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オペレーティングシステムはハードウェアを抽象化した層を提供し、他のプログラムがハードウェアにアクセスできるようにする。例えば[[デバイスドライバ]]と呼ばれるコードがその例である。これによってプログラマは、コンピュータに接続された全ての電子装置について、その奥深い詳細を知る必要なくそれらの機械を使うプログラムを書くことができる。また、[[ライブラリ]]と呼ばれる再利用可能な多くのプログラム群を備え、プログラマは自ら全てのプログラムを書くことなく、自らのプログラムに様々な機能を組み込むことができる。 |
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世間に普及するコンピュータを台数を基準として見た場合、そのほとんどはデスクトップコンピュータとして存在しておらず、携帯電話や炊飯器などの電気製品、各種の測定機器、乗用車や工作機械などの装置に組み込まれた、非常に小さく安価なコンピュータとして実装されている。これらを[[組み込みシステム]]と呼ぶ。一般に[[組み込みオペレーティングシステム|組み込みOS]]と呼ばれる専用のOSを用いる。TRON(トロン)プロジェクトの[[ITRON]](アイトロン)、米ウィンドリバーの[[VxWorks]](ヴイエックスワークスト)、米シンビアンの[[Symbian OS]](シンビアン・オーエス)、米リナックスワークスの[[LynxOS]](リンクスオーエス)などが利用されている。ただし、近年は開発期間の短縮などの目的で、{{lang|en|Windows}} や Linux(リナックス)といったデスクトップコンピュータで使われているOSと同系統のOSを搭載する場合もある。また、小規模な組み込みシステムのなかには、明確なOSを内蔵していないものも多い。 |
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* 1978年 米国シカゴで最初の[[電子掲示板]]「CBBS」が開設される。 |
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2021年5月20日 (木) 10:13時点における版
コンピュータ(英語:computer、日本語:電子計算機(でんしけいさんき))は、主にトランジスタを含む電子回路を応用し、数値計算、情報処理、データ処理、文書作成、動画編集、遊戯など、複雑な(広義の)計算を高速、大量におこなうことを目的として開発された機械である。単にコンピュータと言った場合、一般的には、プログラム内蔵方式のデジタルコンピュータの中でも、特にパーソナルコンピュータや、メインフレーム、スーパーコンピュータ、マイクロコンピュータなどを含めた汎用的なシステムを指す。
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呼称
「コンピュータ」や「コンピューター」の呼称が日本では多く使われている[1]が、法用語では「
「電子計算機」を省略した、電算機という略語もある。「電算業務」「電算処理」「電算室」などの語で、「コンピュータの」という意味合いで電算という語が用いられる。これについて、情報処理学会が日本における計算機の歴史について調査した際に、学会誌『情報処理』に掲載された富士通における歴史を述べた記事[4]によれば、電子計算機以前の頃、リレー[要曖昧さ回避]による計算機によりサービスを開始した同社が(「電子」じゃないけど、ということで)使い始めた言葉であろう、と書かれている(つまり、その由来からは『「電子計算機」を省略した、電算機という略語』ではない)。
他に、人工頭脳(じんこうずのう)[5]や電子頭脳(でんしずのう)、中国大陸・台湾・香港などでもよく使われる電脳(日本語発音:でんのう)という言葉がある。
語源
英語の 「computer」は算術演算を行う主体を指す語であるが、元々は主体として人間を指していた。この用法は今でも有効である。オックスフォード英語辞典第2版では、この語が主体として機械をも指すようになった最初の年を1286年と記している。同辞典では、1946年までに、「computer」の前に修飾語を付けることで異なる方式の計算機を区別するようになったとする。たとえば「analogue computer」「digital computer」「electronic computer」といった表現である。ポルトガル語やスペイン語では”ことばの箱”、com:箱、puter:ことばを話す、を意味させることもある。
計算手は電子計算機と区別するためレトロニムで「human computer」とも表記される。
概要
1940年代に最初の実用デジタルコンピュータが登場して以来、コンピュータに使われる技術は、特に微細化という点では劇的に変化してきた。しかし現在のところ、基本的にはノイマン型の構成を受け継いでいる。
命令
コンピュータの命令は人間の言語に比べるとずっと貧弱である。コンピュータは限られた数の明確で単純な命令しか持っていないが、曖昧さは全くない。多くのコンピュータで使われている命令の典型的な例としては、「5番地のメモリの中身をコピーしてそのコピーを10番地に書け」とか「7番地の中身を13番地の中身に加算して結果を20番地に書け」とか「999番地の中身が0なら次の命令は30番地にある」といったものである。
コンピュータの内部では命令は二進コード、つまり2を底とする計数法で表現される。例えば、インテル系のマイクロプロセッサで使われるあるコピー命令のコードは10110000である。ある特定のコンピュータがサポートする特定の命令セットをそのコンピュータの機械語と呼ぶ。
実際には、人間がコンピュータへの命令を機械語で直接書くことは通常はなく、高水準のプログラミング言語を使う。プログラミング言語で書かれた命令が、インタプリタやコンパイラと呼ばれる特別なコンピュータプログラムによって自動的に機械語に翻訳されて実行される。プログラミング言語の中にはアセンブリ言語(低水準言語)のように、機械語に非常に近いレベルで対応付けられるものもある。逆に Prolog(プロログ)のような高水準言語は計算機の実際の演算の詳細とは完全に切り分けるという絶対原理に基づいている。
ハードウェア
記憶
記憶装置(メモリ)はアドレスを附与された領域の列で、各の領域には命令又はデータが格納される。
領域に格納された情報は書換可能か否か、揮発性(動力の供給を止めることで情報が失くなるという性質)を有つか否かは、記憶装置の実装方法に依存する。
記憶装置を実装する技術もまた時代と伴に大きく変化してきた。初期は電磁継電器(リレー)が、続いて水銀の入った管(水銀遅延線)や金属線を波(振動)が伝わる際の遅延時間を利用する部品が使われた。次にはフェライト製のトロイダルコア(磁気コアメモリ)や個別部品のトランジスタが使われた。そして、現在使われている方式の元祖と言える、集積回路による記憶装置は1960年代に開発され、1970年代にはコストパフォーマンスで凌駕し、それまでの主流だったコアメモリに替わり主流となった(インテルのDRAM、1103による(en:Intel 1103))。
また、補助的に用いられる、一般に大容量の補助記憶装置がある。例えば、SSDやHDDなどがそれである。
演算
演算装置は、加算・減算などの算術演算、AND・OR・NOTなどの論理演算、比較(2つの値が等しいかどうかなど)、ビットシフト等を行う装置である。近年においては、1つの中央演算処理に、メモリーフェッチから計算処理部を複数備えたもの(マルチコア、マルチスレッド)が多い。
制御
制御装置は、記憶装置の中に在る、これから実行する命令が在る場所を視続け、実行する時に、実行に必要な情報を記憶装置から読み出し、実行した結果を記憶装置の中の正しい場所に収めるという仕事をする。一度これらの仕事を終えると、制御装置は次の命令が在る場所に目を移す(普通、次の命令は次の格納場所に在るが、ジャンプ命令が実行された場合はそうではない)。インターラプト・リクエスト(演算処理時の割り込み機能:IRQ)を備えたCISC型のプロセッサーが多く流通している。
入出力
入出力(I/Oとも言う)はコンピュータが外の世界から情報を得たり、計算結果を外に送り返したりすることを可能にするためのものである。外部から見て、コンピュータに情報を送ることを入力、逆にコンピュータから情報を得ることを出力という。
入出力には、入出力インタフェースを介して、入出力装置(I/O装置)が接続される。入出力装置としては例えば、キーボード、マウス、スキャナ、モニタやプリンター、磁気ディスク装置、光学ドライブ装置、ネットワークインタフェースなどといった馴染み深いものから、3次元ディスプレイやデータグローブといったものまで、幅広いものが存在する。
入出力装置は、主として入力を得るためのもの(キーボード、スキャナなど)、出力するためのもの(モニタ、プリンターなど)、入力と出力を兼ね備えたもの(磁気ディスク装置、インタフェースなど)に大別することができる。
アーキテクチャ
ソフトウェア
プログラム
コンピュータプログラムはコンピュータに実行させる命令を記述した物を意味する。ワープロソフトやOSなどの基本的なプログラムは莫大な量の命令からなる。汎用的な処理を、プログラムごとに全て新たに書くのは効率が悪いため、例えば「画面に点を描く」「ファイルに保存する」「インターネットを通して他のコンピュータとデータを遣り取りする」の様な屡行われる仕事は、ライブラリとして纏められる。
今日では、ほとんどのコンピュータは同時にいくつものプログラムを実行するように見える。これは通常、マルチタスクと呼ばれている。実際には、CPUはあるプログラムの命令を実行した後、短い時間の後でもう一つのプログラムに切り替えてその命令を実行している。この短い時間の区切りをタイムスライスと呼ぶ。これによって、複数のプログラムがCPU時間を共有して同時に実行されるように見える。これは動画が実は静止画のフレームの短い連続で作られているのと似ている。このタイムシェアリングは通常、オペレーティングシステムというプログラムで制御されている。
オペレーティングシステム
具体的に処理すべき作業の有無によらず、コンピュータに自らの演算資源を管理し「ユーザーの指示を待つ」という動作を取らせるためにさえ、ある種のプログラムを必要とする。典型的なコンピュータでは、このプログラムはオペレーティングシステム (OS) と呼ばれている。オペレーティングシステムをはじめとする、コンピュータを動作させるのに必要となるソフトウェアを全般に「システムソフトウェア」と呼ぶ。
コンピュータを動作するためオペレーティングシステムは、ユーザー、もしくは他のプログラムからの要求に応じてプログラム(この意味では、アプリケーションソフトウェアもしくは単にアプリケーションという用語も使用される。ソフトウェアという用語も似た意味合いだが、これはプログラム一般を指すより広い概念である)をメモリー上にロードし、プログラムからの要求に応じていつ、どのリソース(メモリやI/O)をそのプログラムに割り当てるかを決定する。
オペレーティングシステムはハードウェアを抽象化した層を提供し、他のプログラムがハードウェアにアクセスできるようにする。例えばデバイスドライバと呼ばれるコードがその例である。これによってプログラマは、コンピュータに接続された全ての電子装置について、その奥深い詳細を知る必要なくそれらの機械を使うプログラムを書くことができる。また、ライブラリと呼ばれる再利用可能な多くのプログラム群を備え、プログラマは自ら全てのプログラムを書くことなく、自らのプログラムに様々な機能を組み込むことができる。
ハードウェアの抽象化層を持つ現在のオペレーティングシステムの多くは、何らかの標準化されたユーザインタフェースを兼ね備えている。かつてはキャラクタユーザインタフェースのみが提供されていたが、1970年代にアラン・ケイらが Dynabook(ダイナブック)構想を提唱し、「暫定 Dynabook」と呼ばれる Alto(アルト)と Smalltalk(スモールトーク)によるグラフィカルユーザインタフェース環境を実現した。なお、「暫定 Dynabook」は当時のゼロックスの首脳陣の判断により製品化されなかった(ゼロックスより発売されたグラフィカルユーザインタフェース搭載のシステム Xerox Star(ゼロックス・スター)は「暫定 Dynabook」とは別系統のプロジェクトに由来する)が、この影響を受け開発されたApple Computerの LISA(リサ)や Macintosh(マッキントッシュ)、マイクロソフトの Windows(ウィンドウズ)の発売、普及により、グラフィカルユーザインタフェースが一般的にも普及することとなった。
世間に普及するコンピュータを台数を基準として見た場合、そのほとんどはデスクトップコンピュータとして存在しておらず、携帯電話や炊飯器などの電気製品、各種の測定機器、乗用車や工作機械などの装置に組み込まれた、非常に小さく安価なコンピュータとして実装されている。これらを組み込みシステムと呼ぶ。一般に組み込みOSと呼ばれる専用のOSを用いる。TRON(トロン)プロジェクトのITRON(アイトロン)、米ウィンドリバーのVxWorks(ヴイエックスワークスト)、米シンビアンのSymbian OS(シンビアン・オーエス)、米リナックスワークスのLynxOS(リンクスオーエス)などが利用されている。ただし、近年は開発期間の短縮などの目的で、Windows や Linux(リナックス)といったデスクトップコンピュータで使われているOSと同系統のOSを搭載する場合もある。また、小規模な組み込みシステムのなかには、明確なOSを内蔵していないものも多い。
デジタルとアナログ
デジタル計算機とアナログ計算機という分類もあるが、アナログ計算機は現代ではほとんどマイナーな存在となったことから、単にコンピュータという表現でデジタルコンピュータを指すことが多い。
なお、「コンピュータ」という語を特に「電子」計算機を指す語として使う場合があり、その用語法では、アナログ計算機のうち特に電子式アナログ計算機を指すのが「アナログコンピュータ」ということになる。
また、対象が連続量ではなく、整数のような離散的であるものは(例えばエレクトロニクスを使っていなくても)「デジタル」である。良い例としては、そろばんはデジタルであり、そろばんのことを指してアナログと言うのは誤りである。
アナログ計算機は、電気的現象・機械的現象・水圧現象を利用してある種の物理現象を表現し、問題を解くのに使われる計算機の一形態である[6]。アナログ計算機はある種の物理量を別の物理量で表し、それに数学的な関数を作用させる。入力の変化に対してほぼリアルタイムで出力が得られる特徴があり(これはいわゆる「高速型」の場合の話である。時間をかけてバランスが取れた状態を見つけ出すとか、移動量の合計を得るといったような「低速型のアナログ計算機」もある)、各種シミュレーションなどに利用されたが、演算内容を変更するためには回路を変更する必要があり、得られる精度にも限界があるので、デジタルコンピュータの性能の向上とDA/ADコンバータの高精度化・高速化によって、コストパフォーマンス的にもそちらで代替したほうが有利となり、その役割を終えた。
なお、かつて電子式アナログコンピュータの重要な要素として多用されたものと同じ機能を持つ電子回路は、IC化された「オペアンプIC」として今日でも広く使われているが、モジュール化され簡単に使えるものになっているため、全くコンピュータとは認識されていない。
以上のようにアナログ計算機が「量」(物理量)によって計算を行うのに対して、デジタルコンピュータは、数(digit)によって「計数的」に計算を行う。現代ではもっぱらエレクトロニクスを用いて、2値論理による論理演算と、二進法による数値表現を使っている(タイガー計算器のように歯車の離散的な角度により十進法を表現するものもデジタルな計算機であるし、機械として見ると2値論理方式の機械でも、数の扱いとしては3増し符号などにより十進法のものもある。数値の表現法である「x進法」と、論理のモデルである「x値論理」は、厳密には別のものであることに注意)。
歴史
- 紀元前2000年頃 古代バビロニアで手動式デジタル計算器であるアバカスが(そろばんは中国起源説もある)発明される(古代ギリシアでは紀元前300年頃に伝わって来たとされており、日本では西暦1400年頃の室町時代に明から伝わって来たといわれる)。
- 紀元前2世紀 - アンティキティラ島の機械 紀元前150 - 100年に古代ギリシア人によって作られた、現在確認できるものでは世界最古の歯車式アナログ計算機。
- 1620年 イギリスのエドモンド・ガンターが、手動式アナログ計算器である計算尺の原型となる対数尺を発明。
- 1623年頃、ドイツのヴィルヘルム・シッカートが、ネイピアの骨を応用し、乗算と加減算を行なえる歯車式の計算機を作った。加減算に関しては繰り上がりができたが、乗算に関しては繰り上がりができなかった。
- 1642年 フランスのブレーズ・パスカルが歯車式計算機パスカリーヌを開発。約50台が作成された。
- 1670年代 ドイツのゴットフリート・ライプニッツがLeibniz wheelを発明。その後パスカリーヌより高機能な計算機を開発し、60年間に約1500台が販売された。
- 1698年 ライプニッツが二進法の数理を確立。
- 1725年 このころ織機の制御にパンチカードが使われ始める。
19世紀以降
- 1801年 ジョゼフ・マリー・ジャカールがジャカード織機を発明。
- 1822年 解析機関の設計者チャールズ・バベッジが第1階差機関の実験モデルを作成。
- 1823年 バベッジによる階差機関の開発開始。
- 1833年 追加予算が打ち切られ、階差機関の開発が中止となる。
- 1843年 シュウツ親子により階差機関が完成。
- 1854年 ジョージ・ブールがブール代数を発見する。
- 1865年 万国電信連合(現・国際電気通信連合)設立。電気通信分野における初の標準化機関であり、国際機関。
- 1871年 バベッジが解析機関の実現を見ぬまま死去。解析機関のオペレータであるエイダ・ラブレスは世界最初のプログラマとされる。
- 1889年 ハーマン・ホレリスがパンチカード方式の自動集計機を実現。
- 1897年 フェルディナント・ブラウンが陰極線管(通称:ブラウン管)を発明。
20世紀以降
- 1905年 イギリスの物理学者のジョン・フレミングが二極真空管を発明。
- 1906年
- 国際電気標準会議(IEC)設立。電気電子関連技術を扱う国際的な標準化団体。
- リー・ド・フォレストが三極真空管を発明。
- 1936年 アラン・チューリングが、論文 On Computable Numbers, with an Application to the Entscheidungsproblem を発表。同論文でチューリングマシンを提示。
- 1938年 ドイツのコンラート・ツーゼが、自宅で機械式の計算機V1を作成。後にZ1と改名。
- 1939年 ツーゼがZ1をベースに演算部がリレー、記憶部が機械式のテスト用の計算機Z2を作成。
- 1940年 ツーゼがZ2をベースに全リレー式の計算機Z3を作成。Z3は(意図的にそのように設計されたものではないが)1998年に万能(チューリング完全)であると証明された[7][8][9][10]
- 1942年 ジョン・アタナソフとクリフォード・ベリーが真空管を使って演算処理をするデジタル計算機ABCを作成。
- 1943年 ローレンツSZ42暗号機によるドイツ軍の暗号を解読するため、イギリスでColossusが発明される。
- 1944年 ツーゼがZ4を作成。メモリ部分は機械式に戻る。
- 1945年 ジョン・フォン・ノイマンのEDVACに関する報告書の第一草稿が発表。プログラム内蔵方式が提唱される。
- 1946年 ペンシルベニア大学で真空管を使って演算処理をするデジタル計算機ENIACが作成される。一般に広く知られた初のコンピュータ。
- 1947年 AT&Tベル研究所のウォルター・ブラッテン、ジョン・バーディーン、ウィリアム・ショックレーらがトランジスタを発明。
- 1948年 マンチェスター大学のフレデリック・C・ウィリアムスとトム・キルバーンが、初のプログラム内蔵式のコンピュータThe Babyを発明。
- 1949年 モーリス・ウィルクスとケンブリッジ大学の数学研究所のチームによるEDSAC稼働。
- 1951年 EDVAC稼働。
- 1951年
- 1952年
- 米IBMが商用のプログラム内蔵式コンピュータIBM 701を発売。
- ETL Mark I(リレー式)を通産省工業技術院電気試験所(現:産業技術総合研究所)が完成。
- 1953年 MITにてWhirlwindが実用化された。量産機AN/FSQ-7が1958年からSAGEに使われ、後のIBMのコンピュータ技術の基礎となった。
- 1956年
- FORTRANが誕生(最初のFORTRANマニュアルのリリース)。
- 「FUJIC」(富士フイルム)稼働。
- アメリカ合衆国ブルックヘブン国立研究所のウィリアム・ヒギンボーサムが、アナログコンピュータ(オペアンプ)とオシロスコープを用いた『Tennis for Two』を開発。
- 米IBMによる磁気ディスク(ハードディスクドライブ)「IBM 350」の初出荷。5Mキャラクタ。
- 1957年 MUSASINO-1が稼働(日本電信電話公社電気通信研究所)。パラメトロンを利用した最初のコンピュータであった。
- 1958年
- 米テキサス・インスツルメンツのジャック・キルビーが集積回路(IC)を発明。
- フランク・ローゼンブラット、パーセプトロンの論文を発表する。
- 1960年 日本国有鉄道が日本初のオンラインシステムであるマルス1を導入[11][12]。
- 1960年 米ディジタル・イクイップメントが、世界初のミニコンピュータPDP-1を発売。
- 1961年 IBM、IBM 7030を発売。
- 1962年 「スペースウォー!」完成。
- 1963年
- 1964年
- IBMがメインフレームのSystem/360を発売。商用初のオペレーティングシステムが生まれる。
- コントロール・データ・コーポレーション、CDC 6600を製造開始。1969年まで世界最高速の地位にあり、世界で初めて成功したスーパーコンピュータとも言われる。
- 1965年
- 1966年 ACM、チューリング賞を創設。
- 1967年 IBMがフロッピーディスクを開発。
- 1968年 ダグラス・エンゲルバートが、マウスやウィンドウなどをデモンストレーション。
- 1969年
- 後にインターネットの母体となるARPANETが運用開始。UNIXオペレーティングシステムの開発が始まる。
- エドガー・F・コッドがリレーショナルデータベースを提唱。
- 1970年
- 1971年 インテルが世界最初のシングルチップの4ビットマイクロプロセッサ、i4004をビジコンと共同開発。10月に発売されたビジコンの電卓141-PFに搭載される。
- 1972年
- 1973年
- 1974年
- 4月、インテルが8ビットのマイクロプロセッサi8080を発表。
- 12月 米MITS社が、世界初の一般消費者向けマイクロコンピュータAltair 8800を発売。主に組み立てキットとして販売された。
- ゲイリー・キルドールが8ビットCPU(8080)用のディスクオペレーティングシステム、CP/Mを開発。
- 1975年
- 1976年 NEC、TK-80を発売。6万台を売り上げ、初期のマイコンとしては異例の大ヒットとなる。
- 1977年
- ビル・ジョイが開発した1BSDが初めて配布される。
- Apple Computer、パーソナルコンピュータApple IIを発売。
- 富士通、日本初のベクトル型プロセッサFACOM 230-75APUを開発し航空宇宙技術研究所に納入。
- 1978年 米国シカゴで最初の電子掲示板「CBBS」が開設される。
- 1979年
- 1980年
- CERNの研究員ティム・バーナーズ=リーが、World Wide Webの元となるEnquireを開発。
- シャープがポケットコンピュータPC-1210を発売。ポケットサイズでBASICが動作する初のデバイス。
- 1981年
- 1982年
- 米サン・マイクロシステムズがTCP/IPを採用したワークステーションを発売。
- 世界初の(狭義の)コンピュータウイルスElk Clonerが出現。
- NECがPC-9801を発売。
- エプソンが初期のハンドヘルドコンピュータであるHC-20を発売。
- 1983年 リチャード・ストールマンがGNUプロジェクトを開始。
- 1984年
- 1985年
- デイヴィッド・ドイッチュが量子コンピュータの原モデルである量子チューリングマシンを定義した。
- アップルコンピュータがLaserWriterを発売。ページ記述言語としてPostScriptを採用したレーザープリンターで、ページレイアウトソフト「PageMaker」とともにDTPの時代を切り開く。
- フィリップスが初のCD-ROMドライブであるCM100を発表。
- マイクロソフトが最初のWindows製品であるWindows1.0を発売。
- 1986年
- 1987年
- 1988年
- ネクスト・コンピュータがNeXTcubeを発売。搭載されたNEXTSTEPは後にMac OS Xの基盤となった。
- PC-VANにおいて、コンピュータウイルスの被害が日本で初めて報告された。
- 1989年 東芝がノートパソコンDynaBookを発売(IBM PC/XT互換)。
- 1990年 マイクロソフトがWindows 3.0 を発売。初の成功したWindows製品となった。
- 1991年
- リーナス・トーバルズがスクラッチビルドによるUNIXライクなOSカーネルLinuxを発表。
- ティム・バーナーズ=リーがWorld Wide Webプロジェクトを発表する。
- フィル・ジマーマンが公開鍵暗号PGPを開発し公開した。
- 1992年 シリコングラフィックス、OpenGLを公開する。
- 1993年
- 1994年
- ティム・バーナーズ=リー、W3Cを設立。World Wide Web関連のプロトコルを策定する標準化団体。
- マイクロソフトがWindows NTを発売。
- 1995年 マイクロソフトがWindows 95を発売。
- 1996年
- サン・マイクロシステムズにより、Javaの開発環境が公式にリリースされる。
- ECMAScriptが策定されJavaScriptが標準化される。
- The Open Groupが創設され、UNIX戦争が終結した。
- USロボティクス、Palm Pilotを発売。最も成功した携帯情報端末となる。
- 1997年
- 2000年
- 2000年問題。大きなトラブルはなかった。
21世紀以降
- 2001年
- インターネット・バブルが崩壊。
- 4月、アップルコンピュータがMac OS Xを発売。10月にはiPodを発表。
- 2003年 中国で人工知能を応用したインターネット検閲システムグレート・ファイアウォールの稼働開始。
- 2004年 Mozilla Firefox 1.0 がリリース。この頃から第二次ブラウザ戦争が勃発する。
- 2006年 ソニー・コンピュータエンタテインメントがBlu-ray Discドライブを搭載したPLAYSTATION 3を発売。
- 2007年 アップルがiPhoneを発売。Mac OS X派生のモバイルオペレーティングシステム、iPhone OS(現iOS)を搭載し、以降スマートフォンの普及が急激に進んだ。
- 2008年 グーグルがLinuxベースのモバイルオペレーティングシステムAndroidをリリース。
- 2009年 IBM、意思決定支援システムワトソンを公開する。
- 2011年
- アジア太平洋地域インターネットレジストリのIPv4アドレスが枯渇。
- D-Wave Systemsは世界初の商用量子コンピュータシステム、D-Wave Oneを発表した。
- 世界のパソコン出荷台数がピークの3億5280万台に達する。
- 2012年 グーグル、スタンフォード大学との共同研究であるグーグル・ブレイン(Google brain)を構築し、ディープラーニングの有用性が認められる。
- 2014年 アマゾン、AIアシスタントAmazon Alexaを発表、スマートスピーカーの Amazon Echoに搭載される。
- 2016年 Google DeepMindが開発したAlphaGoが世界最強の棋士と目される李世乭に勝利した。
種類
- スーパーコンピュータ(スパコン、HPCサーバ)
- メインフレーム(汎用コンピュータ、汎用機)
- ミニコンピュータ(ミニコン)
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- 携帯電話機(フィーチャーフォン)
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- タブレット端末
ゲーム電卓
研究段階のコンピュータ
用途
弾道ミサイルの軌跡を多数の真空管で計算するという軍事目的で、初歩的な二次関数を含めた数理計算に予算が配分されてから、電話交換機の交換手作業を自動化するなど狭義なものであった。商用銀行において預貯金は電子化され、電話交換網という通信と一体となったシステム構成は今も現存している。電子計算機へ搭載される半導体集積回路の設計から製造工程にまで及び、製造業におけるNC工作機やファクトリーオートメーション (FA) を経て、今やハイビジョンテレビや電気炊飯器(マイコン)、エアコン、デジタルカメラにまで浸透している。自動車のキャブレターでは空気と燃料の混合を行うが、その比率を決める役割をしたり、完全な自動運転走行を目的にしたりしてもいる。高速で計算処理するという従来にはなかったものが、汎化されパーソナルコンピューターやスマートフォンの世界的な普及で身近となっている。本来、手指や腕、石を並べて測量や計算を行うという原始時代から、木辺で粘土に記号を書き記して計算を行ったり、机上でえんぴつと紙をもって計算を行うという時代を経て、表計算ソフトで自動計算処理を簡易に使えるまでになっている。キャッシュレジスターは機械駆動式であった、一方で電子回路というエレクトロニクス技術を流用したことを発端に、工業や産業では極力人手を介さない自動化という目的で発展、さらに農業や漁業では自動収穫をおこなうロボットを動かすという目的がある。建設分野では 3D CAD で大規模な建設設計を行い測量も行える。物流や搬送手段にまで拡張され、個人向けの宅配でも電子化されている。この動向はとどまることを知らず、未だに静止することがない。1 + 1 = 2 という単なる取引を含めた計算目的ではあったが、SNSにみる意思の疎通であったり、映像や音を作り出して不特定多数へインターネット上へ公開するなど、縁の下で下支えをする黒子(力持ち)となっている。
脚注
注釈
出典
- ^ JIS Z 8301や関連学会の論文投稿規定[要出典]、工学専門書などでは長音符を付けない。国語表記の基準(文化庁)や新聞社、放送局、小中学校教科書などでは長音符付きで表記している(長音符#長音符の省略参照)。ソフトウェア大手のマイクロソフトの日本法人は2008年11月に長音符付きの表記に変更した。[1]理由として内閣告示にしたがった新聞等表記への準拠、メモリ]やディスプレイ解像度の改善にともない字数節減が不要になったことなどを挙げている。[要出典]
- ^ “入札公告:電子計算組織運用業務委託一式”. 厚生労働省 (2006年9月). 2008年12月14日閲覧。
- ^ “下関市電子計算組織により処理する個人情報の保護に関する条例”. 下関市 (1991年3月). 2008年12月14日閲覧。
- ^ 『日本における計算機の歴史 : 富士通における計算機開発の歴史』NAID 110002753426§3.1
- ^ 全国書誌番号:57000106
- ^ Universiteit van Amsterdam Computer Museum (2007)
- ^ RTD Net: "From various sides Konrad Zuse was awarded with the title "Inventor of the computer"."
- ^ GermanWay: "(...)German inventor of the computer"
- ^ Monsters & Critics: "he(Zuse) built the world's first computer in Berlin"
- ^ "Konrad Zuse earned the semiofficial title of "inventor of the modern computer", About.com
- ^ 竹井和昭「開発物語 みどりの窓口の予約システム「マルス」の開発史」『通常ソサイエティマガジン』第13巻第1号、電子情報通信学会、2019年、58-67頁、2020年5月26日閲覧。
- ^ “旅客販売総合システム「マルス」”. JRシステム. 2020年5月26日閲覧。
関連項目
- 総合索引に関する項目
- ソフトウェアに関する項目
- ハードウェアに関する項目
- コンピュータ・アーキテクチャに関する項目
- 研究に関する項目
- 社会・諸問題に関する項目
- ネットワークに関する項目
外部リンク
- コンピュータ博物館(情報処理学会)
- English:IPSJ Computer Museum (Information Processing Society of Japan)
- 情報・通信事典 e-Words
- コンピュータの歴史
- 日本経営情報開発協会編:「コンピュータ白書1969 経営情報システムの高度化とネットワークの形成」