道化師のソネット
「道化師のソネット」 | ||||
---|---|---|---|---|
さだまさし の シングル | ||||
初出アルバム『さだまさし ヒット・コレクション』 | ||||
B面 | HAPPY BIRTHDAY | |||
リリース | ||||
規格 | 7インチシングル盤 | |||
ジャンル | ニューミュージック | |||
レーベル | フリーフライトレコード | |||
作詞・作曲 | さだまさし | |||
プロデュース | さだまさし | |||
チャート最高順位 | ||||
さだまさし シングル 年表 | ||||
| ||||
「道化師のソネット」(どうけしのソネット)は、シンガーソングライター・さだまさしが1980年2月25日にリリースしたシングル曲である。「道化師」は曲名では「どうけし」と読むが、詩において実際に歌う際には「ピエロ」の読みとなる。
楽曲解説
[編集]道化師のソネット
[編集]「雨やどり」、「関白宣言」、「親父の一番長い日」、「防人の詩」、「北の国から〜遥かなる大地より〜」などとともに、さだの代表作のひとつとされている[1]。
さだ自身が主演・音楽監督を務めた映画『翔べイカロスの翼』の主題歌。2008年4月からのゆうちょCMソングとしても用いられている。
映画『翔べイカロスの翼』は、ピエロとして子どもに夢を与えようと努力しながら、水戸市での興行中に転落死してしまった栗原徹の実話を、草鹿宏著作のノンフィクションをもとに制作している。さだは前年の「関白宣言」の大ヒットにより多忙な日々を送っていたが、その中でロケをこなし、音楽も制作した。音楽を制作したときには大阪のホテルで午後8時から台本を置いて、作品を収録したビデオテープを見ながら4~5時間かけて順に曲を付けていき、最後に主人公の青年が死去するシーンになった。そのシーンの後には青年が死んだことを知らない[2]子どもの台詞が入り、台本には「主題歌」と書かれていた。さだは即興でサビの「笑ってよ君のために~」という歌詩とメロディを同時に思いつき、そこから曲を書き上げたという。シングルのテイクは劇中使用の音源とは異なり、2番の歌詞が一部追加されている。映画『翔べイカロスの翼』はインディーズ作品だったためにヒットというわけにはいかず、長年ビデオ化などもされていなかったが、2012年10月にDVD化された。
さだは詩を完成させた後で「道化師のソネット」というタイトルを付けたが、命名後に詩の行数を数えたら、偶然ソネットの形式通りの14行になっていた、つまり意志的に14行で完成させたから「ソネット」と名付けたわけではない。さだはこの偶然について「神様っているのかもわかんない」とコメントしている。曲は大ヒットしオリコン・チャートでは海援隊の「贈る言葉」に次ぐ2位まで上昇した。現在でもさだのコンサートの重要なレパートリーの一つになっている。
さだのファンを公言する松本人志はこの曲を「生涯で一番聴いているかもしれない」と語っており、歌詞の内容を「芸人の根本や」とまで絶賛している。[3]
さだまさしファンで、さだ本人とも親交が深い立川談春は『サワコの朝』に出演時(2020年1月18日)、「思い出の中で今でも輝いている曲」としてこの曲を紹介した[4]。
2021年12月31日放送の第72回NHK紅白歌合戦に、さだは21回目の出場が決まり、同番組としては初めてこの曲が歌唱される[5]。
HAPPY BIRTHDAY
[編集]文化放送のラジオ番組『さだまさしのセイ!ヤング』が1991年に放送500回を達成した時の記念イベントで、参加したリスナー全員による合奏が行われた。
収録曲
[編集]「道化師のソネット」と「HAPPY BIRTHDAY」は両A面規格だった。
SIDE 1
[編集]「道化師のソネット」(作詩[6]・作曲:さだまさし、編曲:渡辺俊幸)
SIDE A
[編集]「HAPPY BIRTHDAY」(作詩・作曲・編曲:さだまさし)
- TBS系テレビ水曜劇場『なぜか初恋・南風』主題歌
カヴァー
[編集]道化師のソネット
[編集]- 岩田光央(1999年 アルバム『気の毒』、2003年 アルバム『ハイ テンション』)
- チキンガーリックステーキ(2004年 シングル)
- 千綿偉功(2008年 シングル『beginning/道化師のソネット』)
- 松浦亜弥(2008年 『さだまさしトリビュート さだのうた』)
- 新妻聖子(2010年 アルバム『アンダンテ』)
- 絵美子(2010年 コンピレーションアルバム『ラヴ イチキュウ ハチマル』)
- 鈴木雅之(2012年 シングル『十三夜』カップリング、「十三夜」はさだが制作・提供した楽曲)
- 岩崎宏美(2012年 アルバム『Dear Friends VI さだまさしトリビュート』)
- RiRiKA(2013年 アルバム『ラストダンスは私に』)
- トワ・エ・モワ(2015年 アルバム『タイム・フォー・アス』)
- CHOPSTICKS(2021年 アルバム『箸やすめ〜青春・卒業・恋 シャイニー&ハーモニー』、新沢としひこと木山裕策のユニット)
- 宮迫博之(2023年 アルバム『セカンドプロポーズ』)
- 石川ひとみ(2023年 アルバム『笑顔の花』)
- ゆず(2023年 アルバム『みんなのさだ』)
- September(2024年 アルバム『September BEST』)
参考文献
[編集]- 『NHK趣味百科 さだまさし音楽工房』テキスト(1992年 日本放送出版協会)
脚注
[編集]- ^ “さだまさし NHK紅白に特別企画で出場「道化師のソネット」生中継で歌唱”. 日刊スポーツ (2021年12月25日). 2021年12月25日閲覧。
- ^ これは、青年が道化師は子どもたちに夢を与える仕事なのだから、自分が死んだことを知らせないでくれと伝えていたため。
- ^ 『ダウンタウンのガキの使いやあらへんで』 2011年6月5日放送「チキチキ思い入れドライブソング~!!」[出典無効]
- ^ “価格.com - 「サワコの朝 ~【立川談春▽落語家 談志に憧れて…】~」2020年1月18日(土)放送内容 | テレビ紹介情報”. kakaku.com. 2021年12月25日閲覧。
- ^ 日本放送協会. “さだまさし 紅白に出場決定!”. 第72回NHK紅白歌合戦. 2021年12月25日閲覧。
- ^ さだの作品はすべて作詞ではなく「作詩」とクレジットされているので誤記ではない。