「センダン」の版間の差分
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ノート:センダン#ヒマラヤは、熱帯・亜熱帯域に属するのか?を受けて、分布について加筆。書誌情報を整理。WP:ELにもとづき、外部リンクを1件除去。 タグ: 2017年版ソースエディター |
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|属 = [[センダン属]] {{Snamei|Melia|}} |
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|種 = '''センダン''' {{Snamei|M. azedarach}} |
|種 = '''センダン''' {{Snamei|M. azedarach}} |
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|学名 = {{Snamei||Melia azedarach}}<br /> {{AU|L.}} |
|学名 = {{Snamei||Melia azedarach}}<br /> {{AU|L.}}{{sfn|米倉|梶田|2017}}{{sfn|ITIS|n.d.}} |
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|author = [[米倉浩司]] |
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|coauthors = 梶田忠 |
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|year = 2003- |
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|url = http://bean.bio.chiba-u.jp/bgplants/ylist_main.html |
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|title = 「BG Plants 和名−学名インデックス」(YList) |
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|accessdate = 2011-11-19 |
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|deadurldate = 2017年9月 |
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}}</ref><ref>{{Cite web |url=http://www.itis.gov/servlet/SingleRpt/SingleRpt?search_topic=TSN&search_value=29024 |title=''Melia azedarach'' L. |publisher=[[ITIS]] |language=英語 |accessdate=2012-05-30}}</ref> |
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|シノニム = |
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* {{Snamei|Melia azedarach}} {{AU|L.}} var. {{Snamei|japonica}} ({{AU|G.Don}}) {{AU|Makino}} |
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* {{Snamei|Melia azedarach}} var. {{Snamei|umbraculifera}} {{AU|Knox}} |
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|和名 = センダン(栴檀)、オウチ(楝)、アミノキ |
|和名 = センダン(栴檀)、オウチ(楝)、アミノキ |
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|英名 = [[:en:chinaberry|chinaberry]] |
|英名 = [[:en:chinaberry|chinaberry]] |
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|下位分類名 = [[変種]]・[[品種]] |
|下位分類名 = [[変種]]・[[品種]] |
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|下位分類 = |
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* センダン(狭義){{Snamei|M. a.}} {{AU|L.}} var. {{Snamei|subtripinnata}} {{AU|Miq.}} |
* センダン(狭義){{Snamei|M. a.}} {{AU|L.}} var. {{Snamei|subtripinnata}} {{AU|Miq.}}{{sfn|米倉|梶田|2018}} |
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* トウセンダン {{Snamei|M. a.}} var. {{Snamei|toosendan}} |
* トウセンダン {{Snamei|M. a.}} var. {{Snamei|toosendan}} |
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* シロバナセンダン {{Snamei|M. a.}} f. {{Snamei|albiflora}} |
* シロバナセンダン {{Snamei|M. a.}} f. {{Snamei|albiflora}} |
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⚫ | '''センダン'''(栴檀、[[学名]]: {{Snamei|Melia azedarach}})は、[[センダン科]][[センダン属]]に[[生物の分類|分類]]される[[落葉高木]]の1[[種 (分類学)|種]]。別名として'''アフチ'''{{sfn|田中 |
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⚫ | '''センダン'''(栴檀、[[学名]]: {{Snamei|Melia azedarach}})は、[[センダン科]][[センダン属]]に[[生物の分類|分類]]される[[落葉高木]]の1[[種 (分類学)|種]]。別名として'''アフチ'''{{sfn|田中|2011|p=65}}、'''オオチ'''{{sfn|学習研究社|2000|p=37}}、'''オウチ'''{{sfn|鈴木|高橋|安延|2014|p=115}}、'''アミノキ'''などがある。[[薬用植物]]の一つとしても知られ、果実はしもやけ、樹皮は虫下し、葉は虫除けにするなど、薬用に重宝された{{sfn|田中|2011|p=65}}。 |
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== 分布・生育地 == |
== 分布・生育地 == |
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順応性の高い種であり<!--CABI-->、原産地の[[ヒマラヤ]]山麓{{efn2|標高1,800メートル以下。インドの[[ヒマーチャル・プラデーシュ州]] |
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[[ヒマラヤ]]、[[中国]]、[[台湾]]、[[朝鮮半島]]南部と[[日本]]{{sfn|林弥栄|2011|p=385}}の[[熱帯]]・[[亜熱帯]]域に自生する。日本では、[[本州]]([[伊豆半島]]以西)、[[伊豆諸島]]、[[四国]]、[[九州]]、[[沖縄]]に分布する{{sfn|田中潔|2011|p=65}}{{sfn|林弥栄|2011|p=385}}。 |
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では2,700メートル以下、[[パキスタン]]では700メートルから1,000メートル{{sfn|CABI|2019|loc=Environmental Requirements}}。}}<!--農業新聞-->のほか、[[中国]]・[[台湾]]・[[朝鮮半島]]南部および[[日本]]<!--林-->などの[[乾燥帯|乾燥]]した[[熱帯]]から[[温帯]]域{{efn2|気候指標は、夏季平均最高気温39度、冬期平均最低気温マイナス5度の範囲と推定される{{sfn|CABI|2019|loc=Environmental Requirements}}。}}<!--CABI-->に分布する{{sfn|林弥栄|2011|p=385}}{{sfn|CABI|2019|loc=Environmental Requirements}}{{sfn|日本農業新聞|2013}}。日本では、[[本州]]([[伊豆半島]]以西)、[[伊豆諸島]]、[[四国]]、[[九州]]、[[沖縄]]に分布する{{sfn|田中|2011|p=65}}{{sfn|林弥栄|2011|p=385}}。 |
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温暖な地域の、[[海岸]]近く{{sfn| |
温暖な地域の、[[海岸]]近く{{sfn|学習研究社|2000|p=37}}や[[森林]]辺縁に多く自生する。庭木や公園、寺院、街路樹にも植えられていて{{sfn|永岡書店|1997|p=182}}{{sfn|学習研究社|2000|p=37}}{{sfn|林将之|2008|p=129}}、しばしば植えられたものが野生化もしている{{sfn|鈴木|高橋|安延|2014|p=115}}。 |
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== 特徴 == |
== 特徴 == |
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[[落葉高木]]で{{sfn|田中 |
[[落葉高木]]で{{sfn|田中|2011|p=65}}、樹高は5 - 20[[メートル]] (m) ほどで{{sfn|学習研究社|2000|p=37}}、成長が早い。[[枝]]は太い方で、四方に広がって伸び{{sfn|学習研究社|2000|p=37}}、傘状あるいは、エノキに雰囲気が似た丸い樹形の大木になる{{sfn|林将之|2011|p=103}}{{sfn|鈴木|高橋|安延|2014|p=115}}。成木の幹は目通り径で約25[[センチメートル]] (cm) ほどになる{{sfn|林将之|2008|p=129}}。若い[[樹皮]]は暗緑色で[[楕円]]形の白っぽい皮目が多くよく目立つが、太い[[幹]]は黒褐色で樹皮は縦に裂け、顕著な凹凸ができる{{sfn|学習研究社|2000|p=37}}{{sfn|鈴木|高橋|安延|2014|p=115}}。[[夏]]の日の午後は梢に[[クマゼミ]]が多数止まり、[[樹液]]を吸う様子が見られる。 |
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[[葉]]は、2回[[奇数羽状複葉]]で[[互生]]し{{sfn|田中 |
[[葉]]は、2回[[奇数羽状複葉]]で[[互生]]し{{sfn|田中|2011|p=65}}{{sfn|林将之|2008|p=129}}、一枚の葉全体の長さは50 [[センチメートル|cm]]以上ある。[[小葉]]は3 - 6 cmの長さがあり{{sfn|学習研究社|2000|p=37}}、[[葉身]]は先が尖った卵状[[楕円]]形で革質で薄い{{sfn|辻井|2006|p=109}}。[[葉縁]]に浅い[[鋸歯]]があり、さらに大きく切れ込むことがある{{sfn|林将之|2008|p=128}}。 |
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花期は初夏(5 - 6月頃)で{{sfn|田中 |
花期は初夏(5 - 6月頃)で{{sfn|田中|2011|p=65}}、本年枝の[[葉腋]]から[[花序]]を出して、淡紫色の5弁の[[花]]を多数、[[円錐]]状につける{{sfn|学習研究社|2000|p=37}}。花序の長さは10 - 20 cm{{sfn|学習研究社|2000|p=37}}。花弁は長さ8 - 9[[ミリメートル]] (mm) で、表が白色、裏が薄紫色で、10個ある雄しべは濃紫色をしている{{sfn|田中|2011|p=65}}。花は美しさが感じられ{{sfn|辻井|2006|p=109}}、[[アゲハチョウ]]類がよく訪れる。なお、[[南方熊楠]]が死の直前に「紫の花が見える」と言ったのはセンダンのことだったと言われている。 |
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果期は秋(10月ごろ){{sfn|田中 |
果期は秋(10月ごろ){{sfn|田中|2011|p=65}}。[[果実]]は長径17 mmほどの楕円形の[[核果]]で、晩秋(10 - 12月頃)に黄褐色に熟す{{sfn|学習研究社|2000|p=37}}{{sfn|田中|2011|p=65}}。[[秋]]が深まり[[落葉]]しても、しばらくは[[枝|梢]]に果実がぶら下がって残るため目立つ{{sfn|学習研究社|2000|p=37}}{{sfn|田中|2011|p=65}}{{sfn|鈴木|高橋|安延|2014|p=115}}。果実は[[果肉]]が少なく[[種子|核]]が1 cm前後と大きく、上から見ると星形をしている{{sfn|林将之|2008|p=129}}。果実は[[ヒヨドリ]]や[[カラス]]などの鳥が食べに訪れ、種が運ばれて空き地や道端に野生化することもある{{sfn|林将之|2008|p=129}}。しかし[[サポニン]]を多く含むため、[[ヒト|人]]や[[犬]]が食べると[[食中毒]]を起こし、摂取量が多いと[[死亡]]する。 |
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冬芽は落葉後の葉腋に互生し、半球状で細かい毛で覆われている{{sfn|鈴木 |
冬芽は落葉後の葉腋に互生し、半球状で細かい毛で覆われている{{sfn|鈴木|高橋|安延|2014|p=115}}。葉痕は倒松形やT字形で、維管束痕は3個あり、白くて大きいのでよく目立つ{{sfn|鈴木|高橋|安延|2014|p=115}}。冬芽がついた枝先には、星状毛が残ることもある{{sfn|鈴木|高橋|安延|2014|p=115}}。 |
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葉や[[木材]]には弱い[[芳香]]がある。背が高い上に、新芽・開花・実生・落葉と季節ごとの見かけの変化も大きく、森林内でも目立ちやすい。 |
葉や[[木材]]には弱い[[芳香]]がある。背が高い上に、新芽・開花・実生・落葉と季節ごとの見かけの変化も大きく、森林内でも目立ちやすい。 |
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== 利用 == |
== 利用 == |
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[[ファイル:Turdus eunomus (eating Melia azedarach).jpg|サムネイル|[[公園]]樹で落下した果実を採食する[[ツグミ]]]] |
[[ファイル:Turdus eunomus (eating Melia azedarach).jpg|サムネイル|[[公園]]樹で落下した果実を採食する[[ツグミ]]]] |
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樹木は、[[街路樹]]、[[庭木]]、[[公園]]樹に植えられている{{Sfn| |
樹木は、[[街路樹]]、[[庭木]]、[[公園]]樹に植えられている{{Sfn|成美堂出版|2011|p=166}}。枝は横に大きく被さるように出ることから、街路樹としての機能性に優れている{{sfn|辻井|2006|p=109}}。材は[[建築]]・器具用材、家具{{sfn|日本農業新聞|2019}}にもなり、[[下駄]]の材や{{sfn|辻井|2006|p=107}}、仏像彫刻に使われたこともある{{sfn|林将之|2008|p=129}}。ミンディ材と書かれているのはこのセンダンのこと。[[ケヤキ]]の模擬材として使われることもある。また核(種子)は[[数珠]]の珠にする{{sfn|永岡書店|1997|p=182}}{{sfn|辻井|2006|p=109}}。 |
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材を[[林業]]として利用する場合は、[[苗]]を植えて15 - 20年で[[木材]]に製材できる。このため[[日本]]の[[熊本県]][[天草市]]では、[[中山間地域]]にある[[耕作放棄地]]の活用策として[[植林]]されている |
材を[[林業]]として利用する場合は、[[苗]]を植えて15 - 20年で[[木材]]に製材できる。このため[[日本]]の[[熊本県]][[天草市]]では、[[中山間地域]]にある[[耕作放棄地]]の活用策として[[植林]]されている{{sfn|日本農業新聞|2019}}。 |
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=== 薬効 === |
=== 薬効 === |
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果実は [[生薬]]の'''苦楝子'''(くれんし)もしくは'''川楝子'''(せんれんし)と称して、[[ひび]]、[[あかぎれ]]、[[しもやけ]]に外用し、整腸薬、鎮痛剤として煎じて内服した{{sfn|辻井 |
果実は [[生薬]]の'''苦楝子'''(くれんし)もしくは'''川楝子'''(せんれんし)と称して、[[ひび]]、[[あかぎれ]]、[[しもやけ]]に外用し、整腸薬、鎮痛剤として煎じて内服した{{sfn|辻井|2006|p=109}}{{sfn|田中|2011|p=65}}。樹皮は[[生薬]]の'''苦楝皮'''(くれんぴ)と称して、[[駆虫剤]](虫下し)として[[煎液]]を[[内服]]した{{sfn|田中|2011|p=65}}{{sfn|熊本大学薬学部|2004}}。樹皮には苦味成分があり、漁に使う魚毒にも使われた{{sfn|鈴木|高橋|安延|2014|p=115}}。葉は強い[[防除|除虫]]効果を持つため、かつては[[農家]]において除虫に用いられていた。 |
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[[沖縄県]]に自生するセンダンの抽出成分が、[[インフルエンザウイルス]]を不活化させることが報告された |
[[沖縄県]]に自生するセンダンの抽出成分が、[[インフルエンザウイルス]]を不活化させることが報告された{{sfn|根路銘|向|2011}}。 |
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== 自治体指定の木 == |
== 自治体指定の木 == |
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日本の以下の[[自治体]]の指定の木である。括弧表記はかつて存在していた自治体。 |
日本の以下の[[自治体]]の指定の木である。括弧表記はかつて存在していた自治体。 |
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== 文化 == |
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センダンの[[花言葉]]には、「意見の相違」がある{{sfn|田中 |
センダンの[[花言葉]]には、「意見の相違」がある{{sfn|田中|2011|p=65}}。「栴檀は[[双葉]]より芳(かんば)し」という[[ことわざ]]が存在するが{{efn2|ビャクダンは[[香木]]で強い香りがあり、芽生えたときから香っていることから、大成する者は、幼いときから人並み外れてすぐれていることのたとえ{{sfn|林将之|2008|p=129}}。}}、これはセンダンではなく[[ビャクダン]](白檀)を指す{{sfn|現代言語研究会|1996|p=212}}{{sfn|辻井|2006|p=107}}{{sfn|林将之|2008|p=128}}。 |
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===『百年目』=== |
===『百年目』=== |
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=== 古典文学 === |
=== 古典文学 === |
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日本最古の和歌集である『[[万葉集]]』に収録されている恋愛歌のなかにもセンダンが登場している{{sfn|田中 |
日本最古の和歌集である『[[万葉集]]』に収録されている恋愛歌のなかにもセンダンが登場している{{sfn|田中|2011|p=65}}。[[平安時代]]の歌人・[[清少納言]]が『[[枕草子]]』のなかで、センダンの花を「楝(あふち)の花いとをかし{{efn2|「いとをかし」は、『枕草子』によく出てくる感嘆を表した現代語にはない語彙で、美しさや風情を感じるものに対して、「とても美しい」「大変趣がある」などの意味をもつ。}}」と書いて称えている{{sfn|田中|2011|p=65}}。楝(アフチ)とは、センダンの古名である{{sfn|田中|2011|p=65}}。 |
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[[平安時代]]後期の『[[平家物語]]』では、[[壇ノ浦の戦い]]で捕えられて斬られた[[平宗盛]]・[[平清宗]]の父子が京都三条河原で生首をかけられた木として登場。もともと[[平安京|京都]]の[[囚獄司|左獄と右獄]]の門外にはオウチ(センダン)の木が植えられ、ここに首を架けられていたという |
[[平安時代]]後期の『[[平家物語]]』では、[[壇ノ浦の戦い]]で捕えられて斬られた[[平宗盛]]・[[平清宗]]の父子が京都三条河原で生首をかけられた木として登場。もともと[[平安京|京都]]の[[囚獄司|左獄と右獄]]の門外にはオウチ(センダン)の木が植えられ、ここに首を架けられていたという{{sfn|足立|1995|p=291}}。このころから[[江戸時代]]頃まで、獄門になった罪人の首を架ける木として忌み嫌われた{{sfn|田中|2011|p=65}}{{sfn|辻井|2006|p=107}}。 |
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== 脚注 == |
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{{脚注ヘルプ}} |
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=== 注釈 === |
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<references group="注釈"/> |
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=== 出典 === |
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{{Reflist}} |
{{Reflist|25em}} |
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== 参考文献 == |
== 参考文献 == |
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;書籍 |
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:* {{cite book|和書|date=1995-07|editor=足田輝一|title=植物ことわざ事典|publisehr=[[東京堂出版]]|isbn=4-490-10394-8|ref={{sfnref|足立|1995}}}} |
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* {{Cite book|和書| |
:* {{Cite book|和書|date=1996-01-25|title=すぐに役立つ故事ことわざ辞典|editor=現代言語研究会|edition=改訂版|publisher=あすとろ出版|isbn=4-7555-0808-8|ref=harv}} |
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* {{Cite book|和書| |
:* {{Cite book|和書|date=1997-05-10|title=樹木ガイドブック|others=平野隆久(監修)|editor=[[永岡書店]]|publisher =永岡書店|isbn=4-522-21557-6|ref=harv}} |
||
* {{Cite book|和書| |
:* {{Cite book|和書|date=2000-04-07|title =日本の樹木|others=西田尚道(監修)|editor=[[学習研究社]]|publisher=学習研究社|series=増補改訂ベストフィールド図鑑|isbn=978-4-05-403844-8|ref=harv}} |
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<!--:* {{Cite book|和書|date=2000-10|title=樹に咲く花 ― 離弁花2|others=[[高橋秀男]]、 [[勝山輝男]]監修; 茂木透(写真)|publisher=山と溪谷社|series=山溪ハンディ図鑑|isbn=4-635-07004-2|pages=266-269}}--> |
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* {{Cite book|和書|author =林将之|title =葉っぱで気になる木がわかる:Q&Aで見わける350種 樹木鑑定|date=2011-06-01|publisher =[[廣済堂あかつき]]|isbn=978-4-331-51543-3|page =103|ref=harv}} |
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* {{Cite book|和書 |
:* {{Cite book|和書|date =2006-02-25|last=辻井|first=達一|title =続・日本の樹木|publisher =[[中央公論新社]]|series=中公新書|isbn =4-12-101834-6|ref=harv}} |
||
* {{Cite book|和書 |
:* {{Cite book|和書|date=2008-02-29|last=林|first=将之|title=葉っぱで調べる身近な樹木図鑑|publisher =[[主婦の友社]]|isbn=978-4-07-258098-1|ref={{sfnref|林将之|2008}}}} |
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* {{Cite book|和書| |
:* {{Cite book|和書|date=2011-06-01|last=林|first=将之|title=葉っぱで気になる木がわかる ― Q&Aで見わける350種 樹木鑑定|publisher =[[廣済堂あかつき]]|isbn=978-4-331-51543-3|page=103|ref={{sfnref|林将之|2011}}}} |
||
:* {{Cite book|和書|date=2011-06|title=樹皮・葉でわかる樹木図鑑|editor=成美堂出版|others=菱山忠三郎(監修)|publisher=[[成美堂出版]]|isbn=978-4415310183|ref=harv}} |
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* {{Cite book|和書 |
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|author = 茂木透写真 |
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:* {{Cite book|和書|date=2011-11-30|last=林|first=弥栄|authorlink=林弥栄|title=日本の樹木|series=山溪カラー名鑑 |edition=増補改訂新版 |publisher=[[山と渓谷|山と溪谷社]]|isbn=978-4635090438 |ref={{sfnref|林弥栄|2011}}}} |
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|others = [[高橋秀男]]・[[勝山輝男]]監修 |
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|title = 樹に咲く花 離弁花2 |
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|year = 2000 |
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;論文 |
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|publisher = 山と溪谷社 |
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:* {{cite journal|和書|date=2011-12|last=根路銘|first=国昭|authorlink=根路銘国昭|last2=向|first2=真一郎|title=インフルエンザの科学的予防法 ― センダン液でウイルスを殺す|journal=日本アンチエイジング歯科学会誌|publisher=日本アンチエイジング歯科学会|issue=4|pages=68-72|naid=40019259583|ref=harv}} |
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|series = 山溪ハンディ図鑑 |
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|isbn = 4-635-07004-2 |
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;新聞 |
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|pages = 266-269 |
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:* {{Cite news|和書|date=2013-3-13|title=センダン 皮膚湿疹や疥癬にも|newspaper=[[日本農業新聞]]|url=https://www.agrinews.co.jp/p19849.html|accessdate=2021-04-09|ref={{sfnref|日本農業新聞|2013}}}} |
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}} |
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:* {{cite news|和書|date=2019-12-19|title=木材用センダン 放棄地と相性良し/熊本 中山間で植林進む/2年で4メートル◆手間少なく◆雑草減少|newspaper=[[日本農業新聞]]|page=16|url=https://www.agrinews.co.jp/p49525.html|accessdate=2019-12-21|ref={{sfnref|日本農業新聞|2019}}}} |
|||
* {{Cite book|和書|editor=現代言語研究会|date=1996-01-25|title=すぐに役立つ故事ことわざ辞典|edition=改訂版|publisher=あすとろ出版|isbn=4-7555-0808-8|page=212|ref=現代言語研究会}} |
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;オンライン・データベース |
|||
:* {{Cite web|author=[[米倉浩司|米倉, 浩司]]; 梶田, 忠|title=植物和名―学名インデックス YList|url=http://ylist.info/index.html|accessdate=2021-04-09}} |
|||
:** {{wikicite|ref={{sfnref|米倉|梶田|2012}}|reference=“[http://ylist.info/ylist_detail_display.php?pass=35558 Melia azedarach L. var. japonica (G.Don) Makino]” (2012年5月13日)。}} |
|||
:** {{wikicite|ref={{sfnref|米倉|梶田|2017}}|reference=“[http://ylist.info/ylist_detail_display.php?pass=3510 Melia azedarach L.]” (2017年3月29日)。}} |
|||
:** {{wikicite|ref={{sfnref|米倉|梶田|2018}}|reference=“[http://ylist.info/ylist_detail_display.php?pass=15824 Melia azedarach L. var. subtripinnata Miq.]”(2018年2月4日)。}} |
|||
:* {{Cite web|date=2019-11-22|title=Melia azedarach (Chinaberry)|website=[[:en:Invasive Species Compendium|Invasive Species Compendium]]|publisher=[[:en:Centre for Agriculture and Bioscience International|CABI]]|url=https://www.cabi.org/isc/datasheet/33144|accessdate=2021-04-09|ref={{sfnref|CABI|2019}}}} |
|||
:* {{wikicite|ref={{sfnref|ITIS|n.d.}}|reference=“[http://www.itis.gov/servlet/SingleRpt/SingleRpt?search_topic=TSN&search_value=29024 ''Melia azedarach'' L.]”, “[https://www.itis.gov/servlet/SingleRpt/SingleRpt?search_topic=TSN&search_value=537447 ''Melia azedarach'' var. umbraculifera Knox]”. ''[[ITIS]]'' (英語). 2012年5月30日閲覧。}} |
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;その他ウェブページ |
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2021年4月9日 (金) 04:29時点における版
このページのノートに、このページに関する提案があります。 提案の要約:ヒマラヤは、熱帯・亜熱帯域に属するのか? |
センダン | ||||||||||||||||||||||||||||||
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センダンの花(2002年6月2日撮影)
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分類(APG III) | ||||||||||||||||||||||||||||||
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学名 | ||||||||||||||||||||||||||||||
Melia azedarach L.[1][2] | ||||||||||||||||||||||||||||||
シノニム | ||||||||||||||||||||||||||||||
和名 | ||||||||||||||||||||||||||||||
センダン(栴檀)、オウチ(楝)、アミノキ | ||||||||||||||||||||||||||||||
英名 | ||||||||||||||||||||||||||||||
chinaberry | ||||||||||||||||||||||||||||||
変種・品種 | ||||||||||||||||||||||||||||||
センダン(栴檀、学名: Melia azedarach)は、センダン科センダン属に分類される落葉高木の1種。別名としてアフチ[5]、オオチ[6]、オウチ[7]、アミノキなどがある。薬用植物の一つとしても知られ、果実はしもやけ、樹皮は虫下し、葉は虫除けにするなど、薬用に重宝された[5]。
また、香木の栴檀はインドネシア原産のビャクダン(ビャクダン科)のことを指し[8]、センダンのほうは特別な香りを持たない[9][10]。
分布・生育地
順応性の高い種であり、原産地のヒマラヤ山麓[注 1]のほか、中国・台湾・朝鮮半島南部および日本などの乾燥した熱帯から温帯域[注 2]に分布する[12][11][13]。日本では、本州(伊豆半島以西)、伊豆諸島、四国、九州、沖縄に分布する[5][12]。
温暖な地域の、海岸近く[6]や森林辺縁に多く自生する。庭木や公園、寺院、街路樹にも植えられていて[8][6][10]、しばしば植えられたものが野生化もしている[7]。
特徴
落葉高木で[5]、樹高は5 - 20メートル (m) ほどで[6]、成長が早い。枝は太い方で、四方に広がって伸び[6]、傘状あるいは、エノキに雰囲気が似た丸い樹形の大木になる[14][7]。成木の幹は目通り径で約25センチメートル (cm) ほどになる[10]。若い樹皮は暗緑色で楕円形の白っぽい皮目が多くよく目立つが、太い幹は黒褐色で樹皮は縦に裂け、顕著な凹凸ができる[6][7]。夏の日の午後は梢にクマゼミが多数止まり、樹液を吸う様子が見られる。
葉は、2回奇数羽状複葉で互生し[5][10]、一枚の葉全体の長さは50 cm以上ある。小葉は3 - 6 cmの長さがあり[6]、葉身は先が尖った卵状楕円形で革質で薄い[15]。葉縁に浅い鋸歯があり、さらに大きく切れ込むことがある[16]。
花期は初夏(5 - 6月頃)で[5]、本年枝の葉腋から花序を出して、淡紫色の5弁の花を多数、円錐状につける[6]。花序の長さは10 - 20 cm[6]。花弁は長さ8 - 9ミリメートル (mm) で、表が白色、裏が薄紫色で、10個ある雄しべは濃紫色をしている[5]。花は美しさが感じられ[15]、アゲハチョウ類がよく訪れる。なお、南方熊楠が死の直前に「紫の花が見える」と言ったのはセンダンのことだったと言われている。
果期は秋(10月ごろ)[5]。果実は長径17 mmほどの楕円形の核果で、晩秋(10 - 12月頃)に黄褐色に熟す[6][5]。秋が深まり落葉しても、しばらくは梢に果実がぶら下がって残るため目立つ[6][5][7]。果実は果肉が少なく核が1 cm前後と大きく、上から見ると星形をしている[10]。果実はヒヨドリやカラスなどの鳥が食べに訪れ、種が運ばれて空き地や道端に野生化することもある[10]。しかしサポニンを多く含むため、人や犬が食べると食中毒を起こし、摂取量が多いと死亡する。
冬芽は落葉後の葉腋に互生し、半球状で細かい毛で覆われている[7]。葉痕は倒松形やT字形で、維管束痕は3個あり、白くて大きいのでよく目立つ[7]。冬芽がついた枝先には、星状毛が残ることもある[7]。
葉や木材には弱い芳香がある。背が高い上に、新芽・開花・実生・落葉と季節ごとの見かけの変化も大きく、森林内でも目立ちやすい。
-
幹の樹皮
-
葉と花
-
果実
-
落葉してしまった梢に果実が残る
利用
樹木は、街路樹、庭木、公園樹に植えられている[17]。枝は横に大きく被さるように出ることから、街路樹としての機能性に優れている[15]。材は建築・器具用材、家具[18]にもなり、下駄の材や[9]、仏像彫刻に使われたこともある[10]。ミンディ材と書かれているのはこのセンダンのこと。ケヤキの模擬材として使われることもある。また核(種子)は数珠の珠にする[8][15]。
材を林業として利用する場合は、苗を植えて15 - 20年で木材に製材できる。このため日本の熊本県天草市では、中山間地域にある耕作放棄地の活用策として植林されている[18]。
薬効
果実は 生薬の苦楝子(くれんし)もしくは川楝子(せんれんし)と称して、ひび、あかぎれ、しもやけに外用し、整腸薬、鎮痛剤として煎じて内服した[15][5]。樹皮は生薬の苦楝皮(くれんぴ)と称して、駆虫剤(虫下し)として煎液を内服した[5][19]。樹皮には苦味成分があり、漁に使う魚毒にも使われた[7]。葉は強い除虫効果を持つため、かつては農家において除虫に用いられていた。
沖縄県に自生するセンダンの抽出成分が、インフルエンザウイルスを不活化させることが報告された[20]。
自治体指定の木
日本の以下の自治体の指定の木である。括弧表記はかつて存在していた自治体。
- 市
- 町
- 村
-
- (上野村) - 沖縄県、現在は合併して宮古島市
文化
センダンの花言葉には、「意見の相違」がある[5]。「栴檀は双葉より芳(かんば)し」ということわざが存在するが[注 3]、これはセンダンではなくビャクダン(白檀)を指す[21][9][16]。
『百年目』
落語の演目『百年目』にセンダンが登場する。センダンとその下に生えていた
古典文学
日本最古の和歌集である『万葉集』に収録されている恋愛歌のなかにもセンダンが登場している[5]。平安時代の歌人・清少納言が『枕草子』のなかで、センダンの花を「楝(あふち)の花いとをかし[注 4]」と書いて称えている[5]。楝(アフチ)とは、センダンの古名である[5]。
平安時代後期の『平家物語』では、壇ノ浦の戦いで捕えられて斬られた平宗盛・平清宗の父子が京都三条河原で生首をかけられた木として登場。もともと京都の左獄と右獄の門外にはオウチ(センダン)の木が植えられ、ここに首を架けられていたという[22]。このころから江戸時代頃まで、獄門になった罪人の首を架ける木として忌み嫌われた[5][9]。
脚注
注釈
出典
- ^ 米倉 & 梶田 2017.
- ^ a b ITIS n.d.
- ^ 米倉 & 梶田 2012.
- ^ 米倉 & 梶田 2018.
- ^ a b c d e f g h i j k l m n o p q 田中 2011, p. 65.
- ^ a b c d e f g h i j k 学習研究社 2000, p. 37.
- ^ a b c d e f g h i 鈴木, 高橋 & 安延 2014, p. 115.
- ^ a b c 永岡書店 1997, p. 182.
- ^ a b c d 辻井 2006, p. 107.
- ^ a b c d e f g h 林将之 2008, p. 129.
- ^ a b c CABI 2019, Environmental Requirements.
- ^ a b 林弥栄 2011, p. 385.
- ^ 日本農業新聞 2013.
- ^ 林将之 2011, p. 103.
- ^ a b c d e 辻井 2006, p. 109.
- ^ a b 林将之 2008, p. 128.
- ^ 成美堂出版 2011, p. 166.
- ^ a b 日本農業新聞 2019.
- ^ 熊本大学薬学部 2004.
- ^ 根路銘 & 向 2011.
- ^ 現代言語研究会 1996, p. 212.
- ^ 足立 1995, p. 291.
参考文献
- 書籍
-
- 足田輝一 編『植物ことわざ事典』1995年7月。ISBN 4-490-10394-8。
- 現代言語研究会 編『すぐに役立つ故事ことわざ辞典』(改訂版)あすとろ出版、1996年1月25日。ISBN 4-7555-0808-8。
- 永岡書店 編『樹木ガイドブック』平野隆久(監修)、永岡書店、1997年5月10日。ISBN 4-522-21557-6。
- 学習研究社 編『日本の樹木』西田尚道(監修)、学習研究社〈増補改訂ベストフィールド図鑑〉、2000年4月7日。ISBN 978-4-05-403844-8。
- 辻井, 達一『続・日本の樹木』中央公論新社〈中公新書〉、2006年2月25日。ISBN 4-12-101834-6。
- 林, 将之『葉っぱで調べる身近な樹木図鑑』主婦の友社、2008年2月29日。ISBN 978-4-07-258098-1。
- 林, 将之『葉っぱで気になる木がわかる ― Q&Aで見わける350種 樹木鑑定』廣済堂あかつき、2011年6月1日、103頁。ISBN 978-4-331-51543-3。
- 成美堂出版 編『樹皮・葉でわかる樹木図鑑』菱山忠三郎(監修)、成美堂出版、2011年6月。ISBN 978-4415310183。
- 田中, 潔『知っておきたい100の木 ― 日本の暮らしを支える樹木たち』主婦の友社〈主婦の友ベストBOOKS〉、2011年7月31日。ISBN 978-4-07-278497-6。
- 林, 弥栄『日本の樹木』(増補改訂新版)山と溪谷社〈山溪カラー名鑑〉、2011年11月30日。ISBN 978-4635090438。
- 鈴木, 庸夫、高橋, 冬、安延, 尚文『樹皮と冬芽 ― 四季を通じて樹木を観察する 431種』誠文堂新光社〈ネイチャーウォチングガイドブック〉、2014年10月10日。ISBN 978-4-416-61438-9。
- 論文
-
- 根路銘, 国昭、向, 真一郎「インフルエンザの科学的予防法 ― センダン液でウイルスを殺す」『日本アンチエイジング歯科学会誌』第4号、日本アンチエイジング歯科学会、2011年12月、68-72頁、NAID 40019259583。
- 新聞
-
- 「センダン 皮膚湿疹や疥癬にも」『日本農業新聞』2013年3月13日。2021年4月9日閲覧。
- 「木材用センダン 放棄地と相性良し/熊本 中山間で植林進む/2年で4メートル◆手間少なく◆雑草減少」『日本農業新聞』2019年12月19日、16面。2019年12月21日閲覧。
- オンライン・データベース
-
- 米倉, 浩司; 梶田, 忠. “植物和名―学名インデックス YList”. 2021年4月9日閲覧。
- “Melia azedarach L. var. japonica (G.Don) Makino” (2012年5月13日)。
- “Melia azedarach L.” (2017年3月29日)。
- “Melia azedarach L. var. subtripinnata Miq.”(2018年2月4日)。
- “Melia azedarach (Chinaberry)”. Invasive Species Compendium. CABI (2019年11月22日). 2021年4月9日閲覧。
- “Melia azedarach L.”, “Melia azedarach var. umbraculifera Knox”. ITIS (英語). 2012年5月30日閲覧。
- 米倉, 浩司; 梶田, 忠. “植物和名―学名インデックス YList”. 2021年4月9日閲覧。
- その他ウェブページ
-
- “せんだん(Melia azedarach)”. 熊本大学薬学部. 今月の薬用植物 (2004年1月). 2021年4月9日閲覧。
関連項目
- センダングサ - キク科の一年草。葉の形がセンダンに似る。
- インドセンダン - センダン科アザディラクタ属に属するインド原産の常緑樹。別名ニーム。インドにおいて伝統的にハーブとして用いられ、またニームオイル・ニームケーキとして害虫忌避剤や肥料として用いられる。こちらにはセンダンに見られるような強い毒性は無い。
- ナンテン
- 木の一覧
- 金杉橋 - かつて橋の近くに存在したセンダンの巨木が光って見えたことから名付けられた。