データ通信
データ通信(データつうしん)とは、データ通信(データ・コミュニケーション / data communication)の明確な定義はない[1]とされるが、データ伝送(データ・トランスミッション / data transmission、機械によって処理される、あるいは処理された情報の伝送)と、データ処理(データ・プロセッシング / data processing、コンピュータによる情報処理)の両方機能を一つにまとめたものとされる。
しかし、現在は主に
- コンピュータ同士で情報をやり取り(データ伝送しデータ処理)すること。また、そのサービス。→ データ通信、コンピュータネットワーク、インターネット、パソコン通信、移動体通信、無線アクセスなど
- 特に、メインフレーム間、あるいはメインフレームと端末間のやりとり、オンラインシステムでのデータのやり取り
について言う。
データ通信システム
[編集]データ伝送系とデータ処理系に分類される。
- データ伝送系 / 端末装置、データ伝送回線、通信制御装置
- データ処理系 / 周辺装置、中央処理装置
データ伝送系
[編集]端末装置
[編集]ターミナル、ターミナルステーションのこと。ディスプレイ、キーボード、マウスなどのいわゆるパーソナルコンピュータ、携帯情報端末 (PDA)、現金自動支払い機、など「データ通信システム」と人間の接点になるもの。
データ伝送回線
[編集]- データ伝送回線とは、データ伝送媒体のことである。
通信回線
[編集]- アナログ回線(主に交流、電話回線など)
- デジタル回線(広く電磁波を使用)
変復調装置(モデム)
[編集]- 通信回線の終端にある装置。単にモデムとも呼ばれる。
通信制御装置(CCU,Communication Control Unit)
[編集]- データ伝送系とデータ処理系の接点。両者を結合させる装置。
データ処理系
[編集]中央処理装置と周辺装置に分けられる。
歴史
[編集]- 1940年
- 1954年5月
- カードからカードに直接伝送が出来る装置(データ・トランシーバ)をIBMが開発した。
- 1958年
- 1964年
- アメリカン航空会社の座席予約システム SABRE(Semi Automatic Business Research Environment)が稼働。
- MITのCTSS(Compatible Time Sharing System)が開発される。
- 1964年東京オリンピックで各会場を結んでの記録、得点システムが稼動(日本における実用化第一号)。
技術
[編集]プロトコル
[編集]データ通信を行なうためには確実にデータをやり取りするための仕組みが必要である。これをプロトコルという。通信回線上でのデータのやり取りをすることを基本としている。
STR
[編集]STR (Synchronous Transmitter Receiver) は、1960年にIBMが作ったプロトコルである。初期のプロトコルであり、磁気テープのデータを送るのを始めとして、カード、紙テープなどのデータをやり取りするために使われた。同期データ通信として広く使われたプロトコルの最初の物である。
BSC
[編集]BSC (Binary Synchronous Communication) は、1対1だけではなく1対多の通信やバイナリデータを透過的に送ることが出来るプロトコルである。STRの後継としてIBMによって開発された。それと同時にANSIでも規格化され、ANSI X3.28として規格化されている。
出典
[編集]- ^ 江村潤郎監修・保坂岩男著「データ通信システム入門」オーム社 1980年 / 17P