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「有明山 (安曇野市・松川村)」の版間の差分

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2022年11月23日 (水) 08:25時点における版

有明山
標高 2,268.34[1] m
所在地 日本の旗 日本
長野県安曇野市北安曇郡松川村
位置 北緯36度23分28秒 東経137度46分14秒 / 北緯36.39111度 東経137.77056度 / 36.39111; 137.77056座標: 北緯36度23分28秒 東経137度46分14秒 / 北緯36.39111度 東経137.77056度 / 36.39111; 137.77056[2]
山系 飛騨山脈常念山脈
種類 隆起花崗岩
初登頂 宥快(1721年に開山)[3]
有明山 (安曇野市・松川村)の位置(日本内)
有明山 (安曇野市・松川村)
有明山の位置
プロジェクト 山
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有明山(ありあけやま、ありあけざん)は、飛騨山脈(北アルプス)にある標高2,268 m常念山脈の前衛に位置し、山体すべてが長野県に属する。

概要

有明山の原生林にはニホンリスなどの動物が生息している。

大糸線有明駅の西北西10.2 kmに位置する。その独特の台形の山体が富士山に似ていることから有明富士(信濃富士・安曇富士)とも呼ばれる郷土富士である。森林限界帯が無いので冬場でも山全体が雪に覆われることが少なく、それが北アルプスの景観を邪魔しているとも言われることもある。ただ、それが逆に有明山を際立たせることにもなっている。山頂部は、北岳・中岳・南岳の3つのピークからなる。最高点の北岳と南岳の間に、二等三角点が設置されている[1]新生代に隆起して形成された山であり、山体は黒雲母花崗岩からなる[4]。風化が進み急峻な地形で、滝や奇石・巨石が見られる[5]

山岳信仰の山でもあり、山麓に有明山神社が置かれ、地元住民に親しまれている。山頂の北岳には有明山神社の奥宮がある。日本二百名山に選定されていて[6]、山域の南部は中部山岳国立公園内にある[7]。山域は開発が行われず多くの自然が残されている[5]コメツガシラビソなどの原生林に覆われ、イワナシコケモモシャクナゲシラタマノキや亜高山帯の植物が見られる。ニホンツキノワグマニホンカモシカニホンジカニホンリスなどの動物が生息している[4]

山名の由来

天照大神が岩戸にこもった際に、天手力男命が投げた岩戸が有明山に落ち止まり、それ以降天下が明るくなったという伝説が山名の由来の一説である[6]。古くは取放山、戸放が嶽、戸放山、鳥放が嶽とも言った。[8]

歴史

古来麓の人々に「信濃富士」「安曇富士」と呼ばれ、霊山として崇拝されていた[6]西行法師が「信濃なる有明山を西に見て 心細野の道を行くなり」、藤原定家が「てりかはる紅葉をみねの光にて まつ月細き有明の山」、後鳥羽院が「かたしきの衣手寒く時雨つつ 有明山にかかるむらくも」と詠む等、多くの和歌で有明山が詠われた。

登山

古くは信仰対象の山で明治時代まで各地からの修験者が登頂していた。隣の燕岳などと比較すると登山者は少ない[3]。各方面から三つの登山道が開設されていて、中房温泉からのルート(裏道)が最も利用されているルートである[4][13]。黒井沢からのコースの表道には、多くの石碑が並んでいる。

  • 中房温泉からのコース(裏道) 中房温泉 - 有明登山口(有明荘) - 窪地 - 北岳(有明神社奥宮) - 中岳 - 南岳
  • 馬羅尾沢からのコース 馬羅尾林道 - 大曲 - 不動の滝 - 落合 - 北岳 - 中岳 - 南岳
  • 黒井沢からのコース(表道) 長野県道327号槍ヶ岳矢村線宮城 - 黒井沢 - 妙見滝 - 白河滝 - 南岳 - 中岳 - 北岳

地理

周辺の山

常念山脈北部の清水岳から南東に派生する尾根の最南端に位置する山である。北峰が有明山の最高点である。

山容 山名 標高[1][2]
(m)
三角点等級
基準点名[1]
有明山からの
方角と距離(km)
備考
燕岳 2,762.85  二等
「燕岳」
西北西 5.5 燕山荘
日本二百名山
有明山 2,268.34  二等
「有明山}
 0 郷土富士有明山神社
日本二百名山
東天井岳 2,814 南西 6.5
横通岳 2,766.99  三等
「赤樽」
南西 6.6
大天井岳 2,921.91  三等
「天章山」
西南西 6.9 常念山脈最高峰
大天荘、日本二百名山
常念岳 2,857 南南西 8.2 常念小屋
日本百名山

源流の河川

源流となる以下の信濃川水系河川であり、日本海へ流れる[14][15]

  • 黒川沢、曲り沢 (中房川支流) - 黒川沢上流部には、妙見滝と白河滝がある。
  • 芦間川 - 上流部に不動滝がある。

関連画像

春の有明山
喜作新道から望む
夏の有明山
燕岳から望む
麓の安曇野市穂高地区にある
有明山神社の里宮

脚注

  1. ^ a b c d 基準点成果等閲覧サービス”. 国土地理院. 2011年7月1日閲覧。
  2. ^ a b 日本の主な山岳標高(長野県)”. 国土地理院. 2011年9月11日閲覧。
  3. ^ a b c 『日本の山1000』山と溪谷社〈山溪カラー名鑑〉、1992年8月、416頁。ISBN 4635090256 
  4. ^ a b c d e f g 日本山岳会『新日本山岳誌』ナカニシヤ出版、2005年11月、935-937頁。ISBN 4-779-50000-1 
  5. ^ a b 『コンサイス日本山名辞典』三省堂、1990年10月、29頁。ISBN 4385154031 
  6. ^ a b c d 深田クラブ『日本200名山』昭文社、1992年4月、157頁。ISBN 4398220011 
  7. ^ a b 中部山岳国立公園区域の概要”. 環境省. 2011年9月11日閲覧。
  8. ^ 倉田兼雄 (昭和49年4月10日). 信濃有明山史. 信濃有明山開山天明講社 
  9. ^ ウォルター・ウェストン 著、岡村精一 訳『日本アルプス 登山と探検』平凡社ライブラリー、1995年4月、376-377頁。ISBN 4582760945 
  10. ^ 遺跡探訪”. 松川村. 2011年9月11日閲覧。
  11. ^ 『日本三百名山』毎日新聞社、1997年3月、137頁。ISBN 4620605247 
  12. ^ 広報まつかわ No.413” (PDF). 松川村. pp. 6 (2004年8月). 2004年12月14日時点のオリジナルよりアーカイブ。2011年9月11日閲覧。
  13. ^ 『上高地・槍・穂高』山と溪谷社〈ヤマケイアルペンガイド〉、2000年4月、165-169頁。ISBN 4-635-01319-7 
  14. ^ 地図閲覧サービス(有明山)”. 国土地理院. 2011年8月21日閲覧。
  15. ^ 『槍ヶ岳・穂高岳 上高地』昭文社〈山と高原地図 2011年版〉、2011年3月。ISBN 9784398757777 

関連項目

外部リンク