淺間一
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人物情報 | |
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生誕 |
1959年1月18日(65歳)[1] 北海道室蘭市[2] |
居住 | 日本 |
出身校 | 東京大学 |
学問 | |
研究分野 | ロボット工学 |
研究機関 |
理化学研究所 東京大学 |
博士課程指導教員 | 吉川弘之[3] |
博士課程指導学生 | 琴坂信哉[4]、新井義和[5]、安琪[6]、増山岳人[7]、李光輝[8]、池勇勳[9]、川妻伸二[10] |
学位 | 工学博士(東京大学)[3] |
主な業績 | 3自由度独立駆動全方向移動ロボット、なめらかオムニホイール |
影響を与えた人物 | 倉林大輔、大武美保子 |
学会 | IEEE、日本機械学会、日本ロボット学会、精密工学会ほか |
主な受賞歴 | グッドデザイン賞[11]、ファナックFAロボット財団論文賞[12]、日本機械学会賞(技術功績)[13] |
公式サイト | |
東京大学精密工学専攻淺間研究室 |
淺間 一(あさま はじめ、1959年(昭和34年)1月18日[1] - )は、日本のロボット工学者。工学博士(東京大学、1989年)[3]。理化学研究所研究員、東京大学人工物研究センター教授、同大学院工学系研究科教授[14]、IAS-Society会長[14]、国際自動制御連盟 (IFAC) 会長を歴任。保全マニピュレータや自律分散ロボット、全方向移動ロボット、サービス工学、災害・事故ロボット技術の研究開発に従事[3][15][16][17][18][19]。
理化学研究所では3自由度独立駆動全方向移動機構を開発し[20][21][22]、ロボカップ初期にチーム「UTTORI United[注釈 1]」で活躍[20][23][21]。独自の全方向移動車輪は淺間の関与する理研ベンチャー「ライテックス」などから商品化されている[24][25][26]。2005年から2009年の科研費特定領域「移動知」では領域代表を[27]、2011年の東日本大震災にあたって国内外のロボット研究者が立ち上げた「対災害ロボティクス・タスクフォース」ではチェアマンを務めた[28]。
履歴
[編集]略歴
[編集]- 1984年3月 - 東京大学大学院工学系研究科 修士課程修了[29]
- 1986年9月 - 理化学研究所 化学工学研究室 研究員補(後、研究員、副主任研究員)[1][29]
- 1989年9月 - 東京大学にて工学博士の学位を取得[3]
- 2002年
- 2009年11月 - 東京大学大学院工学研究科 教授[29]
主な受賞歴
[編集]- 日本機械学会 - 2009年度 船井賞[30]、2017年度 日本機械学会賞(技術功績)[13]
- 2002年 - 日本産業デザイン振興会グッドデザイン賞(新領域デザイン部門)「被災者探索レスキュー用データキャリア (Rescue IDC)」[11]
- 2006年 - ファナックFAロボット財団 論文賞[12][注釈 3]
社会的活動
[編集]- IFAC(国際自動制御連盟)- 会長(2020 - 2023年)[34]
- IAS-Society (International Society for Intelligent Autonomous Society) - 会長(2014年 - )[14][35]
- IEEE - フェロー[36]、Robotics and Automation Society AdCom member (2007-2009)
- 日本機械学会 - フェロー[29]、ロボティクス・メカトロニクス部門部門長(第85期)[37]
- 日本ロボット学会 - フェロー[29]、副会長(2011-2012年度)[38]、「対災害ロボティクス・タスクフォース」チェアマン[28]
- サービス学会 - 理事[14]
- 原子力委員会 - 福島第一原子力発電所における中長期措置検討専門部会 委員[40]
- 日本学術会議 - 第3部会員[41]
著書
[編集]- Hajime Asama, Toshio Fukuda, Tamio Arai, Isao Endo, ed (October 2013). Distributed Autonomous Robotic Systems. ISBN 978-4431682776. - 1994年初版の再版。
- Hajime Asama , Toshio Fukuda, Tamio Arai, Isao Endo, ed (October 2013). Distributed Autonomous Robotic Systems 2. ISBN 978-4431669449. - 1996年初版の再版。
- H. Asama, H. Inoue, ed (2002). Intelligent autonomous vehicles 2001 (IAV 2001) : a proceedings volume from the 4th IFAC Symposium, Sapporo, Japan, 5-7 September 2001. the International Federation of Automatic Control.
- Hajime Asama, T. Arai, T. Fukuda, T. Hasegawa, ed (July 2002). Distributed Autonomous Robotic Systems 5. Splinger. ISBN 978-4431703396.
- S. Yuta, H. Asama, S. Thrun, E. Prassler, T. Tsubouchi, ed (2006). Field and service robotics : recent advances in research and applications. Springer tracts in advanced robotics 24. Springer. ISBN 978-3540328018.
- Hajime Asama, Haruhisa Kurokawa, Jun Ota, Kosuke Sekiyama, ed (2009). Distributed Autonomous Robotic Systems 8. Springer. ISBN 978-3642006432.
- 淺間一、伊藤宏司 統括編集『シリーズ移動知(第1巻-第4巻)』オーム社、2010年[注釈 4]
著作
[編集]学位論文
[編集]- 『保全用マニピュレータ構成論』東京大学博士学位論文、乙第9403号、1989年9月20日、NAID 500000071689。
解説・総説
[編集]- 山下淳、淺間一、新井民夫、太田順、金子透「ロボットの移動機構に関する研究動向」『日本ロボット学会誌』第21巻第3号、2003年、282-292頁。
学会誌記事
[編集](自律ロボット、システム、知能)
- 「マルチエージェントロボットシステム研究の動向と展望」『日本ロボット学会誌』第10巻第4号、1992年、428-432頁。
- 「複数の移動ロボットによる協調行動と群知能」『計測と制御』第31巻第11号、1992年、1155-1161頁。
- 「群ロボットシステムにおける創発の実現」『計測と制御』第35巻第7号、1996年、545-549頁。
- 「移動知: 行動からの知能理解 ―構成論的観点と生物学的観点から―」『計測と制御』第44巻第9号、2005年、580-589頁。
- 「社会的適応行動とカースト機能のモデル化と工学応用」『計測と制御』第46巻第12号、2007年、910-915頁。
- 「Ant-like Robotへの反応拡散機構の導入」『コンピュータ ソフトウェア』第28巻第1号、2011年、116-126頁。
(ロボット工学、ロボット技術)
- 「軽航空機 (LTA) ロボティクス」『日本ロボット学会誌』第24巻第8号、2006年、901-905頁。
- 「座談会 成功へのロボットビジネス」『日本ロボット学会誌』第25巻第1号、2007年、67-75頁。
- 「最新のロボット技術とその研究開発動向」『エレクトロニクス実装学会誌』第19巻第6号、2016年、368-372頁。
- 「平成のロボット工学を振り返る ~ロボット技術開発の動向と今後の展望~」『精密工学会誌』第86巻第1号、2020年、23-27頁。
- 「ロボットの自律性」『学術の動向』第25巻第5号、2020年、28-29頁。
(サービス工学)
- 「サービス工学とシステム・インテグレーション」『計測と制御』第44巻第4号、2005年、278-283頁。
- 「サービス工学」『精密工学会誌』第75巻第1号、2009年、146-147頁。
- 「サービス工学とサービスロボティックス」『精密工学会誌』第78巻第3号、2012年、196-200頁。
- 「サービスロボット:人間・ロボット共存環境におけるサービスロボットの振る舞い」『精密工学会誌』第78巻第8号、2012年、666-669頁。
- 「サービスにおけるデータ・知識・情報」『サービソロジー』第4巻第4号、2018年、26-31頁。
(災害・事故対応)
- 「東日本大震災および福島第一原子力発電所事故におけるロボット技術の導入とその課題」『日本ロボット学会誌』第29巻、2011年。
- 「災害・事故対応に求められるロボット技術」『まてりあ』第51巻第4号、2012年、139-142頁。
- 「原子力発電所事故対応のための遠隔操作技術」『日本ロボット学会誌』第30巻第6号、2012年、588-591頁。
- 「災害時に活用可能なロボット技術の研究開発と運用システムの構築」『日本ロボット学会誌』第32巻第1号、2014年、37-41頁。
- 「建屋内遠隔除染技術の開発」『日本ロボット学会誌』第22巻第2号、2014年、122-124頁。
- 「超レジリエンスのためのロボット技術」『計測と制御』第57巻第2号、2018年、95-100頁。
- 「福島第一原子力発電所の廃炉におけるロボット技術の活用と今後の課題」『日本ロボット学会誌』第36巻第6号、2018年、380-383頁。
(その他)
- 「バイオプロセスの異常診断」『精密工学会誌』第56巻第2号、1990年、239-242頁。
- 「「わ」で拓くシステム制御の新展開」『計測と制御』第57巻第2号、2018年、69-72頁。
- 「活動紹介 IFACならびにIFAC Japan NMOの活動」『計測と制御』第57巻第2号、2018年、112-113頁。
技術
[編集]- 「3自由度独立駆動型全方向移動ロボットの開発」『日本ロボット学会誌』第14巻第2号、1996年、249-254頁[注釈 5]。
- 特許第3421290号『全方向移動車用車輪』- 発明者:淺間一、嘉悦早人、遠藤勲、佐藤雅俊、特許権者:理化学研究所[注釈 6]
脚注
[編集]注釈
[編集]- ^ 宇都宮大学、東洋大学、理化学研究所の連合チームでUTsunomiya、TOyo、RIkenが語源[23][21]。
- ^ a b 受賞講演 - 佐藤雅俊、嘉悦早人、尾崎功一、浅間一、松元明弘、遠藤勲「3自由度独立行動型全方向移動ロボットの設計開発」『日本機械学会ロボティクス・メカトロニクス部門講演会』1994年。[22]。
- ^ 受賞論文 - 平田泰久、小菅一弘、淺間一、嘉悦早人、川端邦明「キャスタ特性を有した複数の人間協調型異動ロボット(DR Helper)と人間との協調による単一物体の搬送」『日本ロボット学会誌』第21巻第7号、2003年、776-784頁。[12]。
- ^ 第1巻のISBNは9784274502767、第2巻は9784274502774、第3巻は9784274502781、第4巻は9784274502798。
- ^ 日本機械学会の部門講演会における発表で賞を受賞している[22][42][注釈 2]。
- ^ 本発明は理研ベンチャーのライテックス[25]や、ヴイストン[26]から商品化されている。ヴイストンの賞品名は「なめらかオムニホイール」[26]。
出典
[編集]- ^ a b c d 淺間 1992, p. 482.
- ^ “General Information”. Hajime Asama. 東京大学大学院工学系研究科精密工学専攻淺間研究室. 2016年5月3日閲覧。
- ^ a b c d e 浅間 1989.
- ^ 琴坂信哉『マニピュレータにおける機能適応性の研究』埼玉大学博士学位論文、乙第34号、1996年3月25日、NAID 500000133931。
- ^ 新井義和『群ロボット環境における自律的ナビゲーションに関する研究』埼玉大学博士学位論文、甲第210号、1998年3月25日、NAID 500000159818。
- ^ 安琪『Modeling and constructive understanding of human standing-up motion using muscle synergy』東京大学博士学位論文、甲第31011号、2014年9月26日、NAID 500000957544。
- ^ 増山岳人『行動経験の変換不変性に基づく移動ロボットの行動学習』東京大学博士学位論文、甲第29056号、2013年3月25日、NAID 500000582592。
- ^ 李光輝『Distributed task allocation and path planning in dynamic environment for multi-robot guidance system』東京大学博士学位論文(甲第30924号)、2014年9月1日、NAID 500000957658。
- ^ 池勇勳『RGB-D SLAM and automatic calibration of camera sensor network for mobile robotic applications in indoor environments』東京大学〈博士学位論文(甲第32503号)〉、2016年3月24日、NAID 500001053963。
- ^ 川妻伸二『原子力緊急時ロボットの運用方策構築に関する研究』東京大学博士学位論文、乙第18324号、2017年9月7日、NAID 500001361226。
- ^ a b “被災者探索レスキュー用データキャリア(Rescue IDC) 先端的、革新的技術とデザインの調和による人工物の開発” Good Design Award 日本デザイン振興会. 2020年9月25日閲覧。
- ^ a b c “過去の「論文賞(含む特別賞)」一覧(平成14年から平成26年)”一般財団法人FA財団、2016年5月2日閲覧。
- ^ a b “2017年度(平成29年度)日本機械学会賞受賞者”日本機械学会、2018年6月30日閲覧。
- ^ a b c d 淺間 2016, p. 376.
- ^ 多田隈建二郎「全方向移動・駆動機構」『日本ロボット学会誌』第29巻第6号、2011年7月、516-519頁。
- ^ a b 大武美保子、本間敬子、横井浩史、淺間一、新井民夫「Women in Robotics towards Human Science, Technology and Society at IAS-9」『日本ロボット学会誌』第24巻第5号、2006年、564-569頁。
- ^ a b c “ロボメカ部門推薦 フェロー受賞者紹介”日本機械学会ロボティクス・メカトロニクス部門(2004年5月13日)2016年5月2日閲覧。
- ^ 淺間 2012.
- ^ 淺間 2014.
- ^ a b Manuela Veloso, Enrico Pagello and Hiroaki Kitano ed. (2003). RoboCup-99: Robot Soccer World Cup III. Springer. p.16. ISBN 354045327X.
- ^ a b c “The Orient 2004”(PDF). 東洋大学松元研究室、2018年6月13日閲覧。
- ^ a b c d “過去の受賞一覧(年度別) 1995年度”部門賞、日本機械学会ロボティクス・メカトロニクス部門、2016年5月3日閲覧。
- ^ a b 浅野純也(2000年6月29日)“【RoboCupジャパンオープン2000 Vol.4】全方位カメラでロボットの“目”を強化――中型機リーグ編”2018年6月13日閲覧。
- ^ “開発体制”Robot Technology RITECS. 2018年6月12日閲覧。
- ^ a b “会社概要”Robot Technology RITECS. 2018年6月12日閲覧。
- ^ a b c “「なめらかオムニホイール」発売”(プレスリリース))株式会社ヴイストン(2014年6月6日)2018年6月12日閲覧。
- ^ “身体・脳・環境の相互作用による適応的運動機能の発現に関する総括研究”科学研究費助成事業データベース、2016年5月2日閲覧。
- ^ a b 中村仁彦「随想 東日本大震災と対災害ロボティクス・タスクフォース」、『日本ロボット学会誌』第30巻第10号、2012年、1010-1012頁。
- ^ a b c d e f 淺間 2014, p. 124.
- ^ “日本機械学会船井賞・船井特別賞受賞者一覧(2003年度~2009年度)”日本機械学会、2018年6月30日閲覧。
- ^ “過去の受賞一覧(年度別) 2001年度”部門賞、日本機械学会ロボティクス・メカトロニクス部門、2018年6月30日閲覧。
- ^ “過去の受賞一覧(年度別) 2009年度”部門賞、日本機械学会ロボティクス・メカトロニクス部門、2016年6月30日閲覧。
- ^ “過去の受賞一覧(年度別) 2016年度”部門賞、日本機械学会ロボティクス・メカトロニクス部門、2018年6月30日閲覧。
- ^ “President” IFAC. 2020年9月25日閲覧。
- ^ “Foundation of the IAS Society” IAS-Society. 2020年9月25日閲覧。
- ^ “【受賞・表彰】精密工学専攻 淺間一 教授が、IEEEのFellowに認定されました。”東京大学大学院工学系研究科(2018年1月18日)2018年6月14日閲覧。
- ^ 『ロボティクス・メカトロニクス部門ニュースレターNo.41』日本機械学会ロボティクス・メカトロニクス部門、2008年10月。2016年5月1日閲覧。
- ^ “歴代理事一覧”日本ロボット学会、2016年5月2日閲覧。
- ^ 藤井・淺間 1996, p. 549.
- ^ まてりあ 2012, p. 142.
- ^ 淺間 2020, p. 29.
- ^ 淺間一 (1999年10月29日). “3自由度独立駆動型全方向移動ロボットの開発”. 原子力基盤技術データベース データ番号:120011. 2016年5月3日閲覧。
外部リンク
[編集]- 東京大学精密工学専攻淺間研究室 - 研究室のサイト
- Hajime Asama - 淺間個人のページで、詳細な経歴や業績が記されている。
- 研究者情報(KAKEN、researchmap、J-GLOBAL)
- 文献情報(CiNii Research、IRDB、DBLP、Google Scholar)
(講演・インタビュー)
- NetScience Interview Mail Asama Hajime - 理化学研究所時代の1999年のインタビュー記事。
- TEDx Talks(2011年11月2日).Hajime ASAMA[淺間 一 - TEDxSeeds 2011 - YouTube
- NetrushNews(2013年8月12日)災害対応無人化システム研究開発プロジェクト - YouTube
- NetrushNews(2014年6月18日)技能教育サービスプロジェクト~未来のeラーニング 後編 - YouTube