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{{Infobox 学者
'''福田 敏男'''(ふくだ としお、{{Lang-zh|福田敏男}}、[[1948年]][[12月12日]] - )は、[[日本]]及び[[中華人民共和国]]の[[工学者]]。[[名古屋大学]]名誉教授、[[名城大学]]教授、[[北京理工大学]]教授、2020年度[[米国電気電子学会]](IEEE)会長<ref>[https://www.ieee.org/about/corporate/leadership.html IEEE Leadership] IEEE</ref>。[[中華人民共和国国務院]][[千人計画]]による[[北京理工大学]]海外千人特別招聘教授を務め、2017年には同国で名誉とされる[[中国科学院]][[:zh:中国科学院外籍院士列表|外籍院士]]に選任<ref>[https://www.jsps.org.cn/jspsbj/site/newsinfo/hdjp_detail.jsp?ld=1517375759353&yu=J 在中国日本人研究者ネットワークさろんを開催]日本学術振興会</ref>。
|名前 = {{Ruby|福田 敏男|ふくだ としお}}
|画像 =
専門は[[ロボット工学]] 、[[自己組織化ロボット]]、[[マイクロロボット]] 、[[ニューロ・ファジイ制御]] 。[[富山県]]生まれ。
|画像サイズ =
== 概要 ==
|画像代替説明 =
名古屋大学工学部教授(のち名誉教授)としてロボットの研究を行っている。その研究はIEEEカンファレンス(IECON)最優秀論文賞(1996年)や日本ロボット学会論文賞(2004年)など多くの賞を受賞し、また開発したロボットも[[グッドデザイン賞]](2006年、2019年)や[[ロボット大賞]]「今年のロボット」大賞優秀賞(2007年)など多くの賞を受賞している。その功績により、2015年には[[紫綬褒章]]を受章した。
|画像説明 =
|全名 =
|別名 =CEBOTマン{{Sfn|福田|2006|p=333}}
|誕生名 =
|生年月日 = {{生年月日と年齢|1948|12|12}}{{Sfn|神谷|1992|p=143}}{{R|アドバイザー}}
|生誕地 = [[富山県]]{{Sfn|神谷|1992}}{{R|朝日2020}}
|没年月日 = <!--{{死亡年月日と没年齢|1948|12|12|****|**|**}}-->
|死没地 =
|死因 =
|居住 = {{JPN}}[[愛知県]][[名古屋市]][[昭和区]]{{R|芦原2019}}
|市民権 =
|国籍 =
|出身校 = [[富山県立富山中部高等学校]]<br />[[早稲田大学]]<br />[[東京大学大学院工学系研究科]]
|配偶者 =
|両親 =
|子供 =
|時代 =
|活動地域 =
|出身地 =
|学派 =
|研究分野 = [[ロボット工学]]
|研究機関 = [[東京大学生産技術研究所]]<br />[[イエール大学]]<br />[[産業技術総合研究所|工業技術院機械技術研究所]]<br />[[シュトゥットガルト大学]]<br />[[東京理科大学]]<br />[[名古屋大学]]<br/>{{仮リンク|サンターナ大学院大学|it|Scuola superiore di studi universitari e di perfezionamento Sant'Anna}}<br />[[名城大学]]<br/>[[北京理工大学]]<br />早稲田大学
|博士課程指導教員 =[[柴田碧]]{{Sfn|福田|1977}}{{Sfn|福田|2009}}
|他の指導教員 =[[原文雄]]{{R|原子炉1977}}{{Sfn|福田|2005}}
|博士課程指導学生 ='''課程博士''' - [[柴田崇徳]]<ref>柴田崇徳『Hierarchical intelligent control of robotic motion』名古屋大学博士学位論文〈甲第2671号〉、1992年9月30日、{{NAID|500000091488}}。</ref> 植山剛<ref>植山剛『[https://doi.org/10.11501/3077439 Organization and intelligence of cellular robotic system]』名古屋大学博士学位論文〈甲第2963号〉、1994年3月25日、{{NAID|500000110325}}。</ref> 川内陽志生<ref>川内陽志生『[https://doi.org/10.11501/3077420 Cellular robotic system : control and self-organization for hardware and software]』名古屋大学博士学位論文〈甲第2914号〉、1994年3月25日、{{NAID|500000110276}}。</ref> 下島康嗣<ref>下島康嗣『[https://doi.org/10.11501/3077447 Sensor integration system and learning system for automatic reusable manufacturing system]』名古屋大学博士学位論文〈甲第2971号〉1994年3月25日、{{NAID|500000110333}}。</ref> [[石原秀則]]<ref>[[石原秀則]]『[https://doi.org/10.11501/3082960 自律分散マイクロロボットシステムに関する研究]』名古屋大学博士学位論文〈甲第3244号〉、1995年3月27日、{{NAID|500000121859}}。</ref> 関山浩介<ref>関山浩介『[https://doi.org/10.11501/3126277 自己組織化ロボットシステムに関する研究]』名古屋大学博士学位論文〈甲第3738号〉、1997年3月25日、{{NAID|500000147154}}。</ref> 久保田直行<ref>久保田直行『[https://doi.org/10.11501/3126305 A study on evolutionary optimization method]』名古屋大学博士学論文〈甲第3766号〉、1997年3月25日、{{NAID|500000147182}}。</ref> 伊藤茂則<ref>伊藤茂則『[https://ci.nii.ac.jp/naid/500000158723 天井のランドマークを利用した視覚を有する自律移動ロボットのナビゲーションシステムに関する研究]』名古屋大学博士学位論文〈甲第4061号〉、1998年3月25日、{{NAID|10.11501/3137846}}。</ref> 高川功<ref>高川功『Self-organizing control of large-scaled systems』名古屋大学博士学位論文〈甲第6273号〉2004年3月25日、{{NAID|500000249612}}。</ref> 池田誠一<ref name="池田博論">池田誠一『Patient specific vascular reconstruction for simulating endovascular intervention』名古屋大学博士学位論文〈甲第7059号〉、2006年3月27日、{{NAID|500000347268}}。</ref> 松野隆幸<ref>松野隆幸『知的ロボットマニピュレーションのための柔軟物体の計測及び特性利用に関する研究』名古屋大学博士学位論文〈甲第6691号〉、2005年3月25日、{{NAID|500000322572}}。</ref><br />'''論文博士''' - [[新井史人]]<ref>[[新井史人]]『[http://hdl.handle.net/2237/6597 柔軟材ハンドリング制御に関する研究]』名古屋大学博士学位論文〈乙第4488号〉、1993年11月1日、{{Doi|10.11501/3073137}}、{{NAID|500000103254}}。</ref> 長谷川泰久<ref>長谷川泰久『知能ロボットの学習運動制御に関する研究』名古屋大学博士学位論文〈乙第5901号〉、2001年5月31日、{{NAID|500000206877}}。</ref><br />総勢は100人を超える{{Sfn|辻|2018}}。
|主な指導学生 = [[小林宏 (工学者)|小林宏]]{{Sfn|福田・三好|2015|p=876}}
|学位 = [[博士(工学)|工学博士]](東京大学){{Sfn|福田|1977}}
|称号= 名古屋大学[[名誉教授]]<br />[[中国科学院]][[中国科学院外籍院士の一覧|外籍院士]]
|特筆すべき概念=マルチスケールロボティクス{{R|JSME技術功績}}
|主な業績 = セル構造化ロボットシステム(CEBOT)の提案、国際会議{{仮リンク|IROS|label=IROS|en|International Conference on Intelligent Robots and Systems}}{{Efn2|name="IROS"}}やRo-manの立ち上げ、国際マイクロロボットメイズコンテスト創立、アジア人初の[[IEEE]]会長
|主要な作品 =ブラキエーションロボット、テーラーメイド超精密手術シミュレータ 「イブ」
|影響を受けた人物 = [[寺野寿郎]]{{Sfn|福田|2005}} [[谷江和雄]]{{Sfn|福田・三好|2015|p=875}} [[山崎信寿]]{{Sfn|福田・三好|2015|p=875-876}} [[原島文雄]]{{R|IROS2006}}{{Sfn|福田・三好|2015|p=877}}
|影響を与えた人物 = {{仮リンク|新井健生|en|Tatsuo Arai}}{{Sfn|上出ほか共編|2020}}{{R|バイオアセンブラ}} [[淺間一]]{{Sfn|福田|2006|pp=334-336}}{{Sfn|福田・三好|2015|p=876}} [[小菅一弘]]{{Sfn|辻|2018}}
|学会 = [[IEEE]]、日本知能情報ファジィ学会、[[日本ロボット学会]]、[[計測自動制御学会]]、[[日本機械学会]]、[[日本バーチャルリアリティ学会]]など
|主な受賞歴 = [[褒章#紫綬褒章|紫綬褒章]]
|署名 =
|公式サイト =[http://www.toshiofukuda.org/ Toshio FUKUDA]
|脚注 =
}}
'''福田 敏男'''(ふくだ としお、[[1948年]]〈[[昭和]]23年〉[[12月12日]]{{Sfn|神谷|1992|p=143}}{{R|アドバイザー}} - )は、[[日本]]の[[ロボット研究者]]。[[東京大学]][[博士(工学)|工学博士]]{{Sfn|福田|1977}}。[[名古屋大学]][[名誉教授]]{{Sfn|新井|2015}}。セル構造化ロボットシステム「CEBOT」{{R|SI部門賞2005}}やブラキエーションロボット{{Sfn|ブラキエーション形移動ロボット|}}の提案者。[[IEEE]]ではアジア人初の会長を務め{{Sfn|園田・黒田|2019}}{{R|朝日2020|市川2019}}、国際会議{{仮リンク|IROS|label=IROS|en|International Conference on Intelligent Robots and Systems}}{{Efn2|name="IROS"}}やRO-MANを創設{{R|RSJ功労賞}}。名古屋大学で育てた[[博士]]は100人を超える{{Sfn|辻|2018}}{{R|芦原2019}}。日本知能情報ファジィ学会では会長も務め{{R|福田前会長}}、国際ロボットマイクロロボットメイズコンテストも創設した{{R|メイズc|森山2007}}。2015年[[紫綬褒章]]受章者{{Sfn|新井|2015}}。


[[産業技術総合研究所|工業技術院機械技術研究所]]研究員、[[東京理科大学]]講師、助教授、名古屋大学教授、[[名城大学]]教授、[[早稲田大学]][[特任教授]]などを歴任{{R|アドバイザー|60周年}}。専門は[[ロボット工学]] 、マイクロ・[[ナノテクノロジー]]、[[ソフトコンピューティング]]で、故障診断や液面振動制御、フレキシブルアーム、[[自己組織化ロボット]]、[[マイクロロボット]]など多岐にわたる業績がある{{Sfn|新井|2015}}{{R|SI部門賞2005|JSME技術功績}}。テーラーメイド超精密手術シミュレータ 「EVE(イブ)」も開発し{{Sfn|新井|2015}}{{R|GD2006}}、研究室発ベンチャーの技術顧問も務める{{R|会社概要}}。
ロボット工学の世界的権威であり、日本のみならず中国や、アメリカやヨーロッパなど世界各国で要職を務める。アメリカでは[[エール大学]]客員助教授(1986年)、[[米国電気電子学会]](IEEE)フェロー(1995年選任)、ロボティクス・アンド・オートメーション学会会長(1998-99年)などを歴任し、2018年には米国人以外からは2人目、アジア人として初となるIEEE会長に選任された(2020年1月より1年間務める)。ドイツでは1980年より[[シュトゥットガルト大学]]客員研究員を務め、2002年には[[アレクサンダー・フォン・フンボルト財団]]より[[フンボルト賞]]を授与された(2003年度は「フンボルト財団研究賞教授」として活動)。


ヒューマンネットワークを唱え{{Sfn|福田|2012}}{{Sfn|園田・黒田|2019}}、IEEEではNanotechnology Councilを創設し、{{仮リンク|IEEE Robotics & Automation Society|label=Robotics & Automation Society|en|IEEE Robotics and Automation Society}}のPresidentや、Region 10やDivision XのDirectorを歴任{{R|60周年}}{{Sfn|福田・三好|2015|p=877}}。IEEEと[[アメリカ機械学会|ASME]]による論文誌『Transactions on Mechatronics』も創設し{{Sfn|新井|2015}}{{Sfn|福田・三好|2015|p=877}}、2020年にはIEEE会長を務めた{{R|朝日2020|市川2019}}。[[北京理工大学]]でも教授を務め{{R|JSPS2018}}{{Sfn|小寺|2019}}([[千人計画]]{{R|千人計画2014|アーカイブ2020}})、2017年には[[中国科学院]][[中国科学院外籍院士の一覧|外籍院士]]にも選出された{{R|JSPS2018}}{{Sfn|小寺|2019}}。
[[中華人民共和国]]でも[[中華人民共和国国務院]]の[[千人計画]]による[[北京理工大学]]海外千人計画特別招聘教授を務め、2017年には[[中国科学院]]の外国人フェロー([[:zh:中国科学院外籍院士列表|中国科学院外籍院士]])に選任された<ref>[https://www.jsps.org.cn/jspsbj/site/newsinfo/hdjp_detail.jsp?ld=1517375759353&yu=J 在中国日本人研究者ネットワークさろんを開催]日本学術振興会</ref>。


== 来歴 ==
日本国内では東京理科大学助教授、[[名古屋大学]]教授(のち名誉教授)、[[名城大学]]教授などを歴任し、教育者としても数多くの研究者を育てた。教え子には極力博士号を取るように指導している。
=== 生い立ち・学生時代 ===
[[富山県]]生まれ{{Sfn|神谷|1992}}。幼少期は[[鉄腕アトム]]に憧れ、ラジオ製作やバイクの分解、アルコールランプによるおもちゃのタービン実験などをしたと語っている{{R|朝日2020}}{{Sfn|名城大学|2017}}。高校は[[富山県立富山中部高等学校]]に通い、同校の英会話教育が後の留学や国際会議での活動に寄与したという{{Sfn|福田|2012|p=1}}。[[早稲田大学理工学部]]機械工学科に進学し、1971年3月に卒業{{R|アドバイザー}}{{Sfn|新井|2015}}。早稲田大学では[[加藤一郎 (ロボット研究者)|加藤一郎]]や[[土屋喜一]]の授業を受けた{{Sfn|園田・黒田|2019}}。


=== 大学院生時代 ===
アザラシ型ロボット「[[パロ (ロボット) |パロ]]」を開発した[[柴田崇徳]]も教え子の一人である。
[[東京大学大学院工学系研究科]]産業機械工学専攻に進学し{{R|アドバイザー}}、耐震や[[原子炉]]の安全を研究していた[[柴田碧]]の研究室に所属する{{R|鈴木2007}}{{Sfn|新菱|2012|p=3}}。柴田からは研究テーマを与えられず自分で調査検討することになったが、それによって研究者として鍛えられたと述懐している{{Sfn|園田・黒田|2019|p=424}}{{Sfn|新菱|2012|p=3}}。学会で企業の人と話し合っているうちに浮かんだアイデアを発展させ、後の博士論文の元になったという{{Sfn|新菱|2012}}。


1973年3月に修士課程を修了し{{R|アドバイザー}}、博士後期課程に進学{{Sfn|福田・黒田|2019|p=434}}。1973年6月から[[アメリカ合衆国]]の[[イェール大学]][[大学院]]へ留学{{R|アドバイザー}}。ナレンドラ教授のもとで{{仮リンク|適応制御|en|Adaptive control}}に関する研究に取り組む{{Sfn|福田|2005|p=138}}。柴田から日本とアメリカのどちらで就職するか問われ{{Sfn|園田・黒田|2019|p=425}}、1975年6月に帰国{{R|アドバイザー}}。柴田が申請していた奨学金を帰国前に送ってくれたため、福田は帰国前の2か月間に[[ヨーロッパ]]を巡っている{{Sfn|園田・黒田|2019|p=425}}。なお、イェール大学には単位互換制度の1期生として留学していたが、2年間のうち1年は休学扱いになったという{{Sfn|園田・黒田|2019|p=425}}。
== 主なロボット ==
* [[2000年]]、世界初の[[テナガザルロボット]](長い腕を使い[[雲梯]]を渡る)を試作(名古屋大学先端技術共同センター)


帰国後に[[ファジィ理論]]の輪講が始まり、柴田研究室出身の[[原文雄]]{{R|鈴木2007}}らも顧問として参加していた{{Sfn|福田|2005}}{{Sfn|福田|2009}}。さらに柴田碧研究室と[[東京工業大学]](東工大)の[[寺野寿郎]]研究室で相互開催された「あいまいシステム研究会」にも参加{{Sfn|福田|2005}}{{Sfn|福田|2009}}。研究会の内容は[[官能検査]]や法律問題にも及んだという{{Sfn|福田|2005}}。福田は寺野の人柄に触れるとともに、当時東工大飯野研究室に在籍していた[[廣田薫]]と交流を持つ{{Sfn|福田|2005}}。
* 医療トレーニング・評価用の超精密血管内手術シミュレータ「EVE(イブ)」。2006年度[[グッドデザイン賞]]ユニバーサルデザイン特別賞、2013年度[[文部科学大臣賞]]などを受賞。


福田は原子炉における異常発生の判定に[[因子分析]]を用い、[[カルマンフィルタ]]によって発生個所を推定する手法を提案{{R|討論1977}}。[[日本機械学会]]に投稿した1977年の論文の討論では、「複雑な系である原子炉の過渡状態を解析して、迅速に異常を判定する方法は極めて有用」と評価された{{R|討論1977}}。博士論文のテーマは日本語で『原子炉システムの異常診断と安定な適応則の応用』というもので{{Sfn|福田|1977}}、1977年3月に[[博士課程]]を修了して[[博士(工学)|工学博士]]の学位を取得する{{R|アドバイザー}}{{Sfn|福田|1977}}。
* バイオニックブレイン - 脳外科医のための手術トレーニングシステム。2019年度グッドデザイン賞受賞。


=== 機械技術研究所、東京理科大学時代 ===
== 略歴 ==
1977年4月、[[経済産業省|通商産業省]][[産業技術総合研究所|工業技術院機械技術研究所]]研究員{{R|アドバイザー}}(後、主任研究員{{Sfn|福田|1990|p=91}}。1979年10月には[[西ドイツ]]の[[シュトゥットガルト大学]]に留学([[客員研究員]]、1981年1月まで){{R|アドバイザー}}{{Sfn|福田|1990|p=91}}。機械技術研究所では[[谷江和雄]]らの指導を受け{{Sfn|福田・三好|2015|p=875}}、大型プロジェクト「海底設計生産システム」では億単位の予算を使用したという{{Sfn|福田・三好|2015|p=876}}。1982年4月、[[東京理科大学]][[工学部]]機械工学科[[講師 (教育)|講師]]に着任し、翌年4月には[[准教授|助教授]]{{R|アドバイザー}}。
* [[1971年]]:[[早稲田大学理工学部]]機械工学科卒業

* [[1973年]]:[[イェール大学|エール大学]][[大学院]]留学(1975年まで)
[[File:Hylobates lar braquiation.jpg|thumb|200pt|right|{{仮リンク|ブラキエーション|fr|Brachiation}}で移動する[[テナガザル]]。生物の動画は[[:fr:Brachiation|こちら]]を、ロボットの動画は{{Harvnb|ブラキエーション形移動ロボット|}}を参照。]]
* [[1977年]]:[[東京大学大学院工学系研究科]]産業機械工学専門課程[[博士課程]]修了
東京理科大学では[[テナガザル]]のように[[雲梯]]を移動するブラキエーションロボットを提案し{{Sfn|福田|2006|pp=333-334}}{{Sfn|福田・三好|2015|p=876}}、[[皇居]]周辺の堀から持ち帰った水を[[顕微鏡]]で見たことがきっかけで、マイクロマニピュレータやマイクロロボットの研究を開始する{{Sfn|福田|2006|p=334}}{{R|芦原2019}}。また、フレキシブルロボットアームの振動抑制制御も実施{{R|日高1995|竹下2004}}。2リンクアームでは単一質点モデルが多かったが福田は分布定数系モデルを構築し{{R|前川1990}}、他の研究者にも用いられた{{R|前川1991}}。モータ重心の偏心によるリンクの連成スピルオーバ現象も明らかにした{{R|内山1988}}。
* 1977年:[[経済産業省|通商産業省]]工業技術院(現・[[独立行政法人]][[産業技術総合研究所]] )機械技術研究所研究員

* [[1979年]]:[[シュトゥットガルト大学]]([[西ドイツ]])[[客員研究員]] (1981年まで)
さらに管内検査ロボットの研究{{R|服部1996}}やパイプレスプラントの液体搬送ロボット(論文掲載は1990年){{R|矢野1997|勝部2001|渋谷2014}}にも取り組んだ。液体搬送ではバネ・質点モデルを適用し{{R|矢野1997|渋谷2014}}、回転と傾動で液面の振動抑制を実現{{R|勝部2001|渋谷2014}}。{{仮リンク|適応制御|en|Adaptive Control}}も適用した{{R|大塚1997}}。この間、1986年には[[イェール大学]]の[[客員助教授]]を務める{{Sfn|福田|1990|p=91}}。客員助教授の招聘にあたって研究成果のまとめを求められ、福田は研究報告集を発行するようになる{{Sfn|福田|2006|p=334}}。
* [[1982年]]:[[東京理科大学]][[工学部]]機械工学科[[講師 (教育)|講師]]

* [[1983年]]:東京理科大学工学部機械工学科[[助教授]]
1987年には足を骨折し、入院したり[[松葉杖]]で歩いたりした{{Sfn|福田|2006|p=335}}。そんな折に[[香港]]の学会に出向くが、そこで[[原島文雄]]から国際会議のノウハウを学ぶ{{Sfn|福田|2006|p=335}}。さらに当時アメリカで流行していた研究{{Efn2|{{仮リンク|PUMA (ロボット)|label=PUMA|en|Programmable Universal Machine for Assembly}}、[[ミニコンピュータ|ミニコン]]、[[コンピュータビジョン]]が揃った研究{{Sfn|福田|2006|p=335}}や、マニピュレータ、移動ロボットの動作計画、ビジョンの3セッション{{Sfn|福田・三好|2015|p=875}}を挙げている。}}でなくても発表できる国際会議の開催を決意{{Sfn|福田|2006|p=335}}{{Sfn|福田・三好|2015|p=875}}。1988年に第1回目の国際会議IROSを東京理科大学で開催する{{Sfn|福田|2006|p=336}}{{Sfn|福田・三好|2015|p=876}}{{Sfn|園田・黒田|2019|p=425}}{{Efn2|name="IROS"|1988年の初回は「International Workshop on Intelligent Robots and Systems」として開催{{Sfn|福田|2006|p=336}}。後に「{{仮リンク|IROS|label=International Conference on Inteligent Robots and Systems|en|International Conference on Inteligent Robots and Systems}}」となるが{{R|浅田1997|梶田2004}}、略称はIROS{{R|梶田2004}}。日本語では「知能ロボットとシステムに関する国際会議」とされる{{R|浅田1997}}。}}。なお、初開催にあたっては[[ニューテクノロジー財団]]などから援助を受け{{Sfn|福田|2006|p=336}}、第1回目以降も[[東芝]]や[[日立製作所]]から支援を受けたという{{Sfn|福田・三好|2015|p=876}}。
* [[1986年]]:[[エール大学]][[客員助教授]]

* [[1989年]]:名古屋大学工学部機械工学第二学科教授
* [[1992年]]:名古屋大学工学部機械情報システム工学科教授
=== 名古屋大学教授として ===
1989年4月に[[名古屋大学工学部]]機械工学第二学科[[教授]]に就任{{Sfn|福田|1990|p=91}}。1992年4月に工学部機械情報システム工学科教授、1994年6月に大学院工学研究科マイクロシステム工学専攻教授(学部は機械情報システム工学科)、1997年4月に先端技術共同センター教授と変遷する{{R|アドバイザー}}。なお、1990年9月から1995年3月の間に[[小菅一弘]]が助教授として着任{{R|robocre2018}}。小菅とは双腕マニピュレータで位置・力を直接ではなくコンプライアンスを制御する手法や{{R|山野2000}}、タスクオリエンテッドな仮想ツールによる制御を開発した{{R|下野2006}}。
* [[1994年]]:名古屋大学大学院工学研究科マイクロシステム工学専攻・工学部機械システム工学科 教授

* [[1996年]]:名古屋大学先端技術共同センター教授
福田は1980年代後半から[[ソフトコンピューティング]]手法を取り入れた研究を行っており{{R|SI部門賞2005}}、ファジィ制御によるPID制御の保障{{R|趙1995}}や、[[遺伝的アルゴリズム]]による[[ファジィ推論|ファジィルール]]の自動生成{{R|野口1998}}などに取り組み、フレキシブルロボットアームには[[ニューラルネットワーク]]を適用して非線形システムへの有効性を示している{{R|山科2004}}。後にアザラシ型ロボット「[[パロ (ロボット) |パロ]]」を開発する[[柴田崇徳]]も教え子で{{R|小林2018}}、共著の解説では行動型ロボットにおけるファジィやニューロ制御の進化に遺伝的アルゴリズムが適しているとした{{R|渡辺1996}}{{Sfn|柴田・福田|1993}}。
* [[1998年]]:President at IEEE Robotics & Automation Society (99年まで.非米国人・史上最年少での就任)

* [[2002年]]:名古屋大学大学院工学研究科マイクロシステム工学専攻・工学部機械システム工学科 教授
[[File:Robot-army.png|thumb|200pt|写真は1[[インチ]]以下サイズの[[マイクロロボット]]。1991年からの国際マイクロメイズロボットコンテスト{{Efn2|name="コンテスト"}}には1cm<sup>3</sup>のロボットが登場する{{R|ムッシュ|メイズb}}が、[[石原秀則]]と製作した教材は24×25×24mmサイズ{{R|石原2003}}。]]
* [[2003年]]:[[日本知能情報ファジィ学会]]会長<ref>[https://ci.nii.ac.jp/naid/130006320478 -歴代会長からのメッセージ-]知能と情報 21(6), 919-928, 2009</ref>
1991年10月に名古屋で開催されたマイクロマシン国際シンポジウムにおいて、福田は「山登りマイクロメカニズム国際コンテスト」を開催{{Sfn|福田|1993}}{{R|ムッシュ}}{{Efn2|name="コンテスト"|世界最小としてギネス認定された[[エプソン]]社のロボット「ムッシュ」が出場した大会と知られる{{R|ITmedia2003|PCWatch2003}}。なお、1991年10月の「山登りマイクロメカニズム国際コンテスト」に先立ち、1990年3月の精密工学会春季大会で「山登りマイクロメカニズム製作コンテスト」が開催されている{{R|林1990}}。[[東京工業大学]]の[[林輝]]が主導したもので、東工大の大学院の授業「精密機械システム応用」で実施していたものが元になっていた{{R|林1990}}。林が委員長を務めるマイクロメカニズム研究専門委員会により精密工学会の春季大会で「小さな<sup>3</sup>ロボットのコンテスト」として継続開催され、2003年からは[[堀江三喜男]]が委員長を務める同学会のマイクロ/ナノシステム研究専門委員会が企画を担当した{{R|MMC主旨}}。さらに2007年からは「国際マイクロメカニズムコンテスト」としてリニューアルされている{{R|MMC主旨|日高2008}}。}}。翌年の1992年にも「国際マイクロロボットメイズコンテスト」として開催し{{Sfn|福田|1993}}、以後毎年開催される{{R|メイズb|メイズd|メイズe}}。福田は実行委員長を務め{{R|メイズc}}、[[石原秀則]]らとマイクロロボットを題材とするロボット教室にも取り組んだ{{R|石原2003|森山2007}}。福田はコンテストの自由に発想できる意義を説くとともに、「最後に必ずレポートを英文で書かせることが重要」と指摘している{{R|森山2007}}。
* [[2005年]]:名古屋大学大学院工学研究科マイクロ・ナノシステム工学専攻・機械理工学専攻 教授

* [[2010年]]: 米国電気電子学会([[IEEE]])の「ロボティクス・オートメーション賞」受賞
1993年にはイタリアの{{仮リンク|サンターナ大学院大学|it|Scuola superiore di studi universitari e di perfezionamento Sant'Anna}}(Scuola Superiore S.Anna)の客員教授を務める{{R|アドバイザー}}。[[新菱冷熱工業]]とは風量検査ロボットの共同開発を行っており、ビジョンベースドな位置決めは海外でも評価されたと述懐している{{Sfn|新菱|2012|p=}}。また、[[石川島播磨重工]]とは小菅一弘とともに油圧式の{{仮リンク|パラレルメカニズム|en|Parallel manipulator}}の共同研究を行い{{R|小菅1993|小菅1996}}{{Sfn|福田・三好|2015|p=876}}、[[三菱重工業]]とは位置検出器「Inductosyn」の改良に取り組んだ{{R|溝口2000}}。ブラキエーションロボットは全身12自由度のBrachiatorIIIに発展し{{Sfn|ブラキエーション形移動ロボット|}}、[[ディスカバリーチャンネル]]でも放映された{{Sfn|福田|2006|p=334}}。
* [[2013年]]: [[北京理工大学]]教授、[[名城大学]]理工学部メカトロニクス工学科・大学院理工学研究科機械工学専攻 教授、名古屋大学名誉教授

* [[2015年]]: [[紫綬褒章]]受章 
=== 名古屋大学時代における要職の歴任 ===
* [[2018年]]: 米国電気電子学会(IEEE)会長に当選<ref>[https://mainichi.jp/articles/20181017/k00/00m/030/022000c 米電気電子学会 福田・名城大教授がアジア初IEEE会長]毎日新聞</ref>
2000年には福田の研究グループの成果をもとにした編著『インテリジェントシステム』が刊行され{{Sfn|安田|2001}}、2003年には著書『鉄腕アトムのロボット学』が発刊{{Sfn|椎塚|2003}}。2002年には[[アレクサンダー・フォン・フンボルト財団]]より[[フンボルト賞]]を授与され{{R|高等研究院}}、2003年度は「フンボルト財団研究賞教授」として活動した{{R|高等研究院}}。

[[計測自動制御学会]]に新しい部門制が敷かれた際はシステムインテグレーション部門の部門長を務め{{R|川路2005}}、2003年から2年間は[[廣田薫]]の後を受けて日本知能情報ファジィ学会の会長に就任した{{Sfn|福田|2009}}{{R|福田前会長}}。2002年には名古屋大学、[[東北大学]]、[[産業技術総合研究所]]、[[三井造船]]が連携する[[科学技術振興機構|JST]]プロジェクト 「環境適応型高性能対人地雷探知システムの研究開発」で研究代表を担当する{{R|地雷探査}}。

[[File:Optical Trap Ray Optics Explanation.jpg|thumb|200pt|[[レーザー]]により微粒子を制御する[[光ピンセット]]。福田と[[新井史人]]らはレーザートラップ力を計測して操作反力を返すバイラテラル制御系を構築した{{R|RSJ論文賞}}。]]
一方で2002年に[[梅崎太造]]らと[[特定非営利活動法人]]ヒューマンウェア・ネットワーク推進機構を設立し、理事長に就任{{R|NPO内閣府|NPO組織概要}}。また、2003年に採択された名古屋大学の[[21世紀COEプログラム]]「情報社会を担うマイクロナノメカトロニクス」では当初サブリーダーを務め、途中からは拠点リーダーを担当する{{R|21世紀COEa|21世紀COEb}}。2005年に名古屋大学大学院工学研究科マイクロシステム工学専攻教授(機械理工学専攻併任){{R|アドバイザー}}。

テーラーメイド超精密手術シミュレータ 「EVE」を開発し{{Sfn|新井|2015}}{{R|福田2006|GD2006}}、2005年には大学発ベンチャーとして{{R|21世紀COEb}}{{Sfn|新井|2015}}ファイン・バイオメディアル有限会社が設立されている(代表は博士後期課程に在学していた池田誠一{{R|会社概要|池田博論|21世紀COEb}})。「EVE」は2006年の[[愛・地球博]]のプロトタイプロボット展にも出展された{{R|福田2006}}。2014年時点で[[アメリカ合衆国]]、[[イタリア]]、[[中華人民共和国]]、[[大韓民国]]、[[南アフリカ共和国]]に販売実績があるという{{Sfn|Siegel|2014}}。

また、2005-2009年度の[[科学研究費助成事業|科研費]]特定領域研究「マルチスケール操作によるシステム細胞工学」では領域代表を務め、A評価(研究領域の設定目的に照らして、十分な成果があった)を得る{{R|領域研究}}。さらに2008年度に採択されたマイクロ・ナノシステム工学専攻が推進する[[グローバルCOEプログラム]]「マイクロ・ナノメカトロニクス教育研究拠点」では拠点リーダーを担当し、同プログラムは「設定された目的は概ね達成された」という事後評価を得ている{{R|GCOE事後評価}}。2010年4月から2013年3月までは名古屋大学高等研究院の副院長も務めた{{Sfn|新井|2015}}。

=== 名城大学時代 ===
2013年3月で[[名古屋大学]]を定年退職し、4月には[[名誉教授]]に就任{{Sfn|新井|2015}}。同年4月には[[名城大学]]理工学部メカトロニクス工学科教授に学科創設と同時に就任{{R|祝賀会2016}}{{Sfn|名城大学|2017}}。また、[[北京理工大学]]でも教授を務める{{R|JSPS2018}}{{Sfn|小寺|2019}}([[千人計画]]特別招聘教授{{R|千人計画2014|アーカイブ2020}})。2014年には[[日本機械学会]]のロボティクス・メカトロニクス部門の欧文誌として『ROBOMEC Jounarl』を創刊し、編集委員長を務める{{R|ROBOMECHJ}}。2015年には「ロボット工学研究功績」により[[褒章#紫綬褒章|紫綬褒章]]を受章し{{Sfn|新井|2015}}、2016年1月に[[ホテルナゴヤキャッスル]]で祝賀会が催された{{R|祝賀会2016}}。2015年時点で名古屋大学福田研究室で[[博士|博士号]]を取得した学生は94名に及び{{Sfn|新井|2015}}、2018年には101人に達している{{Sfn|辻|2018}}。

2018年にはIEEEの会長選挙に、理事会推薦ではなく会員から署名を集めて立候補{{Sfn|辻|2018}}{{Sfn|福田|2018}}。福田は会員数の増加、会費見直し、財政の透明化改善などを掲げ、インターネット投票で2位に5千票以上の差をつけてトップとなり、次期会長に選出される{{Sfn|辻|2018}}。この時、[[小菅一弘]]も副会長の一人に選出された{{Sfn|辻|2018}}。2020年にはIEEEでアジア人で初めての会長職に就任{{R|朝日2020}}(任期は1年{{Sfn|辻|2018}})。また、同年8月には[[科学技術担当大臣]]の[[竹本直一]]と対談している{{R|鎌倉2020}}。

2021年1月にはU-18障害者も楽しめるe-sports協会「edge」の会長に就任{{R|U-18会長}}。2021年現在、[[早稲田大学]]の[[特任教授]]{{R|60周年}}や名古屋大学未来社会創造機構ナノライフシステム研究所の[[客員教授]]{{R|名大研究所}}にも就任。[[科学技術振興機構]]の[[ムーンショット型研究開発制度]]では目標3「2050年までに、AIとロボットの共進化により、自ら学習・行動し人と共生するロボットを実現」では構想ディレクターを務める{{R|JST2021}}。

== 人物・逸話 ==
=== 家族からの影響 ===
妻からは「''リターンなんてそういうケチなことを考えちゃいけない''」「''人が困っていたらやりなさい、ボランティアでやりなさい''」と言われたという{{Sfn|新菱|2012|p=2}}。父親からの「実るほど頭が下がる稲穂かな」という言葉が忘れられないといい{{Sfn|園田・黒田|2019|p=426}}、「''この姿勢でいると、自然と「ヒューマンネットワーク」も築かれる。夢中になればいつの間にか周りに人がいる。人がいるから、つながるからこそ必ず面白い何かが起こる。''」と語っている{{Sfn|園田・黒田|2019|p=426}}。

=== 国際的な学会活動 ===
「アクティブな人」として知られ{{R|藪田1993}}、37から38歳の時に[[原島文雄]]と設立した{{仮リンク|IROS|label=IROS|en|International Conference on Intelligent Robots and Systems}}{{R|IROS2006}}{{Sfn|新菱|2012}}{{Sfn|園田・黒田|2019|p=425}}を、{{仮リンク|ICRA (国際会議)|label=ICRA|en|International Conference on Robotics and Automation}}と並ぶ[[ロボティクス]]のトップカンファレンスに育て上げた{{R|梶田1998|RSJ功労賞}}。ヒューマンリレーションシップ{{Sfn|新菱|2012}}やヒューマンネットワーク{{Sfn|園田・黒田|2019}}を唱え、IROS設立にあたっては[[富山の薬売り]]を参考に「信用を得るには自分が動かなくちゃいけない」という精神で取り組んだという{{Sfn|新菱|2012|p=1}}。

外国人からは「トシ」や「トーシオ」と呼ばれるといい{{Sfn|新菱|2012|p=2}}、世界中の乾杯の音頭を知っていると語っている{{Sfn|新菱|2012|p=2}}。日本では外国の研究者を[[銭湯]]に連れて行ったり、自宅に招いて狭いながらもパーティで応対していた{{Sfn|新菱|2012|p=2}}。寿司と妻による簡単な料理程度の飲み会で、後片付けの皿洗いは福田自身でやっていたという{{Sfn|新菱|2012|p=2}}。福田は「''逆に相手から呼ばれれば時間がある限り行きます。そしてリターンを求めない。短い時間しかいられなくてもできる限り自分が行く。そこに「自分がいる」ということが重要''」と説く{{Sfn|新菱|2012|p=2}}。

[[名古屋大学]]で総長を務めた[[濵口道成]]からは、世界を飛び回るために大学より[[仁川国際空港]]で会う方が多いと言われ{{Sfn|辻|2018}}、栢森情報科学振興財団の理事長は、福田から「私の住所は飛行機の中」と言われたいう{{R|祝賀会2016}}。また、[[生田幸士]]によると福田は元気のない若手に学会の仕事を与えて励ましていたといい{{R|祝賀会2016}}、[[豊田工業大学]]学長を務めた[[榊裕之]]は「非凡な意欲とエネルギー」で通常は難しい教育研究と学会運営を両立させていると評価している{{Sfn|辻|2018}}。

=== 教育研究と人材育成 ===
福田は「''研究の原動力は何かというと、人と会って「何か面白いことをやろう」と思う好奇心''」と語る{{Sfn|新菱|2012|p=2}}。夢中になると朝まで研究にのめりこむといい、教授になってからも学生と研究の話を朝までやっていたという{{Sfn|園田・黒田|2019}}。学生からは変わった先生と言われることもあったが、名古屋大学では博士課程まで行くことを勧めていたといい{{Sfn|園田・黒田|2019}}{{Sfn|名城大学|2017}}、2018年の時点で101名に達している{{Sfn|辻|2018}}。[[藤江正克]]は福田を「''研究と教育がセットでできている人''」と評価した{{R|祝賀会2016}}。

講演ではロボットには[[セレンディピティ]]があって教材向きと語っている{{R|森山2007}}。自身が設立した「国際ロボットメイズコンテスト」の実行委員長を務め{{R|メイズb|メイズd|メイズc}}、マイクロロボットを題材とするロボット教室にも取り組んだ{{R|石原2003|森山2007}}。国際ロボフェスタ協会の理事や{{R|ロボフェスタ}}{{Efn2|name="ロボフェスタ協会"}}、[[日本ロボット学会]]ロボット教育研究専門委員会の委員も務めた{{R|RE2011}}。2021年にはU-18 障害者でも楽しめる e-sports協会の会長にも就任している{{R|U-18会長}}。

=== 研究の広がりと研究姿勢 ===
研究業績として、紫綬褒章受章の2015年時に論文は795件、国際会議の発表は1250件に及んだ{{Sfn|新井|2015}}。研究領域は大規模システムからマイクロ・ナノテクノロジーに及び、マルチスケールロボティクスを提唱した{{R|SI部門賞2005|JSME技術功績}}。研究テーマの選定に対して「''実用一辺倒だけでなく、「実用性(と思えるところ)」と「基礎性(長続きするところ)」が大切''」とし、企業とロボットを研究開発する際にも「''1台作って「終わり」ではなく、それから、その問題点を見い出し、整理し、体系化することが重要''」と説く{{Sfn|福田|1994|p=21}}。

福田はメンテナスロボットの開発時に同じ設計を何度も繰り返すことからモジュラーロボット、自己組織化ロボットの研究を開始{{Sfn|福田|2006|p=333}}。「動的再構成可能ロボットシステムに関する研究」という学会発表は100報を超え{{Sfn|福田・三好|2015|p=876}}{{R|111報}}、2000年に第111報に及んだ{{R|111報}}{{Efn2|同名の論文「動的再構成可能ロボットシステムに関する研究」が日本機械学会論文集C編にも投稿されており、1989年に「[https://doi.org/10.1299/kikaic.55.114 第1報, セル間の自動接近・結合・分離制御実験]」が{{R|第1報}}、1998年時点で「[https://doi.org/10.1299/kikaic.64.1793 第29報, 形態再構成に起因する群の振る舞いの解析]」が掲載されている{{R|第29報}}。}}。2003年にはモジュラーロボットの研究情勢について、「''現実の問題を理解し、ハードウェアの伴った良い理論的研究が少ない''」「''ハードウェア的に不可能な仮定の下に、いくら良い理論を作ってもしょうがありません''」と記している{{R|福田2003}}。

学会発表について「''相手を納得させることのできる発表をした後、質問が飛びかい、発表後も、質問者が来て討議し、次回の論文招待等のおさそいを受ける程、用意周到に準備することが次の「自信」をつけるポジティブフィードバックとなりうる''」と説く{{Sfn|福田|1994|p=21}}。また、日本人は論理的な批判ではなく人間性を批判しているように受け止めることが多いと指摘し{{Sfn|福田|1994|p=21}}{{Sfn|園田・黒田|2019|p=424}}、2019年のインタビューでは「''国内会議で質問する際にはあまり嫌がられないように気を使っている''」と語っている{{Sfn|園田・黒田|2019|p=424}}。

== 主な社会的活動 ==
(学術団体)
* [[IEEE]] - ライフフェロー{{R|60周年}}、会長(2020年度){{R|朝日2020|市川2019}}
** {{仮リンク|IEEE Robotics & Automation Society|label=Robotics & Automation Society|en|IEEE Robotics and Automation Society}} - President(1998-1999年){{R|60周年}}{{Sfn|福田・三好|2015|p=877}}
** {{仮リンク|IEEE Industrial Electronics Society|label=Industrial Electoronics Society|en|IEEE Industrial Electronics Society}} - Vice President(1990-1999年){{R|アドバイザー}}、Flexible Automation 委員長{{Sfn|福田|2006|p=335}}
** Division X - Director(2001-2002年、2017-2018年){{R|60周年}}{{Sfn|福田・三好|2015|p=877}}
** IEEE/[[アメリカ機械学会|ASME]]『Transactions on Mechatronics』 - 創設者{{Sfn|福田・三好|2015|p=877}}、編集長(2000-2002年){{R|60周年}}{{Sfn|福田・三好|2015|p=877}}
** Nanotechnology Council - Founding President(2002年、2005年、2007年){{Sfn|福田・三好|2015|p=877}}
** Region 10 - Director (2012-2014年){{R|60周年}}{{Sfn|福田・三好|2015|p=877}}
* {{仮リンク|国際計測連合|en|International Measurement Confederation}}(IMEKO)- ロボットセンサワーキンググループ日本代表{{Sfn|福田|1986|p=507}}
* 日本知能情報ファジィ学会 - 名誉会員{{R|SOFT名誉会員}}、会長(2003-2006年){{R|福田前会長}}
* [[日本ロボット学会]] - [[フェロー]]{{Sfn|新井|2015}}、ハザード・メンテインナンスロボット研究会主査{{Sfn|福田・三好|2015|p=876}}、『Advanced Robotics』編集長{{Sfn|新井|2015}}
* [[計測自動制御学会]] - フェロー{{R|60周年}}、システムインテグレーション部門長(設立時){{R|川路2005}}
* [[日本機械学会]] - フェロー{{R|60周年}}、ロボティクス・メカトロニクス部門長{{R|JSME部門長}}、『Journal of Robotics and Mechatronics』編集長{{R|JRM}}、『ROBOMECH Journal』編集委員長{{R|ROBOMECHJ}}
* [[日本バーチャルリアリティ学会]] - フェロー{{R|60周年}}
*: ほか、[[電気学会]]や[[日本原子力学会]]、VDI/VDEなどの会員{{Sfn|福田|1986|p=507}}

(アカデミー)
* [[日本工学アカデミー]] - 会員{{R|EAJ正会員|EAJフォーラム}}
* [[日本学術会議]] - 第20期連携会員{{R|日本学術会議c}}、第21-22期第3部会員{{R|日本学術会議a|日本学術会議c}}(2008-2014年{{Sfn|福田・三好|2015|p=877}})、第23-24期連携会員{{R|日本学術会議b|日本学術会議c}}
* [[中国科学院]] - [[中国科学院外籍院士の一覧|外籍院士]]{{R|JSPS2018}}{{Sfn|小寺|2019}}

(その他)
* 国際マイクロロボットメイズコンテスト - 実行委員長(1992年 - ){{R|メイズa|メイズb|メイズc}}
* [[特定非営利活動法人]] 国際ロボフェスタ協会{{Efn2|name="ロボフェスタ協会"|ロボフェスタ協会は2021年で解散している{{R|ロボフェスタ解散}}。}} - 理事{{R|ロボフェスタ}}
* 特定非営利活動法人 ヒューマンウェア・ネットワーク推進機構 - 理事長(2002年 - ){{R|NPO理事長|NPO内閣府}}
* U-18 障害者でも楽しめる e-sports協会 - 会長(2021年 - ){{R|U-18会長}}
* ファイン・バイオメディカル有限会社 - 技術顧問{{R|会社概要}}

== 受賞・栄典 ==
=== 主な受賞歴 ===
* [[IEEE]]
** 2000年 - Third Millennium Medal{{R|石井2000}}
** 2004年 - Pioneer in Robotics and Automation Award{{R|60周年|PRA賞}}{{Efn2|受賞理由 - "For pioneer contributions to the development of cellular/distributed robotics systems and micro/nano robotic systems"{{R|PRA賞}}。}}
** 2005年 - Robotics and Automation Society Distinguished Service Award{{R|60周年|RASDS賞}}{{Efn2|受賞理由 - "For his outstanding contributions to the RAS Society and Conference Activities and his leadership in establishing and coordinating IROS conferences"{{R|RASDS賞}}。}}
** 2007年 - IEEE Transactions on Automation Science and Engineering Best New Application Paper Award{{R|2007論文賞}}{{Efn2|受賞論文 - Lixin Dong; Bradley J. Nelson; Toshio Fukuda; Fumihito Arai and Masahiro Nakajima (2006). “[https://doi.org/10.1109/TASE.2006.875551 Toward Nanotube Linear Servomotors]”. ''IEEE TRANSACTIONS ON AUTOMATION SCIENCE AND ENGINEERING'' '''3''' (3):228-235{{R|2007論文賞}}.}}
** 2010年 - Robotics and Automation Technical Field Award{{R|60周年|RATF賞}}{{Efn2|受賞理由 - "For leadership and pioneering contributions to Intelligent Robotic Systems and Micro and Nano Robotic Systems"{{R|RATF賞}}。}}

* [[日本知能情報ファジィ学会]]
** 2013年度 - 功績賞{{R|SOFT功績賞}}

* [[日本ロボット学会]]
** 2004年度 - 論文賞「[https://doi.org/10.7210/jrsj.20.417 バイラテラル制御による非接触マイクロマニピュレーション]」{{R|RSJ論文賞}}{{Efn2|受賞論文 - [[新井史人]]、小川昌伸、福田敏男「[https://doi.org/10.7210/jrsj.20.417 バイラテラル制御による非接触マイクロマニピュレーション ─レーザマイクロマニピュレータによるマイクロツール制御─]」『日本ロボット学会誌』第20巻第4号、417-424頁{{R|RSJ論文賞}}。}}
** 2010年度 - 第3回功労賞「Ro-Manの創設ならびにIROS等の国際会議運営」{{R|RSJ功労賞}}

* [[計測自動制御学会]]
** 2005年度 - 部門賞(学術業績賞){{R|SI部門賞2005}}
** 2007年度 - 論文賞「[https://doi.org/10.9746/sicetr1965.41.366 トポロジカルモデルと結び目不変量を用いたマニピュレーションのためのロープの形状認識]」{{R|SICE受賞}}{{Efn2|受賞論文 - 松野隆幸、玉置大地、新井史人、福田敏男「[https://doi.org/10.9746/sicetr1965.41.366 トポロジカルモデルと結び目不変量を用いたマニピュレーションのためのロープの形状認識]」『計測自動制御学会論文集』第41巻第4号、2005年、366-372頁{{R|SICE受賞}}。}}
** 2010年度 - 技術賞「テーラーメイド型脳血管手術シミュレータEVEの開発」{{R|SICE受賞}}{{Efn2|受賞者 - ファインバイオメディカル(有)池田誠一、名古屋大学 Carlos Rafael TERCERO VILLAGRAN、東北大学 新井史人、名古屋大学 福田敏男、藤田保健衛生大学 根来眞{{R|SICE受賞}}。}}

* [[日本機械学会]]
** 1995年度 - 部門功績賞(ロボティクス・メカトロニクス部門){{R|JSME部門功績}}
** 2010年度 - 日本機械学会賞(論文)「[https://doi.org/10.1299/kikaic.75.1989 ATカット水晶振動子による小型荷重センサの設計と製作]」{{R|JSME論文賞}}{{Efn2|受賞論文 - 「[https://doi.org/10.1299/kikaic.75.1989 ATカット水晶振動子による小型荷重センサの設計と製作]」『日本機械学会論文集C編』第75巻第755号、2009年、1989-1994頁{{R|JSME論文賞}}。}}
** 2013年度 - ロボティクス・メカトロニクス部門25周年部門功労表彰(部門の設立・運営・活性化への多大な貢献による){{R|25周年}}{{Efn2|25周年部門功労表彰を受賞したのは福田以外に[[山藤和男]]と[[谷江和雄]]{{R|25周年}}。}}
** 2015年度 - 日本機械学会賞(技術功績)「ロボットの知能化とマイクロ・ナノロボットに関する研究、及び、その国際化への貢献」{{R|JSME技術功績}}

* FA財団(旧 高度自動化技術財団{{R|アドバイザー}})
** 1991年度 - 業績表彰(本賞)「[https://doi.org/10.1299/kikaic.56.3311 動的再構成可能ロボットシステムに関する研究 第4報]」{{R|FA業績表彰}}{{Efn2|受賞論文 - 福田敏男、川内陽志生、[[淺間一]]「[https://doi.org/10.1299/kikaic.56.3311 動的再構成可能ロボットシステムに関する研究 : 第4報, 分散知能システムとしてのCellular Robotics(CEBOT)の通信量と知識量による解析と評価]」『日本機械学会論文集C編』第56巻第532号、1990年、3311-3318頁{{R|FA業績表彰}}。}}
** 2003年度 - 論文賞「[https://doi.org/10.1541/ieejias.120.1433 高精度位置検出器における同期検波回路]」{{R|FA論文賞}}{{Efn2|受賞論文 - 溝口正信、松川忠裕、竹内克佳、福田敏男「[https://doi.org/10.1541/ieejias.120.1433 高精度位置検出器における同期検波回路]」『電気学会論文誌D』第120巻第12号、2000年、1433-1439頁{{R|FA論文賞}}。}}
** 2016年度 - 論文賞「[https://doi.org/10.7210/jrsj.33.362 受動調芯原理を利用したロボットマニピュレータによる自動精密はめあい]」{{R|FA論文賞}}{{Efn2|受賞論文 - 高橋淳二、福川智哉、福田敏男「[https://doi.org/10.7210/jrsj.33.362 受動調芯原理を利用したロボットマニピュレータによる自動精密はめあい]」『日本ロボット学会誌』第33巻第5号、2015年、362-369頁{{R|FA論文賞}}。}}

* [[グッドデザイン賞]]
** 2006年度 - ユニバーサルデザイン賞(医療トレーニング・評価用の超精密血管内手術シミュレータ「EVE(イブ)」){{R|GD2006}}
** 2019年度 - グッドデザイン賞(バイオニックブレイン - 脳外科医のための手術トレーニングシステム){{R|GD2019}}

(その他)
* 2002年度 - [[フンボルト賞]]([[アレクサンダー・フォン・フンボルト財団]]){{R|高等研究院}}
* 2005年度 - [[文部科学大臣表彰]]科学技術賞{{R|60周年}}
* 2007年度 - 「今年のロボット」大賞2007優秀賞「血管内手術の技術トレーニングのための超精密人体ロボット イブ」{{R|ロボット大賞2007}}{{Efn2|受賞者 - ファイン・バイオメディカル有限会社、名古屋大学{{R|ロボット大賞2007}}。}}
* 2013年度 - 第11回[[産学官連携功労者表彰]]文部科学大臣賞「血管内治療の技術トレーニングのためのテーラーメイド超精密手術シミュレータの開発」{{R|産学官2013}}
* 2014年度 - 中国政府友誼賞([[中華人民共和国]]政府){{Sfn|福田|2018|p=3}}{{R|市川2019}}
* 2019年度 - [[中日文化賞]]「ロボット工学の先進的研究と応用」([[中日新聞社]]){{R|中日2019|鎌倉2020}}

=== 栄典 ===
* 2015年度 - 「ロボット工学研究功績」により[[褒章#紫綬褒章|紫綬褒章]]を受章{{Sfn|新井|2015}}


== 著書 ==
== 著書 ==
=== 単著 ===
単著
* 『極限作業用知能ロボット-メインテナンス・ロボットを中心として-([[マグロウヒルブック]][[1986年]])
*『極限作業用知能ロボットメインテナンス・ロボットを中心として』 マグロウヒルブック、1986年3月、{{ISBN2|4895010678}}
*『鉄腕アトムのロボット学』 [[集英社]]、2003年4月、ISBN {{ISBNT|4087812731}}。
* 『インテリジェントシステム-適応・学習・進化システムと計算機知能-』([[昭晃堂]]、2000年)
* 『鉄腕アトムのロボット学』([[集英社]]、[[2003年]])
=== 共著 ===
* 『夢のマイクロロボット』(([[光岡豊一]]との共著、[[オーム社]] <[[テクノライフ選書]]> 、[[1995年]])
* 『ファジイロボット-インテリジェントシステムのためのソフトコンピューティング-』(([[柴田崇徳]]との共著、[[朝倉書店]] <[[ソフトコンピューティングシリーズ(5)]]> 、[[1997年]])
=== 編著 ===
* 『人工生命の近未来-新たな生をつくるテクノロジー-』([[柴田崇徳]]との編著、[[時事通信社]]、[[1994年]])
=== その他 ===
*福田敏男監修 『ぼくらのともだち ロボット大図鑑-だれでもロボット博士になれる-』([[PHP研究所]]、 [[2001年]])


(共著)
==脚注==
*『[https://doi.org/10.1142/2080 Cellular robotics and micro robotic systems]』 World Scientific〈World Scientific series in robotics and automated systems vol. 10〉、1994年、{{ISBN2|981021457X}}。- T. Ueyamaとの共著。
*『夢のマイクロロボット』 [[オーム社]]〈テクノライフ選書〉、1995年9月、ISBN {{ISBNT|4274022978}}。- [[光岡豊一]]との共著
*『ファジィロボット ― インテリジェントシステムのためのソフトコンピューティング』 [[日本ファジィ学会]]編、[[朝倉書店]]〈ソフトコンピューティングシリーズ 8〉、1997年4月、ISBN {{ISBNT|4254209975}}。- [[柴田崇徳]]との共著
*『Multi-locomotion robotic systems : new concepts of bio-inspired robotics』 Springer〈Springer tracts in advanced robotics 81〉、2012年、ISBN {{ISBNT|9783642301346}}。- Yasuhisa Hasegawa, Kosuke Sekiyama, Tadayoshi Aoyamaとの共著。
* {{Wikicite|ref={{Sfnref|上出ほか共編|2019}} |reference=『今日、僕の家にロボットが来た。 ― 未来に安心をもたらすロボット幸学との出会い』 [[北大路書房]]、2019年9月、ISBN {{ISBNT|9784762830792}}。- [[上出寛子]]、{{仮リンク|新井健生|en|Tatsuo Arai}}との共編著}}

(編集)
*『Precision sensors, actuators, and systems』Kluwer Academic Solid mechanics and its applications v. 17、1992年、{{ISBN2|0792320158}}。- H.S. Tzouとの共編
*『人工生命の近未来 ― 新たな生をつくるテクノロジー』 [[時事通信社]]、1994年10月、ISBN {{ISBNT|4788794306}}。- [[柴田崇徳]]との共編
*『Collective Robotics : First International Workshop, CRW'98, Paris, France, July 4-5, 1998 : proceedings』 Springer〈Lecture notes in computer science 1456 . Lecture notes in artificial intelligence〉、1998年、ISBN {{ISBNT|3540647686}}。- Alexis Drogoul、Milind Tambeとの共編
*『Soft computing for intelligent robotic systems』 Physica-Verlag Studies in fuzziness and soft computing vol. 21、1998年、ISBN {{ISBNT|3790811475}}。- Lakhmi C. Jainとの共編
*『Soft computing in mechatronics』 Physica-Verlag Studies in fuzziness and soft computing v. 32、1999年、ISBN {{ISBNT|3790812129}}。- [[廣田薫|Kaoru Hirota]]との共編
*『インテリジェントシステム ― 適応・学習・進化システムと計算機知能』 [[昭晃堂]]、2000年10月、ISBN {{ISBNT|4785690585}}。- 編著
*『Systematic organisation of information in fuzzy systems』 IOS Press , Ohmsha c2003 NATO science series ser. 3 . Computer and Systems sciences ; v. 184、2003年、ISBN {{ISBNT|4274905462}}、{{ISBNT|158603295X}}。- Pedro Melo-Pinto、Horia-Nicolai Teodorescuとの共編
*『Microsurgery : advances, simulations, and applications』 Pan Stanford、2012年、ISBN {{ISBNT|9789814364690}}。- Carlos Terceroとの共編
*『Micro-nanorobotic manipulation systems and their applications』 Springer、2013年、ISBN {{ISBNT|9783642363900}}。- [[新井史人|Fumihito Arai]]、Masahiro Nakajimaとの共編
*『Micro-nano mechatronics : new trends in material, measurement, control, manufacturing and their applications in biomedical engineering』 InTech、2013年、ISBN {{ISBNT|9789535111047}}。- Tomohide Niimi、oro Obinataとの共編

(監修)
*『ぼくらのともだちロボット大図鑑 ― だれでもロボット博士になれる』 [[PHP研究所]]、2001年9月、{{ISBN2|4569683002}}。- 福田敏男 監修
*『細胞分離・操作技術の最前線』 [[シーエムシー出版]]、2008年4月、ISBN {{ISBNT|9784781300047}}。- 福田敏男、新井史人 監修
*『細胞分離・操作技術の最前線』 シーエムシー出版〈普及版 CMCテクニカルライブラリー 535 . バイオテクノロジーシリーズ〉、2015年4月、ISBN {{ISBNT|9784781310121}}。- 福田敏男、新井史人 監修

(分担執筆)
*『人工現実感の設計 ― 究極のインタフェースを求めて』 [[佐藤誠 (工学者)|佐藤誠]]編、[[培風館]]〈バーチャルリアリティの基礎 2〉、2000年2月、{{ISBN2|4563015326}}{{Efn2|[[舘暲]] 監修・編集、[[佐藤誠 (工学者)|佐藤誠]] 編集。[[舘暲]]、畑田豐彦、山崎芳男、[[岩田洋夫]]、黒川隆夫、[[石川正俊]]、河原哲夫、阿部圭一、林部敬吉、中谷広正、辻敬一郎、東山篤規、[[苧阪直行]]、久米祐一郎、原田哲也、福田敏男、[[橋本秀紀]]、谷内田正彦、[[光石衛]]、[[吉川恒夫]]、河原達也 共著。({{NCID|BA46104904}})}}。

== 主な著作 ==
=== 学位論文 ===
* {{Wikicite|ref={{Sfnref|福田|1977}} |reference=『Malfunction diagnosis and application of stable adaptive schemes for a nuclear reactor system』東京大学博士学位論文〈甲第4239号〉、1977年3月29日、{{NAID|500000297644}}。}}{{Efn2|日本語題名『原子炉システムの異常診断と安定な適応則の応用』。}}

=== 総合論文 ===
*「[https://doi.org/10.7210/jrsj.12.116 セル構造化ロボットシステムに関する研究 ― 適応性, 自己組織性, 自己進化性のあるロボットを目指して ―]」『日本ロボット学会誌』第12巻第1号、1994年、116-132頁。- 川内陽志生、稲葉忠との共著
*「[https://doi.org/10.7210/jrsj.14.720 空調用吹出空気検査自動化のための風量検査ロボットの試作・評価実験]」『日本ロボット学会誌』第14巻第5号、1996年、720-732頁。- 伊藤茂則、[[新井史人]]、阿部靖則、田中幸悦、田中祥夫との共著

=== 技術解説 ===
(安全・信頼性)
*「[https://doi.org/10.11499/sicejl1962.22.87 故障診断]」『計測と制御』第22巻第1号、1983年、87-92頁。
*「[https://doi.org/10.1299/jsmemag.89.815_1169 故障診断用エキスパートシステム]」『日本機械学会誌』第89巻第815号、1986年、1169-1173頁。
*「[https://doi.org/10.1299/jsmemag.90.827_1319 ソフトウェアプログラム設計,作成支援システム]」『日本機械学会誌』第90巻第827号、1987年、1319-1324頁。

(メンテナンスロボット)
* {{Wikicite|ref={{Sfnref|福田|1986}} |reference=「[https://doi.org/10.7210/jrsj.4.506 検査ロボットの将来]」『日本ロボット学会誌』第4巻第5号、1986年、506-507頁。}}
*「[https://doi.org/10.7210/jrsj.4.536 プラント検査メインテナンスロボット]」『日本ロボット学会誌』第4巻第5号、1986年、536-539頁。
*「[https://doi.org/10.11348/reaj1979.10.51 ロボットによる自動検査]」『日本信頼性技術協会誌』第10巻第1号、1988年、51-64頁。
*「[https://doi.org/10.11499/sicejl1962.27.493 大規模構造物の保全技術とその自動化]」『計測と制御』第27巻第6号、1988年、493-496頁。
*「[https://doi.org/10.7210/jrsj.7.486 ロボットハンドの研究開発の現状と将来]」『日本ロボット学会誌』第7巻第5号、1989年、486-490頁。
*「[https://doi.org/10.1299/jsmemag.93.865_971 メンテナンスロボット]」『日本機械学会誌』第93巻第865号、1990年、971-976頁。
*「[https://doi.org/10.2493/jjspe.66.1862 ライフサイクルデザインにおけるメンテナンスの役割]」『精密工学会誌』第66巻第12号、2000年、1862-1865頁。- [[新井史人]]との共著

(インテリジェント制御)
*「[https://doi.org/10.11357/jsam1937.52.6_99 ニューラルネットワーク(基礎編)]」『農業機械学会誌』第52巻第6号、1990年、99-103頁。- [[柴田崇徳]]との共著
*「[https://doi.org/10.11357/jsam1937.53.103 ニューラルネットワーク(応用編)]」『農業機械学会誌』第53巻第1号、1991年、103-108頁。- 柴田崇徳との共著
*「[https://doi.org/10.11526/ieejjournal1888.111.8 ニューラルネットワーク技術]」『電気学会雑誌』第111巻第1号、1991年、8-13頁。- 柴田崇徳との共著
*「[https://doi.org/10.7210/jrsj.9.778 ニューラルネットワークを用いた位置・力の適応制御]」『日本ロボット学会誌』第9巻第6号、1991年、778-783頁。- 柴田崇徳との共著
* {{Wikicite|ref={{Sfnref|柴田・福田|1993}} |reference=「[https://doi.org/10.7210/jrsj.11.1111 階層行動アーキテクチャ ― 適応と学習によるシステムの最適化 ―]」『日本ロボット学会誌』第11巻第8号、1993年、1111-1117頁。- 柴田崇徳との共著}}
*「[https://doi.org/10.3951/sobim.18.129 ロボットの知的制御方法]」『バイオメカニズム学会誌』第18巻第3号、1994年、129-135頁。- 下島康嗣との共著
*「[https://doi.org/10.7210/jrsj.15.667 ロボティクスにおける創発と進化 ― 進化的計算手法とロボティクス]」『日本ロボット学会誌』第15巻第5号、1997年、667-670頁。- 久保田直行との共著

(マイクロ・医療ロボティクス)
*「[https://doi.org/10.2493/jjspe.56.251 バイオ分野における視覚認識技術]」『精密工学会誌』第56巻第2号、1990年、251-254頁。- [[長谷川修]]との共著
*「[https://doi.org/10.11499/sicejl1962.31.142 マイクロマシンにおけるこれからの制御技術]」『計測と制御』第31巻第1号、1992年、142-145頁{{Efn2|共著者 - 福田敏男、[[小菅一弘]]、[[新井史人]]、[[藤吉基弘]]。}}
*「[https://doi.org/10.1299/jsmemag.96.899_868 マイクロアクチュエータの最近の動向]」『日本機械学会誌』第96巻第899号、1993年、868-871頁。- [[新井史人]]との共著
*「[https://doi.org/10.7210/jrsj.12.531 マイクロマシンの自律分散制御]」『日本ロボット学会誌』第12巻第4号、1994年、531-536頁。- [[石原秀則]]との共著
*「[https://doi.org/10.2493/jjspe.60.1703 超磁歪マイクロ移動ロボット]」『精密工学会誌』第60巻第12号、1994年、1703-1704頁。- 新井史人との共著
*「[https://doi.org/10.3156/jfuzzy.7.6_1104 マルチメディアとロボット技術]」『日本ファジィ学会誌』第7巻第6号、1995年、1104-1113頁。- 新井史人との共著。
*「[https://doi.org/10.7210/jrsj.25.174 システム細胞工学とロボティクス]」『日本ロボット学会誌』第25巻第2号、2007年、174-177頁。
*「[https://doi.org/10.11499/sicejl1962.37.51 マルチメディア遠隔医療]」『計測と制御』第37巻第1号、1998年、51-54頁。- 新井史人との共著
*「[http://hdl.handle.net/2237/11174 Bringing the nanolaboratory inside electron microscopes]」『Nanotechnology Magazine, IEEE』第2巻第2号、2008年6月、18-31頁、{{NAID|120001101525}}。{{en icon}}{{Efn2|著者 - FUKUDA TOSHIO, NAKAJIMA MASAHIRO, LIU POU and AHMAD MOHD RIDZUAN。({{NAID|120001101525}})}}

(分散・ネットワークロボット)
*「[https://doi.org/10.7210/jrsj.10.329 分散型ロボットシステム ― 通信量からみたシステム組織の集中と分散 ―]」『日本ロボット学会誌』第10巻第3号、1992年、329-333頁。- 植山剛との共著
*「[https://doi.org/10.11499/sicejl1962.31.1137 マルチモジュールロボット ― 自己組織化ロボットを中心に ―]」『計測と制御』第31巻第11号、1992年、1137-1142頁。- 植山剛との共著
*「[https://doi.org/10.7210/jrsj.12.780 ネットワーク型ロボットシステム ― インテリジェントコミュニケーションを目指して ―]」『日本ロボット学会誌』第12巻第6号、1994年、780-784頁。- 関山浩介との共著
*「[https://doi.org/10.11499/sicejl1962.40.22 21世紀のロボット工学 ― ユビキタスロボットを目指して ―]」『計測と制御』第40巻第1号、2001年、22-24頁。
*「[https://doi.org/10.7210/jrsj.21.847 モジュラーロボット ― モジュール型二次元搬送システム ―]」『日本ロボット学会誌』第21巻第8号、2003年、847-850頁。- 高川功、関山浩介との共著

(その他)
*「[https://doi.org/10.2493/jjspe.54.838 柔軟構造のメカニズムと制御]」『精密工学会誌』第54巻第5号、1988年、838-842頁。
*「[https://doi.org/10.2493/jjspe.55.1189 コンプライアンス制御と柔軟接触問題]」『精密工学会誌』第55巻第7号、1989年、1189-1193頁。- [[谷江和雄]]との共著
*「[https://doi.org/10.7210/jrsj.13.916 室内作業移動型ロボット ― 建設作業ヘの応用 ―]」『日本ロボット学会誌』第13巻第7号、1995年、916-919頁。{{Efn2|著者 - 福田敏男、下島康嗣、阿部靖則、田中幸悦、田中祥夫。({{DOI|10.7210/jrsj.13.916}})}}

=== 講演録・回想・展望など ===
(講演録)
* {{Wikicite|ref={{Sfnref|福田・三好|2015}} |reference=「[https://doi.org/10.11499/sicejl.54.874 自動化機器部会から知能ロボットとシステムへ]」『計測と制御』第54巻第12号、2015年、874-877頁(講演 - 福田敏男、編集担当 - 三好孝典)。}}

(ロボティクスや研究開発について)
* {{Wikicite|ref={{Sfnref|福田|1990}} |reference=「[https://doi.org/10.7210/jrsj.8.87 外国のロボット研究プロジェクトの現況]」『日本ロボット学会誌』第8巻第1号、1990年、87-91頁。}}
* {{Wikicite|ref={{Sfnref|福田|1994}} |reference=「[https://doi.org/10.2493/jjspe.60.20 ロボティクスの研究と手法]」『精密工学会誌』第60巻第1号、1994年、20-22頁。}}
*「[http://journal.vrsj.org/1-1/s80-82.pdf 福田研究室 名古屋大学大学院工学研究科マイクロシステム工学専攻]」『日本バーチャルリアリティ学会誌』第1巻、1996年12月、81-83頁。
* {{Wikicite|ref={{Sfnref|福田|2006}} |reference=「[https://doi.org/10.7210/jrsj.24.333 ロボットと私の研究ノート]」『日本ロボット学会誌』第24巻第3号、2006年、333-337頁。}}

(回想、提言、寄稿)
* {{Wikicite|ref={{Sfnref|福田|1993}} |reference=「[http://www.mmc.or.jp/info/magazine/PDF01-34j/micromachine-0405.pdf マイクロマシン国際シンポジウム ― 第4回目を迎えて ―]」『マイクロマシン』第4/5号、財団法人マイクロマシンセンター、1993年10月、3-5頁。}}
* {{Wikicite|ref={{Sfnref|福田|2005}} |reference=「[https://doi.org/10.3156/jsoft.17.138 寺野寿郎先生とファジィ研究事始]」『知能と情報』第17巻第2号、2005年、138-139頁。}}
*「[https://doi.org/10.5363/tits.6.3_82 未来のインテリジェントな生活ライフをめざした第26回IECON会議]」『学術の動向』第6巻第3号、2001年、82-85頁。- [[原島文雄]]との共著。
* {{Wikicite|ref={{Sfnref|福田|2009}} |reference=「[https://doi.org/10.3156/jsoft.21.6_919 ― 歴代会長からのメッセージ ー オンザロックから生まれるソフトコンピューティング]」『知能と情報』第21巻第6号、2009年、919-928頁。}}
* {{Wikicite|ref={{Sfnref|福田|2012}} |reference=「[http://www.jinzukai.com/file_upload/100167/_main/100167_01.pdf 特別寄稿 国際会議とヒューマンネットワーク]」『神通会会報』第44号、神通中学校・富山中部高等学校同窓会、2012年10月、1頁。}}
* {{Wikicite|ref={{Sfnref|福田|2018}} |reference=「[http://www.higashiyamakai.com/kaihou/h30/h30kaihou3-6.pdf 特別寄稿 福田敏男 名古屋大学名誉教授]」『平成30年度東山会会報』名古屋大学工学部機械系学科同窓会東山会、2018年、3-6頁。}}

== 脚注 ==
{{脚注ヘルプ}}
{{脚注ヘルプ}}
<references/>


== 関連項目 ==
=== 注釈 ===
{{Notelist2|2}}
* [[早稲田大学の人物一覧]]

{{Reflist}}
=== 出典 ===
{{Reflist|30em|refs=
<!-- name指定頭文字の数字順 -->

<ref name="111報">加賀智之、福田敏男「動的再構成可能ロボットシステムに関する研究 ― 第111報, 異種機能を有するロボット群における観測形態の形成 ―」『自律分散システム・シンポジウム資料』12、2000年、273-276頁、{{NAID|10015797012}}。</ref>
<ref name="2007論文賞">“[https://www.ieee-ras.org/awards-recognition/publications-awards/69-awards-recognition/society-awards/67-the-googol-best-new-application-paper-award-sponsored-by-googol-technology-hk-ltd IEEE Transactions on Automation Science and Engineering Best New Application Paper Award (Sponsored by Googol Technology Ltd)]”. IEEE Robotics and Automation Society. 2021年10月5日(UTC)閲覧。</ref>
<ref name="21世紀COEa">三矢保永「[https://www.nagoya-u.ac.jp/about-nu/public-relations/publication/upload_images/20031017.pdf 21世紀COEプログラム「情報社会を担うマイクロナノメカトロニクス」]」『名大トピックス』特別号、2003年10月17日、10-11頁。2021年10月24日(UTC)閲覧。</ref>
<ref name="21世紀COEb">“[https://www.jsps.go.jp/j-21coe/08_jigo/data/jigo_kekka/H10.pdf 21世紀COEプログラム 平成15年度採択拠点事業結果報告書]”. [[日本学術振興会]]. 2021年10月24日(UTC)閲覧。</ref>
<ref name="25周年">“[https://www.jsme.or.jp/rmd/Japanese/Awards/all.html 過去の受賞一覧(全年度)]”. 日本機械学会ロボティクス・メカトロニクス部門. 2021年10月23日(UTC)閲覧。</ref>
<ref name="60周年">“[https://www.ipsj.or.jp/60anv/kouen.html 60周年記念講演『IEEEの活動とこれからのヒューマンネットワークのあり方』]”. ''60周年記念事業''. [[情報処理学会]]. 2021年10月2日(UTC)閲覧。</ref>

<!-- name指定頭文字のアルファベット順 -->

<ref name="EAJ正会員">[https://www.eaj.or.jp/app-def/S-102/eaj/wp-content/uploads/2019/03/20190301-member.pdf 正会員 Japanese Members]”. 日本工学アカデミー. (2019年3月1日) 2021年10月5日(UTC)閲覧。</ref>
<ref name="EAJフォーラム">“[https://www.eaj.or.jp/?ai1ec_event=event-20190604f 第2回EAJフォーラム「これからの工学が果たすべき役割を考える」]”. 日本工学アカデミー. 2021年10月5日(UTC)閲覧。</ref>
<ref name="FA業績表彰">“[http://www.faf.or.jp/kakogyousekihyoushouH1-H13.pdf 過去の業績表彰者一覧(平成元年~平成 13 年)]”. 一般財団法人FA財団. 2021年10月23日(UTC)閲覧。</ref>
<ref name="FA論文賞">“[http://www.faf.or.jp/kakoronbunshouH14-.pdf 過去の「論文賞(含む特別賞)」一覧(平成14年から平成30年)]”. 一般財団法人FA財団. 2021年10月9日(UTC)閲覧。</ref>
<ref name="GCOE事後評価">文部科学省、日本学術振興会. “[https://www.mext.go.jp/component/b_menu/shingi/giji/__icsFiles/afieldfile/2018/05/22/1404674_29.pdf 平成26年度グローバルCOE]”. (中央教育審議会大学分科会大学院部会(第84回)H30年4月20日). [[文部科学省]]. (2018年5月22日) 2021年10月5日(UTC)閲覧。</ref>
<ref name="GD2006">“[https://www.g-mark.org/award/describe/32894 手術シミュレータ[テーラーメイド超精密手術シミュレータ 「イブ」]]”. ''2006年度 ユニバーサルデザイン賞''. グッドデザイン賞</ref>
<ref name="GD2019">“[https://www.g-mark.org/award/describe/49138 手術トレーニングシステム(モデル)[バイオニックブレイン]]”. ''2019年度 グッドデザイン賞''. [[グッドデザイン賞]]. 2021年10月2日(UTC)閲覧。</ref>
<ref name="IROS2006">{{Harvnb|福田|2006|pp=335-336}}</ref>
<ref name="ITmedia2003">“[https://www.itmedia.co.jp/news/0303/10/njbt_01.html エプソン、12.5グラムの超小型ロボット「ムッシュII-P」発表]”. ''ITmediaニュース''. (2003年3月10日) 2021年10月16日(UTC)閲覧。</ref>
<ref name="JRM">“[https://www.fujipress.jp/jrm/rb-about_ja/ JRMについて]”. 富士技術出版. 2021年10月31日閲覧。</ref>
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== 外部リンク ==
* [http://www.toshiofukuda.org/ Toshio FUKUDA] - 本人サイト
* {{Facebook|Toshio.Fukuda.IEEE|Toshio Fukuda for IEEE President-Elect}}
* [http://www.mein.nagoya-u.ac.jp/ja/index.html 名古屋大学知能ロボット学研究室] - 旧福田研究室

(研究者情報)
* {{研究者リゾルバー|1000070156785|cinii=1|irdb=1}} - [[科学研究費助成事業|科研費]]採択実績や[[researchmap]]などへのリンクもある。
* {{Google scholar id|xC4Xu5wAAAAJ}}
* [https://cir.nii.ac.jp/ja/all?q=福田敏男 福田敏男] - [[CiNii|CiNii Research]]
* {{DBLP|f/ToshioFukuda|Toshio Fukuda}}{{en icon}}

(開発ロボットの動画)
* {{YouTube|channel=UCJwZMsNxMYieXWTgCZt149A|RoboticsLab NagoyaUniv}}
* robonable1 (2010年9月18日). {{YouTube|UD0DIsKukoU|2007年度「優秀賞」公共部門 ファインバイオほか・イブ}}
*「[[#参考文献]]」節の{{Harvnb|フレキシブルロボットアーム|}}、{{Harvnb|ブラキエーション形移動ロボット|}}、{{Harvnb|非接触マイクロマニピュレーション|}}も参照。

(講演・インタビュー)
* {{YouTube|zE1iTLxOibE|GRASP Special Seminar: Toshio Fukuda - September 5th, 2017}}{{en icon}}
* WebsEdge Science (2019年11月5日). {{YouTube|Er506BykGRo|The Big Picture with IEEE - Prof. Toshio Fukuda}}{{en icon}}
* {{仮リンク|IEEE CT Society|label=IEEE CTSocTV|en|IEEE Consumer Technology Society}} (2020年2月12日). {{YouTube|MGZQh0Zt1ec|Interview with Toshio Fukuda, President of IEEE}}{{en icon}}
* Moonshot R&D Program (2021年5月6日). {{YouTube|JzmQQ9H3Ceg|【ムーンショット目標3】プログラム紹介 福田 敏男PD (名城大学 教授)}}
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2021年10月31日 (日) 06:35時点における版

福田 敏男ふくだ としお
人物情報
別名 CEBOTマン[1]
生誕 (1948-12-12) 1948年12月12日(75歳)[2][3]
富山県[4][5]
居住 日本の旗 日本愛知県名古屋市昭和区[6]
出身校 富山県立富山中部高等学校
早稲田大学
東京大学大学院工学系研究科
学問
研究分野 ロボット工学
研究機関 東京大学生産技術研究所
イエール大学
工業技術院機械技術研究所
シュトゥットガルト大学
東京理科大学
名古屋大学
サンターナ大学院大学イタリア語版
名城大学
北京理工大学
早稲田大学
博士課程指導教員 柴田碧[7][8]
指導教員 原文雄[9][10]
博士課程指導学生 課程博士 - 柴田崇徳[11] 植山剛[12] 川内陽志生[13] 下島康嗣[14] 石原秀則[15] 関山浩介[16] 久保田直行[17] 伊藤茂則[18] 高川功[19] 池田誠一[20] 松野隆幸[21]
論文博士 - 新井史人[22] 長谷川泰久[23]
総勢は100人を超える[24]
主な指導学生 小林宏[25]
学位 工学博士(東京大学)[7]
称号 名古屋大学名誉教授
中国科学院外籍院士
特筆すべき概念 マルチスケールロボティクス[26]
主な業績 セル構造化ロボットシステム(CEBOT)の提案、国際会議IROS英語版[注 1]やRo-manの立ち上げ、国際マイクロロボットメイズコンテスト創立、アジア人初のIEEE会長
主要な作品 ブラキエーションロボット、テーラーメイド超精密手術シミュレータ 「イブ」
影響を受けた人物 寺野寿郎[10] 谷江和雄[27] 山崎信寿[28] 原島文雄[29][30]
影響を与えた人物 新井健生英語版[31][32] 淺間一[33][25] 小菅一弘[24]
学会 IEEE、日本知能情報ファジィ学会、日本ロボット学会計測自動制御学会日本機械学会日本バーチャルリアリティ学会など
主な受賞歴 紫綬褒章
公式サイト
Toshio FUKUDA
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福田 敏男(ふくだ としお、1948年昭和23年〉12月12日[2][3] - )は、日本ロボット研究者東京大学工学博士[7]名古屋大学名誉教授[34]。セル構造化ロボットシステム「CEBOT」[35]やブラキエーションロボット[36]の提案者。IEEEではアジア人初の会長を務め[37][5][38]、国際会議IROS英語版[注 1]やRO-MANを創設[39]。名古屋大学で育てた博士は100人を超える[24][6]。日本知能情報ファジィ学会では会長も務め[40]、国際ロボットマイクロロボットメイズコンテストも創設した[41][42]。2015年紫綬褒章受章者[34]

工業技術院機械技術研究所研究員、東京理科大学講師、助教授、名古屋大学教授、名城大学教授、早稲田大学特任教授などを歴任[3][43]。専門はロボット工学 、マイクロ・ナノテクノロジーソフトコンピューティングで、故障診断や液面振動制御、フレキシブルアーム、自己組織化ロボットマイクロロボットなど多岐にわたる業績がある[34][35][26]。テーラーメイド超精密手術シミュレータ 「EVE(イブ)」も開発し[34][44]、研究室発ベンチャーの技術顧問も務める[45]

ヒューマンネットワークを唱え[46][37]、IEEEではNanotechnology Councilを創設し、Robotics & Automation Society英語版のPresidentや、Region 10やDivision XのDirectorを歴任[43][30]。IEEEとASMEによる論文誌『Transactions on Mechatronics』も創設し[34][30]、2020年にはIEEE会長を務めた[5][38]北京理工大学でも教授を務め[47][48]千人計画[49][50])、2017年には中国科学院外籍院士にも選出された[47][48]

来歴

生い立ち・学生時代

富山県生まれ[4]。幼少期は鉄腕アトムに憧れ、ラジオ製作やバイクの分解、アルコールランプによるおもちゃのタービン実験などをしたと語っている[5][51]。高校は富山県立富山中部高等学校に通い、同校の英会話教育が後の留学や国際会議での活動に寄与したという[52]早稲田大学理工学部機械工学科に進学し、1971年3月に卒業[3][34]。早稲田大学では加藤一郎土屋喜一の授業を受けた[37]

大学院生時代

東京大学大学院工学系研究科産業機械工学専攻に進学し[3]、耐震や原子炉の安全を研究していた柴田碧の研究室に所属する[53][54]。柴田からは研究テーマを与えられず自分で調査検討することになったが、それによって研究者として鍛えられたと述懐している[55][54]。学会で企業の人と話し合っているうちに浮かんだアイデアを発展させ、後の博士論文の元になったという[56]

1973年3月に修士課程を修了し[3]、博士後期課程に進学[57]。1973年6月からアメリカ合衆国イェール大学大学院へ留学[3]。ナレンドラ教授のもとで適応制御英語版に関する研究に取り組む[58]。柴田から日本とアメリカのどちらで就職するか問われ[59]、1975年6月に帰国[3]。柴田が申請していた奨学金を帰国前に送ってくれたため、福田は帰国前の2か月間にヨーロッパを巡っている[59]。なお、イェール大学には単位互換制度の1期生として留学していたが、2年間のうち1年は休学扱いになったという[59]

帰国後にファジィ理論の輪講が始まり、柴田研究室出身の原文雄[53]らも顧問として参加していた[10][8]。さらに柴田碧研究室と東京工業大学(東工大)の寺野寿郎研究室で相互開催された「あいまいシステム研究会」にも参加[10][8]。研究会の内容は官能検査や法律問題にも及んだという[10]。福田は寺野の人柄に触れるとともに、当時東工大飯野研究室に在籍していた廣田薫と交流を持つ[10]

福田は原子炉における異常発生の判定に因子分析を用い、カルマンフィルタによって発生個所を推定する手法を提案[60]日本機械学会に投稿した1977年の論文の討論では、「複雑な系である原子炉の過渡状態を解析して、迅速に異常を判定する方法は極めて有用」と評価された[60]。博士論文のテーマは日本語で『原子炉システムの異常診断と安定な適応則の応用』というもので[7]、1977年3月に博士課程を修了して工学博士の学位を取得する[3][7]

機械技術研究所、東京理科大学時代

1977年4月、通商産業省工業技術院機械技術研究所研究員[3](後、主任研究員[61]。1979年10月には西ドイツシュトゥットガルト大学に留学(客員研究員、1981年1月まで)[3][61]。機械技術研究所では谷江和雄らの指導を受け[27]、大型プロジェクト「海底設計生産システム」では億単位の予算を使用したという[25]。1982年4月、東京理科大学工学部機械工学科講師に着任し、翌年4月には助教授[3]

ブラキエーションフランス語版で移動するテナガザル。生物の動画はこちらを、ロボットの動画はブラキエーション形移動ロボットを参照。

東京理科大学ではテナガザルのように雲梯を移動するブラキエーションロボットを提案し[62][25]皇居周辺の堀から持ち帰った水を顕微鏡で見たことがきっかけで、マイクロマニピュレータやマイクロロボットの研究を開始する[63][6]。また、フレキシブルロボットアームの振動抑制制御も実施[64][65]。2リンクアームでは単一質点モデルが多かったが福田は分布定数系モデルを構築し[66]、他の研究者にも用いられた[67]。モータ重心の偏心によるリンクの連成スピルオーバ現象も明らかにした[68]

さらに管内検査ロボットの研究[69]やパイプレスプラントの液体搬送ロボット(論文掲載は1990年)[70][71][72]にも取り組んだ。液体搬送ではバネ・質点モデルを適用し[70][72]、回転と傾動で液面の振動抑制を実現[71][72]適応制御英語版も適用した[73]。この間、1986年にはイェール大学客員助教授を務める[61]。客員助教授の招聘にあたって研究成果のまとめを求められ、福田は研究報告集を発行するようになる[63]

1987年には足を骨折し、入院したり松葉杖で歩いたりした[74]。そんな折に香港の学会に出向くが、そこで原島文雄から国際会議のノウハウを学ぶ[74]。さらに当時アメリカで流行していた研究[注 2]でなくても発表できる国際会議の開催を決意[74][27]。1988年に第1回目の国際会議IROSを東京理科大学で開催する[75][25][59][注 1]。なお、初開催にあたってはニューテクノロジー財団などから援助を受け[75]、第1回目以降も東芝日立製作所から支援を受けたという[25]

名古屋大学教授として

1989年4月に名古屋大学工学部機械工学第二学科教授に就任[61]。1992年4月に工学部機械情報システム工学科教授、1994年6月に大学院工学研究科マイクロシステム工学専攻教授(学部は機械情報システム工学科)、1997年4月に先端技術共同センター教授と変遷する[3]。なお、1990年9月から1995年3月の間に小菅一弘が助教授として着任[78]。小菅とは双腕マニピュレータで位置・力を直接ではなくコンプライアンスを制御する手法や[79]、タスクオリエンテッドな仮想ツールによる制御を開発した[80]

福田は1980年代後半からソフトコンピューティング手法を取り入れた研究を行っており[35]、ファジィ制御によるPID制御の保障[81]や、遺伝的アルゴリズムによるファジィルールの自動生成[82]などに取り組み、フレキシブルロボットアームにはニューラルネットワークを適用して非線形システムへの有効性を示している[83]。後にアザラシ型ロボット「パロ」を開発する柴田崇徳も教え子で[84]、共著の解説では行動型ロボットにおけるファジィやニューロ制御の進化に遺伝的アルゴリズムが適しているとした[85][86]

写真は1インチ以下サイズのマイクロロボット。1991年からの国際マイクロメイズロボットコンテスト[注 3]には1cm3のロボットが登場する[87][88]が、石原秀則と製作した教材は24×25×24mmサイズ[89]

1991年10月に名古屋で開催されたマイクロマシン国際シンポジウムにおいて、福田は「山登りマイクロメカニズム国際コンテスト」を開催[90][87][注 3]。翌年の1992年にも「国際マイクロロボットメイズコンテスト」として開催し[90]、以後毎年開催される[88][96][97]。福田は実行委員長を務め[41]石原秀則らとマイクロロボットを題材とするロボット教室にも取り組んだ[89][42]。福田はコンテストの自由に発想できる意義を説くとともに、「最後に必ずレポートを英文で書かせることが重要」と指摘している[42]

1993年にはイタリアのサンターナ大学院大学イタリア語版(Scuola Superiore S.Anna)の客員教授を務める[3]新菱冷熱工業とは風量検査ロボットの共同開発を行っており、ビジョンベースドな位置決めは海外でも評価されたと述懐している[56]。また、石川島播磨重工とは小菅一弘とともに油圧式のパラレルメカニズム英語版の共同研究を行い[98][99][25]三菱重工業とは位置検出器「Inductosyn」の改良に取り組んだ[100]。ブラキエーションロボットは全身12自由度のBrachiatorIIIに発展し[36]ディスカバリーチャンネルでも放映された[63]

名古屋大学時代における要職の歴任

2000年には福田の研究グループの成果をもとにした編著『インテリジェントシステム』が刊行され[101]、2003年には著書『鉄腕アトムのロボット学』が発刊[102]。2002年にはアレクサンダー・フォン・フンボルト財団よりフンボルト賞を授与され[103]、2003年度は「フンボルト財団研究賞教授」として活動した[103]

計測自動制御学会に新しい部門制が敷かれた際はシステムインテグレーション部門の部門長を務め[104]、2003年から2年間は廣田薫の後を受けて日本知能情報ファジィ学会の会長に就任した[8][40]。2002年には名古屋大学、東北大学産業技術総合研究所三井造船が連携するJSTプロジェクト 「環境適応型高性能対人地雷探知システムの研究開発」で研究代表を担当する[105]

レーザーにより微粒子を制御する光ピンセット。福田と新井史人らはレーザートラップ力を計測して操作反力を返すバイラテラル制御系を構築した[106]

一方で2002年に梅崎太造らと特定非営利活動法人ヒューマンウェア・ネットワーク推進機構を設立し、理事長に就任[107][108]。また、2003年に採択された名古屋大学の21世紀COEプログラム「情報社会を担うマイクロナノメカトロニクス」では当初サブリーダーを務め、途中からは拠点リーダーを担当する[109][110]。2005年に名古屋大学大学院工学研究科マイクロシステム工学専攻教授(機械理工学専攻併任)[3]

テーラーメイド超精密手術シミュレータ 「EVE」を開発し[34][111][44]、2005年には大学発ベンチャーとして[110][34]ファイン・バイオメディアル有限会社が設立されている(代表は博士後期課程に在学していた池田誠一[45][20][110])。「EVE」は2006年の愛・地球博のプロトタイプロボット展にも出展された[111]。2014年時点でアメリカ合衆国イタリア中華人民共和国大韓民国南アフリカ共和国に販売実績があるという[112]

また、2005-2009年度の科研費特定領域研究「マルチスケール操作によるシステム細胞工学」では領域代表を務め、A評価(研究領域の設定目的に照らして、十分な成果があった)を得る[113]。さらに2008年度に採択されたマイクロ・ナノシステム工学専攻が推進するグローバルCOEプログラム「マイクロ・ナノメカトロニクス教育研究拠点」では拠点リーダーを担当し、同プログラムは「設定された目的は概ね達成された」という事後評価を得ている[114]。2010年4月から2013年3月までは名古屋大学高等研究院の副院長も務めた[34]

名城大学時代

2013年3月で名古屋大学を定年退職し、4月には名誉教授に就任[34]。同年4月には名城大学理工学部メカトロニクス工学科教授に学科創設と同時に就任[115][51]。また、北京理工大学でも教授を務める[47][48]千人計画特別招聘教授[49][50])。2014年には日本機械学会のロボティクス・メカトロニクス部門の欧文誌として『ROBOMEC Jounarl』を創刊し、編集委員長を務める[116]。2015年には「ロボット工学研究功績」により紫綬褒章を受章し[34]、2016年1月にホテルナゴヤキャッスルで祝賀会が催された[115]。2015年時点で名古屋大学福田研究室で博士号を取得した学生は94名に及び[34]、2018年には101人に達している[24]

2018年にはIEEEの会長選挙に、理事会推薦ではなく会員から署名を集めて立候補[24][117]。福田は会員数の増加、会費見直し、財政の透明化改善などを掲げ、インターネット投票で2位に5千票以上の差をつけてトップとなり、次期会長に選出される[24]。この時、小菅一弘も副会長の一人に選出された[24]。2020年にはIEEEでアジア人で初めての会長職に就任[5](任期は1年[24])。また、同年8月には科学技術担当大臣竹本直一と対談している[118]

2021年1月にはU-18障害者も楽しめるe-sports協会「edge」の会長に就任[119]。2021年現在、早稲田大学特任教授[43]や名古屋大学未来社会創造機構ナノライフシステム研究所の客員教授[120]にも就任。科学技術振興機構ムーンショット型研究開発制度では目標3「2050年までに、AIとロボットの共進化により、自ら学習・行動し人と共生するロボットを実現」では構想ディレクターを務める[121]

人物・逸話

家族からの影響

妻からは「リターンなんてそういうケチなことを考えちゃいけない」「人が困っていたらやりなさい、ボランティアでやりなさい」と言われたという[122]。父親からの「実るほど頭が下がる稲穂かな」という言葉が忘れられないといい[123]、「この姿勢でいると、自然と「ヒューマンネットワーク」も築かれる。夢中になればいつの間にか周りに人がいる。人がいるから、つながるからこそ必ず面白い何かが起こる。」と語っている[123]

国際的な学会活動

「アクティブな人」として知られ[124]、37から38歳の時に原島文雄と設立したIROS英語版[29][56][59]を、ICRA英語版と並ぶロボティクスのトップカンファレンスに育て上げた[125][39]。ヒューマンリレーションシップ[56]やヒューマンネットワーク[37]を唱え、IROS設立にあたっては富山の薬売りを参考に「信用を得るには自分が動かなくちゃいけない」という精神で取り組んだという[126]

外国人からは「トシ」や「トーシオ」と呼ばれるといい[122]、世界中の乾杯の音頭を知っていると語っている[122]。日本では外国の研究者を銭湯に連れて行ったり、自宅に招いて狭いながらもパーティで応対していた[122]。寿司と妻による簡単な料理程度の飲み会で、後片付けの皿洗いは福田自身でやっていたという[122]。福田は「逆に相手から呼ばれれば時間がある限り行きます。そしてリターンを求めない。短い時間しかいられなくてもできる限り自分が行く。そこに「自分がいる」ということが重要」と説く[122]

名古屋大学で総長を務めた濵口道成からは、世界を飛び回るために大学より仁川国際空港で会う方が多いと言われ[24]、栢森情報科学振興財団の理事長は、福田から「私の住所は飛行機の中」と言われたいう[115]。また、生田幸士によると福田は元気のない若手に学会の仕事を与えて励ましていたといい[115]豊田工業大学学長を務めた榊裕之は「非凡な意欲とエネルギー」で通常は難しい教育研究と学会運営を両立させていると評価している[24]

教育研究と人材育成

福田は「研究の原動力は何かというと、人と会って「何か面白いことをやろう」と思う好奇心」と語る[122]。夢中になると朝まで研究にのめりこむといい、教授になってからも学生と研究の話を朝までやっていたという[37]。学生からは変わった先生と言われることもあったが、名古屋大学では博士課程まで行くことを勧めていたといい[37][51]、2018年の時点で101名に達している[24]藤江正克は福田を「研究と教育がセットでできている人」と評価した[115]

講演ではロボットにはセレンディピティがあって教材向きと語っている[42]。自身が設立した「国際ロボットメイズコンテスト」の実行委員長を務め[88][96][41]、マイクロロボットを題材とするロボット教室にも取り組んだ[89][42]。国際ロボフェスタ協会の理事や[127][注 4]日本ロボット学会ロボット教育研究専門委員会の委員も務めた[128]。2021年にはU-18 障害者でも楽しめる e-sports協会の会長にも就任している[119]

研究の広がりと研究姿勢

研究業績として、紫綬褒章受章の2015年時に論文は795件、国際会議の発表は1250件に及んだ[34]。研究領域は大規模システムからマイクロ・ナノテクノロジーに及び、マルチスケールロボティクスを提唱した[35][26]。研究テーマの選定に対して「実用一辺倒だけでなく、「実用性(と思えるところ)」と「基礎性(長続きするところ)」が大切」とし、企業とロボットを研究開発する際にも「1台作って「終わり」ではなく、それから、その問題点を見い出し、整理し、体系化することが重要」と説く[129]

福田はメンテナスロボットの開発時に同じ設計を何度も繰り返すことからモジュラーロボット、自己組織化ロボットの研究を開始[1]。「動的再構成可能ロボットシステムに関する研究」という学会発表は100報を超え[25][130]、2000年に第111報に及んだ[130][注 5]。2003年にはモジュラーロボットの研究情勢について、「現実の問題を理解し、ハードウェアの伴った良い理論的研究が少ない」「ハードウェア的に不可能な仮定の下に、いくら良い理論を作ってもしょうがありません」と記している[133]

学会発表について「相手を納得させることのできる発表をした後、質問が飛びかい、発表後も、質問者が来て討議し、次回の論文招待等のおさそいを受ける程、用意周到に準備することが次の「自信」をつけるポジティブフィードバックとなりうる」と説く[129]。また、日本人は論理的な批判ではなく人間性を批判しているように受け止めることが多いと指摘し[129][55]、2019年のインタビューでは「国内会議で質問する際にはあまり嫌がられないように気を使っている」と語っている[55]

主な社会的活動

(学術団体)

(アカデミー)

(その他)

  • 国際マイクロロボットメイズコンテスト - 実行委員長(1992年 - )[143][88][41]
  • 特定非営利活動法人 国際ロボフェスタ協会[注 4] - 理事[127]
  • 特定非営利活動法人 ヒューマンウェア・ネットワーク推進機構 - 理事長(2002年 - )[145][107]
  • U-18 障害者でも楽しめる e-sports協会 - 会長(2021年 - )[119]
  • ファイン・バイオメディカル有限会社 - 技術顧問[45]

受賞・栄典

主な受賞歴

  • IEEE
    • 2000年 - Third Millennium Medal[146]
    • 2004年 - Pioneer in Robotics and Automation Award[43][147][注 6]
    • 2005年 - Robotics and Automation Society Distinguished Service Award[43][148][注 7]
    • 2007年 - IEEE Transactions on Automation Science and Engineering Best New Application Paper Award[149][注 8]
    • 2010年 - Robotics and Automation Technical Field Award[43][150][注 9]
  • グッドデザイン賞
    • 2006年度 - ユニバーサルデザイン賞(医療トレーニング・評価用の超精密血管内手術シミュレータ「EVE(イブ)」)[44]
    • 2019年度 - グッドデザイン賞(バイオニックブレイン - 脳外科医のための手術トレーニングシステム)[158]

(その他)

栄典

  • 2015年度 - 「ロボット工学研究功績」により紫綬褒章を受章[34]

著書

(単著)

  • 『極限作業用知能ロボット ― メインテナンス・ロボットを中心として』 マグロウヒルブック、1986年3月、ISBN 4895010678
  • 『鉄腕アトムのロボット学』 集英社、2003年4月、ISBN 4087812731

(共著)

  • Cellular robotics and micro robotic systems』 World Scientific〈World Scientific series in robotics and automated systems vol. 10〉、1994年、ISBN 981021457X。- T. Ueyamaとの共著。
  • 『夢のマイクロロボット』 オーム社〈テクノライフ選書〉、1995年9月、ISBN 4274022978。- 光岡豊一との共著
  • 『ファジィロボット ― インテリジェントシステムのためのソフトコンピューティング』 日本ファジィ学会編、朝倉書店〈ソフトコンピューティングシリーズ 8〉、1997年4月、ISBN 4254209975。- 柴田崇徳との共著
  • 『Multi-locomotion robotic systems : new concepts of bio-inspired robotics』 Springer〈Springer tracts in advanced robotics 81〉、2012年、ISBN 9783642301346。- Yasuhisa Hasegawa, Kosuke Sekiyama, Tadayoshi Aoyamaとの共著。
  • 『今日、僕の家にロボットが来た。 ― 未来に安心をもたらすロボット幸学との出会い』 北大路書房、2019年9月、ISBN 9784762830792。- 上出寛子新井健生英語版との共編著

(編集)

  • 『Precision sensors, actuators, and systems』Kluwer Academic Solid mechanics and its applications v. 17、1992年、ISBN 0792320158。- H.S. Tzouとの共編
  • 『人工生命の近未来 ― 新たな生をつくるテクノロジー』 時事通信社、1994年10月、ISBN 4788794306。- 柴田崇徳との共編
  • 『Collective Robotics : First International Workshop, CRW'98, Paris, France, July 4-5, 1998 : proceedings』 Springer〈Lecture notes in computer science 1456 . Lecture notes in artificial intelligence〉、1998年、ISBN 3540647686。- Alexis Drogoul、Milind Tambeとの共編
  • 『Soft computing for intelligent robotic systems』 Physica-Verlag Studies in fuzziness and soft computing vol. 21、1998年、ISBN 3790811475。- Lakhmi C. Jainとの共編
  • 『Soft computing in mechatronics』 Physica-Verlag Studies in fuzziness and soft computing v. 32、1999年、ISBN 3790812129。- Kaoru Hirotaとの共編
  • 『インテリジェントシステム ― 適応・学習・進化システムと計算機知能』 昭晃堂、2000年10月、ISBN 4785690585。- 編著
  • 『Systematic organisation of information in fuzzy systems』 IOS Press , Ohmsha c2003 NATO science series ser. 3 . Computer and Systems sciences ; v. 184、2003年、ISBN 4274905462158603295X。- Pedro Melo-Pinto、Horia-Nicolai Teodorescuとの共編
  • 『Microsurgery : advances, simulations, and applications』 Pan Stanford、2012年、ISBN 9789814364690。- Carlos Terceroとの共編
  • 『Micro-nanorobotic manipulation systems and their applications』 Springer、2013年、ISBN 9783642363900。- Fumihito Arai、Masahiro Nakajimaとの共編
  • 『Micro-nano mechatronics : new trends in material, measurement, control, manufacturing and their applications in biomedical engineering』 InTech、2013年、ISBN 9789535111047。- Tomohide Niimi、oro Obinataとの共編

(監修)

  • 『ぼくらのともだちロボット大図鑑 ― だれでもロボット博士になれる』 PHP研究所、2001年9月、ISBN 4569683002。- 福田敏男 監修
  • 『細胞分離・操作技術の最前線』 シーエムシー出版、2008年4月、ISBN 9784781300047。- 福田敏男、新井史人 監修
  • 『細胞分離・操作技術の最前線』 シーエムシー出版〈普及版 CMCテクニカルライブラリー 535 . バイオテクノロジーシリーズ〉、2015年4月、ISBN 9784781310121。- 福田敏男、新井史人 監修

(分担執筆)

主な著作

学位論文

  • 『Malfunction diagnosis and application of stable adaptive schemes for a nuclear reactor system』東京大学博士学位論文〈甲第4239号〉、1977年3月29日、NAID 500000297644[注 20]

総合論文

技術解説

(安全・信頼性)

(メンテナンスロボット)

(インテリジェント制御)

(マイクロ・医療ロボティクス)

(分散・ネットワークロボット)

(その他)

講演録・回想・展望など

(講演録)

(ロボティクスや研究開発について)

(回想、提言、寄稿)

脚注

注釈

  1. ^ a b c 1988年の初回は「International Workshop on Intelligent Robots and Systems」として開催[75]。後に「International Conference on Inteligent Robots and Systems英語版」となるが[76][77]、略称はIROS[77]。日本語では「知能ロボットとシステムに関する国際会議」とされる[76]
  2. ^ PUMA英語版ミニコンコンピュータビジョンが揃った研究[74]や、マニピュレータ、移動ロボットの動作計画、ビジョンの3セッション[27]を挙げている。
  3. ^ a b 世界最小としてギネス認定されたエプソン社のロボット「ムッシュ」が出場した大会と知られる[91][92]。なお、1991年10月の「山登りマイクロメカニズム国際コンテスト」に先立ち、1990年3月の精密工学会春季大会で「山登りマイクロメカニズム製作コンテスト」が開催されている[93]東京工業大学林輝が主導したもので、東工大の大学院の授業「精密機械システム応用」で実施していたものが元になっていた[93]。林が委員長を務めるマイクロメカニズム研究専門委員会により精密工学会の春季大会で「小さな3ロボットのコンテスト」として継続開催され、2003年からは堀江三喜男が委員長を務める同学会のマイクロ/ナノシステム研究専門委員会が企画を担当した[94]。さらに2007年からは「国際マイクロメカニズムコンテスト」としてリニューアルされている[94][95]
  4. ^ a b ロボフェスタ協会は2021年で解散している[144]
  5. ^ 同名の論文「動的再構成可能ロボットシステムに関する研究」が日本機械学会論文集C編にも投稿されており、1989年に「第1報, セル間の自動接近・結合・分離制御実験」が[131]、1998年時点で「第29報, 形態再構成に起因する群の振る舞いの解析」が掲載されている[132]
  6. ^ 受賞理由 - "For pioneer contributions to the development of cellular/distributed robotics systems and micro/nano robotic systems"[147]
  7. ^ 受賞理由 - "For his outstanding contributions to the RAS Society and Conference Activities and his leadership in establishing and coordinating IROS conferences"[148]
  8. ^ 受賞論文 - Lixin Dong; Bradley J. Nelson; Toshio Fukuda; Fumihito Arai and Masahiro Nakajima (2006). “Toward Nanotube Linear Servomotors”. IEEE TRANSACTIONS ON AUTOMATION SCIENCE AND ENGINEERING 3 (3):228-235[149].
  9. ^ 受賞理由 - "For leadership and pioneering contributions to Intelligent Robotic Systems and Micro and Nano Robotic Systems"[150]
  10. ^ 受賞論文 - 新井史人、小川昌伸、福田敏男「バイラテラル制御による非接触マイクロマニピュレーション ─レーザマイクロマニピュレータによるマイクロツール制御─」『日本ロボット学会誌』第20巻第4号、417-424頁[106]
  11. ^ 受賞論文 - 松野隆幸、玉置大地、新井史人、福田敏男「トポロジカルモデルと結び目不変量を用いたマニピュレーションのためのロープの形状認識」『計測自動制御学会論文集』第41巻第4号、2005年、366-372頁[152]
  12. ^ 受賞者 - ファインバイオメディカル(有)池田誠一、名古屋大学 Carlos Rafael TERCERO VILLAGRAN、東北大学 新井史人、名古屋大学 福田敏男、藤田保健衛生大学 根来眞[152]
  13. ^ 受賞論文 - 「ATカット水晶振動子による小型荷重センサの設計と製作」『日本機械学会論文集C編』第75巻第755号、2009年、1989-1994頁[154]
  14. ^ 25周年部門功労表彰を受賞したのは福田以外に山藤和男谷江和雄[155]
  15. ^ 受賞論文 - 福田敏男、川内陽志生、淺間一動的再構成可能ロボットシステムに関する研究 : 第4報, 分散知能システムとしてのCellular Robotics(CEBOT)の通信量と知識量による解析と評価」『日本機械学会論文集C編』第56巻第532号、1990年、3311-3318頁[156]
  16. ^ 受賞論文 - 溝口正信、松川忠裕、竹内克佳、福田敏男「高精度位置検出器における同期検波回路」『電気学会論文誌D』第120巻第12号、2000年、1433-1439頁[157]
  17. ^ 受賞論文 - 高橋淳二、福川智哉、福田敏男「受動調芯原理を利用したロボットマニピュレータによる自動精密はめあい」『日本ロボット学会誌』第33巻第5号、2015年、362-369頁[157]
  18. ^ 受賞者 - ファイン・バイオメディカル有限会社、名古屋大学[159]
  19. ^ 舘暲 監修・編集、佐藤誠 編集。舘暲、畑田豐彦、山崎芳男、岩田洋夫、黒川隆夫、石川正俊、河原哲夫、阿部圭一、林部敬吉、中谷広正、辻敬一郎、東山篤規、苧阪直行、久米祐一郎、原田哲也、福田敏男、橋本秀紀、谷内田正彦、光石衛吉川恒夫、河原達也 共著。(NCID BA46104904
  20. ^ 日本語題名『原子炉システムの異常診断と安定な適応則の応用』。
  21. ^ 共著者 - 福田敏男、小菅一弘新井史人藤吉基弘
  22. ^ 著者 - FUKUDA TOSHIO, NAKAJIMA MASAHIRO, LIU POU and AHMAD MOHD RIDZUAN。(NAID 120001101525
  23. ^ 著者 - 福田敏男、下島康嗣、阿部靖則、田中幸悦、田中祥夫。(doi:10.7210/jrsj.13.916

出典

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  18. ^ 伊藤茂則『天井のランドマークを利用した視覚を有する自律移動ロボットのナビゲーションシステムに関する研究』名古屋大学博士学位論文〈甲第4061号〉、1998年3月25日、NAID 10.11501/3137846識別子"10.11501/3137846"は正しくありません。
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参考文献

外部リンク

(研究者情報)

(開発ロボットの動画)

(講演・インタビュー)

先代
廣田薫
日本知能情報ファジィ学会会長
2003年 - 2005年
次代
鬼沢武久