コンテンツにスキップ

英文维基 | 中文维基 | 日文维基 | 草榴社区

Am星

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』

Am星[1](えーえむせい、A型金属線星[2]、Am型星[3]、Am star[1][2][3])は、スペクトル型Aの化学特異星である。

概要

[編集]

Am星のスペクトルには、ストロンチウムジルコニウムバリウム等の多種類の金属元素の強い吸収線が見られ、カルシウムスカンジウムの線は見られない。

このような特異性は、光の吸収の多い特定の元素が恒星の表面に押し上げられ、その他の元素が恒星の内部に沈み込むことによって生じる。この効果は、恒星の自転速度が遅い時にのみ起こる[4]。通常、A型主系列星の自転速度は速いが、ほとんどのAm星は、連星系を形成し、潮汐力によって自転の速度が遅くなっている[4]

最もよく知られたAm星は、おおいぬ座シリウスである。

代表的なAm星

[編集]

下記の表は、視等級の順に並べたAm星のリストである[注 1]

名前 バイエル符号 視等級
シリウスA おおいぬ座α星A −1.47
カストルBa ふたご座α星Ba 2.96
とびうお座α星 4.00
アクベンスA[5] かに座α星A 4.26
Kurhah[6] ケフェウス座ξ星 4.29
みなみじゅうじ座θ1 4.30
おおぐま座2番星 5.46
つる座τ3 5.72
ぎょしゃ座WW星[注 2] 5.82

脚注

[編集]

注釈

[編集]
  1. ^ 名称及び視等級について特記がないものはSIMBADに拠る。
  2. ^ 連星の各々がAm星である。

出典

[編集]
  1. ^ a b 鈴木敬信『天文学辞典 改訂増補第2刷』地人書館、1991年、60頁。ISBN 978-4805203934 
  2. ^ a b 天文学大事典編集委員会『天文学大事典』(初版第1版)地人書館、2007年6月、65頁。ISBN 978-4-8052-0787-1 
  3. ^ a b 『オックスフォード天文学辞典』(初版第1刷)朝倉書店、47頁。ISBN 4-254-15017-2 
  4. ^ a b David Darling. “Am star”. The Internet Encyclopedia of Science. 2015年9月2日閲覧。
  5. ^ Jim Kaler. “Acubens”. Stars. 2015年9月2日閲覧。
  6. ^ Jim Kaler. “Kurhah”. Stars. 2015年9月2日閲覧。