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第65次長期滞在

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
ISS第65次長期滞在
任務種別ISS長期滞在
運用者NASA / Roscosmos
任務期間182日 23時間 39分
長期滞在
宇宙ステーション国際宇宙ステーション
開始2021年4月17日 01:34:04 UTC[1]
終了2021年10月17日 01:14 UTC[1]
到着スペースX Crew-1
ソユーズMS-18
スペースX Crew-2
ソユーズMS-19
出発スペースX Crew-1
ソユーズMS-18
乗員
乗員数7 - 11名
乗員
EVA4回以上(計画)[3][4]
5[1]
EVA期間35時間41分[1]

第65次長期滞在の徽章

第65次長期滞在のクルー写真

第65次長期滞在(だい65じちょうきたいざい)は国際宇宙ステーションへの65回目の長期滞在。このミッションは2021年4月17日のソユーズMS-17の出発で始まり[5]、当初はNASAのマイケル・ホプキンス英語版ビクター・グローバー英語版両飛行士およびJAXA野口聡一飛行士とともにスペースX Crew-1に搭乗して2020年11月に打ち上げられたNASAのシャノン・ウォーカー飛行士が3人目の女性船長として船長を務めた。彼らにソユーズMS-18に搭乗したロシアのオレッグ・ノヴィツキーピョートル・ドゥブロフ英語版両飛行士とNASAのマーク・T・ヴァンデハイ飛行士が合流した[6]

2021年5月2日のクルードラゴン・レジリエンスの出発に伴い、Crew-1のクルーは2021年4月23日に打ち上げられたスペースX Crew-2のクルーに置き換えられた。JAXA星出彰彦飛行士は、ステーションの船長としてウォーカーの地位を引き継ぎ、ウォーカーは11日間という最も短い任期のISS船長となった。2021年10月4日からはESAのトマ・ペスケ飛行士が星出に代わってISSを指揮する4人目の欧州の宇宙飛行士となり、軌道実験室を指揮する初めてのフランス人飛行士となった[7]。2021年10月17日にソユーズMS-18が出発し、この長期滞在は終了した[8]

到着したモジュール、宇宙船、クルーおよび船外活動

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第65次長期滞在は、ISSのスケジュールの中でも非常に多忙な時期に行われ、Crew-1とCrew-2に2機のスペースX クルードラゴンミッションおよびソユーズMS-18およびソユーズMS-19の2機のソユーズの飛行を受け入れる予定だった。

2021年4月のソユーズMS-17のドッキング解除でこの長期滞在が始まった時、スペースX Crew-1のクルーを運んできたクルードラゴン・レジリエンスとソユーズMS-18宇宙船の2機がステーションに残っていた。2021年4月にスペースX Crew-2のクルーを運んできたクルードラゴン・エンデバーが到着した後に3人の同乗者、マイク・ホプキンス、ビクター・グローバーおよび野口聡一とともにステーションを離れるまで、Crew-1のミッションスペシャリストであるシャノン・ウォーカーが当初はステーションの指揮をとっていた。Crew-1の出発に続いて、Crew-2のミッションスペシャリストである星出彰彦がステーションの指揮を引き継ぎ、日本人で2人目のISS船長となった。2021年10月5日にソユーズMS-19が打ち上げられ、ロシア人宇宙飛行士のアントン・シュカプレロフ、映画監督のクリム・シペンコ英語版および女優のユリア・ペレシルドをISSに運んだ。映画監督と女優は映画プロジェクトの一部として、ステーションに搭乗して12日間を過ごした。

6月16日、20日および25日に3回の船外活動がトマ・ペスケおよびシェーン・キンブローによってステーションの米国軌道セグメント英語版(USOS)から行われ、最初の2基の伸展式太陽電池アレイ(iROSA)のステーションへの設置を行った[4][9]。この2基は2021年6月3日にスペースX CRS-22によって運ばれたものだった[10]。6月16日の船外活動は太陽電池アレイを2B電力チャンネルおよびP6トラスのマスト格納容器に配置するもので[11]、作業開始の3時間が経過するまでは順調だったが、キンブローの宇宙服のコンピューターに問題が発生してクエストのエアロックに戻る必要が発生した。iROSAも展開次に技術的な問題が発生し、その結果この船外活動は予定よりも早く7時間15分後に打ち切られた[12][1]

11:42 UTCに開始され、6時間28分後に完了した6月20日の船外活動では、最初のiROSAの展開と、ステーションの電力システムへの接続が成功した[13][14][1]。6月25日 11:52 UTCに開始された船外活動は6時間45分間継続し、宇宙飛行士は2基目のiROSAの4Bマスト収納容器の1基目のiROSAの反対側への設置と展開に成功した[15][1]

8月24日には、プラズマ測定機材の交換と、P4トラスへの次の一対のiROSAのためのブラケットを設置するためのさらにもう1回の船外活動が星出彰彦とマーク・ヴァンデハイによって行われる予定だった[8]。この予定はヴァンデハイが「軽微な医学的問題」に直面したことから9月12日に延期された[16]。トマ・ペスケがヴァンデハイと交代した。この船外活動は13:15 UTCに始まり、6時間45分続いた[17]

欧州ロボットアームナウカの設置を促進するとともに、第66次長期滞在中に予定されるプリチャル・ドッキング・ノードの到着に向けた、新しいモジュールの準備も行うオレッグ・ノヴィッツキーとピョートル・ドゥブロフによる、ロシア軌道セグメント(ROS)からの3回の船外活動が行われた[18]。1回目の船外活動は6月2日の5:53 UTCから7時間19分に渡って実施された[19][1]

2回目の船外活動は9月3日の14:41 UTCから7時間54分行われ、3回目は9月9日 14:51 UTCから7時間25分実施された[8][18]

クルー

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長期滞在クルー

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役職 第1期
(2021年4月17日 – 4月24日)
第2期
(2021年4月24日 – 5月2日)
第3期
(2021年5月2日 – 10月4日)
第4期
(2021年10月4日 – 10月5日)
第5期
(2021年10月5日 – 10月17日)
船長 アメリカ合衆国の旗 シャノン・ウォーカー、NASA
2回目の宇宙飛行
日本の旗 星出彰彦、JAXA
3回目の宇宙飛行
フランスの旗 トマ・ペスケESA
2回目の宇宙飛行
第1フライトエンジニア アメリカ合衆国の旗 マイケル・ホプキンス英語版、NASA
2回目の宇宙飛行
アメリカ合衆国の旗 シェーン・キンブロー英語版、NASA
3回目の宇宙飛行
第2フライトエンジニア アメリカ合衆国の旗 ビクター・グローバー英語版、NASA
1回目の宇宙飛行
アメリカ合衆国の旗 K・メーガン・マッカーサー、NASA
2回目の宇宙飛行
第3フライトエンジニア 日本の旗 野口聡一JAXA
3回目の宇宙飛行
フランスの旗 トマ・ペスケ、ESA
2回目の宇宙飛行
日本の旗 星出彰彦、JAXA
3回目の宇宙飛行
第4フライトエンジニア ロシアの旗 オレッグ・ノヴィッツキーロスコスモス
3回目の宇宙飛行
第5フライトエンジニア ロシアの旗 ピョートル・ドゥブロフ英語版、ロスコスモス
1回目の宇宙飛行
第6フライトエンジニア アメリカ合衆国の旗 マーク・T・ヴァンデハイ、NASA
2回目の宇宙飛行
第7フライトエンジニア アメリカ合衆国の旗 シェーン・キンブロー英語版、NASA
3回目の宇宙飛行
ロシアの旗 アントン・シュカプレロフロスコスモス
4回目の宇宙飛行
第8フライトエンジニア アメリカ合衆国の旗 K・メーガン・マッカーサー、NASA
2回目の宇宙飛行
第9フライトエンジニア 日本の旗 星出彰彦、JAXA
3回目の宇宙飛行
第10フライトエンジニア フランスの旗 トマ・ペスケ、ESA
2回目の宇宙飛行

長期滞在以外の訪問者

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ミッション 宇宙飛行士 結合(UTC 離脱(UTC) 期間
ソユーズMS-19/ソユーズMS-18 ロシアの旗 クリム・シペンコ英語版チャンネル1
ロシアの旗 ユリア・ペレシルドチャンネル1
2021年10月5日
12:22
2021年10月18日
12日間
映画 "The Challenge" のメンバー[20][21]。予備メンバーはアレクセイ・ドゥディンとアレーナ・モルドヴィナだった[22]

脚注

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注釈

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  1. ^ スペースX Crew-2のヨーロッパ部分はアルファと呼ばれ、トマ・ペスケが率いた。
  2. ^ 他の3人のクルーと並んでいるメーガン・マッカーサーは、このミッションでは夫のロバート・ベンケンがエンデバー・カプセルの最初のミッションであるCrew Dragon Demo-2ミッションで使用したのと同じ座席を使用する。[2]

出典

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  1. ^ a b c d e f g h ISS Expedition 65”. spacefacts.de (27 October 2021). 6 November 2021閲覧。
  2. ^ Megan to reuse Bob's demo-2 seat in crew-2 mission”. aljazeera.com (20 April 2020). 2022年1月11日閲覧。
  3. ^ Russia's 2021 expedition crew to practice spacewalk in lab conditions”. tass.com (19 June 2020). 2022年1月11日閲覧。
  4. ^ a b New solar arrays ready to upgrade International Space Station's power grid”. Spaceflight Now (2 June 2021). 2 June 2021閲覧。
  5. ^ Expedition 64 Trio Undocks, Ends Station Mission”. NASA (16 April 2021). 17 April 2021閲覧。
  6. ^ NASA Assigns Astronaut Mark Vande Hei to International Space Station Crew” (9 March 2021). 9 March 2021閲覧。  この記述には、アメリカ合衆国内でパブリックドメインとなっている記述を含む。
  7. ^ York, Joanna (2021年3月19日). “French astronaut next International Space Station commander”. www.connexionfrance.com. 2021年4月21日閲覧。
  8. ^ a b c Upcoming NASA Live Events”. NASA (23 August 2021). 23 August 2021閲覧。
  9. ^ Current and Future Operations and Challenges with International Space Station” (PDF). ISS Program Office. NASA (15 Oct 2020). 2 May 2021閲覧。
  10. ^ Clark, Stephen (3 June 2021). “SpaceX cargo ship launches on mission to upgrade space station electrical grid”. Spaceflight Now. 3 June 2021閲覧。
  11. ^ Garcia, Mark (16 June 2021). “Spacewalk to Install First New Solar Array Concluded”. NASA. 17 June 2021閲覧。 この記述には、アメリカ合衆国内でパブリックドメインとなっている記述を含む。
  12. ^ Hardware, Spacesuit Difficulties Stall Ambitious ISS Spacewalk”. Aviation Week. Informa Markets (17 June 2021). 17 June 2021閲覧。
  13. ^ Guardian, AP and AFP staff (20 June 2021). “ISS astronauts complete six-hour spacewalk to install solar panels”. The Guardian. Guardian News and Media Ltd. 26 June 2021閲覧。
  14. ^ Pearlman, Robert Z. (20 June 2021). “Astronauts on spacewalk deploy first roll-out solar array to boost power for station”. Space.com. Future US Inc. 26 June 2021閲覧。
  15. ^ Pearlman, Robert Z. (25 June 2021). “Spacewalking astronauts deploy second new solar array for space station”. Space.com. Future US Inc. 26 June 2021閲覧。
  16. ^ staff, Associated Press of New York (24 August 2021). “NASA delays ISS spacewalk due to astronaut's medical issue”. The Guardian. Guardian News and Media Ltd. 27 August 2021閲覧。
  17. ^ Harwood, William (12 September 2021). “Spacewalkers carry out space station power upgrades”. CBS News. ViacomCBS. 12 September 2021閲覧。
  18. ^ a b Strickland, Ashley (9 September 2021). “Russian cosmonauts conduct spacewalk despite smoke, alarm on space station”. CNN. WarnerMedia. 12 September 2021閲覧。
  19. ^ Новости. Экипажи корабля "Союз МС-18" ответили на вопросы”. 2022年1月11日閲覧。
  20. ^ Actress and moon-bound billionaire to film on space station missions” (2021年5月13日). 2021年7月23日閲覧。
  21. ^ У основного экипажа МКС-66 начались совместные тренировки” (ロシア語) (2021年7月23日). 2021年7月23日閲覧。
  22. ^ Spaceflight mission report: Soyuz MS-19” (2021年5月25日). 2021年7月23日閲覧。