横山茂雄
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(稲生平太郎から転送)
横山 茂雄(よこやま しげお、1954年 - )は、日本の英文学者、翻訳家、作家。奈良女子大学名誉教授。 作家としては稲生 平太郎(いのお へいたろう)[1] の名を用いる。 他の筆名に法水金太郎。
来歴
[編集]大阪府豊中市出身。1978年京都大学文学部英文科卒、1981年同大学院修士課程修了、1998年「異形のテクスト - 英国romantic novel研究」で京都大学より博士(文学)の学位を取得。京都大学UFO超心理研究会、京都大学推理小説研究会[2] に所属し、京都大学幻想文学研究会を主宰。岡山大学講師、助教授を経て奈良女子大学助教授、教授。2020年3月で定年退職により名誉教授。
英国の18-19世紀ゴシック小説が専門だが、南方熊楠研究など民俗学研究も行う。 また学生時代よりのオカルティズム研究の延長で稲生物怪録からとった稲生平太郎の名で幻想小説を執筆するほか、吉永進一らとオカルト研究団体「近代ピラミッド協会」を結成していた[3]。2009年度から2014年度に科学研究費助成を受けて、英国エリザベス朝の学者ジョン・ディーの魔術文書を分析し[4][5]、その成果の一部を2016年に単行書として刊行。
著書
[編集]- 横山茂雄 名義
- 『聖別された肉体 オカルト人種論とナチズム』(書肆風の薔薇、ロサ・ミスティカ叢書) 1990.11 doi:10.11501/13065692
- 『異形のテクスト 英国ロマンティック・ノヴェルの系譜』(国書刊行会) 1998.6
- 『神の聖なる天使たち ジョン・ディーの精霊召喚 一五八一~一六〇七』(研究社) 2016.2
- 『昭和・平成オカルト研究読本』(ASIOS編著、横山のインタビューを収録、サイゾー) 2019.6
- 『増補 聖別された肉体 オカルト人種論とナチズム』(創元社、叢書パルマコン) 2020.8
- 『コンスピリチュアリティ入門 スピリチュアルな人は陰謀論を信じやすいか 』(竹下節子 清義明 堀江宗正 辻隆太朗 栗田英彦 雨宮純との共著、創元社、叢書パルマコン・ミクロス) 2023.3
- 『霊的最前線に立て! オカルト・アンダーグラウンド全史』(国書刊行会、武田崇元との対話) 2024.10
- 稲生平太郎 名義
- 『アクアリウムの夜』(書肆風の薔薇、ロサ・ミスティカ叢書) 1990.8 doi: 10.11501/13463167、のち角川スニーカー文庫 2002.1
- 『何かが空を飛んでいる』(新人物往来社) 1992.10 doi:10.11501/13665818
- 『アムネジア』(角川書店) 2006.1
- 『定本 何かが空を飛んでいる』(国書刊行会) 2013.11
- 『映画の生体解剖 恐怖と恍惚のシネマガイド』(高橋洋との共著、洋泉社) 2014.3
- 『オカルトがなぜ悪い!』(井村宏次・吉永進一との共著、横山として編集も務める、ビイング・ネット・プレス) 2024.6
編著
[編集]- 『文学と女性』 (吉田幸子との共編、英宝社) 2000.11
- 『遠野物語の周辺』(水野葉舟、国書刊行会) 2001.11
- 『日影丈吉全集』全8巻別巻1(種村季弘監修、日下三蔵との共編、国書刊行会) 2002.9 - 2005.5
- 『世界文学あらすじ大事典』全4巻(石堂藍との共同監修、国書刊行会) 2005.7 - 2007.5
- 『危ない食卓 十九世紀イギリス文学にみる食と毒』(新人物往来社) 2008.12
責任編集
[編集]- 「20世紀イギリス小説 個性派セレクション」全5巻(佐々木徹と共同、新人物往来社)
- 『ヴィクトリア朝の寝椅子』(マーガニータ・ラスキ、横山茂雄訳) 2010.3
- 『フォーチュン氏の楽園』(シルヴィア・タウンゼンド・ウォーナー、中和彩子訳) 2010.7
- 『ズリイカ・ドブソン』(マックス・ビアボーム、佐々木徹訳) 2010.10
- 『孤独の部屋』(パトリック ハミルトン、北川依子訳) 2011.4
- 『卑しい肉体』(イーヴリン・ウォー、大久保譲訳) 2012.9
- 国書刊行会<ドーキー・アーカイヴ>全10巻(若島正と共同)
- 『虚構の男』(L・P・デイヴィス、矢口誠訳) 2016.5
- 『人形つくり』(サーバン、館野浩美訳) 2016.5
- 『鳥の巣』(シャーリイ・ジャクスン、北川依子訳) 2016.11
- 『誰がスティーヴィ・クライを造ったのか?』(マイクル・ビショップ、小野田和子訳) 2017.11
- 『さらば、シェヘラザード』(ドナルド・E・ウェストレイク、矢口誠訳) 2018.6
- 『死者の饗宴』(ジョン・メトカーフ、横山茂雄,北川依子訳) 2019.5
- 『アフター・クロード』(アイリス・オーウェンス、渡辺佐智江訳) 2021.9
- 『缶詰サーディンの謎』(ステファン・テメルソン、 大久保譲訳) 2024.9
翻訳
[編集]- 『残虐行為展覧会』(J・G・バラード、法水金太郎名義、工作舎) 1980.10
- 『イメージの博物誌 アーサー王伝説 黄金時代の夢』(ジェフリー・アッシュ、平凡社) 1992.7
- 『悪魔を思い出す娘たち よみがえる性的虐待の「記憶」』(ローレンス・ライト、稲生平太郎名義、吉永進一共訳、柏書房) 1999.3
- 『アーマデイル』上・中・下(ウィルキー・コリンズ、甲斐清高,佐々木徹共訳、臨川書店、ウィルキー・コリンズ傑作選6・7・8巻) 2000 - 2001
- 『行方不明のヘンテコな伯父さんからボクがもらった手紙』(マーヴィン・ピーク、国書刊行会) 2000.1
- 『子供のための教訓詩集』(ヒレア・ベロック、国書刊行会) 2007.9
- 『ヴィクトリア朝の寝椅子』(マーガニータ・ラスキ、新人物往来社、20世紀イギリス小説個性派セレクション) 2010.3、のちKindle版
- 『死者の饗宴』(ジョン・メトカーフ、北川依子訳、国書刊行会) 2019.5
- 『五本指のけだもの』(ウィリアム・フライヤー・ハーヴィー、国書刊行会) 2024.7
ラジオドラマ
[編集]出演
[編集]テレビ番組
[編集]- 『幻解!超常ファイル』UFOと人類、禁断の秘密&危ない!こっくりさん(NHK BSプレミアム 2017年6月10日放送)
映画
[編集]- 『宇宙人の画家』(2022年7月2日公開、ブライトホース・フィルム)[8]
YouTube
[編集]- 「【ナチスとオカルト①】Jホラーの巨匠・高橋洋×オカルト研究家・稲生平太郎(横山茂雄)が語る狂気のオカルト人種論とは?」(2023年4月24日公開、オカルトエンタメ大学)
- 「【ナチスとオカルト②】ヒトラー生存説/不死の戦闘集団/ナチスオカルト映画/フリッツ・ラングとナチス(高橋洋×稲生平太郎)」(2023年4月25日公開、オカルトエンタメ大学)
脚注
[編集]- ^ 「稲生」の読みは「いのう」ではなく「いのお」。『定本 何かが空を飛んでいる』(国書刊行会)巻末の著者紹介には、(いのお・へいたろう)と読みの記載あり。
- ^ 大川一夫『ホームズ!まだ謎はあるのか? 弁護士はシャーロッキアン』P.96、2017年 一葉社
- ^ 横山茂雄ほか (2023). “横山茂雄ロングインタビュー : 川島昭夫・吉永進一らとの交友、そして古本収集話”. 近代出版研究 (近代出版研究所) 第2号: 20-24.
- ^ ジョン・ディーの一次資料に関する基礎的研究
- ^ ジョン・ディーの一次資料に関する発展的研究
- ^ 放送済みの作品(2002年) NHKオーディオドラマ
- ^ 放送済みの作品(2005年) NHKオーディオドラマ
- ^ "呂布カルマ、シソンヌじろうら出演のネオSFサスペンス 22歳の異色新人監督作「宇宙人の画家」公開". 映画.com. カカクコム. 13 May 2022. 2022年5月13日閲覧。
関連項目
[編集]外部リンク
[編集]- 横山茂雄教授 研究業績目録 奈良女子大学文学部研究教育年報, 2019.12.31
- 稲生山系 - 書誌・著作解説など
- 異形のテクスト - 英国romantic novel研究 - 博士論文要旨、京都大学、1998年