雨煙別駅
雨煙別駅 | |
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うえんべつ Uembetsu | |
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所在地 | 北海道雨竜郡幌加内町字雨煙別 |
所属事業者 | 北海道旅客鉄道(JR北海道) |
所属路線 | 深名線 |
キロ程 | 51.1 km(深川起点) |
電報略号 | ウエ |
駅構造 | 地上駅 |
ホーム | 1面1線(廃止時) |
開業年月日 | 1931年(昭和6年)9月15日[1] |
廃止年月日 | 1990年(平成2年)3月10日[1] |
雨煙別駅(うえんべつえき)は、北海道(空知支庁)雨竜郡幌加内町字雨煙別にあった北海道旅客鉄道(JR北海道)深名線の駅(廃駅)である。電報略号はウエ。事務管理コードは▲121407[2]。
歴史
[編集]利用者の減少により、深名線の廃止に先行して1990年(平成2年)に廃止された。
年表
[編集]- 1931年(昭和6年)
- 1941年(昭和16年)10月10日:線路名を深名線に改称、それに伴い同線の駅となる。
- 1949年(昭和24年)6月1日:公共企業体である日本国有鉄道に移管。
- 1960年(昭和35年)12月10日:貨物・荷物取扱い廃止[1]。
- 1962年(昭和37年)4月1日:業務委託化。
- 1982年(昭和57年)3月29日:無人化[4]。
- 1983年(昭和58年)12月1日:翌年4月20日まで休止となる[1]。以降毎年冬季休止となる[1]。
- 1987年(昭和62年)4月1日:国鉄分割民営化によりJR北海道に継承[1]。同時に臨時駅へ降格(毎年12月1日 - 4月20日の間は全列車通過)[1]。
- 1990年(平成2年)3月10日:冬季休業中のまま廃駅[1]。
駅名の由来
[編集]当駅近辺の地名より。アイヌ語の「ウェンペッ(wen-pet)」(悪い・川)より[5][6]。国鉄が発行した『北海道 駅名の起源』では「雨煙別川は断がいが多く、川を伝って歩くのが困難であったため[7]」と紹介しているが、この説についてアイヌ語研究者の山田秀三は「後人の推定であろう」としている[6]。
また、同様の由来を持つ地名は北海道内各地にあるが(植苗、宇遠内など)、何が「悪い」のかは大抵の場合わからない。ここも同様であるとされる[5]。
駅構造
[編集]廃止時点で、単式ホーム1面1線を有する地上駅であった。ホームは線路の東側(名寄方面に向かって右手側)に存在した。分岐器を持たない棒線駅となっていた[8]。かつては列車交換可能な交換駅であった。
無人駅となっており、有人駅時代の駅舎は積雪による倒壊が原因で解体されていた。1983年(昭和58年)時点では残存しており、構内の東側に位置しホームから少し離れていた[8]。
駅周辺
[編集]山に囲まれており、周囲の水田はほとんどが休耕地であった[8]。
- 国道275号(空知国道)
- 北海道大学演習林[9]
- 雨竜川[9]
- ウェンベツ川[9]
- 雨煙別の滝[9]
- 三頭山 - 駅の西。標高1009m[9]。頂上が三つに見える山で、駅から望めた[8]。
- 犬牛別山 - 駅の東。標高746m[9]。
- 坊主山 - 駅の東。標高746m[9]。
- ジェイ・アール北海道バス深名線「雨煙別」停留所
駅跡
[編集]2000年(平成12年)時点では、既に駅附近にあった農業倉庫が1棟残っている状態であった[10]。2010年(平成22年)時点でも同様であった[11]。駅関連施設は全て撤去されている[12]。 廃駅と同時に全ての施設が撤去され、跡形も分からなくなっているが、駅前通りや農業倉庫は今も残る。
隣の駅
[編集]脚注
[編集]- ^ a b c d e f g h i 石野哲 編『停車場変遷大事典 国鉄・JR編 II』(初版)JTB、1998年10月1日、847頁。ISBN 978-4-533-02980-6。
- ^ 日本国有鉄道営業局総務課 編『停車場一覧 昭和41年3月現在』日本国有鉄道、1966年、223頁。doi:10.11501/1873236 。2022年12月10日閲覧。
- ^ 『官報』 1931年09月03日 鉄道省告示第224号(国立国会図書館)
- ^ 「通報 ●深名線上多度志駅ほか9駅の駅員無配置について(旅客局)」『鉄道公報』日本国有鉄道総裁室文書課、1982年9月29日、3面。
- ^ a b “アイヌ語地名リスト イチャ~エリ P11-20” (PDF). アイヌ語地名リスト. 北海道 環境生活部 アイヌ政策推進室 (2007年). 2012年11月2日時点のオリジナルよりアーカイブ。2017年10月20日閲覧。
- ^ a b 山田秀三『北海道の地名』(2版)草風館、浦安市〈アイヌ語地名の研究 別巻〉、2018年11月30日、85頁。ISBN 978-4-88323-114-0。
- ^ 『北海道 駅名の起源』(第1版)日本国有鉄道北海道総局、札幌市、1973年3月25日、161頁。ASIN B000J9RBUY。
- ^ a b c d 書籍『国鉄全線各駅停車1 北海道690駅』(小学館、1983年7月発行)205ページより。
- ^ a b c d e f g 書籍『北海道道路地図 改訂版』(地勢堂、1980年3月発行)15ページより。
- ^ 書籍『鉄道廃線跡を歩くVII』(JTBパブリッシング、2000年1月発行)35ページより。
- ^ 書籍『新 鉄道廃線跡を歩く1 北海道・北東北編』(JTBパブリッシング、2010年4月発行)41ページより。
- ^ 書籍『北海道の鉄道廃線跡』(著:本久公洋、北海道新聞社、2011年9月発行)178ページより。