福島交通
福島交通本社・福島支社 | |
種類 | 株式会社 |
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市場情報 | 非上場 |
略称 | 福交(ふくこう) |
本社所在地 |
日本 〒960-8132 福島県福島市東浜町7番8号 北緯37度45分57.8秒 東経140度29分10.2秒 / 北緯37.766056度 東経140.486167度座標: 北緯37度45分57.8秒 東経140度29分10.2秒 / 北緯37.766056度 東経140.486167度 |
設立 | 昭和61年(1986年)7月9日[1] |
業種 | 陸運業 |
法人番号 | 9380001001389 |
事業内容 |
自動車運送事業 鉄道事業 損害保険代理業及び生命保険の募集に関する業務 旅行業 など[1] |
代表者 | 代表取締役社長 武藤 泰典[1] |
資本金 |
1億円 (2018年3月31日現在[1][2]) |
従業員数 | 892名(2019年11月現在) |
主要株主 |
みちのりホールディングス 100% (2019年3月31日現在[3]) |
主要子会社 |
福島交通観光株式会社 福交整備株式会社 株式会社フクコーアド 他[4] |
関係する人物 |
小針暦二 松本順 |
外部リンク | https://www.fukushima-koutu.co.jp/ |
福島交通株式会社(ふくしまこうつう)とは、福島県を地盤とする日本のバス事業者・鉄道事業者である。本社は福島県福島市東浜町7番8号、貸切部門の本拠は福島県郡山市向河原町2番23号にある。経営共創基盤 (IGPI) が出資する持株会社みちのりホールディングス(みちのりHD)の傘下にあり、同HDの代表会社でもある。
概要
[編集]福島県中通り地方と浜通り北部で路線バス事業と、福島駅・郡山駅を中心に各地を結ぶ高速バス事業、及び福島駅と飯坂温泉駅を結ぶ鉄道として飯坂線を運営している。
1907年に創立した信達軌道が前身で、開業後間もなく雨宮敬次郎の大日本軌道との合併、再度の信達軌道設立、電化と改軌による軽便鉄道から路面電車への変更、福島電気鉄道への社名変更、飯坂電車の合併を経て、バス事業の拡大により1962年に福島交通と社名を改めた。1971年の飯坂東線廃止後、鉄道路線は飯坂線を残すのみとなった。現在の福島交通の主力はバス事業である。
1970年代に当時の会長で「東北の政商」と称された小針暦二が中心となり、福島民報社・ラジオ福島・福島交通を中核とする「福島交通グループ(小針グループ)」を形成し、那須ロイヤルセンターや岩瀬牧場等のレジャー事業、不動産事業、運送業、酒造業等の関連会社を経営し、グループの規模を拡大した。この巨大企業グループは、小針暦二の長男である小針美雄が福島交通社長に就任し、1997年に経営から退くまで、小針暦二・美雄親子の同族経営による体制が20数年の長きにわたり続いた。
モータリゼーションの進展などにより、1980年代以降は赤字路線が増加し、1980年前半には経営不振となった。またバブル期における無理な多角経営によって巨額の債務を抱えることとなった。1986年に子会社の福島交通不動産と合併して債務は福島交通不動産が継承し、交通事業部門を新たに設立した新福島交通に譲渡し、同年中に新福島交通を(新)福島交通へ社名変更した。福島交通不動産はその後、エフ・アール・イーに社名変更して所有不動産の売却を行っていたが、1999年に自己破産を申請した[5]。
本体である福島交通も、近年の過疎化によるバス・電車の需要低下と、バス事業における規制緩和による競争激化により収益が悪化した。さらに中途退職者が会社の予想以上に多く出て、退職金債務が数億円に膨らみ財務状況が悪化[6]。2008年初頭にも法的整理に入ることが検討されたが、2月が国と県の補助金(約1億6千万円)交付決定時期であり、また3月上旬に創立100周年記念の福島空港発着ハワイツアーを子会社が催行する予定だったため見送った[6]。しかし、中途退職者への退職金支払い時期前にあたる2008年4月11日、東京地方裁判所に会社更生法の適用を申請した[6]。
その後、経営共創基盤がスポンサーとなり、2009年1月31日に会社更生計画の認可を決定[7]、同年5月31日に更生手続きが完了した[8]。 同年より経営共創基盤が出資する持株会社、みちのりホールディングスの傘下に入り、経営再建を図ることとなった。
その後は路線の再編や独自のバスICカード導入による合理化、また他のグループ会社との意識の共有をはじめとする経営戦略などにより年々業績を上げ、現在は黒字経営となっている。
また、同社鉄道部の飯坂線は2014年度の営業係数が83.0と、中小私鉄中で最も好調な数値を記録した。収入が4億9921万円、費用が4億1412万円、利益が8509万円であった[9]。
沿革
[編集]創立 - 1950年代
[編集]- 1907年(明治40年)8月1日 - 信達軌道(旧)設立。
- 1908年(明治41年)
- 1910年(明治43年)1月2日 - 軌道線 保原 - 梁川間開業、6月18日梁川駅が移転して延長。
- 1911年(明治44年)4月8日 - 軌道線 保原 - 掛田間開業。
- 1915年(大正4年)12月13日 - 軌道線 川俣 - 掛田間開業。
- 1917年(大正6年)9月6日 - 信達軌道(新)設立。
- 1918年(大正7年)
- 1922年(大正11年)
- 1926年(大正15年)1月 - 信達軌道が福島電気鉄道に社名変更。
- 1926年(大正15年)
- 1927年(昭和2年)
- 1930年(昭和5年)11月11日 - 保原町(現在の伊達市)に自動車営業所を開設。
- 1931年(昭和6年)8月31日 - 福島 - 藤田間で乗合自動車の運転を開始。
- 1938年(昭和13年)
- 1943年(昭和18年)8月12日 - 国策により、乗合自動車12業者を福島電気鉄道に統合。
- 1945年(昭和20年)3月1日 - 飯坂西線が地方鉄道法の適用を受け営業開始。
1960 - 1970年代
[編集]- 1959年(昭和34年)12月16日 - 白河営業所 - 那須温泉間の路線申請し、承認され運行開始[10]
- 1961年(昭和36年)
- 1962年(昭和37年)
- 1967年(昭和42年)9月16日 - 飯坂東線 聖光学院前 - 湯野町間を廃止。
- 1968年(昭和43年)5月23日 - 福島交通不動産株式会社を設立[5]。
- 1969年(昭和44年)
- 7月10日 - 特急バス「会津若松 - 郡山 - 平線」運行開始。国道49号経由。
- 大型レジャー施設「那須ロイヤルセンター」開業。
- 1971年(昭和46年)
- 4月12日 - 飯坂東線を全線廃止。
- 10月1日 - 福交整備株式会社を設立。
- 1975年(昭和50年)3月31日 - 株式会社福島交通アド・エージョンシー(現:フクコー・アド)を設立。
- 1979年(昭和54年)3月31日 - 白河営業所 - 那須温泉間廃止[10]
1980年代
[編集]- 1986年(昭和61年)
- 1987年(昭和62年)5月29日 - 福島県立医科大学の移転に伴い、福島市内・桑折町・梁川町(現:伊達市)の各方面から、同大学を結ぶ14の路線を新設。
- 1988年(昭和63年)
- 1989年(平成元年)11月25日 - 冬季期間限定で、定期観光バス「白鳥号」の運行を開始。
1990年代
[編集]- 1990年(平成2年)11月6日 - 路線バス初乗り運賃を値上げ(130円→140円)。
- 1992年(平成4年)
- 1993年(平成5年)3月 - 特急バス「郡山 - 福島空港線」を運行開始、空港リムジンバスに参入。当初の郡山方起終点は「ホテルはまつ」、東北自動車道を経由。
- 1994年(平成6年)12月1日 - 高速バス「福島 - いわき線」を運行開始[12]。
- 1995年(平成7年)
- 1996年(平成8年)
- 1月20日 - 特急バス「会津若松 - 郡山 - いわき線」を磐越自動車道経由に変更。
- 3月22日 - 高速バス「福島 - 会津若松線」を運行開始。
- 1997年(平成9年)6月1日 - 路線バス初乗り運賃を値上げ(150円→160円)。
- 1998年(平成10年)7月18日 - 高速バス「あぶくま号」福島 - 新宿線を運行開始。ジェイアールバス関東、ジェイアールバス東北との共同運行。
- 1999年(平成11年)
- 3月16日 - 高速バス「仙台 - 福島線」、「福島 - 郡山線」の運行を開始。
- 4月1日 - JRバス東北相馬海岸線廃止に伴い、相馬市からの委託で、松川浦循環線、南菅谷線を市町村生活バスとして代替運行開始。
- 4月1日 - 福島・郡山両駅から1kmまでの範囲で、バスの初乗り運賃を100円へ値下げを行う。
- 4月10日 - 春季期間限定で、福島駅東口 - 花見山公園間直通バスの運行を開始。
- 8月 - 福島支社・郡山支社で小型ワンステップバス(三菱KC-MJ218FVF)8台を導入する。
- 9月18日 - 県内のバス事業者と共同で、「エコ定期券」のサービスを開始する。
- 11月1日 - 福島商工会議所の実験事業により、無料バス「ももりん号」の運行を開始。実施期間は2000年(平成12年)1月9日まで。
2000年代
[編集]- 2000年(平成12年)
- 2001年(平成13年)
- 2002年(平成14年)4月1日 - 霊山町(現在の伊達市)内の4系統を廃止し、同町運行の町営バスへ移管する。
- 2003年(平成15年)
- 2004年(平成16年)
- 2005年(平成17年)
- 2006年(平成18年)
- 2007年(平成19年)
- 5月10日 - 高速バス「福島 - いわき線」で予約制度を導入。
- 7月1日 - 高速バス「福島 - 成田空港線」の福島交通便を廃止。千葉交通のみの運行となる。
- 10月1日 - 高速バス「福島 - 郡山線」「あだたら号」「福島 - 仙台」「福島 - いわき線」「会津若松 - 郡山 - いわき線」で、ダイヤ改正を実施。同日、石川駅 - 上遠野間の路線が廃止。いわき市から路線バス撤退。
- 10月20日・10月21日 - 福島市市制施行100周年の記念イベントとして「まちなか循環線(東口まわり)」が、福島交通では初となる日野自動車製のポンチョで運行される。
- 11月3日・11月4日 - 福島市市制施行100周年の記念イベントとして「まちなか循環(西口まわり)」が運行される。
- 12月1日 - 夜行高速バス「ギャラクシー号」の福島方起終点を、福島高速バスターミナルまで延長する。
- 2008年(平成20年)
- 2009年(平成21年)
2010年代
[編集]- 2010年(平成22年)
- 2011年(平成23年)
- 2013年(平成25年)7月4日 - 名鉄バスとの共同運行で、郡山・宇都宮 - 名古屋間の夜行高速バスを運行開始。
- 2014年(平成26年)
- 4月 - 消費税増税により鉄道・バスの運賃値上げ。
- 6月 - 二本松営業所 建物建替[15]。
- 2015年(平成27年)
- 2016年(平成28年)
- 11月1日 - 郡山・宇都宮 - 名古屋間の夜行高速バスが福島発着に延長される。
- 11月14日 - 高速バス・福島 - 会津若松線のうち、会津乗合自動車担当一部便が仙台空港発着に延長される。
- 12月9日 - 高速バス・相馬・新地 - 仙台線がこの日をもって運行終了。
- 2017年(平成29年)
- 2月 - 川俣出張所 建物建替[15]。
- 3月18日 - 高速バス「あだたら号」の佐野プレミアム・アウトレット乗り入れを2往復とするダイヤ改正。
- 4月1日 - この日のダイヤ改正により、葛尾村への路線バス(船引駅 - 移 - 落合線)運行再開[18]。
- 6月1日 - 高速バス・仙台 - 福島線のうち、福島交通担当便のみ全便が福島競馬場発着となり、途中「福島市役所入口」停留所に停車。あわせて定期券が全区間(福島競馬場まで)使用可能となる[19]。
- 6月 - 車内Wi-Fiサービスである「MICHINORI Free Wi-Fi」を高速バス全便、福島空港リムジンバス全便、一部の貸切バスでサービス開始[20]。
- 10月1日 - 南相馬 - 川俣・福島間、相馬 - 霊山・福島間の急行バス化により、経路・ダイヤ・運賃・定期券・回数券などを改正[21]。
- 12月 - 須賀川営業所 建物建替[15]。
- 2019年(平成31年/令和元年)
- 3月8日 - 新常磐交通と共同運行で、郡山駅 - 富岡駅間の高速バス実証運行を開始[22]。
- 8月1日 - この日の出発便より、高速バス「ギャラクシー号」「あだたら号」「あぶくま号」が、東北自動車道に新設された矢吹泉崎バスストップに停車開始[23]。
- 10月12日 -令和元年東日本台風(台風19号)による豪雨被害で、郡山支社が保有するバス車両165台のうち92台が水没。市内の路線バス・高速バスの運行に支障[24]。
- 11月6日 - 福島県から要請を受けた東京都交通局が、都営バス計11台を郡山支社に無償譲渡すると発表[25][26]。
- 11月22日 - この日をもって郡山駅 - 富岡間の高速バス実証運行を終了[27][28]。
- 12月11日 - 東日本台風の被害により運休していた高速バス福島 - 郡山線[29] が、再開を断念し運行終了を発表[30]。鉄道との競合による利用者減に台風被害が重なった形となった[30]。
2020年代
[編集]鉄道事業
[編集]路線
[編集]廃止路線
[編集]- 飯坂東線 - 1971年4月12日全廃。
バス事業
[編集]路線
[編集]一般路線
[編集]1960年代から1970年代後半まで、中通り全域と浜通り北部へバス路線を広げていった関係上、1980年代初めからの利用者減少によって赤字路線が次第に多くなり、現在もバス事業の経営は厳しいものとなっている。これにより同事業者は、赤字路線を市町村生活バスへの変更や、不採算路線の廃止・短縮、合理化による路線の統廃合、バス営業所・出張所の統廃合を行った。2007年5月に、原油価格高騰等を理由に高速バス運賃・回数券発売額の値上げを行った(一部路線を除く)。さらに同年12月には、2008年1月から一般路線バス等の運賃値上げ・賃率改正等を実施する予定と発表し、予定通り2008年1月16日に値上げを実施している[37]。
運行路線は各営業所の項目を参照。
受託バス路線
[編集]- 西郷村住民バス
高速路線
[編集]1992年の大阪線「ギャラクシー号」開業を皮切りに、県内の主要地域や首都圏、仙台方面にも路線網を広げていった。高速バスの経営状況については一般路線とは異なり、運行本数の増回やハイデッカー車両・2階建て車両といったグレードの高い車両を導入するサービスを行うなど、利用者が多く好調である。
< >内は共同運行会社
- 福島 - 仙台線 <宮城交通・JRバス東北>
- 福島 - いわき・小名浜線 <新常磐交通>
- 福島 - 会津若松線 <会津乗合自動車>
- あぶくま号(郡山 - 新宿線)
- ギャラクシー号(福島・郡山 - 京都・大阪線) <近鉄バス>
- 須賀川・郡山 - 仙台線 <宮城交通>
- 郡山 - 新潟線 <新潟交通>
- 会津若松 - 郡山 - いわき線 <新常磐交通・会津乗合自動車>
- あだたら号(郡山 - 新越谷線) <東武バスセントラル>
- 郡山・宇都宮 - 名古屋線 <名鉄バス>[38]
福島空港発着路線
[編集]- 郡山駅前 - 中央工業団地 - 福島空港
2004年11月から2005年11月には栃木県発着の福島空港リムジンも運行されていた。
- 鬼怒川温泉駅・東武日光駅・春日町一丁目(今市市:現在の日光市)・山王団地(宇都宮市) - 福島空港(東武バス日光・関東自動車との共同運行)
- 塩原温泉・那須温泉 - 福島空港(東野交通・JRバス関東との共同運行)
乗車券類
[編集]バスカード(磁気式・IC)
[編集]1992年3月16日、福島支社管内で無線式バスロケーションシステム、磁気式バスカードシステムの運用を開始。福島市中心部を運行する特定路線では専用の中型車が運用され、磁気式バスカードの利用が可能であった。その後、新バスICカード「NORUCA」導入へ向けて2010年8月31日で発売停止、同年9月30日で利用停止となった。
2001年4月2日、郡山支社管内でバスICカードが導入され、郡山駅発着の全路線と、郡山市周辺を運行する路線で利用可能となった。特にバスICカードシステムの導入については東北地方初であり、全国のバス事業者の中でも東急トランセ、道北バス、山梨交通に続く早期のものとなった。また福島交通のバスICカードはFeliCaとは通信方式が異なるフィリップス社提唱の非接触型ICカード「ISO14443 Type-A」を採用しており、これは日本初の交通系ICカードであるユーバスカードと同じ方式であった[40]。「NORUCA」移行のため、バスICカードは2010年11月1日に発売終了、翌2011年7月31日に利用終了となった(無手数料での払い戻しは2011年8月31日まで)。
2010年10月30日には、紙製回数券や各バスカード等に代わる、新しいバスICカード「NORUCA」を福島交通全路線(高速バス及び、一部各市町村の生活バス等を除く)に導入した[13][41][42]。詳細については「バスICカード (福島交通)#今後」の項も参照のこと。
回数券・定期券
[編集]- 回数券
- 一般路線全線で終日利用できるタイプ(11枚で10枚分と、数種類の金額を組み合わせ・セット式で販売)のほか、毎月1日のみ使用できる、路線バス乗車促進用の「バス・鉄道利用促進デー専用回数乗車券」(100円券5枚と50円券4枚綴りを500円で発売)、福島交通が指定する学校へ通学・受講する生徒向けの「通学回数券」が発売されている。
- 定期券
- 一般的な「通勤定期券」・「通学定期券」・「通勤通学定期券」を発売しているほか、「教育実習時の通学定期券」[43]・「通学片道定期」・「バス・電車乗継定期」、65歳以上の人が全線利用できる「フリーパス」、土・日・祝日と平日の10時 - 17時の間に降車する際に全線利用できる「ショッピングパス」が発売されている(フリーパス・ショッピングパス共に、高速バス・空港バス・市町村生活バス・飯坂電車は、利用できない。詳細は、予め確認されたい)。その他、各団体等で5名以上通勤定期を購入する際、さらに割引される「企業定期券」という独自サービスも取り扱っている。
- 高速バス会津若松 - 郡山 - いわき線においても、定期券の発売が行われている。発売開始当初は若松 - いわき間通しの定期券も発売されていたが、後にこの全区間通しの定期券は廃止されている。その後、小野インター停留所が新設され、小野発着の定期券発売が開始されている。
車両
[編集]福島交通が所有しているバス車両については、三菱自動車工業が福島交通の大株主である関係から、長年三菱ふそう製で統一されていた。しかし2009年(平成21年)に導入された新型バスでは、初めてジェイ・バス製(日野・いすゞ)のバスが導入され、また、その後に中古車両としてUDトラックス(当時は日産ディーゼル)製車両が導入されたため、一挙に日本国内4メーカー全社の車両が揃うこととなった。かつては社用車として導入している普通乗用車やライトバンでも、デボネアをはじめ三菱自動車製で統一されていたが、現在はその縛りは解消している。
エアロスターの車体が2社で製造されていた頃は、福島交通では三菱名自(大江工場)製のものが選択されていた(ただし都営バスからの譲渡車で呉羽自動車工業製の車体のものも導入されていた)。
1997年(平成9年)まで中古車両の導入はなく、全車自社発注車で統一されていたが、1998年(平成10年)より三菱ふそう製に限り中古移籍車の導入が始まっている。あぶくま号の予備車としてジェイアールバス関東のエアロバスが導入された以外は、都営バスのエアロスター(一般路線車)のみが導入されていたが、2009年(平成11年)からは三菱ふそう製に限定することなく、まず一般路線車は東急バスと関東バスの、高速路線・貸切車は都自動車からの中古車両をそれぞれ導入したのを皮切りに、現在は川崎鶴見臨港バスからや京王バスなど、首都圏を中心に幅広い事業者から中古車両を導入している。
2019年(令和元年)10月の東日本台風(台風19号)で被災し、路線バス車両の半数以上が浸水によって使用不能となった郡山支社への支援として、東京都交通局から使用を終了した路線バス車両11両の無償譲渡を受けることとなった[25]。譲受後はナンバー登録や必要機器の整備を行い、順次都営バスの塗色のまま路線バスとしての使用を開始している。
高速バスの使用車両については以下のとおり。
- ギャラクシー号はエアロキング。増発便はこの限りではない。
- あぶくま号・あだたら号・郡山 - 新潟線は、基本的にトイレ付きエアロバス新車を使用。
- 県内外路線、福島空港線は貸切改造のトイレなし車を主体に、一部新車(エアロバス、エアロエース)や中古車(ガーラなど)の充当もあり。
- 福島 - いわき線と一般路線扱いの福島 - 南相馬線は基本的にトイレ付き車両で運行。
-
大型路線バス車両 P-MP218K
-
中型路線バス車両 KC-MK219J
-
低床車専用色 KK-ME17DF
-
都営バスからの中古車両(1台のみの路線用新塗色車)U-MP218K
-
廃止代替バス車両 P-MK117J
-
都営バスからの無償譲受車両 KL-MP37JK改
-
高速バス(旧塗装、JRバス関東からの譲受車)P-MS725SA改(あぶくま号)
-
高速バス(旧塗装) KL-MS86MP(福島 - 仙台線)
-
高速バス(旧塗装) MU612TX(ギャラクシー号)
-
高速バス(新塗装) KL-MS86MP(郡山 - 仙台線)
-
2009年に初めて導入されたいすゞ車(エルガミオ・ノンステップ)
-
2009年に初めて導入された日野車(レインボーII・ノンステップ)
主な営業所
[編集]鉄道
[編集]バス支社・営業所・出張所
[編集]- 福島支社 福島県福島市東浜町7-8
- 相馬営業所 福島県相馬市中村字錦町1-3
- 二本松営業所 福島県二本松市上竹一丁目167
- 郡山支社 福島県郡山市向河原町2-23
- 須賀川営業所 福島県須賀川市台18
- 白河営業所 福島県白河市会津町78-5
- 船引出張所 福島県田村市船引町船引字西中子縄57(船引営業所から格下げ)
- 石川出張所 福島県石川郡石川町大字双里字七鍬石13-2(石川営業所から格下げ)
- 東京営業所 東京都千代田区有楽町1-10-1 有楽町ビル7階
- 大阪営業所 大阪府大阪市西区江戸堀1-1-11大同生命ビル東館4階
旧営業所・旧出張所
[編集]- 三春出張所(田村郡三春町)→出張所廃止に伴い跡地は売却。跡地の一部(整備場・車庫)は民間の自動車整備工場が入居。営業所建物があった土地は付近を通る桜川の改修事業のため、解体されて更地になる。
- 本宮出張所(本宮市) → 出張所廃止後、建物解体・バス回転所へ転換されたものの、出張所廃止後も長らくバス停「本宮営業所」として郡山方面からのバスの終点であった。その後「舘町」に名称が変更となったが、路線廃止に伴い当バス停も廃止。バス回転場跡地は売却。現在のイエローハット本宮戸崎店周辺にあった。
- 熱海出張所(郡山市熱海町) → 郡山支社配下の車庫に格下げと同時に移転。出張所建物は解体、跡地は売却。国道49号沿いの太田熱海病院の向かい側にあった。
- 原町営業所(南相馬市)→現在は相馬営業所配下の車庫に格下げ→のちに車庫移転のため跡地は売却。現在のファミリーマート原ノ町駅前店周辺にあった。
- 梁川営業所(伊達市)→現在は福島支社配下の車庫に格下げ。
- 小野出張所(田村郡小野町)→現在は郡山支社配下の車庫に格下げ。
- 棚倉出張所(東白川郡棚倉町)→現在は白河営業所配下の車庫に格下げ。
- 川俣出張所(伊達郡川俣町)→現在は福島支社配下の車庫に格下げ。
関連会社
[編集]- 福島交通観光
- 福交整備 - 福島交通と同じく更生会社となった。
- 福交電算システム - 2008年11月、エフコムに全株式を譲渡し子会社から離脱。2013年7月10日に「エフコム福交システムズ」へ社名変更。
- 福交建設
- フクコー・アド
- 福交保険サービス
- 阿武隈急行 - 開業するにあたり、並行するバス路線と競合することから、阿武隈急行の株式を51パーセント取得して筆頭株主となった(現在は20パーセントに減少)。全線電化開業時に福島交通から数十名の転籍者があった。これは飯坂線の鉄道部門からと、以前路面電車(飯坂東線)の運転士をしていて路面電車廃止後にバス部門へ異動となった社員が多かった。
- 東北観光バス - 福島市内に本社を置き貸切バス事業を行っていた。現在は子会社を離脱して東北高等学校などを運営する学校法人南光学園の傘下に入り、仙台市に本社を移している。福島の旧本社も福島営業所として使用されている。
東日本大震災における臨時バスの運行
[編集]2011年3月11日に発生した東日本大震災の影響により、営業エリア内のJR東日本各路線が運休したことから、県内主要都市を拠点として臨時バスを運行した。運行路線と運行期間は以下のとおり(日付は特記なきものはすべて2011年)。
- 郡山駅前 - 那須塩原駅(3月20日 - 4月11日)
- 運行回数:1日7往復
- 福島 - 相馬(3月24日 - 12月14日) ※12月15日以降は「福島・霊山 - 相馬線」および「福島・川俣 - 原町線」として運行。
- 新白河 - 須賀川(3月24日 - 4月16日)
- 二本松駅前 - 郡山駅前(3月24日 - 4月4日)
- 運行回数:1日4往復
- 相馬 - 仙台(3月25日 - 。宮城交通と共同運行)
- 郡山 - 盛岡(3月26日 - 5月22日。ただし4月8日、4月9日、4月12日は運休。岩手県北バスと共同運行)
- 二本松駅前 - 福島駅東口(直行便。3月29日 - 4月4日)
- 運行回数:1日1往復
- 伊達 - 仙台(3月30日 - 5月22日。宮城交通と共同運行)
- 小野 - 船引(4月6日 - 4月12日。ただし4月9日、4月10日は運休)
- 福島駅東口 - 盛岡駅西口(4月12日 - 5月22日。岩手県北バスと共同運行)
- 運行回数:1日2往復(各社1往復ずつ)
脚注
[編集]- ^ a b c d e f g “会社概要”. 福島交通株式会社. 2020年6月11日閲覧。
- ^ 鉄道統計年報平成29年度版 - 国土交通省
- ^ 令和元年度鉄道要覧
- ^ 福交グループ - 公式サイト、2021年2月1日閲覧
- ^ a b “(株)エフ・アール・イーほか7社”. 東京商工リサーチ (1999年7月30日). 1999年10月5日時点のオリジナルよりアーカイブ。2024年6月16日閲覧。
- ^ a b c 福交再生へ - 法的整理の内幕 想定外の債務超過(河北新報 2008年4月26日)
- ^ 会社更生計画の認可決定のお知らせ(福島交通ニュースリリース 2009年2月3日)
- ^ 更生手続きの終結と新体制の発足に関するお知らせ(福島交通ニュースリリース 2009年6月2日)
- ^ 銀座線や井の頭線…「稼げる路線」の共通点(東洋経済オンライン 2018年5月18日)
- ^ a b 「町制施行50周年記念 那須温泉史」那須町教育委員会 2005年3月
- ^ 「福島-大阪など2高速バス 運輸省が免許 来月10日スタート」『交通新聞』交通新聞社、1992年2月22日、1面。
- ^ 「福島~いわき間バス 福島交通など来月から運行」『交通新聞』交通新聞社、1994年11月2日、1面。
- ^ a b 新型ICカード名称決定について(福島交通ニュース 2010年9月10日。2010年9月11日閲覧)
- ^ 高速バス専用停留所『二本松バスストップ』を新設します(福島交通 2011年3月11日)
- ^ a b c d e “施工実績|事務所・庁舎 福島交通株式会社様”. 株式会社 晃建設. 2020年7月16日閲覧。
- ^ 鉄道ピクトリアル 2015年4月のメモ帳 - 電気車研究会
- ^ 福島交通飯坂線 ICカード「NORUCA」稼働開始のお知らせ - 福島交通、2015年3月31日
- ^ 平成29年4月1日より、乗合バスの路線並びに停留所の改変があります。 (PDF) - 福島交通公式ページ 2017年3月24日、2017年4月24日閲覧
- ^ “高速バス「福島(競馬場)〜仙台線」の時刻変更及び【福島市役所入口】停留所増設いたします。(平成29年6月1日より)”. 福島交通 (2017年5月22日). 2017年8月14日閲覧。
- ^ 高速バス、空港リムジンバス、貸切バス車内で無料でご利用いただける「MICHINORI Free Wi-Fi」のサービスを提供いたします。 福島交通
- ^ “都市間バス「南相馬〜福島線」が福島県立医科大学付属病院経由となり運賃も変更いたします。(平成29年10月1日より)”. 福島交通 (2017年8月22日). 2017年8月22日閲覧。
- ^ “高速バス「郡山」〜「富岡線」の運行を開始します。(2019年3月8日より)”. 福島交通 (2019年3月6日). 2019年3月10日閲覧。
- ^ “矢吹泉崎バスストップの新設について”. 福島交通 (2019年6月27日). 2019年6月28日閲覧。
- ^ 「「バス」57台が使用できず 台風浸水被害の福島交通・郡山支社」『福島民友新聞』2019年10月25日。オリジナルの2019年10月26日時点におけるアーカイブ。2019年10月26日閲覧。
- ^ a b “令和元年台風第19号に係る対応について<被災地への都営バス車両の譲渡>”. 東京都総務局・東京都交通局 (2019年11月7日). 2019年11月7日閲覧。
- ^ 「中古都営バス無償譲渡 東京都交通局 福島交通に11台」『福島民報』2019年11月8日。オリジナルの2019年12月11日時点におけるアーカイブ。2019年12月11日閲覧。
- ^ “2019年11月22日(金)をもって、高速バス「郡山〜富岡線」の運行を終了いたします。”. 福島交通 (2019年11月15日). 2019年11月17日閲覧。
- ^ “「(イノベ)郡山〜富岡線」バス実証運行終了のお知らせ”. 新常磐交通株式会社 (2019年11月19日). 2019年11月30日閲覧。
- ^ “台風19号の影響による、高速バス「福島〜郡山線」の定期券・回数券の取扱いについて”. 福島交通 (2019年10月21日). 2019年12月11日閲覧。
- ^ a b “高速バス「福島~郡山線」運行終了につきまして”. 福島交通 (2019年12月11日). 2020年7月16日閲覧。
- ^ “福島駅東口から古関裕而記念館までの直行臨時バス(ふくしま『エール号』)を運行致します!(6月20日(土) 〜 9月27日(日)までの土日祝のみ運行)”. 福島交通株式会社 (2020年6月16日). 2020年6月21日閲覧。
- ^ “高速バス「福島・郡山~成田空港線」の廃止について”. 福島交通株式会社 (2022年7月26日). 2022年8月26日閲覧。
- ^ a b “福島交通・会津バスの路線バス・電車で 各種キャッシュレス決済サービスを開始します”. 福島交通. 2024年12月23日閲覧。
- ^ a b “路線バスで各種キャッシュレス決済サービス等を開始します”. 会津乗合自動車. 2024年12月23日閲覧。
- ^ “キャッシュレス決済の一部サービス開始時期の延期について”. 会津乗合自動車. 2024年12月23日閲覧。
- ^ 「新型車両の導入完了 福島交通飯坂線、19年3月運行へ」『福島民友新聞』2018年11月27日。オリジナルの2018年11月30日時点におけるアーカイブ。2018年11月30日閲覧。
- ^ 福島交通ホームページより
- ^ 関東自動車が栃木県地区の運行をサポート。
- ^ “高速バス「郡山~日立・勝田・水戸線」を実証運行いたします(2021年12月17日(金)~2022年2月6日(日))”. 福島交通 (2021年12月1日). 2022年1月1日閲覧。
- ^ 交通系ICカードの普及と設備投資の状況について (PDF) (国土交通省)
- ^ 新ICカード及び新運賃箱導入について(福島交通ニュース 2010年5月6日。2010年5月7日閲覧)
- ^ 福島交通バス新カード導入へ 運賃支払いで高い利便性目指す(福島民報 2010年5月7日。2010年5月7日閲覧)
- ^ 学校指定および実習用通学定期券の発行手続きについて - 福島交通
参考文献
[編集]- 福島交通株式会社『写真でつづる福島交通七十年のあゆみ』毎日写真ニュースサービス社、1977年9月
- 『福島民報縮刷版』1981年4月 - 2001年10月、福島民報社(「沿革」節の出典)
- 今尾恵介『日本鉄道旅行地図帳 2号 東北』新潮社、2008年(「沿革」節の出典)
関連項目
[編集]- 経営共創基盤(みちのりホールディングス)
- バスICカード (福島交通) / NORUCA
- 日本中央バス - 福島交通の子会社だった(福交グループ入りの前は雄別鉄道の子会社であった)永楽観光自動車(東京都板橋区)を譲受し、同社東京営業所としている。
- 織田大蔵
- 小針暦二