「零戦燃ゆ」の版間の差分
49行目: | 49行目: | ||
| 編集 = [[黒岩義民]] |
| 編集 = [[黒岩義民]] |
||
| 制作会社 = |
| 制作会社 = |
||
| 製作会社 = [[ |
| 製作会社 = [[TOHOスタジオ|東宝映画]] |
||
| 配給 = [[東宝]] |
| 配給 = [[東宝]] |
||
| 公開 = {{flagicon|JPN}} [[1984年]][[8月11日]]{{R|BEST54108}} |
| 公開 = {{flagicon|JPN}} [[1984年]][[8月11日]]{{R|BEST54108}} |
||
62行目: | 62行目: | ||
}} |
}} |
||
{{Portal 映画}} |
{{Portal 映画}} |
||
[[1984年]]([[昭和]]59年)、[[東宝]]配給の戦争映画。製作は[[ |
[[1984年]]([[昭和]]59年)、[[東宝]]配給の戦争映画。製作は[[TOHOスタジオ|東宝映画]]。制作費15億円を投じて制作された。[[1981年]]の『[[連合艦隊 (映画)|連合艦隊]]』に続く「8.15」シリーズ最終作{{R|大全集74}}。東映で『二百三高地』『大日本帝国』『日本海大海戦 海ゆかば』と戦争映画大作の連続ヒットをとばしてきた監督・脚本コンビがそっくり引き抜かれた。ただし、舛田利雄監督は田中友幸プロデューサーとは4回目のコンビ、笠原和夫も映画では初めてだがテレビ大作『東京大地震マグニチュード8.1』で組んだ経験がある。 |
||
ノンフィクションである原作に対し、映画は2人の若者を主人公として、太平洋戦争の開戦から終戦までを描いた{{R|BEST54108}}。 |
ノンフィクションである原作に対し、映画は2人の若者を主人公として、太平洋戦争の開戦から終戦までを描いた{{R|BEST54108}}。 |
2022年3月27日 (日) 22:12時点における版
『零戦燃ゆ』(ぜろせんもゆ)は、柳田邦男によって書かれたノンフィクション[1]、ならびにそれを原作とする映画である。原作は『週刊文春』、『文藝春秋ノンフィクション』、『別冊文藝春秋』にて連載された。
原作
3年9か月にわたった太平洋戦争を通して、日本海軍の主力戦闘機として闘った零式艦上戦闘機。この名機の生涯を、開発担当者・パイロット・指揮官などさまざまな視点から描いたノンフィクション。
- 零式戦闘機
- 三部作の前に発表された、柳田によれば“発進篇”とも呼ぶことができる作品。堀越二郎を中心にした零戦開発メンバーたちの、完成までの苦心を描いた(『週刊文春』1976年1月1日号 - 同年10月21日号に連載)
- 飛翔篇
- 太平洋戦争開戦直前の昭和16年(1941年)10月から、同18年(1943年)4月の山本五十六連合艦隊司令長官戦死まで(『週刊文春』1981年10月15日号 - 1982年12月23・30日合併号に連載)
- 熱闘篇
- 昭和19年(1944年)のマリアナ沖海戦まで(『週刊文春』1983年8月18・25日合併号 - 1984年12月20日号に連載)
- 渾身篇
- 昭和20年(1945年)の終戦まで(『文藝春秋ノンフィクション』1987年4月号、『別冊文藝春秋』184 - 187号に連載)
書誌情報
- 単行本
※ 文藝春秋
- 零式戦闘機 1977年3月30日刊行 ISBN 4-16-334100-5
- 零戦燃ゆ 飛翔篇 1984年7月30日刊行 ISBN 4-16-362960-2
- 零戦燃ゆ 熱闘篇 1985年4月1日刊行 ISBN 4-16-362970-X
- 零戦燃ゆ 渾身篇 1990年9月1日刊行 ISBN 4-16-362980-7
- 文庫本
※ 文春文庫
- 零式戦闘機 1980年4月25日刊行 ISBN 4-16-724001-7
- 零戦燃ゆ1 1993年6月10日刊行 ISBN 4-16-724009-2
- 零戦燃ゆ2 1993年6月10日刊行 ISBN 4-16-724010-6
- 零戦燃ゆ3 1993年7月10日刊行 ISBN 4-16-724011-4
- 零戦燃ゆ4 1993年7月10日刊行 ISBN 4-16-724012-2
- 零戦燃ゆ5 1993年8月10日刊行 ISBN 4-16-724013-0
- 零戦燃ゆ6 1993年8月10日刊行 ISBN 4-16-724014-9
映画
零戦燃ゆ | |
---|---|
監督 |
舛田利雄(本編) 川北紘一(特撮) |
脚本 | 笠原和夫 |
製作 | 田中友幸 |
出演者 |
加山雄三 丹波哲郎 あおい輝彦 北大路欣也 |
音楽 | 伊部晴美 |
主題歌 | 石原裕次郎「黎明」 |
撮影 |
西垣六郎(本編) 鶴見孝夫(特撮) 江口憲一(特撮) |
編集 | 黒岩義民 |
製作会社 | 東宝映画 |
配給 | 東宝 |
公開 | 1984年8月11日[1] |
上映時間 | 128分 |
製作国 | 日本 |
製作費 | 15億円 |
配給収入 | 6億円[2] |
1984年(昭和59年)、東宝配給の戦争映画。製作は東宝映画。制作費15億円を投じて制作された。1981年の『連合艦隊』に続く「8.15」シリーズ最終作[3]。東映で『二百三高地』『大日本帝国』『日本海大海戦 海ゆかば』と戦争映画大作の連続ヒットをとばしてきた監督・脚本コンビがそっくり引き抜かれた。ただし、舛田利雄監督は田中友幸プロデューサーとは4回目のコンビ、笠原和夫も映画では初めてだがテレビ大作『東京大地震マグニチュード8.1』で組んだ経験がある。
ノンフィクションである原作に対し、映画は2人の若者を主人公として、太平洋戦争の開戦から終戦までを描いた[1]。
この映画のために、総工費7000万円で零戦1機を復元製作した。素材には、実物と同じくジュラルミンを用いている[4]。映画の撮影終了後、この零戦は海上自衛隊岩国基地にて保存・公開されている[4]。
空戦シーンは、特技監督の川北紘一が手掛けた『大空のサムライ』と同じくラジコンを用いている[4]。B-29の撃墜シーンではピアノ線による操演で撮影しているが、一定方向でミニチュアを吊るのではなく、様々な方向から撮影しカットをつなげることで空中戦を描写している[4]。B-29のミニチュアは、1999年の時点で東宝特殊美術課の倉庫に保管されているのが確認されている[1]。
キャスト
- 海軍大尉。零戦開発の海軍側主務者。浜田と水島に完成したばかりの零戦を見せ激励。以来二人に直接の薫陶を与え、彼らの人生に大きな影響を及ぼす。後に零戦のテスト飛行中の事故で殉職する。
- 連合艦隊司令長官。
- 海軍大尉→少佐。浜田と水島の直接の上官。終戦後、水島からあることを頼まれる。
- 宮野善治郎 - 目黒祐樹
- 海軍大尉。ラバウルにおける、浜田と水島が所属する隊の飛行隊長。浜田を最も信頼している。
- 浜田正一 - 堤大二郎
- 海軍四等航空兵→少尉。海兵団に入隊間もない頃、殴られてばかりの毎日に嫌気が差し水島とともに脱走を図るが、下川大尉に零戦を見せられ思いとどまる。後に零戦パイロットとなり、開戦時には台湾からフィリピンへの渡洋攻撃に参加、以後戦歴を重ねエースパイロットとなる。山本長官機護衛任務の6機の零戦のうちの1機を任されるが・・・。後に空戦で負傷するも、手術とリハビリを経てパイロットに復帰。紫電改等の新鋭機に目もくれず、零戦にこだわり続ける。映画版での実質的な主人公。
- 水島国夫 - 橋爪淳
- 海軍四等航空兵→上等整備兵曹。浜田の親友。パイロットの適性がなかったため、整備兵となる。下川大尉に零戦を見せられて以降、零戦に深い愛着を持つ。ふとしたことで知り合った吉川静子と心を通わせる。しかし消耗品のように扱われる浜田のことを心配し、静子にある提案をする。
- 吉川静子 - 早見優
- 女店員。水島と心を通わせ、将来はともに自転車屋を開業することを夢見る。しかし…。
- 浜田イネ - 南田洋子
- 正一の母。負傷して帰還した息子を暖かく迎える。
- 零戦設計副主務者。堀越を補佐して開発にあたる。後に静子が三菱重工で働くことになった際、意外な事実を聞かされる。
- 零戦設計チームの一人、強度計算を担当。
- 第三艦隊司令長官。山本長官の前線視察に反対。せめて稼働全機をもって護衛させて欲しいと進言するが、聞き入れてもらえなかった。
- 森崎武中尉 - おりも政夫
- 山本長官機護衛の零戦6機の指揮官だったが、長官機を守ることができなかった。以後この6名と宮野隊長は、死に所を得るためと称して連日の出撃を命じられることとなり、次第に疲弊していく。
- 辻野上豊光一飛曹(同上の搭乗員の一人) - 福田浩
- 日高義巳上飛曹(同上) - 島田裕二
- 岡崎靖二飛曹(同上) - 竹内康明
- 柳谷謙治飛兵長(同上) - 山本太郎
- 横山保大尉 - 五代俊介
- 航空本部担当官 - 中山昭二
- 空技廠担当官 - 森次晃嗣
- 航空艦隊参謀 - 御木本伸介
- 軍令部参謀 - 神山繁
- 軍医 - 佐藤允
- 喜代 - 真木洋子
- 堀越二郎 - 北大路欣也(特別出演)
- 零戦設計主務者。下川大尉機の事故について浜田に責められるが、その原因を究明し、零戦を改修する。
スタッフ
- 監督 - 舛田利雄
- 製作 - 田中友幸
- 原作 - 柳田邦男
- 協力製作 - 高井英幸、田久保正之
- 脚本 - 笠原和夫
- 音楽 - 伊部晴美
- 撮影 - 西垣六郎
- 美術 - 育野重一
- 録音 - 宮内一男
- 照明 - 粟木原毅
- 編集 - 黒岩義民
- 助監督 - 井上英之
- 軍事指導 - 直井欽哉、松本禎之
- 製作担当者 - 平間重和
- 特殊技術
- 特技監督 - 川北紘一
- 撮影 - 鶴見孝夫、江口憲一
- 光学撮影 - 宮西武史
- 美術 - 井上泰幸
- 照明 - 三上鴻平
- 操演 - 松本光司
- 特殊効果 - 渡辺忠昭、久米攻
- 助監督 - 浅田英一
- 製作担当者 - 柳沼延之
- スチール - 中尾孝
音楽
- 主題歌「黎明(れいめい)」
- 作詞 - 阿久悠、作曲 - 三木たかし、編曲 - 若草恵、歌 - 石原裕次郎
- 挿入歌「北斗七星-乙女の神話-」
- 作詞 - 阿久悠、作曲 - 三木たかし、編曲 - 若草恵、歌 - 石原裕次郎
映像ソフト
この節の加筆が望まれています。 |
関連商品
- 依光隆『画集「零戦燃ゆ」』(文藝春秋、1990年) ISBN 4-16-344870-5
- 柳田邦男『柳田邦男 私と「零式戦闘機」』(文藝春秋VHSビデオ、1992年)
脚注
- ^ a b c d 日本特撮映画図鑑 1999, pp. 108–109, 「零戦燃ゆ」
- ^ 「1984年邦画4社<封切配収ベスト作品>」『キネマ旬報』1985年(昭和60年)2月下旬号、キネマ旬報社、1985年、120頁。
- ^ ゴジラ大全集 1994, pp. 74–75, 「東宝特撮映画史 ゴジラ誕生 ゴジラ再生」
- ^ a b c d 日本特撮映画図鑑 1999, pp. 6–7, 「interview 川北紘一特技監督」
- ^ 「'99TV・映画 特撮DVD・LD・ビデオ&CD」『宇宙船YEAR BOOK 2000』朝日ソノラマ〈宇宙船別冊〉、2000年4月20日、63頁。雑誌コード:01844-04。
参考文献
- 『テレビマガジン特別編集 誕生40周年記念 ゴジラ大全集』構成・執筆:岩畠寿明(エープロダクション)、赤井政尚、講談社、1994年9月1日。ISBN 4-06-178417-X。
- 『東宝編 日本特撮映画図鑑 BEST54』特別監修 川北紘一、成美堂出版〈SEIBIDO MOOK〉、1999年2月20日。ISBN 4-415-09405-8。