田辺尚雄賞
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田邉尚雄賞(たなべひさおしょう)は1983年東洋音楽学会によって設立され、音楽学とりわけ民族音楽学の優れた研究業績に対する賞である。東洋音楽学・民族音楽学の分野における最も権威のある賞である。田辺尚雄は、音楽家で東洋音楽学会の創設者。
「田邉賞」は原則として毎年授与されているが、1名、数名、あるいは団体に授与される年、また該当作の無い年もある。授賞式は例年東洋音楽学会の全国大会に催される。
過去の授賞
[編集]過去の受賞作、受賞者名は以下の通りである。
- 第1回 1983年度
- 蒲生美津子『早歌の音楽的研究』三省堂
- 第2回 1984年度
- 佐藤道子「小観音のまつり」「法要の形式と内容」(論文)
- 第3回 1985年度
- 小林責,古川久編『狂言辞典 資料編』東京堂出版
- 第4回 1986年度
- 牧野英三『東大寺修二会声明の旋律に関する研究』柳原出版
- 第5回 1987年度
- 平野健次『三味線と箏の組歌』白水社
- 第6回 1988年度
- 該当作無し
- 第7回 1989年度
- 竹内道敬『近世邦楽研究ノート』名著刊行会
- 第8回 1990年度
- 東洋音楽学会編『能の囃子事』音楽之友社
- 第9回 1991年度
- 井野辺潔『浄瑠璃史考説』風間書房
- 徳丸吉彦『民俗音楽学』放送大学教育振興会
- 第10回 1992年度
- 安田文吉『常磐津節の基礎的研究』泉書院
- 第11回 1993年度
- 日本放送協会編『日本民謡大観 奄美諸島篇』日本放送出版協会
- 塚原康子『十九世紀の日本における西洋音楽の受容』多賀出版
- 第12回 1994年度
- 荻美津夫『平安朝音楽制度史』吉川弘文館
- 第13回 1995年度
- 大塚拝子『三味線音楽の音高理論』音楽之友社
- ジェラルド・グローマー『幕末のはやり唄 口説節と都々逸節の新研究』名著出版
- 第14回 1996年度
- 酒井正子『奄美歌掛けのディアローグ』第一書房
- 第15回 1997年度
- 山田陽一 "Songs of Spirits: An Ethnography of Sounds in a Papua New Guinea Society" Institute of Papua New Guinean Studies
- 第16回 1998年度
- 新井弘順他『新義真言声明集成 楽譜編』真言宗豊山派仏教青年会
- 第17回 1999年度
- 岸辺成雄『江戸時代の琴士物語』
- 第18回 2000年度
- 谷本一之『アイヌ絵を聴く』北海道大学図書刊行会
- 磯水絵『説話と音楽伝承』和泉書院
- 第19回 2001年度
- 青柳隆志『日本朗詠史 年表篇』笠間書院
- 第20回 2002年度
- 根岸正海『宮古路節の研究』南窓社
- 福岡まどか『ジャワの仮面舞踊』勁草書房
- 第21回 2003年度
- 高桑いづみ『能の囃子と演出』音楽之友社
- 第22回 2004年度
- 山口修『応用音楽学と民族音楽学』放送大学教育振興会
- 金城厚『沖縄音楽の構造 歌詞リズムと学識の理論』第一書房
- 第23回 2005年度
- 遠藤徹『平安朝の雅楽 古楽譜による唐楽曲の楽理的研究』東京堂出版
- 横道萬里雄『体現芸術として見た寺事の構造』岩波書店
- 第24回 2006年度
- 武内恵美子『歌舞伎囃子方の楽師論的研究 近世上方を中心として』和泉書院
- 第25回 2007年度
- ジェラルド・グローマー『瞽女と瞽女唄の研究』名古屋大学出版会
- 谷正人『イランの音楽 声の文化と即興』青土社
- 第26回 2008年度
- 田中多佳子『ヒンドゥー教徒の集団歌謡 神と人との連鎖』世界思想社教学
- 第27回 2009年度
- Hugh de Ferranti "The Last Biwa Singer: A Blind Musician in History, Imagination and: Performance" Cornell University.
- 塚原康子『明治国家と雅楽 伝統の近代化/国楽の創成』 有志舎
- 第28回 2010年度
- 西尾哲夫、水野信男、堀内正樹編『アラブの音文化 グローバル・コミュニケーションへのいざない』スタイルノート
- 第29回 2011年度
- 蒲生郷昭『初期三味線の研究』出版芸術社
- 第30回 2012年度
- 三島暁子『天皇・将軍・地下楽人の室町音楽史』株式会社思文閣出版
- 山寺美紀子『国宝『碣石調幽蘭第五』の研究』北海道大学出版会
- 第31回 2013年度
- 梶丸岳『山歌の民族誌 歌で詞藻を交わす』京都大学学術出版会
- 第32回 2014年度
- 塚田健一『アフリカ音楽学の挑戦 伝統と変容の音楽民族誌』世界思想社
- 第33回 2015年度
- Alison McQueen Tokita "Japanese Singers of Tales: Ten Centuries of Performed Narrative" Ashgate
- 第33回 2016年度
- 大内典『仏教の声の技:悟りの身体性』法藏館
- 第34回 2017年度
- 飯野りさ『アラブ古典音楽の旋法体系 アレッポの歌謡の伝統に基づく旋法名称の記号論的解釈』スタイルノート
- 榧木亨『日本近世期における楽律研究 『律呂新書』を中心として』東方書店
- 第36回 2018年度
- 田中有紀『中国の音楽思想 朱載堉と十二平均律』東京大学出版会
- 第37回 2019年度
- 柳沢英輔『ベトナムの大地にゴングが響く』灯光舎
- 第38回 2020年度
- 小尾淳『近現代バラモンと賛歌 バクティから芸術、そして「文化資源へ」』青弓社
- 前島美保『江戸中期上方歌舞伎囃子方と音楽』文学通信
- 第39回 2021年度
- 佐本英規『森の中のレコーディング・スタジオ 混淆する民族音楽と周縁からのグローバリゼーション』昭和堂
- 第40回 2022年度
- 早稲田みな子『アメリカ日系社会の音楽文化 越境者たちの百年史』共和国