 | 9,101 | 9,717 | 10,787 |
(出典:「平成17年 道路交通センサス 一般交通量調査結果」(関東地方整備局ホームページ)「平成22年度道路交通センサス」・「平成27年度全国道路・街路交通情勢調査」・「令和3年度全国道路・街路交通情勢調査」(国土交通省ホームページ)より一部データを抜粋して作成)
木更津南支線
[編集]24時間交通量(台) 道路交通センサス
区間 | 平成11(1999)年度 | 平成17(2005)年度 | 平成22(2010)年度 | 平成27(2015)年度 | 令和3(2021)年度 |
---|---|---|---|---|---|
木更津南JCT - 木更津南IC | 14,385 | 10,921 | 12,853 | 14,605 | 13,526 |
木更津南IC - 取付部 | 14,385 | 4,942 | 7,385 | 8,393 | 13,526 |
(出典:「平成17年度 道路交通センサス一般交通量調査結果」(関東地方整備局ホームページ)平成22年度道路交通センサス」・「平成27年度全国道路・街路交通情勢調査」・「令和3年度全国道路・街路交通情勢調査」(国土交通省ホームページ)より一部データを抜粋して作成)
- 令和2年度に実施予定だった交通量調査は、新型コロナウイルスの影響で延期された[16]。
総交通量(2008年(平成20年)度)
- 1日平均 : 6万6827台
料金収入(2008年(平成20年)度)
- 1日平均 : 3704万5000円
道路管理者
[編集]ハイウェイラジオ
[編集]- 市原(市原IC - 市原SA)
- 姉崎袖ケ浦(姉崎袖ケ浦IC - 木更津北IC)
- 木更津(木更津JCT - 木更津南JCT)
全ての箇所でコールサインは「ハイウェイラジオ館山道○○」と放送される。(例:市原であれば「ハイウェイラジオ館山道市原よりお伝えしました。」)
地理
[編集]通過する自治体
[編集]接続する高速道路
[編集]接続している高速道路はいずれも一般国道の自動車専用道路であり、高速自動車国道とは接続していない。
- E14 京葉道路(千葉市中央区浜野町本線で直結)
- CA 東京湾アクアライン連絡道(木更津JCTで接続)
- C4 首都圏中央連絡自動車道(木更津JCTで接続)
- E14 富津館山道路(富津竹岡ICで直結)
脚注
[編集]注釈
[編集]出典
[編集]この節で示されている出典について、該当する記述が具体的にその文献の何ページあるいはどの章節にあるのか、特定が求められています。 |
- ^ “Japan's Expressway Numbering System” (PDF). Ministry of Land, Infrastructure, Transport and Tourism. 2022年4月4日閲覧。
- ^ “高速道路ナンバリング一覧”. 国土交通省. 2017年9月3日閲覧。
- ^ “高速自動車国道北海道縦貫自動車道函館名寄線等に関する協定 別紙-8 料金の額及びその徴収期間” (PDF). 独立行政法人日本高速道路保有・債務返済機構. 2015年7月7日閲覧。
- ^ “館山自動車道『富津浅間山バスストップ』が令和元年10月1日(火)から利用できます” (PDF). 富津市 建設経済部 建設課 (2019年8月22日). 2020年12月30日閲覧。
- ^ “館山線木更津まで開通 テープカット、渡り初め 千葉から所要時間約半分に”. 千葉日報 (千葉日報社): p. [要ページ番号]. (1995年7月19日)
- ^ “湾横連絡道が開通 知事らテープカット 木更津JCT - 袖ヶ浦IC間”. 千葉日報 (千葉日報社): p. [要ページ番号]. (1996年3月29日)
- ^ ““夢”運ぶ海渡る道 東京湾アクアライン開通 幕開ける“房総新時代””. 千葉日報 (千葉日報社): p. [要ページ番号]. (1997年12月19日)
- ^ “南房総への渋滞緩和 木更津南-君津インターチェンジの延長4キロ開通 館山自動車道」”. 千葉日報 (千葉日報社): p. [要ページ番号]. (2003年4月30日)
- ^ “富津中央 - 竹岡が開通 館山道、残るは1区間”. 千葉日報 (千葉日報社): p. [要ページ番号]. (2005年3月20日)
- ^ a b “E14館山自動車道 君津IC〜富津中央IC間が3月31日(日)に4車線となります” (PDF). 東日本高速道路株式会社 (2019年3月27日). 2019年3月27日閲覧。
- ^ a b c “E14館山自動車道 富津中央IC~富津竹岡IC間が3月6日(金)に4車線となります” (PDF). 東日本高速道路株式会社関東支社 (2020年2月7日). 2020年2月7日閲覧。
- ^ “E14館山自動車道 富津中央IC(出入口)及びE14富津館山道路 富津金谷IC(出入口)が令和5年12月7日(木)0時にETC専用料金所に変わります” (PDF). 東日本高速道路株式会社 (2023年11月1日). 2023年12月7日閲覧。
- ^ 「館山道期成同盟会 道路整備の要望活動展開へ」房日新聞 2009年6月4日
- ^ 「4車線化凍結『地元の声聞いて』 自治体、建設業者ら反発」東京新聞 2009年10月7日
- ^ “館山自動車道(木更津南JCT〜富津竹岡IC間)4車線化工事着工式の開催について”. 東関東自動車道館山線・一般国道127号富津館山道路建設促進期成同盟会 東日本高速道路株式会社関東支社 (2015年1月9日). 2015年3月24日閲覧。
- ^ a b “令和2年度全国道路・街路交通情勢調査の延期について” (PDF). 国土交通省 道路局 (2020年10月14日). 2021年4月27日閲覧。