CRUISE (中森明菜のアルバム)
『CRUISE』 | ||||
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中森明菜 の スタジオ・アルバム | ||||
リリース | ||||
録音 |
1989年4月3日 - 4日[1] ザ・ヒット・ファクトリー[2] | |||
ジャンル | ポップ・ミュージック | |||
時間 | ||||
レーベル |
リプリーズ・レコード/ ワーナー・パイオニア | |||
チャート最高順位 | ||||
中森明菜 アルバム 年表 | ||||
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EANコード | ||||
JAN 4988014700801 | ||||
『CRUISE』収録のシングル | ||||
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『CRUISE』(クルーズ)は、日本の歌手中森明菜の14作目のスタジオ・アルバム。このアルバムは1989年7月25日にワーナー・パイオニア(現:ワーナーミュージック・ジャパン)よりリリースされた (LP: 25L1-80, CT: 25L4-80, CD: 29L2-80, GOLD CD: 36L2-5103)。
背景と構成
[編集]『CRUISE』は、中森がワーナー在籍時に発表した最後のスタジオ・アルバムで、1989年7月25日にLP (25L1-80)とカセット (25L4-80)とCD (29L2-80)とGOLD CD (36L2-5103)の4形態で同時発売された[6][4][7]。
収録曲は、ミディアムやスローテンポの楽曲で構成された内容となっている[8][9]。また『ザテレビジョン』は、シングル「LIAR」同様に ″ロスト・ラブ″ を歌ったバラード中心の内容と指摘している[10]。それまでのシングル候補の曲を集めたもので、『Stock』のバラード編といった感じであると、当時のファンクラブ「MILKY HOUSE」の会報にて説明されていた[11]。
アルバム・タイトルの ″CRUISE″ は、″巡航″、″航海″ を意味する[12]。ちなみに、中森は当時トム・クルーズの大ファンであったという背景もあり、ダブル・ミーニングという訳ではないが、タイトルはすんなり決まったという[13]。レコーディングは、1989年4月3日から1989年4月4日にかけてニューヨークのザ・ヒット・ファクトリーで行われた[1][2][10]。また、本作との連動企画として、中森が編集長を務めたマガジン・タイプのファッションブック『CRUISE 中森明菜ファッションブック』(ほんの木)が、本作より1か月余り早い1989年6月16日に発売されている[14][12]。撮影は塚田和徳の手によって、パリ、ロンドン、ニューヨーク、東京の4都市で行われ、その素材は本作のジャケットにも使用された[13]。
アルバムの特典には、カラー・ポスターに加え、LPの初回プレス分のみポートレートが2種類封入された[2][15]。LP盤でのリリースは本作が最後となっており稀少盤である[9]。そのために発売から30年経った現在も中古レコード市場やオークションなどではプレミア価格で取引されている。また、CDは国内プレス盤に加えてUSプレス盤も存在している(カタログ番号は同じ29L2-80)[† 1]。
CD-BOX『リプリーズ・パーフェクト・コレクション1982~1991』の中に収録されている本アルバムの楽曲は、ミックス違いがあったり(「URAGIRI」など イントロ部分で確認できる)、エンディングが再編集されている(「赤い不思議」「風は空の彼方」などに顕著である)。また「LIAR」においては、シングル・ヴァージョンは収録されているが、アルバム・ヴァージョンは収録されていない。
シングル
[編集]「LIAR」が、本作からのリード・シングルとして1989年4月25日に発売された[2][16][9]。中森にとって通算23枚目のシングルとなったこの楽曲は、1989年のオリコン年間シングルチャートでトップ30入りした[9][17]。本作ではこの楽曲はアルバム・バージョンで収録され、4曲目に配置された[9][7][2][16]。
批評
[編集]『CDジャーナル』は本作について、アップ・テンポな楽曲はなく、入念なアレンジによる揺るぎない深みのある出来と指摘し、さらに「テンションの高さは半端じゃなくて、他人事のようによそよそしいクールな歌唱に、時折のぞく激しさが聴き物。」と批評した[18]。批評家の堤昌司は、シングル「LIAR」のレビューの中で本作について言及し、「試行錯誤の末にたどり着いた到達点とまではいわなくても、良質なポップス・アルバムとして再評価されるべきかもしれない。」と評した[9]。
チャート成績
[編集]『CRUISE』は、オリコン週間アルバムチャートの1989年8月7日付で初登場し、最高順位1位を記録した[19][4]。以降1989年8月21日付まで3週連続で1位を獲得した[4][20][21][22]。同チャートの100以内においては、計14週に渡ってランクインしている[4]。別集計となったGOLD CD盤 (36L2-5103)は、1989年8月7日付の同チャートで最高順位4位を記録し、100以内には計8週に渡りランクインした[19][4][20][23]。メディア別ではLP盤、CD盤、CT盤共にオリコンの週間LP、CD、カセットチャートで最高順位1位を記録し、100以内にはそれぞれ、計15週、計13週、計17週に渡ってランクインした[4]。1989年度のオリコン年間アルバムチャートでは、31位を記録した。
中森はデビューした1982年からこの1989年の8年間連続でのアルバム首位記録を獲得した[4]。
収録曲
[編集]CD
[編集]# | タイトル | 作詞 | 作曲 | 編曲 | 時間 |
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1. | 「URAGIRI」 | 松本一起 | 井上大輔 | 武部聡志 | |
2. | 「赤い不思議」 | 小坂明子 | 小坂明子 | 椎名和夫 | |
3. | 「さよならじゃ終わらない」 | 松井五郎 | 玉置浩二 | 武部聡志 | |
4. | 「LIAR」(アルバム・バージョン) | 白峰美津子 | 和泉一弥 | 西平彰 | |
5. | 「乱火」 | 大津あきら | 鈴木キサブロー | 馬飼野康二 | |
6. | 「Close Your Eyes」 | 有川正沙子 | Osny S. Melo | 中村哲 | |
7. | 「Standing in Blue」 | SHOW | Osny S. Melo | 中村哲 | |
8. | 「風は空の彼方」 | Qumico Fucci | Nick Wood | 西平彰 | |
9. | 「SINGER」 | SHOW | Osny S. Melo | 中村哲 | |
10. | 「雨が降ってた…」 | 岩里祐穂 | 上田知華 | 若草恵 | |
合計時間: |
クレジット
[編集]- 録音: ザ・ヒット・ファクトリー[2]
- 撮影: 塚田和徳[2]
- ディレクター: 藤倉克己、平井哲之[24]
- ミキサー: 中村充時、後藤昌司[24]
リリース履歴
[編集]発売日 | レーベル | 規格 | 品番 | 備考 |
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1989年7月25日 | ワーナー・パイオニア | LP | 25L1-80 | |
CT | 25L4-80 | |||
CD | 29L2-80 | |||
36L2-5103 | ゴールドディスク完全限定盤 | |||
1991年7月17日 | ワーナーミュージック・ジャパン | WPCL-428 | 廉価盤、紙帯[18] | |
2006年6月21日 | CD、デジタル・ダウンロード | WPCL-10292 | 紙ジャケット仕様完全生産限定盤[7][3] | |
2006年8月16日 | デジタル・ダウンロード | — | [25] | |
2012年8月22日 | SACD/CDハイブリッド | WPCL-11150 | 紙ジャケット仕様完全生産限定盤[26] | |
2014年1月29日 | CD | WPCL-11735 | 廉価盤、赤帯 | |
2018年7月4日 | LP | WPJL-10099 | 高音質180g重量盤 | |
2024年2月21日 | 2CD | WPCL-13535 | オリジナル・カラオケ付、2024ラッカーマスターサウンド | |
LP | WPJL-10210 | 完全生産限定カラー盤 |
脚注
[編集]注釈
[編集]- ^ ケースの裏側にはどちらも″MADE IN JAPAN″表記なため、開封してCD本体を検盤しなければ認識できない。
参照
[編集]- ^ a b 中森明菜 1989, p. 120
- ^ a b c d e f g 『CRUISE』(LP)中森明菜、ワーナー・パイオニア、1989年7月25日。25L1-80。
- ^ a b “iTunes - ミュージック - 中森明菜「Cruise」”. Apple. 2012年12月9日閲覧。
- ^ a b c d e f g h 『ALBUM CHART-BOOK COMPLETE EDITION 1970 〜 2005』オリコン・マーケティング・プロモーション、2006年4月25日、3、455-457、881-884頁頁。ISBN 4871310779。
- ^ a b オリコンランキング情報サービス「you大樹」
- ^ 澤田英繁 (2012年6月18日). “中森明菜 SACDボックスセット発売決定”. 週刊シネママガジン. 2013年7月19日閲覧。
- ^ a b c “CRUISE | 中森明菜 | ワーナーミュージック・ジャパン - Warner Music Japan”. ワーナーミュージック・ジャパン. 2011年7月30日閲覧。
- ^ 中森明菜 1989, p. 115
- ^ a b c d e f 堤昌司『コンプリート・シングル・コレクションズ〜ファースト・テン・イヤーズ<ライノ・プレミアム・エディション>』(4×12cmCD)中森明菜、ワーナーミュージック・ジャパン、2009年6月10日、29頁。WPCL-10681/84。
- ^ a b 「オリジナルファッション・ブック「CRUISE」誌上初公開! 中森明菜 私の鼓動、つたえたい」『ザテレビジョン』第8巻第25号、角川書店、1989年6月23日、19頁。
- ^ (1989年)中森明菜ファンクラブ「Milky House」会報 ケン企画
- ^ a b 中森明菜 1989, p. 5
- ^ a b 中森 2024
- ^ 中森明菜 1989, p. 148
- ^ 中森明菜 1989, p. 149
- ^ a b 『LIAR』(EP, 8cmCD, CT)中森明菜、ワーナー・パイオニア、1989年4月25日。06L7-4070、09L3-4070、09L5-4070。
- ^ クラブハウス『オリコン No.1 HITS 500 1986〜1994 (下) オリコンチャート1位ヒットソング集』クラブハウス、1998年11月1日、132、145頁頁。ISBN 490649613X。
- ^ a b “中森明菜 / CRUISE [再発] [CD] [アルバム] - CDJournal.com”. 音楽出版社. 2011年4月10日閲覧。
- ^ a b 『AKINA』(4×12cmCD)中森明菜、ワーナーミュージック・ジャパン、1993年11月10日。WPCL-770〜3。
- ^ a b “検索結果-ORICON STYLE アーティスト/CD検索”. 1989年08月第1週の邦楽アルバムランキング情報. オリコン. 2012年4月12日閲覧。
- ^ “検索結果-ORICON STYLE アーティスト/CD検索”. 1989年08月第2週の邦楽アルバムランキング情報. オリコン. 2012年4月12日閲覧。
- ^ “検索結果-ORICON STYLE アーティスト/CD検索”. 1989年08月第3週の邦楽アルバムランキング情報. オリコン. 2012年4月12日閲覧。
- ^ “中森明菜-リリース-ORICON STYLE ミュージック”. オリコン. 2012年4月12日閲覧。
- ^ a b 『オリコン年鑑1990別冊 オリコン・チャート・データ'89』オリジナルコンフィデンス、1990年4月20日、219頁。ISBN 4871310248。
- ^ “音楽ダウンロード・音楽配信サイト mora 〜“WALKMAN”公式ミュージックストア〜”. レーベルゲート. 2012年12月9日閲覧。
- ^ “中森明菜 / CRUISE [SA-CDハイブリッドCD] [紙ジャケット仕様] [限定] [CD] [アルバム] - CDJournal.com”. 音楽出版社. 2012年7月26日閲覧。
参考文献
[編集]- 中森明菜 編『CRUISE 中森明菜ファッションブック』柴田敬三(発行人)、ほんの木、1989年6月16日(原著1989年7月13日)。ISBN 4-938568-06-3。
- 中森明菜『CRUISE+7』(2024 ラッカーマスターサウンド〈ライナーノーツ〉)ワーナーミュージック・ジャパン、2024年2月21日。WPCL-13535/6。