コンテンツにスキップ

英文维基 | 中文维基 | 日文维基 | 草榴社区

「やぎ座」の版間の差分

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
削除された内容 追加された内容
編集の要約なし
m編集の要約なし
(2人の利用者による、間の2版が非表示)
6行目: 6行目:
| genitive = Capricorni
| genitive = Capricorni
| pronounce = {{IPA-en|ˌkæprɨˈkɔrnəs}}、属格:{{IPA|/ˌkæprɨˈkɔrnaɪ/}}
| pronounce = {{IPA-en|ˌkæprɨˈkɔrnəs}}、属格:{{IPA|/ˌkæprɨˈkɔrnaɪ/}}
| symbology = {{仮リンク|海山羊|en|Sea goat}}{{R|Ridpath|IAU_constellations|Nojiri1977}}
| symbology = the Sea [[ヤギ|Goat]]
| RA = {{RA|20|06|46.4871}} - {{RA|21|59|04.8693}}{{R|boundary}}
| RA = 21
| dec= −8.4043999° - −27.6419144°{{R|boundary}}
| dec= −20
| culmination time = 20時
| culmination date = 10月上旬{{R|Nenkan2016}}
| quadrant = SQ4
| quadrant = SQ4
| areatotal = 414
| areatotal = 413.947
| arearank = 40
| arearank = 40
| numbermainstars = 9, 13
| numberbfstars = 49
| numberbfstars = 49
| numberstarsplanets = 2
| numberbrightstars = 1
| numberbrightstars = 1
| numbernearbystars = 4
| brighteststarname = [[やぎ座デルタ星|δ Cap]]
| brighteststarname = [[やぎ座デルタ星|δ Cap]]
| starmagnitude = 2.83
| starmagnitude = 2.83
| neareststarname = HIP 103039
| stardistance = 18.6
| numbermessierobjects = 1
| numbermessierobjects = 1
| meteorshowers = やぎ座&alpha;流星群<br />10月やぎ座流星群{{R|NAOJ_meteor}}
| meteorshowers = Alpha Capricornids<br />Chi Capricornids<br />Sigma Capricornids<br />Tau Capricornids<br />Capricorniden-Sagittariids
| bordering = [[みずがめ座]]<br />[[わし座]]<br />[[いて座]]<br />[[けんびきょう座]]<br />[[みなみのうお座]]
| bordering = [[みずがめ座]]<br />[[わし座]]<br />[[いて座]]<br />[[けんびきょう座]]<br />[[みなみのうお座]]
| notes=
| notes=
}}
}}
{{読み仮名|'''やぎ座'''|やぎざ|{{Lang-la|Capricornus}}}}は、[[星座#国際天文学連合による88星座|現代の88星座]]の1つで、[[トレミーの48星座|プトレマイオスの48星座]]の1つ{{R|Ridpath}}。[[黄道十二星座]]の1つで、想像上の生物である{{仮リンク|海山羊|en|Sea goat}}をモチーフとしている{{R|Ridpath|IAU_constellations}}。黄道十二星座の中ではその領域が最も狭い星座で、最大の領域を持つ[[おとめ座]]に比べると3分の1未満の広さしかない{{R|Ridpath}}。
'''やぎ座'''(やぎざ、山羊座、Capricornus, Capricorn)は、[[黄道十二星座]]の1つ。[[トレミーの48星座]]の1つでもある。

この[[星座]]には2等星以上の明るい星は無い。

[[海王星]]は、[[1846年]][[9月23日]]、&delta;星の近くでフランスの天文学者[[ユルバン・ルヴェリエ|ルヴェリエ]]の予測計算とドイツの天文学者[[ヨハン・ゴットフリート・ガレ|ガレ]]の観測によって発見された。


== 主な天体 ==
== 主な天体 ==
=== 恒星 ===
=== 恒星 ===
{{See also|やぎ座の恒星の一覧}}
{{See also|やぎ座の恒星の一覧}}
[[2023年]]12月現在、[[国際天文学連合]] (IAU) によって5個の恒星に固有名が認証されている{{R|iaucsn}}。
明るい星は&alpha;星、&delta;星、&omega;星の3星を結ぶ3角形上にある。
* &alpha;{{sup|2}}星:[[太陽系]]から約109 [[光年]]の距離にある、[[見かけの等級|見かけの明るさ]]3.58 等、[[スペクトル分類|スペクトル型]] G9III の黄色巨星で、4等星{{R|simbad_alpha02}}。1.2[[秒 (角度)|&Prime;]]離れた位置に見える[[やぎ座アルファ1星|&alpha;{{sup|1}}星]]とは、たまたま同じ方向に見える「[[見かけの二重星]]」である。[[アラビア語]]で「仔山羊」を意味する言葉に由来する{{R|Kunitzsch2006}}「'''アルゲディ'''{{R|StellaNavigator11}}(Algedi{{R|iaucsn}})」という固有名が認証されている。
* &alpha;星:アルゲディ(Algedi、アラビア語で「仔山羊」を意味する言葉に由来{{R|Kunitzsch}})は、肉眼でも[[やぎ座アルファ1星|&alpha;<sup>1</sup>星]]と[[やぎ座アルファ2星|&alpha;<sup>2</sup>星]]に分離できる二重星。
* [[やぎ座ベータ星|&beta;星]]:太陽系から約388 光年の距離にある3.08 等のA星{{R|simbad_beta01}}と約330 光年の距離にある6.10 等のB星{{R|simbad_beta02}}の二重星で、それぞれが[[分光連星]]である{{R|simbad_beta01|simbad_beta02}}。A星系は、スペクトル型 F8V で3.10 等のAa星とスペクトル型 A0 で4.90 等のAb星から成り、{{val|3.76|0.02|u=年}}の周期で互いに公転している{{R|Orbit_beta01}}。B星系は、6.16 等のBa星と9.14 等のBb星から成り、538.62年の周期で互いに公転している{{R|Orbit_beta02}}。A星系とB星系はよく似た[[固有運動]]を見せていることから、両星系の間に物理的な関係がある可能性もある{{R|WDS_beta}}。Aa星には、アラビア語で「屠殺者の幸運」を意味する言葉に由来する{{R|Kunitzsch2006}}「'''ダビー'''{{R|StellaNavigator11}}(Dabih{{R|iaucsn}})」という固有名が認証されている。
* [[やぎ座ベータ星|&beta;星]]:ダビー (Dabih、アラビア語で「屠殺者の幸運」を意味する言葉に由来{{R|Kunitzsch}})
* [[やぎ座ガンマ星|&gamma;星]]:太陽系から約171 光年の距離にある、見かけの明るさ3.67 等、スペクトル型 kF0hF1VmF2 の[[特異星|化学特異星]]で、4等星{{R|simbad_gamma}}。分光スペクトル中に[[ストロンチウム]]・[[クロム]]・[[ユウロピウム]]の吸収線が強く見られる「ストロンチウム・クローム・ユーロピウム星 (SrCrEu)」というA型特異星 (Ap) のグループに分類されている{{R|Glagolevskij2019}}が、Apに特有の強い磁場がないことから「[[Am星|金属線A型星 (Am星)]]」に分類されることもある。[[変光星]]としては回転変光星の分類の1つ「[[りょうけん座アルファ2型変光星|りょうけん座&alpha;{{sup|2}}型変光星]] (ACV)」に分類されており、2.78 日の周期で0.03 等の振幅で明るさを変えている{{R|GCVS_gamma}}。A星には、アラビア語に由来する固有名だが原義不明の「'''ナシラ'''{{R|StellaNavigator11}}(Nashira{{R|iaucsn}})」という固有名が認証されている。
* [[やぎ座ガンマ星|&gamma;星]]:ナシラ (Nashira) はアラビア語に由来する固有名だが、原義は不明である。
* [[やぎ座デルタ星|&delta;星]]:太陽系から約38 光年の距離にある、見かけの明るさ2.83 等の連星系{{R|simbad_delta}}。やぎ座で最も明るく見える。近くに見える15等のB星や13等のC星とは[[見かけの二重星]]の関係だが、A星自体が分光連星かつ[[食連星]]であり、1.0227688 日の周期で極大時2.81 等、第一極小時3.05 等、第二極小時2.90 等と明るさを変えている{{R|GCVS_delta}}。主星のAa星はAm星に分類される化学特異星であり、脈動変光星の1つ「[[たて座デルタ型変光星|たて座&delta;型変光星]]」であるとする説もある{{R|Batten1992}}。Aa星には、アラビア語で「ヤギの尾」を意味する言葉に由来する{{R|Kunitzsch2006}}「'''デネブ・アルゲディ'''{{R|StellaNavigator11}}(Deneb Algedi{{R|iaucsn}})」という固有名が認証されている。
* [[やぎ座デルタ星|&delta;星]]:デネブ・アルゲディ(Deneb Algedi、アラビア語で「ヤギの尾」を意味する言葉に由来{{R|Kunitzsch}})は、やぎ座で最も明るい恒星。
* [[やぎ座ニュー星|&nu;星]]:アルシャト{{R|Kondo}} (Alshat) はアラビア語で「屠殺者の羊」を意味する言葉に由来する固有名である。
* [[やぎ座ニュー星|&nu;星]]:太陽系から約268 光年の距離にある、見かけの明るさ4.76 等、スペクル型 B9IV の[[準巨星]]{{R|simbad_nu}}。A星にアラビア語で「羊」を意味する言葉に由来する{{Sfn|近藤二郎|2012|pp=149-151}}「'''アルシャト'''{{R|StellaNavigator11}}(Alshat{{R|iaucsn}})」という固有名が認証されている。
このほか、以下の恒星が知られている。
* [[やぎ座アルファ1星|&alpha;{{sup|1}}星]]:太陽系から約812 光年の距離にある{{R|simbad_alpha01}}、4.44 等の[[黄色超巨星]]{{R|Usenko2015}}と8.60 等{{R|WDS_alpha01}}の[[赤色巨星]]{{R|Usenko2015}}からなる連星系。Prima Giedi という名称で呼ばれることもあった{{R|simbad_alpha01}}。

=== 星団・星雲・銀河 ===
=== 星団・星雲・銀河 ===
[[18世紀]][[フランス]]の天文学者[[シャルル・メシエ]]が編纂した『[[メシエカタログ]]』に挙げられた[[メシエ天体|天体]]が1つ位置している{{R|SEDS_Messier}}。
*[[M30 (天体)|M30]]:[[球状星団]]
* [[M30 (天体)|M30]]:太陽系から約2万2800 光年の距離にある[[球状星団]]{{R|simbad_M30}}。[[1764年]]にメシエが発見した{{R|SEDS_M30}}。130億年前に形成されたとされる古い星団{{R|spacetelescope20091223}}で、「コア崩壊 ({{Lang-en-short|core collapse}})」と呼ばれる過程を経て中心部への質量集中が進んでおり、星団の質量の半分は[[太陽]]から[[シリウス]]までの距離に相当する半径8.7 光年の球形の領域に集中している{{R|SEDS_M30}}。一晩にメシエ天体を数多く観る試み「[[メシエマラソン]]」では最後に見逃されてしまうことが多い天体とされる{{R|SEDS_M30}}。
* [[パロマー12]]:太陽系から約6万3600 光年の距離にある球状星団{{R|Rosenberg1998}}。[[1953年]]に{{仮リンク|ロバート・ハリンソン|en|Robert George Harrington}}と[[フリッツ・ツビッキー]]によって発見された{{R|Rosenberg1998|Abell1955}}。球状星団としては星の集まりが極めてまばらに広がっており、[[シャプレー・ソーヤー集中度|集中度]]は最低の「XII」とされている{{R|Abell1955}}。星団中の星をプロットした[[ヘルツシュプルング・ラッセル図|色-等級図]]や化学組成は、[[天の川銀河]]に属する他の球状星団の大部分より25-40%は若いことを示しており{{R|Dinescu2000}}、パロマー12がどこで形成されて天の川銀河に属するようになったのかという問題は研究者の議論の的となっていた{{R|Dinescu2000|spacetelescope20150216}}。21世紀初頭時点では、2000年に提唱された「パロマー12は天の川銀河の伴銀河の1つである[[いて座矮小楕円銀河]]で形成された後、約17億年前に天の川銀河との潮汐相互作用によっていて座矮小楕円銀河から剥ぎ取られて天の川銀河の天体となった」とする説が有力視されている{{R|spacetelescope20150216}}。
{{Gallery
| width=360
| height=300
| lines=5
| align=center
| Messier 30 (captured by the Hubble Space Telescope).jpg | [[ハッブル宇宙望遠鏡]] (HST) の[[広視野惑星カメラ2]] (WFPC2) で撮影された[[球状星団]][[M30 (天体)|M30]]。
| Panta rhei — motion in the Milky Way.jpg | HST の[[掃天観測用高性能カメラ]] (ACS) で撮影された球状星団[[パロマー12]]。
}}
== 流星群 ==
やぎ座の名前を冠した[[流星群]]で、IAUの流星データセンター (IAU Meteor Data Center) で確定された流星群 (Established meteor showers) とされているものは、やぎ座&alpha;流星群 (alpha Capricornids, CAP)・10月やぎ座流星群 (October Capricornids, OCC) の2つである{{R|NAOJ_meteor}}。やぎ座&alpha;流星群はIAU番号1番が付けられた流星群で、毎年7月31日頃に極大を迎える{{R|NAOJ_meteor}}。極大時の[[天頂出現数]] (zenith hourly rate, ZHR) は4{{R|AMRO_CAP}}と、同じ時期に極大を迎えるみずがめ座&delta;南流星群 (ZHR=20{{R|AMRO_SDA}}) に比べると少ない。10月やぎ座流星群は、毎年10月3日頃に極大を迎える{{R|NAOJ_meteor}}。


== 由来と歴史 ==
== 由来と歴史 ==
やぎ座の起源は、[[バビロニア|古代バビロニア]]の[[シュメール]]や[[アッカド]]で考えられた、ヤギの前半身と魚の後ろ半身を持つ想像上の生物「ヤギ魚{{Sfn|近藤二郎|2021|pp=244-245}}({{Lang-en-short|goat-fish}}{{R|Ridpath|White2014}}、シュメール語: SUHUR MAŠ、アッカド語: suḫurmāšu{{R|White2014}})」であると考えられている{{Sfn|近藤二郎|2021|pp=244-245}}{{R|White2014}}。この生物の描像は非常に古く、元々[[シカ]]と[[魚]]が別々に描かれていたものが混ざり合って、[[紀元前3千年紀]]の半ばから後半にかけて創作されたものと推測されている{{R|White2014}}。
英語では、[[至点|冬至点]]をやぎ座の名(The Tropic of Capricorn)で呼ぶが、現代の冬至点は[[いて座]]にあり、やぎ座にはない。これは、古代[[バビロニア]]時代、冬至点がこの星座の中にあった名残だとされる{{R|hoshizora}}。地球の歳差運動のために、冬至点は年とともに西に移動する。そのため、冬至点がやぎ座にあった時代は、ちょうどバビロニア時代ごろになる{{R|hoshizora}}。このころに黄道12宮が制定されたため、冬至点をThe Tropic of Capricornと呼ぶようになった。きわめて古い星座であることが分かっているもののうちの1つである。

この「ヤギ魚」の描像がいつ頃地中海地方に伝わったのかは定かではないが、[[紀元前3世紀]]前半の[[マケドニア]]の詩人[[アラトス|アラートス]]の詩篇『パイノメナ ({{Lang-grc-short|Φαινόμενα}})』では既に「ヤギの角」を意味する Αἰγοκερῆος という名称で登場している{{R|PDL_Aratus}}。[[紀元前3世紀]]後半の天文学者[[エラトステネス|エラトステネース]]の天文書『[[カタステリスモイ]] ({{Lang-grc-short|Καταστερισμοί}})』では Αἰγoκέρωτος{{R|Takesako2023}}、[[帝政ローマ]]期の[[クラウディオス・プトレマイオス]]の天文書『ヘー・メガレー・スュンタクスィス・テース・アストロノミアース ({{Lang-grc-short|ἡ Μεγάλη Σύνταξις τῆς Ἀστρονομίας}})』、いわゆる『[[アルマゲスト]]』では Αἰγόκερως{{R|Ridpath}}と、アラートス以降も[[古代ギリシア]]・[[古代ローマ|ローマ]]期を通じて「ヤギの角」を意味する名称で呼ばれていた{{R|Ridpath}}。現在使われている[[ラテン語]]の学名 Capricornus も元々は「ヤギの角」を意味する言葉に由来している。

エラトステネースは、この星座のモチーフとなったのはアイギパーン ({{Lang-grc-short|Αἰγίπανι}}) であるとしている。このアイギパーンが牧神[[パーン (ギリシア神話)|パーン]]そのものを指すのか、それともパーンに関係する別個の存在を指すのかは完全に明らかとなっていないが、おそらくはパーン自身のことであろうと解釈されている{{R|Condos1997|Hard2015}}。

やぎ座に属する星の数は、エラトステネースの『カタステリスモイ』や[[1世紀]]初頭の[[古代ローマ]]の著作家[[ガイウス・ユリウス・ヒュギーヌス]]の『天文詩 ({{Lang-la-short|De Astronomica}})』では24個、プトレマイオスの天文書『アルマゲスト』では28個とされた{{R|Condos1997}}。大きく時を下った[[17世紀]]初頭の[[1603年]]に[[ドイツ]]の[[法律家]][[ヨハン・バイエル]]が編纂した星図『[[ウラノメトリア]]』では、[[ギリシャ文字]]24個と[[ラテン文字]]3個の符号を用いて星を示している{{R|Bayer1603a|Bayer1603b}}{{efn2|バイエルは1つの文字で複数の星を指し示すことがあるため、用いた符号の数と星の数は必ずしも一致しない。}}。

[[1922年]]5月に[[ローマ]]で開催されたIAUの設立総会で現行の88星座が定められた際にそのうちの1つとして選定され、星座名は '''Capricornus'''、略称は '''Cap''' と正式に定められた{{R|IAU_list}}。

[[南回帰線]]のことを英語で Tropic of Capricorn と呼ぶのは、かつてやぎ座に[[冬至点]]があった名残である{{R|Ridpath}}。21世紀現在、地球の歳差運動によって冬至点は西隣りにある[[いて座]]に移動している{{R|Ridpath}}。

=== 中東 ===
[[オーストリア]]のアッシリア学者{{仮リンク|ヘルマン・フンガー|en|Hermann Hunger}}と[[アメリカ合衆国|アメリカ]]の数理天文学・古典学者の{{仮リンク|デイヴィッド・ピングリー|en|David Pingree}} (David Pingree) が解読した、[[紀元前500年]]頃に製作された天文に関する粘土板文書『{{仮リンク|ムル・アピン|en|MUL.APIN}} (MUL.APIN)』では、やぎ座の星は3つの太陽の通り道のうち最も南側を通る「エアの道」の最後の星座「ヤギ魚{{Sfn|近藤二郎|2021|pp=244-245}}(mul SUHUR.MAS{{R|Takesako1996}})」とされていた{{Sfn|近藤二郎|2021|p=227}}。また、イスラムの[[月宿]]マナージル・アル=カマルでは、&alpha;・&beta;の2星が第22月宿の「サアド・アッ=ザービフ」にあたるとされた{{Sfn|近藤二郎|2012|p=33}}。

=== 中国 ===
ドイツ人宣教師{{仮リンク|イグナーツ・ケーグラー|en|Ignaz Kögler}}(戴進賢)らが編纂し、[[清|清朝]][[乾隆帝]]治世の[[1752年]]に完成・奏進された星表『欽定儀象考成』では、みずがめ座の星は、[[二十八宿]]の[[玄武|北方玄武]]七宿の第二宿「[[牛宿]]」、第三宿「[[女宿]]」、第四宿「[[虚宿]]」、第六宿「[[室宿]]」に配されていたとされる{{Sfn|伊世同|1981|pp=139-140}}{{R|Osaki1987_1}}。

牛宿では、&beta;・&alpha;{{sup|2}}・&xi;・&pi;・&omicron;・&rho; の6星が牛を飼うことを表す[[星官]]「牛」に、&tau;・&upsilon;・17 の3星が[[堰]]を表す星官「羅堰」に、&omega;・24・&psi; の3星が[[けんびきょう座]]にあるみなみのうお座3番星とともに[[天子]]の田を表す星官「天田」に、それぞれ配された{{Sfn|伊世同|1981|pp=139-140}}{{R|Osaki1987_1}}。女宿では、[[やぎ座イータ星|&eta;]]・21・[[やぎ座シータ星|&theta;]]・30・[[やぎ座イオタ星|&iota;]]・38・26・27・19・&chi;・&phi;・20・33・35・36・[[やぎ座ゼータ星|&zeta;]]の16星が[[戦国時代 (中国)|戦国時代]]の国を表す星官「十二国」に配された{{Sfn|伊世同|1981|pp=139-140}}{{R|Osaki1987_1}}。虚宿では、&mu; が大声で泣くことを表す星官「哭」に、46・47・&lambda;・50・29 の5星が[[みずがめ座]]の8星とともに天軍の砦を表す星官「天累城」に、それぞれ配された{{Sfn|伊世同|1981|pp=139-140}}{{R|Osaki1987_1}}。室宿では、&kappa;・[[やぎ座イプシロン星|&epsilon;]]・&gamma;・&delta; の4星がみずがめ座とうお座の星とともに城塁を表す星官「塁壁陣」に配された{{Sfn|伊世同|1981|pp=139-140}}{{R|Osaki1987_1}}。


== 神話 ==
== 神話 ==
[[File:Sidney Hall - Urania's Mirror - Capricornus.jpg|thumb|『[[ウラニアの鏡]]』に描かれたやぎ座]]
[[File:Sidney Hall - Urania's Mirror - Capricornus.jpg|thumb|360px|[[19世紀]]イギリスの星座カード集『[[ウラニアの鏡]]』に描かれたやぎ座]]
エラトステネースの『カタステリスモイ』では、古代ギリシアの伝説的詩人[[エピメニデス]]の語るところとして、この星座にまつわるアイギパーンの伝承を伝えている{{R|Condos1997|Hard2015}}。アイギパーンは、獣のような下半身を持ち、角を生やしていた{{R|Condos1997|Hard2015}}。大神[[ゼウス]]は、[[クレタ島]][[イディ山]]で生まれ、そこでアイギパーンとともにヤギの乳を飲んで育ったとされ、そのことからアイギパーンは讃えられたとされる{{R|Condos1997|Hard2015}}。またアイギパーンは、聴いたものに[[パニック]]を起こさせる音を発する貝殻を発見し、神々と[[ティーターン]]の戦い[[ティーターノマキアー]]ではそれを用いてティーターンを恐慌させた{{R|Condos1997|Hard2015}}。戦いに勝って権力を掌握したゼウスは、アイギパーンの功績を賞して彼と母のヤギを星々の間に置いた、とされる{{R|Condos1997|Hard2015}}。アイギパーンの尻尾が魚の姿をしているのは、貝殻を海で見つけたことを示すためであるとされた{{R|Condos1997|Hard2015}}。ヒュギーヌスも『天文詩』で同様の話を伝えているが、アイギパーンの後半身が魚の姿をしているのはティーターノマキアーで石の代わりに貝殻を投げつけたためであるとしている{{R|Condos1997|Hard2015}}。
=== 古代メソポタミア ===

上半身は牡(または若い)[[ヤギ]]で、下半身は[[コイ]]の[[エンキ]]であるとされる{{R|myth}}。
またヒュギーヌスは『天文詩』で、[[エジプト]]の神官や詩人が語る伝承として、[[テューポーン]]に襲撃された神々が動物に姿を変えたとする話を著し{{R|Condos1997|Hard2015}}、エジプトの神々が動物の姿をしている理由を説明した{{R|Hard2015}}。多くの神々がエジプトに集まった際に突如テューポーンが現れた。難を逃れるため、[[ヘルメース]]は[[トキ]]に、[[アポローン|アポロ]]は[[ワタリガラス]]に、[[アルテミス]]は猫に姿を変えた。そのためエジプトでは動物を神が姿を変えたものとみなし、危害を加えないのだという。パーンは川に飛び込み、下半身を魚に、上半身をヤギへと変えた。ゼウスは彼の機略を賞賛し、星座の中にパーンの姿を置いた{{R|Condos1997|Hard2015}}。ヒュギーヌスは『神話集 ({{Lang-la-short|Fabulae}})』でも同様の話を伝えているが、ここではパーンの助言によって野獣に姿を変えて難を逃れた神々の希望によってパーンは星々の間に置かれることとなり、ヤギの姿に変えたことから「ヤギの角」という意味の Aigōkeros と呼ばれた、としている{{R|Condos1997|Hard2015}}。

== 呼称と方言 ==
世界で共通して使用されるラテン語の学名は '''Capricornus'''、日本語の学術用語としては「'''やぎ'''」とそれぞれ正式に定められている{{Sfn|学術用語集:天文学編(増訂版)|1994|pp=305-306}}。現代の中国では、'''摩羯座'''と呼ばれている{{Sfn|伊世同|1981|p=131}}{{R|Osaki1987_2}}。

明治初期の[[1874年]](明治7年)に[[文部省]]より出版された[[関藤成緒]]の天文書『星学捷径』で「'''カプリコルニュス'''」という読みと「'''磨羯宮'''」「'''山羊'''」という解説が紹介された{{R|Sekito1874}}。その5年後の[[1879年]](明治12年)に[[ノーマン・ロッキャー]]の著書『Elements of Astronomy』を訳して刊行された『洛氏天文学』では「'''山羊'''」と紹介されており、「磨羯」の表記は使われていない{{R|Rakushi}}。それから30年ほど時代を下った明治後期にも「'''山羊'''」という呼称が使われていたことが、[[1908年]](明治41年)4月に創刊された[[日本天文学会]]の会誌『天文月報』の同年7月刊行の第1巻第4号の「七月の天」と題した記事で確認できる{{R|AH190807}}。この名称は、[[1925年]](大正14年)に[[東京天文台]]の編集により初版が刊行された『[[理科年表]]』でも「'''山羊(やぎ)'''」として引き継がれ{{R|Rika_1925}}、戦後までこの表記が使われ続けた{{R|1944jutsugo|Rika_1949}}。[[1952年]](昭和27年)7月に日本天文学会が「星座名はひらがなまたはカタカナで表記する」{{Sfn|学術用語集:天文学編(増訂版)|1994|p=316}}とした際に Capricornus の日本語名は「'''やぎ'''」と定められ{{R|AH195210}}、以降も継続して用いられている。

=== 方言 ===
&alpha;・&beta; の2星を「'''ミョウトボシ'''(女夫星)」と呼んでいたと推定した事例が採集されている{{R|Nojiri1986|Kitao2018}}。これは、[[民俗学者]]の[[内田武志 (民俗学者)|内田武志]]が[[静岡県]][[静岡市]]で採集した{{行内引用|夏から秋へかけて出れゐる黄色の小さい二箇の星をミョートボシと云ふ。その間隔は一丈位もあり、これは時間の星だ}}というインタビューから、やぎ座の&alpha;・&beta;のペアのことと推定したものである{{R|Kitao2018}}。ただしこのほかに調査事例もなく、&alpha;-&beta;間は「一丈」というほど離れてもいないことから、[[野尻抱影]]や北尾浩一はミョウトボシ=やぎ座&alpha;・&beta;であるとは断定できないとしている{{R|Nojiri1986|Kitao2018}}。
{{seealso|[[星・星座に関する方言#やぎ座|やぎ座の方言]]}}

== 脚注 ==
{{脚注ヘルプ}}

=== 注釈 ===
{{Notelist2}}

=== 出典 ===
{{Reflist|25em|refs=
<ref name="Ridpath">{{Cite web
| last=Ridpath | first=Ian | authorlink=イアン・リドパス
| title=Capricornus
| website=Star Tales
| url=http://www.ianridpath.com/startales/capricornus.html
| access-date=2023-12-16}}</ref>

<ref name="IAU_constellations">{{Cite web
| title=The Constellations
| publisher=[[国際天文学連合]]
| url=https://www.iau.org/public/constellations/#cap
| access-date=2023-12-16}}</ref>

<ref name="Nojiri1977">{{Cite book | 和書
| author=野尻抱影 | authorlink=野尻抱影
| title=星座の話
| chapter=やぎ座 | publisher=[[偕成社]] | date=1977-09 | edition=改訂版2刷 | isbn=978-4037230104 | pages=171-173}}</ref>

<ref name="boundary">{{Cite web
| title=Constellation boundary
| publisher=[[国際天文学連合]]
| url=https://www.iau.org/static/public/constellations/txt/cap.txt
| access-date=2023-12-16}}</ref>

<ref name="Nenkan2016">{{Cite book | 和書
| author=山田陽志郎
| title=天文年鑑2016年版
| chapter=星座 | date=2015-11-26 | isbn=978-4-416-11545-9 | pages=290-293}}</ref>

<ref name="NAOJ_meteor">{{Cite web | 和書
| title=流星群の和名一覧(極大の日付順)
| website=[[国立天文台]] | date=2022-12-31
| url=https://www.nao.ac.jp/new-info/meteor/table-ls.html
| access-date=2023-12-16}}</ref>

<ref name="iaucsn">{{Cite web
| url=https://www.pas.rochester.edu/~emamajek/WGSN/IAU-CSN.txt
| title=IAU Catalog of Star Names
| publisher=[[国際天文学連合]] | access-date=2023-12-16}}</ref>

<ref name="StellaNavigator11">{{citation | 和書
| publisher=AstroArts
| title=ステラナビゲータ11
| edition=11.0i}}</ref>

<ref name="Kunitzsch2006">{{Cite book
| last=Kunitzsch | first=Paul | last2=Smart | first2=Tim | author-link=パウル・クーニチュ
| title=A Dictionary of Modern Star Names
| publisher=Sky Publishing | year=2006 | isbn=978-1-931559-44-7 | pages=24-25}}</ref>

<ref name="simbad_alpha02">{{Cite simbad
| title=alp02 Cap | access-date=2023-12-16}}</ref>

<ref name="simbad_beta01">{{Cite simbad
| title=bet01 Cap | access-date=2023-12-16}}</ref>
<ref name="simbad_beta02">{{Cite simbad
| title=bet02 Cap | access-date=2023-12-16}}</ref>
<ref name="WDS_beta">{{Citation
| last=Mason | first=Brian D. | last2=Wycoff | first2=Gary L. | last3=Hartkopf | first3=William I. | last4=Douglass | first4=Geoffrey G. | last5=Worley | first5=Charles E.
| title=VizieR Online Data Catalog: The Washington Double Star Catalog
| url=https://vizier.cds.unistra.fr/viz-bin/VizieR-5?-ref=VIZ657e351c109cee&-out.add=.&-source=B/wds/wds&recno=130231
| date=2023-06
| bibcode=2023yCat....102026M}}</ref>
<ref name="Orbit_beta01">{{Citation
| last=Malkov | first=O.Yu. | last2=Tamazian | first2=V.S. | last3=Docobo | first3=J.A. | last4=Chulkov | first4=D.A.
| title=Orbits of visual binaries and dynamical masses | date=2012
| url=https://vizier.cds.unistra.fr/viz-bin/VizieR-5?-ref=VIZ657e718da561f&-out.add=.&-source=J/A%2bA/546/A69/table1&recno=2636
| doi=10.26093/CDS/VIZIER.35460069}}</ref>
<ref name="Orbit_beta02">{{Citation
| last=Malkov | first=O.Yu. | last2=Tamazian | first2=V.S. | last3=Docobo | first3=J.A. | last4=Chulkov | first4=D.A.
| title=Orbits of visual binaries and dynamical masses | date=2012
| url=https://vizier.cds.unistra.fr/viz-bin/VizieR-5?-ref=VIZ657e718da561f&-out.add=.&-source=J/A%2bA/546/A69/table1&recno=2635
| doi=10.26093/CDS/VIZIER.35460069}}</ref>

<ref name="simbad_gamma">{{Cite simbad
| title=gam Cap | access-date=2023-12-16}}</ref>
<ref name="GCVS_gamma">{{Cite journal | display-authors=1
| last1=Samus’| first1=N. N. | last2=Kazarovets | first2=E. V. | last3=Durlevich | first3=O. V. | last4=Kireeva | first4=N. N. | last5=Pastukhova | first5=E. N.
| title=General catalogue of variable stars: Version GCVS 5.1
| url=https://vizier.cds.unistra.fr/viz-bin/VizieR-5?-ref=VIZ65819089263187&-out.add=.&-source=B/gcvs/gcvs_cat&recno=8957
| journal=Astronomy Reports | volume=61 | issue=1 | year=2017 | pages=80-88 | issn=1063-7729
| doi=10.1134/S1063772917010085 | bibcode= 2017ARep...61...80S}}</ref>
<ref name="Glagolevskij2019">{{Cite journal
| last=Glagolevskij | first=Yu. V.
| title=On Properties of Main Sequence Magnetic Stars
| journal=Astrophysical Bulletin | volume=74 | issue=1 | date=2019 | issn=1990-3413
| doi=10.1134/S1990341319010073 | pages=66–79 | bibcode=2019AstBu..74...66G
| url=https://vizier.cds.unistra.fr/viz-bin/VizieR-5?-ref=VIZ6581939829b5ea&-out.add=.&-source=J/other/AstBu/74.66/table1&recno=550}}</ref>

<ref name="simbad_delta">{{Cite simbad
| title=del Cap | access-date=2023-12-16}}</ref>
<ref name="Batten1992">{{Cite journal | last=Batten | first=A. H. | last2=Fletcher | first2=J. M. | title=A new spectroscopic orbit for delta Capricorni. | journal=Journal of the Royal Astronomical Society of Canada | volume=86 | pages= 99-109 (1992) | bibcode=1992JRASC..86...99B}}</ref>
<ref name="GCVS_delta">{{Cite journal | display-authors=1
| last1=Samus’| first1=N. N. | last2=Kazarovets | first2=E. V. | last3=Durlevich | first3=O. V. | last4=Kireeva | first4=N. N. | last5=Pastukhova | first5=E. N.
| title=General catalogue of variable stars: Version GCVS 5.1
| url=https://vizier.cds.unistra.fr/viz-bin/VizieR-5?-ref=VIZ65866f381913b5&-out.add=.&-source=B/gcvs/gcvs_cat&recno=8958
| journal=Astronomy Reports | volume=61 | issue=1 | year=2017 | pages=80-88 | issn=1063-7729
| doi=10.1134/S1063772917010085 | bibcode= 2017ARep...61...80S}}</ref>

<ref name="simbad_nu">{{Cite simbad
| title=nu. Cap | access-date=2023-12-16}}</ref>

<ref name="simbad_alpha01">{{Cite simbad
| title=alp01 Cap | access-date=2023-12-16}}</ref>
<ref name="WDS_alpha01">{{Citation
| last=Mason | first=Brian D. | last2=Wycoff | first2=Gary L. | last3=Hartkopf | first3=William I. | last4=Douglass | first4=Geoffrey G. | last5=Worley | first5=Charles E.
| title=VizieR Online Data Catalog: The Washington Double Star Catalog
| url=https://vizier.cds.unistra.fr/viz-bin/VizieR-5?-ref=VIZ657e351c109cee&-out.add=.&-source=B/wds/wds&recno=130231
| date=2023-06
| bibcode=2023yCat....102026M}}</ref>
<ref name="SEDS_Messier">{{Cite web
| last=Frommert | first=Hartmut | last2=Kronberg | first2=Christine
| title=Messier Index
| website=SEDS Messier Database | date=2013-04-26
| url=http://www.messier.seds.org/data3.html
| access-date=2023-12-16}}</ref>
<ref name="Usenko2015">{{Cite journal | display-authors=1
| last=Usenko | first=I. A. | last2=Kniazev | first2=A. Yu. | last3=Berdnikov | first3=L. N. | last4=Kravtsov | first4=V. V.
| title=Spectroscopic studies of four southern-hemisphere G–K supergiants: HD 192876 (α1 Cap), HD 194215 (HR 7801), HD 206834 (c Cap), and HD 222574 (104 Aqr)
| journal=Astronomy Letters
| volume=41 | issue=11 | date=2015 | issn=1063-7737
| doi=10.1134/S1063773715110067 | pages=660–676 | bibcode=2015AstL...41..660U}}</ref>

<ref name="simbad_M30">{{Cite simbad
| title=M30 | access-date=2023-12-16}}</ref>
<ref name="SEDS_M30">{{Cite web
| last=Frommert | first=Hartmut | last2=Kronberg | first2=Christine
| title=Messier Object 30
| website=SEDS Messier Database | date=2007-08-21
| url=http://www.messier.seds.org/m/m030.html
| access-date=2023-12-16}}</ref>
<ref name="spacetelescope20091223">{{Cite web
| title=ACS image of Messier 30
| website=www.spacetelescope.org | date=2009-12-23
| url=https://esahubble.org/images/heic0918a/
| access-date=2023-12-28}}</ref>

<ref name="Rosenberg1998">{{Cite journal | display-authors=1
| last=Rosenberg | first=A. | last2=Saviane | first2=I. | last3=Piotto | first3=G. | last4=Held | first4=E. V.
| title=Young Galactic globular clusters II. The case of Palomar 12
| journal=[[アストロノミー・アンド・アストロフィジックス|Astronomy and Astrophysics]]
| volume=339 | year=1998 | pages=61-69 | bibcode=1998A&A...339...61R}}</ref>
<ref name="spacetelescope20150216">{{Cite web
| title=Panta rhei — motion in the Milky Way
| website=www.spacetelescope.org | date=2015-02-16
| url=https://esahubble.org/images/potw1507a/
| access-date=2023-12-17}}</ref>
<ref name="Dinescu2000">{{Cite journal | display-authors=1
| last=Dinescu | first=Dana I. | last2=Majewski | first2=Steven R. | last3=Girard | first3=Terrence M. | last4=Cudworth | first4=Kyle M.
| title=The Absolute Proper Motion of Palomar 12: A Case for Tidal Capture from the Sagittarius Dwarf Spheroidal Galaxy
| journal=[[アストロノミカルジャーナル|The Astronomical Journal]] | volume=120 | issue=4 | date=2000
| doi=10.1086/301552 | pages=1892–1905 | bibcode=2000AJ....120.1892D}}</ref>
<ref name="Abell1955">{{Cite journal
| last=Abell | first=G. O.
| title=Globular Clusters and Planetary Nebulae Discovered on the National Geographic Society-Palomar Observatory Sky Survey
| journal=Publications of the Astronomical Society of the Pacific
| volume=67 | date=1955 | issn=0004-6280 | doi=10.1086/126815 | page=258 | bibcode=1955PASP...67..258A}}</ref>

<ref name="AMRO_CAP">{{Cite web | 和書
| title=やぎ座流星群(7月)の基本情報・観測条件
| website=流星電波観測国際プロジェクト
| url=https://www.amro-net.jp/meteor-info/07_capri_j.html
| access-date=2023-12-16}}</ref>

<ref name="AMRO_SDA">{{Cite web | 和書
| title=みずがめ座δ流星群(7月)の基本情報・観測条件
| website=流星電波観測国際プロジェクト
| url=https://www.amro-net.jp/meteor-info/07_aqrdelta_j.html
| access-date=2023-12-16}}</ref>

<ref name="IAU_list">{{Cite web
| last=Ridpath | first=Ian | authorlink=イアン・リドパス
| title= The IAU list of the 88 constellations and their abbreviations
| url=http://www.ianridpath.com/iaulist1.html
| website=Star Tales | access-date=2023-12-17}}</ref>

<ref name="White2014">{{Cite book
| last=White | first=Gavin
| title=Babylonian Star-lore. An Illustrated Guide to the Star-lore and Constellations of Ancient Babylonia
| date=2014-09-11 | edition=3rd | isbn=978-0-9559037-4-8 | pages=152-156}}</ref>

<ref name="PDL_Aratus">{{Cite web
| author=Aratus
| title=Aratus Solensis, Phaenomena
| website=Perseus Digital Library
| url=https://www.perseus.tufts.edu/hopper/text?doc=urn:cts:greekLit:tlg0653.tlg001.perseus-grc1:1
| access-date=2023-12-25}}</ref>

<ref name="Takesako2023">{{Cite web | 和書
| author=竹迫忍
| title=やぎ座
| website=古天文の部屋 | date=2023-06-06
| url=https://www.kotenmon.com/era/27_pan.html
| access-date=2023-12-27}}</ref>

<ref name="Hard2015">{{Cite book
| last1=Hard | first1=Robin
| title=Constellation Myths: with Aratus's Phaenomena
| chapter=27. Capricornus, Capricorn
| publisher=Oxford University Press | series=Oxford Worlds Classics | date=2015-08-01 | isbn=978-0-19871-698-3
| oclc=1026890396 | pages=78-80}}</ref>

<ref name="Condos1997">{{Cite book
| last1=Condos | first1=Theony
| title=Star myths of the Greeks and Romans : a sourcebook containing the Constellations of Pseudo-Eratosthenes and the Poetic astronomy of Hyginus
| chapter=Capricorn
| publisher=Phanes Press | publication-place=Grand Rapids, MI, U.S.A.
| date=1997 | isbn=978-1-60925-678-4 | oclc=840823460 | pages=66-69}}</ref>

<ref name="Bayer1603a">{{Cite book
| last=Bayer | first=Johann | authorlink=ヨハン・バイエル
| title=Ioannis Bayeri Uranometria omnium asterismorum continens schemata, nova methodo delineata aereis laminis expressa
| publisher=excudit Christophorus Mangus | doi=10.3931/E-RARA-309
| url=https://www.e-rara.ch/zut/content/zoom/77516 | language=la | access-date=2023-12-26}}</ref>

<ref name="Bayer1603b">{{Cite book
| last=Bayer | first=Johann | authorlink=ヨハン・バイエル
| title=Ioannis Bayeri Uranometria omnium asterismorum continens schemata, nova methodo delineata aereis laminis expressa
| publisher=excudit Christophorus Mangus | doi=10.3931/E-RARA-309
| url=https://www.e-rara.ch/zut/content/zoom/77517 | language=la | access-date=2023-12-26}}</ref>

<ref name="Takesako1996">{{Cite web
| author=竹迫忍
| title=バビロニアの星座の名前
| website=古天文の部屋
| url=https://www.kotenmon.com/str/mulapin.htm
| access-date=2023-12-17}}</ref>

<ref name="Osaki1987_1">{{Cite book | 和書
| author=大崎正次 | authorlink=大崎正次
| title=中国の星座の歴史 | chapter=中国星座名義考 | pages=141-192
| date=1987-05-05 | publisher=[[雄山閣出版]] | isbn=4-639-00647-0}}</ref>

<ref name="Sekito1874">{{Cite book | 和書
| editor=関藤成緒 | editor-link=関藤成緒
| title=星学捷径 下
| publisher=[[文部省]] | doi=10.11501/831014 | ncid=BA37079704 | page=39
| url=https://dl.ndl.go.jp/pid/831014/1/42}}</ref>


<ref name="Rakushi">{{Cite book | 和書
=== ギリシア神話 ===
| author=ジェー、ノルマン、ロックヤー | authorlink=ノーマン・ロッキャー
『[[カタステリスモイ]]』が引く[[エピメニデス]]の説では、[[パーン (ギリシア神話)|アイギパーン]]が神々とともに[[ティーターン]]と戦った際に、貝殻を[[ホラガイ]]のごとく吹き鳴らしたところ、ティーターンたちはその轟音に[[パニック]]を起こして潰走した。そのため、ゼウスがその戦功を嘉して星座とした。下半身が魚であるのは、魚と化して海に潜り、貝殻を手に入れた際の姿であるという。
| editor=木村一歩 | editor2=内田正雄 | editor1-link=木村一歩 | editor2-link=内田正雄
| publisher=[[文部省]] | date=1879-03
| title=洛氏天文学 上冊
| url=https://dl.ndl.go.jp/pid/831055/1/36 | page=57}}</ref>


<ref name="AH190807">{{Cite journal | 和書
しかし一般の説では、神々がナイル川沿いで宴会を開いていたところ、突然、怪物[[テューポーン]]が現れ、驚いた神々は動物に姿を変えて逃げた{{R|hoshizora}}。ヤギ頭の牧神アイギパーンはナイル川に飛び込んだところ下半身だけが魚になり、その姿が大神[[ゼウス]]によって星座とされた{{R|hoshizora}}。この神話から、ヨーロッパでは、角のある海ヤギという想像上の動物とされることが多い。
| title=七月の天
| url=https://www.asj.or.jp/geppou/archive_open/1908/pdf/190807.pdf#page=12
| journal=[[天文月報]] | volume=1 | issue=4 | date=1908-07 | page=12 | issn=0374-2466}}</ref>


<ref name="Rika_1925">{{Cite book | 和書
=== ローマ神話 ===
| editor=東京天文台 | editor-link=国立天文台
ヤギの姿の[[カプリコルヌス]]とされる。
| publisher=[[丸善]] | year=1925
| title=理科年表 第1冊
| url=https://dl.ndl.go.jp/pid/977669/1/39 | pages=61-64}}</ref>


<ref name="1944jutsugo">{{Cite book | 和書
== 山羊座のサインの下で生まれた有名人 ==
| editor=学術研究会議 | editor-link=学術研究会議
毛沢東、中国の共産主義指導者。
| title=天文術語集
| date=1944-1 | page=9 | chapter=星座名 | doi=10.11501/1124236
| url=https://dl.ndl.go.jp/pid/1124236/1/8}}</ref>


<ref name="Rika_1949">{{Cite book | 和書
リチャード・ニクソン、20世紀のアメリカの政治家、米国の第37代大統領、以前は第36代副大統領
| editor=東京天文台 | editor-link=国立天文台
| publisher=[[丸善]] | year=1949
| title=理科年表 第22冊
| url=https://dl.ndl.go.jp/pid/11214500/1/61 | page=天 35}}</ref>


<ref name="AH195210">{{Cite journal | 和書
マーティン*ルーサー*キング、バプテスト牧師、平等のための活動家、人種差別の排除、ノーベル平和賞受賞者、タイム誌によると、1963年のマン*オブ*ザ*イヤー
| title=星座名
| url=https://www.asj.or.jp/geppou/archive_open/1952/pdf/195210.pdf#page=13
| journal=[[天文月報]] | volume=45 | issue=10 | date=1952-10 | page=13| issn=0374-2466}}</ref>


<ref name="Osaki1987_2">{{Cite book | 和書
モハメド・アリ、アメリカのボクサー
| author=大崎正次 | author-link=大崎正次
| title=中国の星座の歴史 | chapter=辛亥革命以後の星座 | pages=115-118
| date=1987-05-05 | publisher=[[雄山閣出版]] | isbn=4-639-00647-0}}</ref>


<ref name="Nojiri1986">{{Cite book | 和書
スヴェトラーナ・ラジオノワ、ロスプリロドナゾールの頭<ref>https://neftegaz.ru/persons/333656-radionova-svetlana/</ref><ref>https://promdevelop.com/business/svetlana-radionova/</ref><ref>https://www.kakprosto.ru/kak-770797-radionova-svetlana-gennadevna-karera-chinovnicy-v-rosprirodnadzore</ref>
| author=野尻抱影 | author-link=野尻抱影
| title=日本星名辞典
| publisher=[[東京堂出版]] | date=1986-04-10 | edition=第七版 | isbn=9784490100785 | pages=89}}</ref>


<ref name="Kitao2018">{{Cite book | 和書
アレクサンドル・コズロフ、ロシア連邦の天然資源と生態学の大臣
| author=北尾浩一
| title=日本の星名事典
| publisher=[[原書房]] | date=2018-05-30 | pages=391-392 | edition=初版第一刷 | isbn=978-4-562-05569-2}}</ref>


== 出典 ==
{{Reflist|refs=
<ref name="myth">{{Cite|和書
|author=[[近藤二郎]]
|title=わかってきた星座神話の起源-古代メソポタミアの星座
|publisher=[[誠文堂新光社]]
|date=2010-12
|isbn=978-4416210246}}</ref>
<ref name="hoshizora">{{Cite book|和書
|author = 長島晶裕/ORG
|year = 2012
|title = 星空の神々 全天88星座の神話・伝承
|publisher = 新紀元社
|isbn = 978-4-7753-1038-0}}</ref>
<ref name="Kunitzsch">{{Cite book
|title=A Dictionary of Modern Star Names
|publisher=Sky Publishing
|pages=24-25
|author=Paul Kunitzsch
|coauthor=Tim Smart
|isbn=978-1-931559-44-7
|date=2006}}</ref>
<ref name="Kondo">{{Cite|和書
|author=[[近藤二郎]]
|title=星の名前のはじまり - アラビアで生まれた星の名称と歴史
|page=150
|publisher=[[誠文堂新光社]]
|date=2012-08-30
|isbn=978-4-416-21283-7}}</ref>
}}
}}


== 参考文献 ==
* {{Cite book | 和書
| author=近藤二郎 | author-link=近藤二郎
| title=星の名前のはじまり-アラビアで生まれた星の名前と歴史
| publisher=[[誠文堂新光社]] | edition=初版 | date=2012-08-30 | isbn=978-4-416-21283-7 | ref=harv}}
* {{Cite book | 和書
| author=近藤二郎 | author-link=近藤二郎
| title=星座の起源―古代エジプト・メソポタミアにたどる星座の歴史
| publisher=[[誠文堂新光社]] | edition=初版 | date=2021-01-25 | page=227 | isbn=978-4-416-52159-5 | ref=harv}}
* {{Cite book
| author=伊世同
| title=中西对照恒星图表 : 1950.0
| publisher=科学出版社 | location=[[北京]] | date=1981-04 | language=zh | ncid=BA77343284 | ref=harv}}
* {{Cite book | 和書
| editor=[[文部省]]
| title=学術用語集:天文学編(増訂版)
| publisher=日本学術振興会 | edition=第1刷 | date=1994-11-15 | isbn=4-8181-9404-2 | ref=harv}}
{{Commons&cat|Capricornus|Capricornus}}
{{Commons&cat|Capricornus|Capricornus}}
{{wiktionary|やぎ座}}
{{wiktionary|やぎ座}}

2023年12月28日 (木) 22:53時点における版

やぎ座
Capricornus
Capricornus
属格 Capricorni
略符 Cap
発音 英語発音: [ˌkæprɨˈkɔrnəs]、属格:/ˌkæprɨˈkɔrnaɪ/
象徴 海山羊英語版[1][2][3]
概略位置:赤経  20h 06m 46.4871s -  21h 59m 04.8693s[4]
概略位置:赤緯 −8.4043999° - −27.6419144°[4]
20時正中 10月上旬[5]
広さ 413.947平方度[6]40位
バイエル符号/
フラムスティード番号
を持つ恒星数
49
3.0等より明るい恒星数 1
最輝星 δ Cap(2.83
メシエ天体 1
確定流星群 やぎ座α流星群
10月やぎ座流星群[7]
隣接する星座 みずがめ座
わし座
いて座
けんびきょう座
みなみのうお座
テンプレートを表示

やぎ座やぎざラテン語: Capricornus)は、現代の88星座の1つで、プトレマイオスの48星座の1つ[1]黄道十二星座の1つで、想像上の生物である海山羊英語版をモチーフとしている[1][2]。黄道十二星座の中ではその領域が最も狭い星座で、最大の領域を持つおとめ座に比べると3分の1未満の広さしかない[1]

主な天体

恒星

2023年12月現在、国際天文学連合 (IAU) によって5個の恒星に固有名が認証されている[8]

  • α2星:太陽系から約109 光年の距離にある、見かけの明るさ3.58 等、スペクトル型 G9III の黄色巨星で、4等星[9]。1.2離れた位置に見えるα1とは、たまたま同じ方向に見える「見かけの二重星」である。アラビア語で「仔山羊」を意味する言葉に由来する[10]アルゲディ[11](Algedi[8])」という固有名が認証されている。
  • β星:太陽系から約388 光年の距離にある3.08 等のA星[12]と約330 光年の距離にある6.10 等のB星[13]の二重星で、それぞれが分光連星である[12][13]。A星系は、スペクトル型 F8V で3.10 等のAa星とスペクトル型 A0 で4.90 等のAb星から成り、3.76±0.02 年の周期で互いに公転している[14]。B星系は、6.16 等のBa星と9.14 等のBb星から成り、538.62年の周期で互いに公転している[15]。A星系とB星系はよく似た固有運動を見せていることから、両星系の間に物理的な関係がある可能性もある[16]。Aa星には、アラビア語で「屠殺者の幸運」を意味する言葉に由来する[10]ダビー[11](Dabih[8])」という固有名が認証されている。
  • γ星:太陽系から約171 光年の距離にある、見かけの明るさ3.67 等、スペクトル型 kF0hF1VmF2 の化学特異星で、4等星[17]。分光スペクトル中にストロンチウムクロムユウロピウムの吸収線が強く見られる「ストロンチウム・クローム・ユーロピウム星 (SrCrEu)」というA型特異星 (Ap) のグループに分類されている[18]が、Apに特有の強い磁場がないことから「金属線A型星 (Am星)」に分類されることもある。変光星としては回転変光星の分類の1つ「りょうけん座α2型変光星 (ACV)」に分類されており、2.78 日の周期で0.03 等の振幅で明るさを変えている[19]。A星には、アラビア語に由来する固有名だが原義不明の「ナシラ[11](Nashira[8])」という固有名が認証されている。
  • δ星:太陽系から約38 光年の距離にある、見かけの明るさ2.83 等の連星系[20]。やぎ座で最も明るく見える。近くに見える15等のB星や13等のC星とは見かけの二重星の関係だが、A星自体が分光連星かつ食連星であり、1.0227688 日の周期で極大時2.81 等、第一極小時3.05 等、第二極小時2.90 等と明るさを変えている[21]。主星のAa星はAm星に分類される化学特異星であり、脈動変光星の1つ「たて座δ型変光星」であるとする説もある[22]。Aa星には、アラビア語で「ヤギの尾」を意味する言葉に由来する[10]デネブ・アルゲディ[11](Deneb Algedi[8])」という固有名が認証されている。
  • ν星:太陽系から約268 光年の距離にある、見かけの明るさ4.76 等、スペクトル型 B9IV の準巨星[23]。A星には、アラビア語で「羊」を意味する言葉に由来する[24]アルシャト[11](Alshat[8])」という固有名が認証されている。

このほか、以下の恒星が知られている。

星団・星雲・銀河

18世紀フランスの天文学者シャルル・メシエが編纂した『メシエカタログ』に挙げられた天体が1つ位置している[28]

  • M30:太陽系から約2万2800 光年の距離にある球状星団[29]1764年にメシエが発見した[30]。130億年前に形成されたとされる古い星団[31]で、「コア崩壊 (: core collapse)」と呼ばれる過程を経て中心部への質量集中が進んでおり、星団の質量の半分は太陽からシリウスまでの距離に相当する半径8.7 光年の球形の領域に集中している[30]。一晩にメシエ天体を数多く観る試み「メシエマラソン」では最後に見逃されてしまうことが多い天体とされる[30]
  • パロマー12:太陽系から約6万3600 光年の距離にある球状星団[32]1953年ロバート・ハリンソン英語版フリッツ・ツビッキーによって発見された[32][33]。球状星団としては星の集まりが極めてまばらに広がっており、集中度は最低の「XII」とされている[33]。星団中の星をプロットした色-等級図や化学組成は、天の川銀河に属する他の球状星団の大部分より25-40%は若いことを示しており[34]、パロマー12がどこで形成されて天の川銀河に属するようになったのかという問題は研究者の議論の的となっていた[34][35]。21世紀初頭時点では、2000年に提唱された「パロマー12は天の川銀河の伴銀河の1つであるいて座矮小楕円銀河で形成された後、約17億年前に天の川銀河との潮汐相互作用によっていて座矮小楕円銀河から剥ぎ取られて天の川銀河の天体となった」とする説が有力視されている[35]

流星群

やぎ座の名前を冠した流星群で、IAUの流星データセンター (IAU Meteor Data Center) で確定された流星群 (Established meteor showers) とされているものは、やぎ座α流星群 (alpha Capricornids, CAP)・10月やぎ座流星群 (October Capricornids, OCC) の2つである[7]。やぎ座α流星群はIAU番号1番が付けられた流星群で、毎年7月31日頃に極大を迎える[7]。極大時の天頂出現数 (zenith hourly rate, ZHR) は4[36]と、同じ時期に極大を迎えるみずがめ座δ南流星群 (ZHR=20[37]) に比べると少ない。10月やぎ座流星群は、毎年10月3日頃に極大を迎える[7]

由来と歴史

やぎ座の起源は、古代バビロニアシュメールアッカドで考えられた、ヤギの前半身と魚の後ろ半身を持つ想像上の生物「ヤギ魚[38]: goat-fish[1][39]、シュメール語: SUHUR MAŠ、アッカド語: suḫurmāšu[39])」であると考えられている[38][39]。この生物の描像は非常に古く、元々シカが別々に描かれていたものが混ざり合って、紀元前3千年紀の半ばから後半にかけて創作されたものと推測されている[39]

この「ヤギ魚」の描像がいつ頃地中海地方に伝わったのかは定かではないが、紀元前3世紀前半のマケドニアの詩人アラートスの詩篇『パイノメナ (古希: Φαινόμενα)』では既に「ヤギの角」を意味する Αἰγοκερῆος という名称で登場している[40]紀元前3世紀後半の天文学者エラトステネースの天文書『カタステリスモイ (古希: Καταστερισμοί)』では Αἰγoκέρωτος[41]帝政ローマ期のクラウディオス・プトレマイオスの天文書『ヘー・メガレー・スュンタクスィス・テース・アストロノミアース (古希: ἡ Μεγάλη Σύνταξις τῆς Ἀστρονομίας)』、いわゆる『アルマゲスト』では Αἰγόκερως[1]と、アラートス以降も古代ギリシアローマ期を通じて「ヤギの角」を意味する名称で呼ばれていた[1]。現在使われているラテン語の学名 Capricornus も元々は「ヤギの角」を意味する言葉に由来している。

エラトステネースは、この星座のモチーフとなったのはアイギパーン (古希: Αἰγίπανι) であるとしている。このアイギパーンが牧神パーンそのものを指すのか、それともパーンに関係する別個の存在を指すのかは完全に明らかとなっていないが、おそらくはパーン自身のことであろうと解釈されている[42][43]

やぎ座に属する星の数は、エラトステネースの『カタステリスモイ』や1世紀初頭の古代ローマの著作家ガイウス・ユリウス・ヒュギーヌスの『天文詩 (: De Astronomica)』では24個、プトレマイオスの天文書『アルマゲスト』では28個とされた[42]。大きく時を下った17世紀初頭の1603年ドイツ法律家ヨハン・バイエルが編纂した星図『ウラノメトリア』では、ギリシャ文字24個とラテン文字3個の符号を用いて星を示している[44][45][注 1]

1922年5月にローマで開催されたIAUの設立総会で現行の88星座が定められた際にそのうちの1つとして選定され、星座名は Capricornus、略称は Cap と正式に定められた[46]

南回帰線のことを英語で Tropic of Capricorn と呼ぶのは、かつてやぎ座に冬至点があった名残である[1]。21世紀現在、地球の歳差運動によって冬至点は西隣りにあるいて座に移動している[1]

中東

オーストリアのアッシリア学者ヘルマン・フンガー英語版アメリカの数理天文学・古典学者のデイヴィッド・ピングリー英語版 (David Pingree) が解読した、紀元前500年頃に製作された天文に関する粘土板文書『ムル・アピン英語版 (MUL.APIN)』では、やぎ座の星は3つの太陽の通り道のうち最も南側を通る「エアの道」の最後の星座「ヤギ魚[38](mul SUHUR.MAS[47])」とされていた[48]。また、イスラムの月宿マナージル・アル=カマルでは、α・βの2星が第22月宿の「サアド・アッ=ザービフ」にあたるとされた[49]

中国

ドイツ人宣教師イグナーツ・ケーグラー英語版(戴進賢)らが編纂し、清朝乾隆帝治世の1752年に完成・奏進された星表『欽定儀象考成』では、みずがめ座の星は、二十八宿北方玄武七宿の第二宿「牛宿」、第三宿「女宿」、第四宿「虚宿」、第六宿「室宿」に配されていたとされる[50][51]

牛宿では、β・α2・ξ・π・ο・ρ の6星が牛を飼うことを表す星官「牛」に、τ・υ・17 の3星がを表す星官「羅堰」に、ω・24・ψ の3星がけんびきょう座にあるみなみのうお座3番星とともに天子の田を表す星官「天田」に、それぞれ配された[50][51]。女宿では、η・21・θ・30・ι・38・26・27・19・χ・φ・20・33・35・36・ζの16星が戦国時代の国を表す星官「十二国」に配された[50][51]。虚宿では、μ が大声で泣くことを表す星官「哭」に、46・47・λ・50・29 の5星がみずがめ座の8星とともに天軍の砦を表す星官「天累城」に、それぞれ配された[50][51]。室宿では、κ・ε・γ・δ の4星がみずがめ座とうお座の星とともに城塁を表す星官「塁壁陣」に配された[50][51]

神話

19世紀イギリスの星座カード集『ウラニアの鏡』に描かれたやぎ座

エラトステネースの『カタステリスモイ』では、古代ギリシアの伝説的詩人エピメニデスの語るところとして、この星座にまつわるアイギパーンの伝承を伝えている[42][43]。アイギパーンは、獣のような下半身を持ち、角を生やしていた[42][43]。大神ゼウスは、クレタ島イディ山で生まれ、そこでアイギパーンとともにヤギの乳を飲んで育ったとされ、そのことからアイギパーンは讃えられたとされる[42][43]。またアイギパーンは、聴いたものにパニックを起こさせる音を発する貝殻を発見し、神々とティーターンの戦いティーターノマキアーではそれを用いてティーターンを恐慌させた[42][43]。戦いに勝って権力を掌握したゼウスは、アイギパーンの功績を賞して彼と母のヤギを星々の間に置いた、とされる[42][43]。アイギパーンの尻尾が魚の姿をしているのは、貝殻を海で見つけたことを示すためであるとされた[42][43]。ヒュギーヌスも『天文詩』で同様の話を伝えているが、アイギパーンの後半身が魚の姿をしているのはティーターノマキアーで石の代わりに貝殻を投げつけたためであるとしている[42][43]

またヒュギーヌスは『天文詩』で、エジプトの神官や詩人が語る伝承として、テューポーンに襲撃された神々が動物に姿を変えたとする話を著し[42][43]、エジプトの神々が動物の姿をしている理由を説明した[43]。多くの神々がエジプトに集まった際に突如テューポーンが現れた。難を逃れるため、ヘルメーストキに、アポロワタリガラスに、アルテミスは猫に姿を変えた。そのためエジプトでは動物を神が姿を変えたものとみなし、危害を加えないのだという。パーンは川に飛び込み、下半身を魚に、上半身をヤギへと変えた。ゼウスは彼の機略を賞賛し、星座の中にパーンの姿を置いた[42][43]。ヒュギーヌスは『神話集 (: Fabulae)』でも同様の話を伝えているが、ここではパーンの助言によって野獣に姿を変えて難を逃れた神々の希望によってパーンは星々の間に置かれることとなり、ヤギの姿に変えたことから「ヤギの角」という意味の Aigōkeros と呼ばれた、としている[42][43]

呼称と方言

世界で共通して使用されるラテン語の学名は Capricornus、日本語の学術用語としては「やぎ」とそれぞれ正式に定められている[52]。現代の中国では、摩羯座と呼ばれている[53][54]

明治初期の1874年(明治7年)に文部省より出版された関藤成緒の天文書『星学捷径』で「カプリコルニュス」という読みと「磨羯宮」「山羊」という解説が紹介された[55]。その5年後の1879年(明治12年)にノーマン・ロッキャーの著書『Elements of Astronomy』を訳して刊行された『洛氏天文学』では「山羊」と紹介されており、「磨羯」の表記は使われていない[56]。それから30年ほど時代を下った明治後期にも「山羊」という呼称が使われていたことが、1908年(明治41年)4月に創刊された日本天文学会の会誌『天文月報』の同年7月刊行の第1巻第4号の「七月の天」と題した記事で確認できる[57]。この名称は、1925年(大正14年)に東京天文台の編集により初版が刊行された『理科年表』でも「山羊(やぎ)」として引き継がれ[58]、戦後までこの表記が使われ続けた[59][60]1952年(昭和27年)7月に日本天文学会が「星座名はひらがなまたはカタカナで表記する」[61]とした際に Capricornus の日本語名は「やぎ」と定められ[62]、以降も継続して用いられている。

方言

α・β の2星を「ミョウトボシ(女夫星)」と呼んでいたと推定した事例が採集されている[63][64]。これは、民俗学者内田武志静岡県静岡市で採集した夏から秋へかけて出れゐる黄色の小さい二箇の星をミョートボシと云ふ。その間隔は一丈位もあり、これは時間の星だというインタビューから、やぎ座のα・βのペアのことと推定したものである[64]。ただしこのほかに調査事例もなく、α-β間は「一丈」というほど離れてもいないことから、野尻抱影や北尾浩一はミョウトボシ=やぎ座α・βであるとは断定できないとしている[63][64]

脚注

注釈

  1. ^ バイエルは1つの文字で複数の星を指し示すことがあるため、用いた符号の数と星の数は必ずしも一致しない。

出典

  1. ^ a b c d e f g h i Ridpath, Ian. “Capricornus”. Star Tales. 2023年12月16日閲覧。
  2. ^ a b The Constellations”. 国際天文学連合. 2023年12月16日閲覧。
  3. ^ 野尻抱影「やぎ座」『星座の話』(改訂版2刷)偕成社、1977年9月、171-173頁。ISBN 978-4037230104 
  4. ^ a b Constellation boundary”. 国際天文学連合. 2023年12月16日閲覧。
  5. ^ 山田陽志郎「星座」『天文年鑑2016年版』2015年11月26日、290-293頁。ISBN 978-4-416-11545-9 
  6. ^ 星座名・星座略符一覧(面積順)”. 国立天文台(NAOJ). 2023年1月1日閲覧。
  7. ^ a b c d 流星群の和名一覧(極大の日付順)”. 国立天文台 (2022年12月31日). 2023年12月16日閲覧。
  8. ^ a b c d e f IAU Catalog of Star Names”. 国際天文学連合. 2023年12月16日閲覧。
  9. ^ "alp02 Cap". SIMBAD. Centre de données astronomiques de Strasbourg. 2023年12月16日閲覧
  10. ^ a b c Kunitzsch, Paul; Smart, Tim (2006). A Dictionary of Modern Star Names. Sky Publishing. pp. 24-25. ISBN 978-1-931559-44-7 
  11. ^ a b c d e 『ステラナビゲータ11』(11.0i)AstroArts。 
  12. ^ a b "bet01 Cap". SIMBAD. Centre de données astronomiques de Strasbourg. 2023年12月16日閲覧
  13. ^ a b "bet02 Cap". SIMBAD. Centre de données astronomiques de Strasbourg. 2023年12月16日閲覧
  14. ^ Malkov, O.Yu.; Tamazian, V.S.; Docobo, J.A.; Chulkov, D.A. (2012), Orbits of visual binaries and dynamical masses, doi:10.26093/CDS/VIZIER.35460069, https://vizier.cds.unistra.fr/viz-bin/VizieR-5?-ref=VIZ657e718da561f&-out.add=.&-source=J/A%2bA/546/A69/table1&recno=2636 
  15. ^ Malkov, O.Yu.; Tamazian, V.S.; Docobo, J.A.; Chulkov, D.A. (2012), Orbits of visual binaries and dynamical masses, doi:10.26093/CDS/VIZIER.35460069, https://vizier.cds.unistra.fr/viz-bin/VizieR-5?-ref=VIZ657e718da561f&-out.add=.&-source=J/A%2bA/546/A69/table1&recno=2635 
  16. ^ Mason, Brian D.; Wycoff, Gary L.; Hartkopf, William I.; Douglass, Geoffrey G.; Worley, Charles E. (2023-06), VizieR Online Data Catalog: The Washington Double Star Catalog, Bibcode2023yCat....102026M, https://vizier.cds.unistra.fr/viz-bin/VizieR-5?-ref=VIZ657e351c109cee&-out.add=.&-source=B/wds/wds&recno=130231 
  17. ^ "gam Cap". SIMBAD. Centre de données astronomiques de Strasbourg. 2023年12月16日閲覧
  18. ^ Glagolevskij, Yu. V. (2019). “On Properties of Main Sequence Magnetic Stars”. Astrophysical Bulletin 74 (1): 66–79. Bibcode2019AstBu..74...66G. doi:10.1134/S1990341319010073. ISSN 1990-3413. https://vizier.cds.unistra.fr/viz-bin/VizieR-5?-ref=VIZ6581939829b5ea&-out.add=.&-source=J/other/AstBu/74.66/table1&recno=550. 
  19. ^ Samus’, N. N. et al. (2017). “General catalogue of variable stars: Version GCVS 5.1”. Astronomy Reports 61 (1): 80-88. Bibcode2017ARep...61...80S. doi:10.1134/S1063772917010085. ISSN 1063-7729. https://vizier.cds.unistra.fr/viz-bin/VizieR-5?-ref=VIZ65819089263187&-out.add=.&-source=B/gcvs/gcvs_cat&recno=8957. 
  20. ^ "del Cap". SIMBAD. Centre de données astronomiques de Strasbourg. 2023年12月16日閲覧
  21. ^ Samus’, N. N. et al. (2017). “General catalogue of variable stars: Version GCVS 5.1”. Astronomy Reports 61 (1): 80-88. Bibcode2017ARep...61...80S. doi:10.1134/S1063772917010085. ISSN 1063-7729. https://vizier.cds.unistra.fr/viz-bin/VizieR-5?-ref=VIZ65866f381913b5&-out.add=.&-source=B/gcvs/gcvs_cat&recno=8958. 
  22. ^ Batten, A. H.; Fletcher, J. M.. “A new spectroscopic orbit for delta Capricorni.”. Journal of the Royal Astronomical Society of Canada 86: 99-109 (1992). Bibcode1992JRASC..86...99B. 
  23. ^ "nu. Cap". SIMBAD. Centre de données astronomiques de Strasbourg. 2023年12月16日閲覧
  24. ^ 近藤二郎 2012, pp. 149–151.
  25. ^ a b "alp01 Cap". SIMBAD. Centre de données astronomiques de Strasbourg. 2023年12月16日閲覧
  26. ^ a b Usenko, I. A. et al. (2015). “Spectroscopic studies of four southern-hemisphere G–K supergiants: HD 192876 (α1 Cap), HD 194215 (HR 7801), HD 206834 (c Cap), and HD 222574 (104 Aqr)”. Astronomy Letters 41 (11): 660–676. Bibcode2015AstL...41..660U. doi:10.1134/S1063773715110067. ISSN 1063-7737. 
  27. ^ Mason, Brian D.; Wycoff, Gary L.; Hartkopf, William I.; Douglass, Geoffrey G.; Worley, Charles E. (2023-06), VizieR Online Data Catalog: The Washington Double Star Catalog, Bibcode2023yCat....102026M, https://vizier.cds.unistra.fr/viz-bin/VizieR-5?-ref=VIZ657e351c109cee&-out.add=.&-source=B/wds/wds&recno=130231 
  28. ^ Frommert, Hartmut (2013年4月26日). “Messier Index”. SEDS Messier Database. 2023年12月16日閲覧。
  29. ^ "M30". SIMBAD. Centre de données astronomiques de Strasbourg. 2023年12月16日閲覧
  30. ^ a b c Frommert, Hartmut (2007年8月21日). “Messier Object 30”. SEDS Messier Database. 2023年12月16日閲覧。
  31. ^ ACS image of Messier 30”. www.spacetelescope.org (2009年12月23日). 2023年12月28日閲覧。
  32. ^ a b Rosenberg, A. et al. (1998). “Young Galactic globular clusters II. The case of Palomar 12”. Astronomy and Astrophysics 339: 61-69. Bibcode1998A&A...339...61R. 
  33. ^ a b Abell, G. O. (1955). “Globular Clusters and Planetary Nebulae Discovered on the National Geographic Society-Palomar Observatory Sky Survey”. Publications of the Astronomical Society of the Pacific 67: 258. Bibcode1955PASP...67..258A. doi:10.1086/126815. ISSN 0004-6280. 
  34. ^ a b Dinescu, Dana I. et al. (2000). “The Absolute Proper Motion of Palomar 12: A Case for Tidal Capture from the Sagittarius Dwarf Spheroidal Galaxy”. The Astronomical Journal 120 (4): 1892–1905. Bibcode2000AJ....120.1892D. doi:10.1086/301552. 
  35. ^ a b Panta rhei — motion in the Milky Way”. www.spacetelescope.org (2015年2月16日). 2023年12月17日閲覧。
  36. ^ やぎ座流星群(7月)の基本情報・観測条件”. 流星電波観測国際プロジェクト. 2023年12月16日閲覧。
  37. ^ みずがめ座δ流星群(7月)の基本情報・観測条件”. 流星電波観測国際プロジェクト. 2023年12月16日閲覧。
  38. ^ a b c 近藤二郎 2021, pp. 244–245.
  39. ^ a b c d White, Gavin (2014-09-11). Babylonian Star-lore. An Illustrated Guide to the Star-lore and Constellations of Ancient Babylonia (3rd ed.). pp. 152-156. ISBN 978-0-9559037-4-8 
  40. ^ Aratus. “Aratus Solensis, Phaenomena”. Perseus Digital Library. 2023年12月25日閲覧。
  41. ^ 竹迫忍 (2023年6月6日). “やぎ座”. 古天文の部屋. 2023年12月27日閲覧。
  42. ^ a b c d e f g h i j k l Condos, Theony (1997). “Capricorn”. Star myths of the Greeks and Romans : a sourcebook containing the Constellations of Pseudo-Eratosthenes and the Poetic astronomy of Hyginus. Grand Rapids, MI, U.S.A.: Phanes Press. pp. 66-69. ISBN 978-1-60925-678-4. OCLC 840823460 
  43. ^ a b c d e f g h i j k l Hard, Robin (2015-08-01). “27. Capricornus, Capricorn”. Constellation Myths: with Aratus's Phaenomena. Oxford Worlds Classics. Oxford University Press. pp. 78-80. ISBN 978-0-19871-698-3. OCLC 1026890396 
  44. ^ Bayer, Johann (ラテン語). Ioannis Bayeri Uranometria omnium asterismorum continens schemata, nova methodo delineata aereis laminis expressa. excudit Christophorus Mangus. doi:10.3931/E-RARA-309. https://www.e-rara.ch/zut/content/zoom/77516 2023年12月26日閲覧。 
  45. ^ Bayer, Johann (ラテン語). Ioannis Bayeri Uranometria omnium asterismorum continens schemata, nova methodo delineata aereis laminis expressa. excudit Christophorus Mangus. doi:10.3931/E-RARA-309. https://www.e-rara.ch/zut/content/zoom/77517 2023年12月26日閲覧。 
  46. ^ Ridpath, Ian. “The IAU list of the 88 constellations and their abbreviations”. Star Tales. 2023年12月17日閲覧。
  47. ^ 竹迫忍. “バビロニアの星座の名前”. 古天文の部屋. 2023年12月17日閲覧。
  48. ^ 近藤二郎 2021, p. 227.
  49. ^ 近藤二郎 2012, p. 33.
  50. ^ a b c d e 伊世同 1981, pp. 139–140.
  51. ^ a b c d e 大崎正次「中国星座名義考」『中国の星座の歴史』雄山閣出版、1987年5月5日、141-192頁。ISBN 4-639-00647-0 
  52. ^ 学術用語集:天文学編(増訂版) 1994, pp. 305–306.
  53. ^ 伊世同 1981, p. 131.
  54. ^ 大崎正次「辛亥革命以後の星座」『中国の星座の歴史』雄山閣出版、1987年5月5日、115-118頁。ISBN 4-639-00647-0 
  55. ^ 関藤成緒 編『星学捷径 下文部省、39頁。doi:10.11501/831014NCID BA37079704https://dl.ndl.go.jp/pid/831014/1/42 
  56. ^ ジェー、ノルマン、ロックヤー 著、木村一歩内田正雄 編『洛氏天文学 上冊文部省、1879年3月、57頁https://dl.ndl.go.jp/pid/831055/1/36 
  57. ^ 七月の天」『天文月報』第1巻第4号、1908年7月、12頁、ISSN 0374-2466 
  58. ^ 東京天文台 編『理科年表 第1冊丸善、1925年、61-64頁https://dl.ndl.go.jp/pid/977669/1/39 
  59. ^ 学術研究会議 編「星座名」『天文術語集』1944年1月、9頁。doi:10.11501/1124236https://dl.ndl.go.jp/pid/1124236/1/8 
  60. ^ 東京天文台 編『理科年表 第22冊丸善、1949年、天 35頁https://dl.ndl.go.jp/pid/11214500/1/61 
  61. ^ 学術用語集:天文学編(増訂版) 1994, p. 316.
  62. ^ 星座名」『天文月報』第45巻第10号、1952年10月、13頁、ISSN 0374-2466 
  63. ^ a b 野尻抱影『日本星名辞典』(第七版)東京堂出版、1986年4月10日、89頁。ISBN 9784490100785 
  64. ^ a b c 北尾浩一『日本の星名事典』(初版第一刷)原書房、2018年5月30日、391-392頁。ISBN 978-4-562-05569-2 

参考文献

座標: 星図 21h 00m 00s, −20° 00′ 00″