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臭素酸銀(I)

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
臭素酸銀(I)
識別情報
CAS登録番号 7783-89-3 チェック
特性
化学式 AgBrO3
モル質量 235.770 g/mol
外観 感光性のある白色粉末
密度 5.206 g/cm3
融点

309 °C, 582 K, 588 °F

への溶解度 0.167 g/100 mL
アンモニア水への溶解度 可溶
構造
結晶構造 正方晶系
熱化学
標準生成熱 ΔfHo −10.5 kJ mol−1[1]
標準モルエントロピー So 151.9 J mol−1K−1
危険性
安全データシート(外部リンク) MSDS
特記なき場合、データは常温 (25 °C)・常圧 (100 kPa) におけるものである。

臭素酸銀(I)(しゅうそさんぎん いち、: silver(I) bromate)は臭素酸塩で、化学式 AgBrO3 で表される無機化合物。光や熱に敏感な白色粉末で、ハロゲン化安息香酸類製造時の触媒[2]や、銀系抗菌剤[3]などとして用いられる。

生成

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硝酸銀(I)など水溶性の銀化合物水溶液に、臭素酸カリウム水溶液を加えると沈殿する[4]

熱水に溶解して冷却することにより再結晶する。

性質

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無色の結晶または白色粉末であり、固体は正方晶系に属し、その格子定数はa = 8.59 Å, c = 8.01 Åである[4]

水に難溶性で、その溶解度積は以下の通りである[5]

 

純粋な結晶は光に対し安定であるが、少量の有機物が存在すると還元されて黒色を帯びる。また加熱により分解して酸素を放出し、臭化銀(I)となる。

脚注

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  1. ^ D.D. Wagman, W.H. Evans, V.B. Parker, R.H. Schumm, I. Halow, S.M. Bailey, K.L. Churney, R.I. Nuttal, K.L. Churney and R.I. Nuttal, The NBS tables of chemical thermodynamics properties, J. Phys. Chem. Ref. Data 11 Suppl. 2 (1982).
  2. ^ 酸化触媒及びこれを用いる芳香族カルボン酸類の製造方法(j-platpat)
  3. ^ 銀系抗菌剤用の変色防止剤、それを含む銀系抗菌剤および抗菌方法(j-platpat)
  4. ^ a b 『化学大辞典』 共立出版、1993年
  5. ^ 新良宏一、庄野利之 益田勲 共訳 『基礎分析化学』 三共出版、1982年