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第69次長期滞在

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
ISS第69次長期滞在
宣伝用ポスター
任務種別ISS長期滞在
運用者NASA / Roscosmos
任務期間182日 21時間 57分
長期滞在
宇宙ステーション国際宇宙ステーション
開始2023年3月28日
到着ソユーズMS-23(無人で打ち上げ)
スペースX Crew-6
ソユーズMS-24
スペースX Crew-7
乗員
乗員数7-11
乗員

第69次長期滞在の徽章

第69次長期滞在クルーのポートレート

第69次長期滞在は69回目の国際宇宙ステーションでの長期滞在。2023年3月のソユーズMS-22の出発で開始され、ロシア人宇宙飛行士セルゲイ・プロコピエフ英語版が第68次長期滞在から引き続いて指揮をとっていた[1]。2023年9月27日のソユーズMS-23での出発で終了した[2]

ユニティモジュールで、アクシオム ミッション2[注釈 1]のメンバーとともにスルタン・アル・ネヤディ英語版の誕生日を祝うディナーを楽しむ第69次長期滞在のクルー[3](NASAの宇宙飛行士フランシスコ・ルビオ英語版は映っていない)

背景、クルー、イベント

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当初、この長期滞在はプロコピエフとソユーズMS-22/23の2名の搭乗者であるロシアのドミトリー・ペテリン英語版とアメリカのフランシスコ・ルビオ英語版、さらにスペースX Crew-6で2023年3月2日に打ち上げられ、ソユーズMS-22のクルーと共に第68次長期滞在から移行したやはりアメリカのスティーヴン・ボーエン英語版ウォーレン・ホバーグ英語版アラブ首長国連邦スルタン・アル・ネヤディ英語版、ロシアの飛行士アンドレイ・フェジャーエフ英語版で構成されていた[4]。ソユーズMS-22に搭乗しての帰還は2022年12月に発生した冷却剤漏れのために最終的に中止となった[5]。このため、ソユーズMS-22は無人で帰還し、その代わりに帰還用のソユーズMS-23が無人で打ち上げられた[5]。MS-22/23のクルーは2023年9月27日に帰還し、第69次長期滞在は終了するが、3名はミッションが延長されたことから一年以上を宇宙空間で過ごした[6][7][8]

この飛行計画の変更はアメリカ側のクルーローテーション計画には影響を与えないため、スペースX Crew-5のクルーは、第68次長期滞在中の2023年2月にスペースX Crew-6のクルーと交代した[9]

これまで、2020年に帰還したフライト以降のUSクルーの引き継ぎは、公式に長期滞在を変更するソユーズの引き継ぎが行われた後、約2~3週間後の新しい長期滞在中に行われていた。しかし、今回の引き継ぎでは、ソユーズMS-22の出発日である3月28日の前に交換が行われた。初期のアメリカの引き継ぎは、ソユーズMS-22の2022年12月の冷却剤リーク前のマニフェストの一部であった[10]

その後、クルーはNASAの宇宙飛行士ジャスミン・モグベリ英語版、デンマークの宇宙飛行士アンドレアス・モーゲンセン英語版、日本の古川聡、ロシアのコンスタンチン・ボリソフ英語版からなるスペースX Crew-7のクルーおよびロシアの宇宙飛行士オレグ・コノネンコニコライ・チュブ英語版(この2名は1年間を超えるISSミッションに参加)とアメリカの宇宙飛行士ローラル・オハラ英語版からなるソユーズ MS-24のクルーによって補充された。宇宙ステーションには元NASAの宇宙飛行士ペギー・ウィットソン(以前、第16次長期滞在第51次長期滞在の2度に渡ってステーションを指揮した)、ジョン・ショフナー英語版アリ・アルカルニ英語版およびラヤナ・バルナウィ英語版で構成される長期滞在以外のアクシオム ミッション2のクルーも訪問した[2]

時系列[要出典]

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以前:第68次長期滞在

2023年3月28日 - ソユーズMS-22が無人でドッキング解除、公式に第68次長期滞在から移行

2023年4月6日 - ソユーズMS-23 再ドッキング

2023年4月15日 - CRS SpX-27 ドッキング解除

2023年4月16日 - EVA 1 (VKD-56) 7時間55分

2023年4月16日 - MLM1の艤装品、Rtod追加放熱機をラスヴェットモジュールからナウカMLM-Uモジュールに移設

2023年4月21日 - CRS シグナス NG-18 係留解除

2023年4月21日 - CRS シグナス NG-18 離脱

2023年4月28日 - EVA 2 (US-86) 7時間1分

2023年5月3日-4日 - EVA 3 (VKD-57) 7時間11分

2023年5月4日 - MLM1の艤装品、実験用エアロック、ShKをラスヴェットモジュールからナウカMLM-Uモジュール前方側に移設

2023年5月6日 - スペースX Crew-6 再ドッキング

2023年5月12日 - EVA 4 (VKD-58) 5時間14分

2023年5月22日 - アクシオム ミッション2 ドッキング(非長期滞在クルー)

2023年5月24日 - プログレス MS-23/84P ドッキング[11]

2023年5月30日 - アクシオム ミッション2 ドッキング解除(非長期滞在クルー)

2023年6月1日 - スペースX CRS-28 ドッキング[11]

2023年6月9日 – EVA 5(US EVA-87):6時間3分、アレイ1Aへの5基目のiROSAの設置

2023年6月15日 – EVA 6(US EVA-88):5時間35分、アレイ1Bへの6基目のiROSAの設置

2023年6月22日 – EVA 7(VKD-59):6時間24分

2023年6月29日 - スペースX CRS-28 ドッキング解除

2023年8月4日- CRS シグナス NG-19 捕捉および係留

2023年8月9日 – EVA 8(VKD-60):6時間35分

2023年8月9日 – ナウカ外部施設の移設:欧州ロボットアームのポータブル・ワークポストをラスヴェットからナウカへ移動

2023年8月20日 – プログレス MS-22/83P ドッキング解除

2023年8月25日 – プログレス MS-24/85P ドッキング[11]

2023年8月27日 – スペースX Crew-7 ドッキング[11]

2023年9月3日 – スペースX Crew-6 ドッキング解除

2023年9月15日 - ソユーズ MS-24 ドッキング

2023年9月27日 - ソユーズ MS-23 ドッキング解除、公式に第70次長期滞在に移行

以降:第70次長期滞在

出典:[2][12]

クルー

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フライト 飛行士 第1期 第2期 第3期 第4期 第70次への移行
2023年3月28日-8月27日 2023年8月27日-9月3日 2023年9月3日-9月15日 2023年9月15日-9月27日 2023年9月27日
ソユーズ MS-23

ソユーズ MS-22宇宙船で到着)

ロシアの旗 セルゲイ・プロコピエフ英語版ロスコスモス
2回目
指揮官 帰還後
ロシアの旗 ドミトリー・ペテリン英語版ロスコスモス
1回目
フライトエンジニア 帰還後
アメリカ合衆国の旗 フランシスコ・ルビオ英語版NASA
1回目
フライトエンジニア 帰還後
スペースX Crew-6 アメリカ合衆国の旗 スティーヴン・ボーエン英語版NASA
4回目
フライトエンジニア 帰還後
アメリカ合衆国の旗 ウォーレン・ホバーグ英語版NASA
1回目
フライトエンジニア 帰還後
アラブ首長国連邦の旗 |スルタン・アル・ネヤディ英語版MBRSC英語版
1回目
フライトエンジニア 帰還後
ロシアの旗 アンドレイ・フェジャーエフ英語版ロスコスモス
1回目
フライトエンジニア 帰還後
スペースX Crew-7 アメリカ合衆国の旗 ジャスミン・モグベリ英語版NASA
1回目
搭乗前 フライトエンジニア
デンマークの旗 アンドレアス・モーゲンセン英語版ESA
2回目
搭乗前 フライトエンジニア 指揮官[13]
日本の旗 古川聡JAXA
2回目
搭乗前 フライトエンジニア
ロシアの旗 コンスタンチン・ボリソフ英語版ロスコスモス
1回目
搭乗前 フライトエンジニア
ソユーズ MS-24 ロシアの旗 オレグ・コノネンコロスコスモス
5回目
搭乗前 フライトエンジニア
ロシアの旗 ニコライ・チュブ英語版ロスコスモス
1回目
搭乗前 フライトエンジニア
アメリカ合衆国の旗 ローラル・オハラ英語版NASA
1回目
搭乗前 フライトエンジニア
出典:[14]

宇宙船目録

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宇宙船 目的 ポート ドッキング/捕捉日 離脱日

(第69次長期滞在中であれば)

第67次および第68次長期滞在から引き継いだ宇宙船
アメリカ合衆国の旗 CRS シグナス NG-18 サリー・ライド アメリカの貨物船 ユニティ 天底側 2022年11月9日(第68次)[15] 2023年4月21日
ロシアの旗 プログレス MS-22/83P ロシアの貨物船 ズヴェズダ 後方側 2023年2月11日(第68次) ドッキング中
ロシアの旗 ソユーズ MS-23/69S 第67/68/69次長期滞在クルーの帰還 MRM2 天頂側 2023年2月24日(第68次)[16] 2023年4月6日(ドッキングポート変更)
アメリカ合衆国の旗 スペースX Crew-6 第68/69次長期滞在のクルー ハーモニー 天頂側 2023年2月28日(第68次)[17] 2023年5月6日
アメリカ合衆国の旗 CRS ドラゴン SpX-27 アメリカの貨物船 ハーモニー 前方側 2023年3月16日(第68次)[18] 2023年4月16日
第69次長期滞在中にドッキングした宇宙船
ロシアの旗 ソユーズ MS-23/69S 第67/68/69次長期滞在クルーの帰還 プリチャル 天底側 2023年4月6日(再ドッキング)[19] 2023年9月27日
アメリカ合衆国の旗 スペースX Crew-6 第68/69次長期滞在のクルー ハーモニー 前方側 2023年5月6日(再ドッキング)[20] 2023年9月3日
アメリカ合衆国の旗 アクシオム ミッション2 商業ミッションの訪問 ハーモニー 天頂側 2023年5月22日 2023年5月30日
ロシアの旗 プログレス MS-23/84P ロシアの貨物船 MRM2 天頂側 2023年5月24日 2023年11月29日(第70次長期滞在)
アメリカ合衆国の旗 CRS ドラゴン SpX-28 アメリカの貨物船 ハーモニー 前方側 2023年6月6日 2023年6月29日
アメリカ合衆国の旗 CRS シグナス NG-19 "ローレル・クラーク" アメリカの貨物 ユニティ 天底側 2023年8月4日 2023年12月22日(第70次長期滞在)
ロシアの旗 プログレス MS-24/85P ロシアの貨物 ズヴェズダ 後方側 2023年8月25日 2024年2月13日(第70次長期滞在)
アメリカ合衆国の旗 スペースX Crew-7 エンデュランス 第69/70次長期滞在の米国側クルー ハーモニー 天頂側 2023年8月27日 ドッキング中
ロシアの旗 ソユーズ MS-24/70S 第69/70次長期滞在のロシア側クルー MRM1 天底側 2023年9月15日 ドッキング中

脚注

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注釈

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  1. ^ 中央のスルタン・アル・ネヤディを除く1列目

出典

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  1. ^ Garcia, Mark. “Uncrewed Soyuz Spacecraft Undocks from Station” (英語). blogs.nasa.gov. 2023年3月29日閲覧。
  2. ^ a b c Complete ISS flight events”. NasaSpaceFlight.com Forum (15 April 2023). 10 November 2020閲覧。
  3. ^ @Astro_Alneyadi (2023年5月25日). "Celebrated my 1st birthday 🎂 in space with colleagues who have become family! Highlight of the day? A Maple Muffin top cake from the USA crew, a Cinnamon Bun with yoghurt and dry fruits from Russian crew, topped off with wishes in Arabic. Truly a gravity-defying celebration! 😃" (英語). X(旧Twitter)より2023年5月26日閲覧
  4. ^ Garcia, Mark. “Uncrewed Soyuz Spaceship Lands in Kazakhstan” (英語). blogs.nasa.gov. 2023年3月29日閲覧。
  5. ^ a b Foust, Jeff (2023年1月11日). “Roscosmos to launch uncrewed Soyuz to replace damaged spacecraft at ISS” (英語). SpaceNews. 2023年1月14日閲覧。
  6. ^ International Space Station Operations, Soyuz Status Update – Space Station” (英語). blogs.nasa.gov. 2023年1月13日閲覧。
  7. ^ Roscosmos and NASA Have a Plan to Replace Damaged Soyuz Spacecraft at ISS” (英語). Gizmodo (2023年1月11日). 2023年1月13日閲覧。
  8. ^ Wattles, Ashley Strickland,Jackie (2023年1月11日). “Roscosmos will send replacement spacecraft to return crew to Earth after Soyuz leak” (英語). CNN. 2023年1月14日閲覧。
  9. ^ SpaceX and NASA target Crew-6 astronaut launch in mid-February” (英語). Space.com (2023年1月10日). 2023年1月13日閲覧。
  10. ^ SpaceX launches first NASA astronauts to fly from US since shuttle | collectSPACE”. collectSPACE.com. 2023年1月14日閲覧。
  11. ^ a b c d Launch Schedule – Spaceflight Now” (英語). 2023年2月23日閲覧。
  12. ^ Microgravity Research Flights”. Glenn Research Center (10 November 2020). 10 November 2020閲覧。
  13. ^ The cherry on top of the excellent discussion was that I got to announce that, save any unforeseen changes, @Astro_Andreas is set to serve as Commander of the @Space_Station during Expedition 70. #huginn #crew7 #Exp70” (英語). Twitter. 2023年6月23日閲覧。
  14. ^ ISS Expedition Reports”. spacefacts.de. 2023年4月22日閲覧。
  15. ^ Navin, Joseph (2022年11月7日). “SS Sally Ride Cygnus arrives at ISS on NG-18 mission” (英語). NASASpaceFlight.com. 2023年1月19日閲覧。
  16. ^ updated, Elizabeth Howell last (2023年2月22日). “Watch Russia launch replacement Soyuz to International Space Station tonight (Feb. 23)” (英語). Space.com. 2023年2月23日閲覧。
  17. ^ Heidler, Scott (2023年2月22日). “Launch date postponed for SpaceX Crew-6” (英語). WESH. 2023年2月23日閲覧。
  18. ^ https://www.nasaspaceflight.com/2023/03/spacex-crs-27/
  19. ^ https://scitechdaily.com/astronaut-and-cosmonauts-fly-soyuz-crew-ship-to-new-docking-port-on-space-station/
  20. ^ Heidler, Scott (2023年2月22日). “Launch date postponed for SpaceX Crew-6” (英語). WESH. 2023年2月23日閲覧。