「真言」の版間の差分
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3世紀に成立したと考えられる『持句神呪経』や4世紀前半に成立した『[[仏説大金色孔雀王呪経]]』に、呪句を唱えた紐を病人に結び付ける治病法が登場するが、これは『アタルヴァ・ヴェーダ』の呪文に近似しており、当時の仏教教団内に『アタルヴァ・ヴェーダ』の呪法が定着していたことが明らかである |
3世紀に成立したと考えられる『持句神呪経』や4世紀前半に成立した『[[仏説大金色孔雀王呪経]]』に、呪句を唱えた紐を病人に結び付ける治病法が登場するが、これは『アタルヴァ・ヴェーダ』の呪文に近似しており、当時の仏教教団内に『アタルヴァ・ヴェーダ』の呪法が定着していたことが明らかである |
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<ref group="注">両経における結呪作法には、非仏教的・非アーリヤ部族系の呪文を唱えて諸天や諸鬼神に守護を祈願する民間信仰に根差した呪術行為の特徴が見られる。</ref><ref group="注">[[グプタ朝]]時代には、結界法・作壇法・護摩法・観仏法・諸尊法・請雨法・止雨法・治病法等の密教儀礼が詳細になっていった。</ref>。 |
<ref group="注">両経における結呪作法には、非仏教的・非アーリヤ部族系の呪文を唱えて諸天や諸鬼神に守護を祈願する民間信仰に根差した呪術行為の特徴が見られる。</ref><ref group="注">[[グプタ朝]]時代には、結界法・作壇法・護摩法・観仏法・諸尊法・請雨法・止雨法・治病法等の密教儀礼が詳細になっていった。</ref>。 |
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4世紀前半に成立した『檀特羅麻油述経』では、釈尊は悪鬼に悩まされる息子[[ラーフラ]]に対して、鬼神を避ける呪経である「仏辟鬼神呪」を読誦すれば、火・水・毒・刀・呪詛などの災難に遭うことがないと説いている。 |
4世紀前半に成立した『檀特羅麻油述経』では、釈尊は悪鬼に悩まされる息子[[摩睺羅伽|ラーフラ]]に対して、鬼神を避ける呪経である「仏辟鬼神呪」を読誦すれば、火・水・毒・刀・呪詛などの災難に遭うことがないと説いている。 |
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非アーリヤ部族及び低力ースト種族を仏教に同化していく過程で、彼らの女性もしくは地母神への信仰を採り入れたため、非アーリヤ部族や低力ースト種族の信仰する神や農業女神の名<ref group="注">Samā (沙履)、Araḍā(阿羅隷)、Gauri (星利)、Caṇḍāli ([[栴陀利]])、Mātaṅgi(摩登替)、Pukkasīなど。</ref> が含まれるようになった。 |
非アーリヤ部族及び低力ースト種族を仏教に同化していく過程で、彼らの女性もしくは地母神への信仰を採り入れたため、非アーリヤ部族や低力ースト種族の信仰する神や農業女神の名<ref group="注">Samā (沙履)、Araḍā(阿羅隷)、Gauri (星利)、Caṇḍāli ([[栴陀利]])、Mātaṅgi(摩登替)、Pukkasīなど。</ref> が含まれるようになった。 |
2020年8月21日 (金) 21:12時点における版
真言(しんごん)とは、サンスクリット語のマントラ(मन्त्र Mantra)の訳語で、「(仏の)真実の言葉、秘密の言葉」という意[1]。『大日経』などの密教経典に由来し、浄土真宗を除く多くの大乗仏教の宗派で用いられる呪術的な語句である。 漢訳経典では、「真言」の他に「密言」、「呪」、「明呪」等と訳される[注 1]。
仏の真実の教えは、この宇宙の真理(法)や隠された秘密を明らかにするもので、本来は人間の言葉で表すことはできないが、方便として世俗の文字・言語を借りてそれに教えを盛り込み、これを観想しこれに心を統一することで、その教えに触れ得るようにしたものが、密教における真言であるとされる。 空海は、真言について「真言は、不思議なものである。本尊を観想しながら唱えれば無知の闇が除かれる。わずか一字の中に千理を含む。この身のままで真理を悟ることができる。」と記している[2]。
仏尊ごとに真言があり、それぞれ出典となる経典が存在する。例えば同じ仏尊でも、成立の過程が異なる『大日経』(胎蔵界)と『金剛頂経』 (金剛界) では真言が異なる。
真言宗の名称は「真言」に由来するが、真言は真言宗のみで使われるものではない。例えば般若心経の最後にある「羯諦 羯諦 波羅羯諦 波羅僧羯諦 菩提薩婆訶([tadyathā] gate gate pāragate pārasaṃgate bodhi svāhā)」も真言であり、浄土真宗などを除く多くの宗派で読まれている。禅宗においても、消災吉祥陀羅尼や大悲心陀羅尼などが日常的に唱えられる。
分類・定義
諸経典の中では「真言」に類義の言葉として、「密言」・「呪」・「神呪」、「心呪」、「明呪」、「陀羅尼」等があり、それぞれ語の発生と意義は異なるが通常は区別されず、仏教で用いられる呪文を「真言陀羅尼」と総称することが多い。 「真言は短い呪句で陀羅尼は長い呪句」と説明されることがあるが正しくなく本来は起源が異なるものである。 しかし、大乗興起以後は、それらは混同され区別されなくなった[注 2]。 善無畏は『大日経疏』の中で、「真言」と「明呪」を区別したが[3]、 これは成り立ちを説明したもので両社が別種のものという意味ではない[4]。 『初回金剛頂教』では「真言」・「明呪」・「陀羅尼」はそれぞれ異なるがその差は殆ど無いと説かれており[5]、不空は『総釈陀羅尼義讃』で、真言には一字のものから万字以上のものまであるが、「真言」・「密言」・「明」・「陀羅尼」は同一の物の異称であり、全て区別しないで良いと説明した[6]。 これらのことから、現在では「真言」・「陀羅尼」の成り立ちや経典を研究する等の特別な場合を除いては、一般に「真言」・「心呪」・「明呪」・「陀羅尼」を区別しない [7][8]。
真言
「真言」は、サンスクリット語の「mantra」[注 3] を漢訳したものである[9]。 最初はバラモン教の聖典である『ヴェーダ』に、神々に奉る讃歌として登場し、反復して数多く唱えることで絶大な威力を発揮すると考えられていた。後に、バラモン教に限らず不可思議力を有する呪文をことごとく「mantra」というようになった。 バラモン教や非アーリヤ系の土着の信仰の「mantra」が仏教に採り入られて、治歯・治毒・悪鬼羅刹からの護身・延命など現世利益のための「mantra」が用いられるようになった。 この「mantra」を龍樹や玄奘は、「呪文」または「神秘的な呪文」の意味で「呪」・「神呪」等と訳し、善無畏や不空は、「仏の真実の言葉」の意味で「真言」、「仏の秘密の言葉」の意味で「密言」等と訳した[10]。 また、「maṇḍala」の訳とする説もある[注 4]。
明呪
サンスクリット語の「vidyā」、パーリ語の「vijjā」を訳したもので、本来は「知識」や「学術」を指す語である。古代インドにおいて学問・科学と呪法は一体であり、病を癒すための医術や毒蛇を避ける魔術やなど凡人の知りえない神秘的な知識・呪術の意味で用いられていた[注 5]。初期仏教教団は、「maṇtra」や「vidyā」を否定していたが、後に毒蛇を退散させる蛇除けの呪文(vidyā)を黙認するようになり、これが後の呪法の発展に繋がった。大乗仏教においては仏が説く真実の智慧、真実の言葉の意味で用いられ、さらに不可思議智の結晶である神秘的な呪文を指すようになった。唱えることで無明の煩悩を破除し衆生を化度するものとされ、漢訳経典では「明呪」・「明」と訳した[注 6]。
心呪
サンスクリット語の「hṛdaya」の訳で、直訳すると「心臓」・「心髄」・「核心」の意味だが、「手段」・「伝達方法」の意味もある[11]。請願の意思を伝えるための手段としての呪文である。「hṛdaya」と呼べるものが最初に確認できるのは『仏説大金色孔雀王経』で、「hṛdaya」を「心呪」と訳している[注 7]。「hṛdaya」を鳩摩羅什は「大明呪」と、支謙は「神呪」と漢訳しており[注 8]、これらから「hṛdaya」を「呪文」の意味で訳していることが明らかである。『般若心経』では、「hṛdaya」は「神呪(真言)」であり「明呪」であると説いている[注 9]。『般若心経』より時代が下った密教経典の漢訳でも「hṛdaya」を「真言」、「明呪」と同一視している。[注 10]。
梵語の「dhāraṇī(ダーラニー)」を音訳したもので、「総持」、「能持」等と意訳される[注 11]。「dhāraṇī」は、「保つ」・「保持する」を意味する「dhāraṇā(ダーラナー)」を起源とする語で、本来は「精神を統一しその状態を持続すること」を指していたが[12]、後に精神統一や諸尊の憶念や教義を記憶するための教え(持句)を指すようになった[13]。陀羅尼経典である『仏説無量門微密持経』(支謙訳)では、「陀羅尼」とは仏の功徳や徳性を列挙した持句で、これを思念することによって正覚にいたることを目的とするものとある。精神統一や仏随念のための手段である「陀羅尼」が次第に呪文化され、その神秘的な響きから唱えることによって現世利益を得られると信仰されるに至り、後に密教が成立すると「陀羅尼」は「真言」を包摂する形で説かれるようになり、やがて同一視されるようなった。陀羅尼の本文が、核心となる語を羅列した意味稀薄な文言であるのは、具体的な意味のある言葉だと日常的な連想や雑念を呼び起こすためとも、理解力の劣る仏教初心者やサンスクリット語を使用しない非インド・アーリヤ語系の者に仏教教義の核心を伝えるためとも言われる[14]。
仏尊を象徴する一音節の呪文であり、真言の一種。種子真言ともいわれる。サンスクリット語の「bīja(種子、神髄)」+「akṣara(文字)」から成る「bījākṣara(マントラの頭文字)」の訳。草木の種子が根茎を含蔵するように一字に無量の法を含み、種子から草木が生じるように功徳を出生することから種子という。種子は梵字を神秘的に解釈し、仏尊の名称や真言から取った一音節を梵字に表すもので「種字」とも書かれる。胎蔵の種字は真言の最初の音節を、金剛界の種字は真言の最後の音節を取ることが多いが、仏尊名の一音節を取ったものや仏尊の本誓を象徴する一字を取ったものもある[注 12]。真言には様々な形式があるが「帰命句+種字」で構成されるものも多い。
その他の分類
善無畏の『大日經疏』では真言を以下の五種に分類する。[注 13]
- 如来説 - 大日如来や釈迦如来等の真言。
- 菩薩金剛説 - 観音菩薩や地蔵菩薩等の真言。
- 二乗説 - 舎利弗、迦葉、目連等の真言。
- 諸天説 - 梵天や夜摩天薬叉などの諸天の真言。
- 地居天説 - 龍・鳥・修羅等の真言。
真言を形式(長さ)によって、以下の三つに分類することもある。
- 大呪 - 「根本呪(mūla mantra)」、「大心呪」ともいう一般的な呪。
- 中呪 - 「心呪(hṛdaya)」、「心真言(dhāraṇī-hṛdaya)」ともいう。
- 小呪 - 「心中心呪」、「随心呪(upahṛdaya mantra)」ともいう。
成立
仏教以前
真言(マントラ)の起源は仏教成立以前に遡る。アーリヤ人がインドに侵入する以前のインド・イラン共通時代に、彼らは火神(アグニ)にマントラを捧げて敵を退け病を癒し害毒を除くことを祈っていた。インド侵入後に成立したとされる『リグ・ヴェーダ』の中には火神に捧げるマントラが多く記述されている[注 14]。 アーリヤ民族と原住民族が接触し融合するにつれ[注 15]、その宗教信仰も習合することで『リグ・ヴェーダ』、『ブラーフマナ』、『ウパニシャッド』、『アタルヴァ・ヴェーダ』等が成立し、盛んに息災・増益・降伏等の呪術が用いられるようになった。
ヴェーダ時代のマントラは、神々への帰依、祈願、讃仰の聖句であり、除厄、招福のために唱えられた。 当時は民衆の間にバラモン教の呪文が浸透しており、例えば一般家庭においても『家庭経(Gṛhya-sūtra)』等によって家庭内での祭式が詳しく規定され、出産時、命名時、結髪式、結婚式など万般の際に、必ず火を用いて神に捧げる呪文を唱えていた[注 16]。
初期仏教
釈迦は当初呪術的行為を禁止したとされるが [注 17] 、教団が拡張するにつれ、日常生活の中に習慣づけられている呪文を厳禁することが難儀になったとともに、広く民衆に布教するための方便として旧来の信仰と調和しこれを善導するために、仏教修行の妨げにならない限りは、世俗の呪文を用いることが容認された[15] [16]。 一般民衆とくに農村部への布教活動を展開していく過程で、教団内では呪文が多く用いられるようになっていたが、その中でも護身の呪文として、パーリ語で「パリッタ(paritta)」(護呪)といわれる経が知られている[注 18]。 呪術的な「パリッタ」の一例として、比丘が毒蛇を避けるための『カンダ・スッタ(蘊経/khanda sutta)』が挙げられる。これは、蛇を含むすべての生類に慈悲を示し、その慈悲の力で毒蛇に咬まれることを避けようとする護身・除災を目的とした呪文である[注 19]。 『カンダ・スッタ』は、こうした古くからあった蛇除けの習俗が仏教教団内に持ち込まれたものであり、これが発展して後の『孔雀王呪経』の成立に繋がったと考えられている。 [注 20]。
大乗仏教興起以前に唱えられていた呪文は、バラモン教に由来する護身の呪文や「パリッタ」等釈迦によって説かれた経典を唱えて障害を防ごうとするものであった。 パリッタの護身呪はその後、南伝系・北伝系を問わず仏教経典に呪文として入りこみ、やがて個々の病気平癒の効果をもたらす呪文が用いられるようになり、後に真言へと成長していく[注 21] [注 22]。
大乗興起
紀元前後に、アーリヤ人の宗教であるバラモン教と先住民の信仰との融合が起こりヒンドゥー教が形成された。 神にマントラを捧げれば救済されるというヒンドゥー教の単純明瞭で実践しやすい教え[注 23] は民衆の支持を受け隆盛し、仏教を圧倒する勢いを示すようになった。 初期仏教教団は指導者も比丘も大半がバラモン階級の出身であり[注 24]、幼い時からバラモン教の教えの中で生活していた彼らにとって、ヒンドゥー教の教義や多神教の概念は受け入れやすいものであった。 多神教であるヒンドゥー教の影響を受けて、あるいはヒンドゥー教に対抗するために[注 25]、仏尊の複数化すなわち如来や菩薩等の多数の諸仏の信仰が生まれ、呪術や儀礼を重視するヒンドゥー教の教理が仏教の中に浸透し、マントラを唱えることで仏教の最終目的である成仏が可能であるとする大乗仏教として発展していった[注 26]。
2世紀以降にはパリッタ的な呪文を中心とする単独の除災経典が現れた。 『般若経』、『法華経』、『華厳経』等には「陀羅尼」、「明呪」、「真言」等の呪文が説かれており、これらは瞑想における精神統一の手段として念誦されたり、悟りの智慧の表現として用いたり、あるいは『ヴェーダ』におけるマントラのような呪術的な目的で読誦されるなど、用途は様々である
初期密教
バラモン教やヒンドゥー教の呪術的な要素が取り入れられた初期密教では、『ヴェーダ』の形式を模した様々な仏教特有の呪文が作られた。 当時は特に体系化されたものはなく、釈迦の説いた諸経典に呪文が説かれており、諸仏・過去七仏・弥勒をはじめとする無数の菩薩や、インドラ・ヤマ・ヴァルナ・ソーマなど『ヴェーダ』に登場する神々に帰依する呪文を唱えることで、守護・安寧・病患滅除などの現世利益を心願成就するものであった [注 27][注 28]。
3世紀に成立したと考えられる『持句神呪経』や4世紀前半に成立した『仏説大金色孔雀王呪経』に、呪句を唱えた紐を病人に結び付ける治病法が登場するが、これは『アタルヴァ・ヴェーダ』の呪文に近似しており、当時の仏教教団内に『アタルヴァ・ヴェーダ』の呪法が定着していたことが明らかである [注 29][注 30]。 4世紀前半に成立した『檀特羅麻油述経』では、釈尊は悪鬼に悩まされる息子ラーフラに対して、鬼神を避ける呪経である「仏辟鬼神呪」を読誦すれば、火・水・毒・刀・呪詛などの災難に遭うことがないと説いている。
非アーリヤ部族及び低力ースト種族を仏教に同化していく過程で、彼らの女性もしくは地母神への信仰を採り入れたため、非アーリヤ部族や低力ースト種族の信仰する神や農業女神の名[注 31] が含まれるようになった。 真言、陀羅尼に含まれるいくつかの語が語義不明なのは、以上のような歴史的背景があるためであると考えられている。
中期密教
ヒンドゥー教の興隆に対抗するために体系化された中期密教では、釈迦が説法する形式の大乗経典とは異なる大日如来または大毘盧遮那仏が説法する形式の密教経典が編纂された。7世紀頃に『大日経』や『初会金剛頂経』が成立すると多様な仏尊を擁する密教の世界観が誕生し、密教における仏尊の階層化・体系化が進んでいった。 前期密教の真言・陀羅尼が除災招福を中心とする現世利益であったのに対し、中期密教の真言・陀羅尼は悟りを求め成仏するための手段としての性格を強め、それまで別箇であった印契・真言・観法の「三密」を統合した組織的な修行法が完成された[注 32]。 空海によって日本に伝えられた真言密教はここまでである。
中国伝播以後
中国では仏教の伝播とともに道教の呪禁の法と融合し、相互に影響し合った。真言は三密(身・口・意)の中の口密に相当し、極めて重要な密教の実践要素となった。真言は、日本では真言宗、天台宗、修験道等で特に多く用いられる。
構成
真言や陀羅尼の多くは、呪句の前に「帰命句」と呪句の終末に「成就句」が加わるが、帰命句と成就句は存否一定しない。
真言の呪句は、仏尊の「種子」から成るもの、仏尊の「名」や「密号」から成るもの、仏尊の本誓を説いてその徳を讃嘆するもの、仏尊の三昧耶形を示す語より成るもの等がある。
陀羅尼の多くは、仏尊や三宝に帰依する宣言文+Tadyathā[注 33]+帰命句+本文+成就句で構成される。Tadyathāは、「即ち」、「曰く」などと訳される。陀羅尼の本文は、仏尊への呼びかけや賛嘆、誓願の動詞、土着の宗教に由来する意味不明な単語等を羅列したもので、長文であることが多い[注 34]。 陀羅尼のTadyathā以後を真言として唱える場合や、陀羅尼の一部を抜き出して真言のように唱える場合もある[注 35]。
帰命句は、大きく分けると以下の二つに分類される。
の形式があり、両者が併用される陀羅尼や真言もある。
「namas」は、サンスクリット語で「お辞儀する、敬礼する、崇拝する」を意味する動詞で、漢訳では「帰命」「敬礼」等と訳される。namasはサンディ(連声)のため、次にくる単語の最初の音によって「namaḥ(ナマハ)」や「namo(ナモー)」に変化する。 漢訳経典では、「namaḥ」は「曩莫」・「納莫」等、「namo」は「曩謨」・「南無」等、namasは「南無悉」等と音写された。日本では宗派によって読み癖が異なるが、前者は「ノウマク」・「ナウマク」等、後者は「ノウボウ」・「ナモー」等と読まれる。
帰命句には、よく使われる定型文がある。
- namaḥ samantabuddhānāṃ ~(ノウマク・サマンダ・ボダナン・~)
- namaḥ samantavajranāṃ ~(ノウマク・サマンダ・バザラダン・~)
- namo ratna-trayāya ~(ノウボウ・アラタンノウ・トラヤーヤ・~)
- namo bhagavate ~(ノウボウ・バギャバテイ~)
など。
「namaḥ samantabuddhānāṃ ~」は、しばしば「oṃ」で代用される。
聖音
真言には多用されるいくつかの聖音が存在する。
- オン
- サンスクリット語の「oṃ」で、漢訳では「唵」と書かれる。密教系では「オン」、禅宗では「エン」と読まれることが多い。真言の冒頭に用いて帰命の意をあらわす神聖な音で、末尾の「ソワカ」とともに多用される。本来はバラモン経の聖音で、ヴェーダを誦読する前後、また祈りの文句の前に唱えられるものであったが、仏教にも取り入れられ真言の頭首に置かれるようになった[注 36]。
- ソワカ
- サンスクリット語の「svāhā」で、漢訳では「薩婆訶」、「娑婆訶」「莎訶」等と書かれる。密教系では「ソワカ」、禅宗系では「ソモコ」と読まれることが多い。真言・陀羅尼の末尾に置いて成就を願う聖語で、和訳では「成就あれ」「畏み申しあげる」等の意味とされる[注 37]。もとはバラモンが火中に供物を投ずる際に唱えた女神「スヴァーハー[注 38]」の名である。成就句は必ず置かれるものではなく、同じ真言でも存否は不定である。
- ウン
- サンスクリット語の「hūṃ」で、漢訳では「吽」等と書かれる。『チャーンドーギヤ・ウパニシャッド』にも見える呪句で、「h」はシヴァ、「ū」はバイラヴァを、「ṃ」は、不幸や苦痛を駆逐することを意味する語、または「hetu(因縁)」+「ū(損減)」+「ṃ(空点)」からなり、菩提心の損減を空ずるつまり菩提心堅固をあらわし、それによって魔を畏怖させる意をあらわす語とされる。「大力」・「警覚」・「恐怖」・「忿怒」、「清浄」や「満願」など様々な意味で用いられるため解釈が困難な語である。忿怒尊の真言において「ウン・ハッタ(hūṃ phaṭ)」と組み合わせて用いられる場合は、「叱咤」・「恐怖」・「忿怒」の意味と解釈される。
- ハッタ
- サンスクリット語の「phaṭ」で、漢訳では「發吒」等と書かれる。敵を攻撃する時の「感情」や「打撃」・「発射」等の意味を持つ『ヴェーダ』の呪句を取り入れたもので、忿怒尊の真言に多く用いられ、敵を調伏させるための感情をあらわす語とされる。「摧破」・「破壊」・「降伏」・「放出」等と解釈されるが通常は翻訳しない。
- ボロン
- サンスクリット語の「bhrūṃ」で、漢訳では「歩嚕唵」等と書かれる。「bh(発菩提心)」+「ṛ(墔滅諸罪障)」+「ūṃ(一切如虚空)」の合成語で、菩提心を発し罪障を滅し心楽しく虚空の如く清浄なことを意味するとされる。
解読・研究
真言は、聖なる音を唱えることが重要であるという信仰から、サンスクリット語を翻訳(意訳)せず、漢字で音写されたものが多く伝わったが、解読されているのはごく僅かでサンスクリット原典も殆ど残っていない。 真言密教の各宗では、真言を翻訳したり字句の意味を穿鑿したりせずに、その大意を掴んでひたすら無心に唱えるように指導している。そのため意味不明・解読不能でありながら各宗で依用されている真言は多い[注 39]。
真言は、永らく「音が重要であり、唱えるべきもので解釈すべきものではない」という伝統があったが、江戸中期の真言律宗の僧浄厳は、当時乱れていた真言・陀羅尼を正すために『普通真言蔵』を著し、さらに法隆寺貝葉梵本経を模写し音訳や意味を記した。 昭和期以降、真言陀羅尼の研究が盛んになり、昭和6年に密教学会編の『密教大辞典』が出版され、昭和10年に臨済宗では伊藤古鑑の禅宗聖典講義が出て、大悲心陀羅尼、消災妙吉祥陀羅尼、仏頂尊勝陀羅尼の意訳を試みている。昭和34年に田久保周誉の『真言陀羅尼蔵の解説』、昭和35年に栂尾祥雲の『秘密事相の研究』、昭和45年に渡辺照宏・大鹿実秋・宮坂宥勝による智山教化資料第四集『常用陀羅尼と諸真言』、吉田恵弘の『金胎両部真言解記』、昭和54年に稲谷祐宣による『普通真言蔵』(浄厳編/稲谷祐宣校注)、昭和60年に八田幸雄の『真言事典』が刊行された。
真言の解読には、一般仏教の知識や密教の経典儀軌はもとより、古典『ヴェーダ』や『ウパニシャッド』、『マハーバーラタ』の英雄詩や古代インド神話の知識を必要とし、しかも音写漢字を還梵するという複雑な作業を踏まなければならない。サンスクリット語やチベット語など各種言語にも精通している必要もあり、真言の研究はまだ成就していない。
依用
真言にはそれぞれ出典となる経が存在し、成立の過程が異なる『大日経』 (胎蔵界) と『金剛頂経』 (金剛界) では、真言が異なる。真言の中でも仏尊の名号・種子・本誓を真言にしたものは、比較的容易にその意味が解読されているが、加持に用いる真言などで全く意味不明なものも存在する。しかし、理解できなくても一種の不可思議な霊力がある呪文として取り扱われている[17]。
- 口誦、念誦
- 真言は、バラモン教やヒンドゥー教のマントラに由来するため「反復」が重視されており、数限りなく唱えられたときに絶大な威力を発揮すると説かれている。遍数には三遍・七遍・百八遍・千遍、十万遍(洛叉)などがあり、例えば、不動明王の真言を30万回(三洛叉)唱えると不動明王の姿を見ることができる[18]、准胝観音の陀羅尼を90万回唱えると一切諸々の罪業が余すところなく消滅する[19] など、数多く真言を唱えることで効果を発揮すると説かれている。空海も実践したと伝えられる「虚空蔵菩薩求聞持法」は、虚空蔵菩薩の真言を100日間ないし50日間で100万遍唱えるもので、修行が成就すれば抜群の記憶力と限りない智慧を獲得できるとされる[注 40]。
唱え方には以下のものがある。
- 声生念誦 - 心の蓮華の上に法螺貝を観想しそこから声を出すように唱える。
- 蓮華念誦 - 自分の耳に唱える声が聞こえる。
- 金剛念誦 - 唇歯を合わせて舌端を少し動かして唱える。
- 三摩地念誦 - 舌も動かさず、心のみ念ずる。
- 光明念誦 - 口から光明を発しながら唱える。
読み癖・慣用音
- ぎなた読み
真言陀羅尼は永らく意味を重視せず、口伝により慣用音を伝承してきたため、語句を梵語原文と異なる箇所で区切って読むいわゆる「ぎなた読み」で伝わっていることが少なくない。 「オン・カカカビ・サンマエイ・ソワカ」、「オン・マヤラギラン・デイ・ソワカ」、「オン・ベイシラ・マンダヤ・ソワカ」など。
- 慣用音
経の翻訳においては玄奘以後五種不翻の原則ができ、とくに真言・陀羅尼は不可思議なる仏の秘密語であるがゆえに翻訳せず原音を漢字で音写した。 玄奘らはサンスクリット語の発音を正確に表記するために苦心し、例えば『大般若波羅蜜多経』では、発音が似た三種類の「バ」すなわち「ba」・「bha」・「va」をそれぞれ「婆」・「薄」・「筏」と書き分け[注 41]、漢字二字で子音連結を示す記号や長母音を示す記号なども記し[注 42]、ときには新しい漢字を作ってまで音を写した。そのため、訳経年代の分る真言・陀羅尼は、その時代の漢字発音の索引ともなりうるほどである。しかし、それを筆写してゆくうちに誤字や脱字が生じ、さらに中国から発音の違う日本に入って来た際に読み方が著しく変化した。
日本に伝来した後も、読み方は口伝によるため同じ真言でも宗派や地域によって発音に相違が生じた。 同じ宗派でも、弥勒菩薩の真言を「オン・バイタレイヤ・ソワカ」と発音したり「オン・マイタレイヤ・ソワカ」と発音したりする。他にも「曩莫(namaḥ)」を「ナウマク」「ノウマク」、「縛日羅(vajra)」を「バザラ」「バサラ」、「薩婆訶(svāhā)」を「ソワカ」「ソモコ」「ソコ」と読むなど、様々な読み癖が存在する。 明朝風様式を伝える「黄檗宗」では特に相違が著しく、例えば地蔵菩薩の真言は多くの宗派では「オン・カカカ・ビサンマエイ・ソワカ」と発音するが、黄檗宗では「アン・ホホホ・ビサンモエイ・ソポホ」と発音する。
主な真言
真言は、経典によって違いがあり、同じ真言でも宗派によって読み癖が異なるため下記は一例である。どの発音が正しいというものではなく、各宗派ごとの伝承を尊重しなければならない。 サンスクリット文も諸説ある。サンスクリット語の正確な発音をカタカナで表現することは不可能であるので、カタカナ表記は参考程度である[注 43]。 真言の解釈にも様々な説があり和訳も一例である。
代表的な真言
名称 | 真言 | サンスクリット語 | 訳 |
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光明真言 | オン・アボキャ・ベイロシャノウ・マカボダラ・マニ・ハンドマ・ジンバラ・ハラバリタヤ・ウン | oṃ amogha vairocana mahā-mudrā maṇi-padma-jvāla pravartaya hūṃ
オーン アモーガ ヴァイローチャナ マハームドラー マニパドマジュヴァーラ プラヴァルタヤ フーン |
オーン。不空なるヴァイローチャナよ。大印を有する者よ。宝珠よ。蓮華よ。光明を放ち給え。フーン。[注 44] →詳細は「光明真言」を参照
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六字真言 | オン・マニ・ハンドマ・ウン | 梵語:oṃ maṇi padme hūṃ オーン マニ パドメー フーン
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オーン。蓮華の宝珠よ。フーン。 →詳細は「六字大明呪」を参照
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心経 | ギャテイ・ギャテイ・ハラギャテイ・ハラソウギャテイ・ボヂ・ソワカ | gate gate pāra gate pāra-saṃgate bodhi svāhā
ガテー ガテー パーラガテー パーラサンガテー ボーディ スヴァーハー |
往ける者よ。往ける者よ。彼岸に往ける者よ。彼岸に完く往ける者よ。菩提よ[注 45]。スヴァーハー。 →詳細は「般若心経」を参照
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四摂真言(四字真言) | ジャク・ウン・バン・コク | jaḥ hūṃ vaṃ hoḥ ジャハ フーン ヴァン ホーホ |
鉤召。索引。鎖縛。遍入。 |
如来
仏 | 真言 | サンスクリット語 | 訳 |
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毘盧遮那仏 | 毘盧遮那一字真言:ノウマク・サマンダ・ボダナン・バン | namaḥ samanta-buddhānāṃ vaṃ
ナマハ サマンタブッダーナーン ヴァン |
帰命したてまつる。あまねき諸仏に。ヴァン。 |
釈迦如来 | ノウマク・サマンダ・ボダナン・バク | namaḥ samanta-buddhānāṃ bhaḥ
ナマハ サマンタブッダーナーン バハ |
帰命したてまつる。あまねき諸仏に。バハ。 |
オン・バ・サラバキリシャ・ニルソナナウ・サラバダルマ・バシタ・ハラハタ・ギャギャナウ・サンマサンマ・ソワカ | oṃ bhaḥ sarva-kleśa-nisādana sarva-dharma-vaśita-prāpta gagana-sama-asama svāhā
オーン バハ サルヴァクレシャニサーダナ サルヴァダルマ ヴァシタプラープタ ガガナサマーサマ スヴァーハー |
オーン。バハ。一切の煩悩を摧伏する者よ。一切の法に自在を得たる者よ。虚空に等しく無等比なる者よ。スヴァーハー。 | |
オン・ムニムニ・マカムニ・シャカムニ・ソワカ | oṃ muni muni mahāmuni śākyamuni svāhā
オーン ムニ ムニ マハームニ シャーッキャムニ スヴァーハー |
オーン。聖者よ。聖者よ。大聖者よ。釈迦牟尼よ。スヴァーハー。 | |
薬師如来 | 大呪:ノウモ・バギャバテイ・バイセイジャ・クロ・ベイルリヤ・ハラバ・アラジャヤ・タタギャタヤ・アラカテイ・サンミャクサンボダヤ タニヤタ・オン・バイセイゼイ・バイセイゼイ・バイセイジャサンボリギャテイ・ソワカ | namo bhagavate bhaiṣajya-guru vaiḍūrya-prabha-rājāya tathāgatāya arhate samyaksambuddhāya tadyathā oṃ bhaiṣajye bhaiṣajye mahā-bhaiṣajya-samudgate svāhā
ナモー バガヴァテー バイシャジャグル ヴァイドゥーリャップラバラージャーヤ タターガターヤ アルハテー サムヤクサンブッダーヤ タディヤター オーン バイシャジェー バイシャジェー マハーバイシャジャサムガテー スヴァーハー |
帰命したてまつる。世尊よ。薬師瑠璃光王よ。如来よ。応供よ。正遍知よ。即ち曰く。オーン。医薬よ。医薬よ。偉大なる医薬よ。顕現し給え。スヴァーハー。 |
中呪(台密):オン・ビセイゼイ・ビセイゼイ・ビセイジャサンボリギャテイ・ソワカ | oṃ bhaiṣajye bhaiṣajye bhaiṣajya-samudgate svāhā
オーン バイシャジェー バイシャジェー バイシャジャサムガテー スヴァーハー |
オーン。医薬よ。医薬よ。医薬よ顕現し給え。スヴァーハー。 | |
小呪:オン・コロコロ・センダリ・マトウギ・ソワカ[注 46] | oṃ huru huru caṇḍāli mātaṅgi svāhā
オーン フル フル チャンダーリ マータンギ スヴァーハー |
オーン。取り去りたまえ。取り去りたまえ[注 47]。チャンダーリーよ。マータンギーよ[注 48][注 49]。スヴァーハー。
又は、 オーン 速疾に速疾に センダリ(暴悪の相をなせるもの)よ、マトゥギ(象王よ即ち狂象の如き降伏の相に往するもの)よ[20] スヴァーハー。 | |
阿弥陀如来 | 小呪:オン・アミリタ・テイセイ・カラ・ウン | oṃ amṛta-teje hara hūṃ
オーン アムリタテージェー ハラ フーン |
オーン。不死の甘露の威光(甘露威光尊)よ。運載したまえ。フーン。 |
大呪(十甘露呪、無量寿如来根本陀羅尼):ナウボウ・アラタンナウトラヤヤ・ノウマク・アリヤミタバヤ・タタギャタヤ・アラカテイ・サンミャク・サンボダヤ・タニャタ・オン・アミリテイ・アミリトドバンベイ・アミリタ・サンバンベイ・アミリタ・ギャルベイ・アミリタ・シッデイ・アミリタ・テイセイ・アミリタ・ビキランテイ・アミリタ・ビキランタ・ギャミネイ・アミリタ・ギャギャナウ・キチキャレイ・アミリタ・ドンドビソバレイ・サラバラタサダネイ・サラバキャラマキレイシャ・キシャヨウ・キャレイ・ソワカ | namo ratna-trayāya, namah ārya-amitābhāya-tathāgatāya-arhate-saṃyak-sambuddhāya. tadyathā oṃ amṛte amṛto-dbhave amṛta-sambhave amṛta-garbhe amṛta-siddhe amṛta-teje amṛta-vikrānte amṛta-vikrānta gāmine amṛta-gagana kīrti-kare amṛta-duṃdubhi svare sarvārtha-sādhane sarva-karma kleśa kṣayaṃ-kare svāhā
ナモー ラトナトラヤーヤ ナマハ アーリヤーミターバーヤ タターガターヤ―ルハテー サンミャクサンブッダーヤ ダディヤター オーン アムリトードハヴェー アムリタサンバヴェー アムリタガルベー アムリタスィッデー アムリタテージェー アムリタヴィクラーンテー アムリタヴィクラーンタガーミネー アムリタガガナキールティカレー アムリタドゥンドゥビスヴァレー サルヴァールタサーダネー サルヴァカルマクレーシャ クシャヤンカレー スヴァーハー |
帰命したてまつる。三宝に。帰命したてまつる。聖無量光如来応供正覚尊に。即ち。オーン。甘露尊よ。甘露所生尊よ。甘露能生尊よ。甘露胎蔵尊よ。甘露成就尊よ。甘露威光尊よ。甘露遊戯尊よ。甘露遊行尊よ。甘露広説尊よ。甘露鼓音尊よ。一切義成就尊よ。一切悪業因縁除滅尊よ。スヴァーハー。 | |
海音如来 | 雨宝呪心真言:オン・バソダレイ・ソワカ | oṃ vasu dare svāhā
オーン ヴァス ダレー スヴァーハー |
オーン。財宝を所有する者よ。スヴァーハー。 |
雨宝呪心中心真言:オン・シリバソ・ソワカ | oṃ srī vasu svāhā
オーン シュリー ヴァス スヴァーハー |
オーン。めでたき財宝よ。スヴァーハー。 | |
雨宝咒小心真言:オン・バソ・ソワカ | oṃ vasu svāhā
オーン ヴァス スヴァーハー |
オーン。財宝よ。スヴァーハー。 |
仏 | 真言 | サンスクリット語 | 訳 |
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大日如来 | 成身界:オン・バサラ・ダトバン | oṃ vajra-dhātu vaṃ
オーン ヴァジュラダートゥ ヴァン |
オーン。金剛界よ。ヴァン。 |
三昧耶界:バザラ・キジャナン・アク[21] | vajrajñām aḥ
ヴァジュラジュニャーナン アハ |
金剛智なり。アハ。 | |
三昧耶界:オン・バザラダダビシバリ・ウン・バジリニ[22] | oṃ vajradhātviśvari hūṃ vajriṇi
オーン ヴァジュラダートヴィシュヴァリ フーン ヴァジュリニ |
オーン。金剛界自在女よ。フーン。金剛女よ。 | |
微細界:オン・ソキシマ・バザラジャナ・サンマヤ・ウン | oṃ sūkṣmavajrajñāsamaya hūṃ
オーン スークシュマヴァジュラジュニャーナサマヤ フーン |
オーン。微細なる金剛智の誓願ある者よ。フーン。 | |
供養会:オン・サラバタタギャ・バザラダトバ・ドタラ・ホジャ・ソハランダ・サンマエイ・ウン | oṃ sarvatathāgata vajra-dhātvanuttarapūjāspharaṇasamaye hūṃ
オーン サルヴァタターガタ ヴァジュラダートヴァヌッタラプージャスパラニャサマイェー フーン |
オーン。一切如来金剛界のこの上なき広大な供養を誓願した者よ。フーン。 | |
四印会:オン・サラバタタギャ・ボシチ・バン | oṃ sarvatathāgatamuṣṭi vaṃ
オーン サルヴァタターガタムシュティ ヴァン |
オーン。一切如来の掬持よ。ヴァン。 | |
阿閦如来 | 成身界オン・アキシュビヤ・ウン | oṃ akṣobhya hūṃ
オーン アクショーッビャ フーン |
オーン。不動の者よ。フーン。 |
三昧耶界:バザラ・キジャナン・ウン | vajrajñām hūṃ
ヴァジュラジュニャーナン フーン |
金剛智なり。フーン。 | |
供養会:オン・サラバタタギャ・バザラサトバ・ドタラ・ホジャ・ソハランダ・サンマエイ・ウン | oṃ sarvatathāgata vajra-sattvānuttarapūjāspharaṇasamaye hūṃ
オーン サルヴァタターガタ ヴァジュラサットヴァ―ヌッタラプージャスパラニャサマイェー フーン |
オーン。一切如来金剛薩埵のこの上なき広大な供養を誓願した者よ。フーン。 | |
宝生如来 | オン・アラタンナウサンバンバ・タラク | oṃ ratna-sambhava trāḥ
オーン ラトナサンバヴァ トラーハ |
オーン。宝を発生する者よ。トラーハ。 |
三昧耶界:バザラ・キジャナン・タラク | vajrajñām trāḥ
ヴァジュラジュニャーナン トラーハ |
金剛智なり。トラーハ。 | |
供養会:オン・サラバタタギャ・バザラアラタンノウ・アドタラ・ホジャ・ソハランダ・サンマエイ・ウン | oṃ sarvatathāgata vajra-ratnānuttarapūjāspharaṇasamaye hūṃ
オーン サルヴァタターガタ ヴァジュララトナ―ヌッタラプージャスパラニャサマイェー フーン |
オーン。一切如来金剛宝部のこの上なき広大な供養を誓願した者よ。フーン。 | |
観自在王如来(無量寿如来) | オン・ロケイジンバラ・アランジャ・キリク | oṃ lokeśvara-rāja hrīḥ
オーン ローケーッシュヴァララージャ フリーヒ |
オーン。世自在の王よ。フリーヒ。 |
三昧耶界:バザラ・キジャナン・キリク | vajrajñām hrīḥ
ヴァジュラジュニャーナン フリーヒ |
金剛智なり。フリーヒ。 | |
供養会:オン・サラバタタギャ・バザラタラマ・ドタラ・ホジャ・ソハランダ・サンマエイ・ウン | oṃ sarvatathāgata vajra-dharmānuttarapūjāspharaṇasamaye hūṃ
オーン サルヴァタターガタ ヴァジュラダルマ―ヌッタラプージャスパラニャサマイェー フーン |
オーン。一切如来金剛法のこの上なき広大な供養を誓願した者よ。フーン。 | |
不空成就如来 | 成身界オン・アボキャシッデイ・アク | oṃ amogha-siddhe aḥ
オーン アモーガスィッデー アハ |
オーン。空しからず成就させる者よ。アハ。 |
三昧耶界:バザラ・キジャナン・アク | vajrajñām āḥ
ヴァジュラジュニャーナン アーハ |
金剛智なり。アーハ。 | |
供養会:オン・サラバタタギャ・バザラキャラマ・ドタラ・ホジャ・ソハランダ・サンマエイ・ウン | oṃ sarvatathāgata vajra-karmānuttarapūjāspharaṇasamaye hūṃ
オーン サルヴァタターガタ ヴァジュラカルマ―ヌッタラプージャスパラニャサマイェー フーン |
オーン。一切如来金剛業のこの上なき広大な供養を誓願した者よ。フーン。 |
仏 | 真言 | サンスクリット語 | 訳 |
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大日如来 | ノウマク・サマンダ・ボダナン・ア・ビ・ラ・ウン・ケン | namaḥ samanta-buddhānām a vi ra hūṃ khaṃ
ナマハ サマンタブッダーナーン ア ヴィ ラ フーン カーン |
帰命したてまつる。あまねき諸仏に。地、水、火、風、空。 |
ノウマク・サマンダ・ボダナン・ア・バン・ラン・カン・ケン | namaḥ samanta-buddhānām a vaṃ raṃ haṃ khaṃ
ナマハ サマンタブッダーナーン ア ヴァン ラン ハン カン |
帰命したてまつる。あまねき諸仏に。地、水、火、風、空。 | |
宝幢如来 | ノウマク・サマンダボダナン・ラン・ラク・ソワカ | namaḥ samanta-buddhānām raṃ raḥ svāhā
ナマハ サマンタブッダーナーン ラン ラハ スヴァハー |
帰命したてまつる。あまねき諸仏に。ラン。ラハ。スヴァハー。 |
開敷華王如来 | ノウマク・サマンダボダナン・バン・バク・ソワカ | namaḥ samanta-buddhānāṃ vaṃ vaḥ svāhā
ナマハ サマンタブッダーナーン ヴァン ヴァハ スヴァーハー |
帰命したてまつる。あまねき諸仏に。ヴァン。ヴァハ。スヴァーハー。 |
無量寿如来
(阿弥陀如来) |
ノウマク・サマンダボダナン・サン・サク・ソワカ | namaḥ samanta-buddhānāṃ saṃ saḥ svāhā
ナマハ サマンタブッダーナーン サン サハ スヴァーハー |
帰命したてまつる。あまねき諸仏に。サン。サハ。スヴァーハー。 |
天鼓雷音如来 | ノウマク・サマンダボダナン・カン・カク・ソワカ | namaḥ samanta-buddhānāṃ haṃ haḥ svāhā
ナマハ サマンタブッダーナーン ハン ハハ スヴァーハー |
帰命したてまつる。あまねき諸仏に。ハン。ハハ。スヴァーハー。 |
仏頂尊
諸尊 | 真言 | サンスクリット語 | 訳 |
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尊勝仏頂 | 小心真言オン・アミリタ・テイジャバチ・ソワカ | oṃ amṛta-tejavati svāhā
オーン アムリタテージャヴァティ スヴァーハー |
オーン。不死の甘露の威光を スヴァーハー。 |
随心真言オン ボロン ソワカ オン アミリタ アユダディ ソワカ | oṃ bhrūṃ svāhā. oṃ amṛta āyur-datte svāhā
オーン ブルーン スヴァーハー オーン アムリタ アーユルダッテー スヴァーハー |
オーン ブルーン スヴァーハー オーン 不死の甘露の寿命を与える者よ スヴァーハー | |
一字金輪仏頂 | ノウマク・サマンダ・ボダナン・ボロン | namaḥ samanta-buddhānāṃ bhrūṃ
ナマハ サマンタブッダーナーン ブルーン |
帰命したてまつる。あまねき諸仏に。ブルーン。 |
仏眼仏母 | ナウボウ・バギャバテイ・ウシュニシャヤ・オン・ロロ・ソボロ・ジンバラ・チシュタ・シッダ・ロシャニ・サラバアラタ・サダニエイ・ソワカ | namo bhagabate uṣṇīṣāya oṃ ru ru sphuru jvala tiṣṭha siddhalocane sarvārtha-sādhaniye svāhā
ナモー バガバテー ウッシュニーシャーヤ オーン ル ル スプル ジュヴァラ ティッシュタ スィッダローチャネー サルヴァールタサーダニイェー スヴァーハー |
帰命したてまつる。世尊、仏頂に。オーン。破砕したまえ。破砕したまえ。遍満したまえ。輝きたまえ。発起したまえ。神通眼の尊よ。一切の利益を成就せる尊よ。スヴァーハー。 |
ノウマク・サマンダ・ボダナン・オン・ボダロシャニ・ソワカ | namaḥ samanta-buddhānāṃ oṃ buddha-locani svāhā
ナマハ サマンタブッダーナン オーン ブッダローチャニ スヴァーハー |
帰命したてまつる。あまねき諸仏に。オーン。仏眼尊よ。スヴァーハー。 | |
ノウマク・サマンダボダナン・ゲン・ギャギャナバララキシャネディ・ギャギャナサンメ・サラバタトギャタ・ビキ・サラサンバベイ・ジンバラ・ナモ・ボギャナン・ソワカ | namaḥ samantabuddhāna-ṃ gaṃ gaganavaralakṣaṇe gaganasamesarvatrodgatabhiḥ sārasambhave jvala namo 'moghānāṃ svāhā
ナマハ サマンタブッダーナーン ガン ガガナヴァララクシャネー ガガナサメサルヴァトローッドガタヴィヒ サーラサンバヴェ ジュヴァラ ナモー モーガーナーン スヴァーハー |
帰命したてまつる。あまねき諸仏に。ガン。虚空の優れた特相を持つ者よ。虚空に等しい者よ。全ての処に出現する者よ。降伏する者よ。輝け。帰命したてまつる。あまねき不空に。スヴァーハー。 | |
白傘蓋仏頂 | ノウマク・サマンダ・ボダナン・アハラチカタ・・シャサノウナン・オン・タタギャト・シニシャ・アノウバロキタ・モリタ・シャキラ・バチラ・オン・ママ・ウン・ジャ | namaḥ samanta buddhānāṃ oṃ tathāgatoṣṇīṣa anavalokitāmūrdha hūṃ mā mā ma ma, huṃ nī
ナマハ サマンタブッダーナーン オーン タターガトーシュニーシャ アナヴァローキタームールダ フーン マー マー マ マ フーン ニー |
。 |
ノウマク・サマンダ・ボダナン・ラン・シッタタハンダラ・ウシュニシャ・ソワカ |
|
。 | |
八句陀羅尼:オン・アナレイ・ビシャダ・ビラ・バジラダリ・バンダ・バンダニ・バジラバニ・ハン・フーン・トルーン・ハン・ソワカ | oṃ anale viśada vaīra vajradari bandha-bandhani vajrapāni phat hūm trūṃ phat svāhā
オーン アナレー ヴィシャダ ヴァイラ ヴァジュラダリ バンダ バンダニ バジュラパーニ パット フーン トルーン パット スヴァーハー |
オーン。如来善逝阿羅漢正等覚に礼拝す。パット。フーン。トルーン。パット。スヴァーハー。 |
諸尊 | 真言 | サンスクリット語 | 訳 |
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金剛波羅密菩薩 | 成身界、供養会:オン・サトババジリ・ウン | oṃ sattvavajri hūṃ
オーン サットヴァヴァジュリ フーン |
オーン。薩埵金剛女よ。フーン。 |
三昧耶身界:バザラシリ・ウン | vajraśri hūṃ
ヴァジュラシュリ フーン |
金剛吉祥女よ。フーン。 | |
三昧耶身界:オン・バザラシリ・ウン | vajraśri hūṃ
ヴァジュラシュリ フーン |
金剛吉祥女よ。フーン。 | |
金剛薩埵 | オン・バザラサトバ・アク | oṃ vajra-sattva āḥ
オーン ヴァジュラサットヴァ アーハ |
オーン。金剛薩埵よ。アーハ。 |
オン・サンマヤ・サトバン | oṃ samayas tvaṃ
オーン サマヤス トヴァン |
オーン。汝は三昧耶なり[23] | |
供養会:オン・サラバタタギャタ・サラバタマ・ニリヤタノウ・ホジャソハランダ・キャラマ・バジリ・アク | oṃ sarvatathāgata sarvātmani ryātanapūjāspharaṇa karma vajri āḥ
オーン サルヴァタターガタ サルヴァートマニ リヤータナプージャ―スパラニャ カルマ バジュリ アーハ |
オーン。一切如来に全身全霊を捧げる広大な供養をする金剛女よ。アーハ。 | |
四印界オン・キリダヤマニシタニ・サラバタタギャタナン・シジヤタン | oṃ hṛdayamanīṣitāni sarvatathāgatana-ṃ sidhyantām
オーン フリダヤマニーシターニ サルヴァタターガターナーン スィッディヤンターン |
オーン。一切如来の心からの願望が成就せんことを。 | |
ノウマク・サマンダ・ボダナン・センダマカロシャダ・ウン | namaḥ samanta-buddhānāṃ caṇḍamahāroṣaṇa hūṃ
ナマハ サマンタ ブッダーナーン チャンダマハーローシャナ フーン |
帰命したてまつる。あまねき諸仏に。暴悪な大忿怒なる者よ。フーン。 | |
ノウマク・サマンダ・バザラダン・バザラモコ・カン | namaḥ samanta-vajrānāṃ vajrātmako 'haṃ
ナマハ サマンタ ヴァジュラーナーン バジュラートーマコー ハン |
あまねき諸金剛尊に帰命したてまつる。我は、金剛の我性を有す者なり。 | |
オン・サラバ・タタギャタ・サラバタマ・ニリヤタンノウ・ホジャ・ソハランダ・キャラマ・バジリ・アク | oṃ sarva-tathāgata-sarva-ātma-niryātana-pūja-spharaṇa-karma-vajri āḥ
オーン サルヴァタターガタ サルヴァートマ ニリヤータナプージャ スパラナカルマ ヴァジュリ アーハ |
オーン。一切如来の一切に己が身を奉献する供養をもって遍覆する業の金剛ある者よ。アーハ。 | |
弥勒菩薩(慈氏菩薩) | オン・マイタレイヤ・ソワカ | oṃ maitreya svāhā
オーン マイトレーヤ スヴァーハー |
オーン。慈愛なる者よ。スヴァーハー。 |
ノウマク・サマンダボダナン・マカユギャ・ユギニユゲイジンバリ・カンジャリケイ・ソワカ | namaḥ samanta-buddhānāṃ mahā-yaga yoginiyoge-śvari khāñjalike svāhā
ナマハ サマンタブッダーナーン マハーヤガ ヨーギニヨーゲーッスヴァリ カーンジャリケー スヴァーハー |
帰命したてまつる。あまねき諸仏に。偉大な瑜伽行者よ。瑜伽自在者よ。虚心合掌する者よ。スヴァーハー。 | |
中呪:ノウマク・サマンダ・ボダナン・アジタジャヤ・サラバ・サトバ・シャヤドギャタ・ソワカ | namaḥ samanta-buddhānāṃ ajitaṃjaya sarva-sattva-āśaya-anugata svāhā
ナマハ サマンタブッダーナーン アジタンジャヤ サルヴァサットヴァーシャヤーヌガタ スヴァーハー |
帰命したてまつる。あまねき諸仏に。未降伏者を降伏する者よ。一切有情の意楽に随順する者よ。スヴァーハー。 | |
大呪(弥勒菩薩根本陀羅尼)ナウボウ・アラタンナウ・トラヤヤ・ノウマク・アリヤバロキテイジンバラヤ・ボウジサトバヤ・マカサトバヤ・マカキャロニキャヤ・タニャタ・オン・マイタレイ・マイタレイ・マイタラ・マナウセン・マイタラ・サンバンベイ・マイタロ・ドバンベイ・マカサンマヤ・ソワカ | namo ratna-trayāya, nama āryāvalokiteśvarāya bodhi-sattvāya mahāsatvāya mahākāruṇikāya tad-yathā, oṃ, maitre maitre maitra-manasi maitra-sambhave maitra-udbhave mahāsamaye svāhā
ナモー ラトナトラヤーヤ ナマ アーリヤーヴァローキテーッシュヴァラ ボーディサットヴァーヤ マハーサットヴァーヤ マハーカールニカーヤ タディヤター オーン マイトレー マイトレー マイトラマナスィ マイトラサンバヴェー マイトラウドバヴェー マハーサマイェー スヴァーハー |
帰命したてまつる。三宝に。帰命したてまつる。聖観自在菩薩に。摩訶薩大悲尊に。即ち曰く。オーン。慈愛に。慈愛に。慈愛の意に。慈愛より生ずる尊に。慈愛によって発生せられた大三昧耶に。スヴァーハー。 | |
文殊菩薩 | ノウマク・サマンダボダナン・マン・ケイケイ・クマラ・ビモキチ・ハッタ・シッタイタ・サマラ・サマラ・ハラチネン・ソワカ | namaḥ samanta-buddhānāṃ maṃ he he kumāraka vimukti-patha-sthita smara smara pratijñāṃ svāhā
ナマハ サマンタブッダーナーン マン ヘー ヘー クマーラカ ヴィムックティ パッタ スティッタ スマラ スマラ プラティジュナーン スヴァーハー |
帰命したてまつる。あまねき諸仏に。マン。おお童子よ。解脱道に住するものよ。憶念せよ。憶念せよ。本願を。スヴァーハー。 |
ノウマク・サマンダボダナン・ア・ベイダビデイ・ソワカ | namaḥ samanta-buddha-na-ṃ ā vedavide svāhā
ナマハ サマンタブッダーナーン アー ヴェーダヴィデー スヴァーハー |
帰命したてまつる。あまねき諸仏に。アー。知識ある者よ。スヴァーハー。 | |
オン・ドギャ・シナ・ダン | om duḥkha ccheda dham
オーン ドゥッカ チェーダ ダン |
オーン。苦を断除する者よ。ダン。 | |
心呪(五字心真言):オン・アラハシャノウ | oṃ a ra pa ca na
オーン ア ラ パ チャ ナ |
オーン。ア。ラ。パ。チャ。ナ。 | |
勢至菩薩 | オン・サン・ザン・ザン・サク・ソワカ | oṃ saṃ jaṃ jaṃ saḥ svāhā
オーン サン ジャン ジャン サハ スヴァーハー |
オーン。サン。ジャン。ジャン。サハ。スヴァーハー。 |
普賢菩薩 | オン・サンマヤ・サトバン | oṃ samayas tvaṃ
オーン サマヤス トヴァン |
オーン。汝は三昧耶なり[23] |
ノウマク・サマンダ・ボダナン・アン・アク・ソワカ | namaḥ samanta-buddhānāṃ aṃ aḥ svāhā
ナマハ サマンタブッダーナーン アン アハ スヴァーハー |
帰命したてまつる。あまねき諸仏に。アン。アハ。スヴァーハー。 | |
ノウマク・サマンダ・ボダナン・サマンタドギャタ・ベイラジャ・ダルマ・ネジャタ・マカ・マカ・ソワカ | namaḥ samanta-buddhānāṃ samatā-anugata viraja-dharma-nirjāta-mahā mahā svāhā
ナマハ サマンタブッダーナーン サマターヌガタ ヴィラジャ ダルマ ニルジャータ マハー マハー スヴァーハー |
帰命したてまつる。あまねき諸仏に。平等性に随至する者よ。無垢の法より生じたる大中の大なる者よ。スヴァーハー。 | |
オン・サンマンタバダラヤ・アク | oṃ samantabhadrāya aḥ
オーン サマンタバドラーヤ アーハ |
オーン。あまねく賢き者に。アハ。スヴァーハー。 | |
普賢延命菩薩 | オン・バサラ・ユセイ・ソワカ | oṃ vajrāyuṣe svāhā
オーン ヴァジュラユセー スヴァーハー |
オーン。金剛寿命尊よ。スヴァーハー。 |
般若菩薩 | オン・ヂク・シリ・シュロダ・ビジャエイ・ソワカ | oṃ dhīḥ śrī-śrūta-vijaye svāhā
オーン ディーヒ シュリーシュルータヴィジャイェー スヴァーハー |
帰命したてまつる。ディーヒ。吉祥の名声を獲得せる者よ。スヴァーハー。 |
地蔵菩薩 | オン・カカカ・ビサンマエイ・ソワカ | oṃ ha ha ha vismaye svāhā
オーン ハ ハ ハ ヴィスマイェー スヴァーハー |
帰命したてまつる。ハ、ハ、ハ。希有なる者よ。スヴァーハー。 |
勝軍地蔵真言:ノウマク・サマンダ・ボダナン・カカカ・ソタド・ソワカ | Namaḥ samanta buddhānāṃ Ha ha ha sutanu svāhā
ナマハ サマンタブッダーナーン ハ ハ ハ スタヌ スヴァーハー |
帰命したてまつる。あまねき諸仏に。ハ、ハ、ハ。妙身ある者よ。スヴァーハー。 | |
虚空蔵菩薩 | 三昧耶真言:オン・バザラ・アラタンナウ・ウン | oṃ vajra ratna hūṃ
オーン ヴァジュラ ラトナ フーン |
オーン。金剛宝よ。フーン。 |
ノウボウ・アキャシャキャラバヤ・オン・アリキャ・マリ・ボリ・ソワカ | namo ākāśa-garbhāya oṃ alika māli muli svāhā
ナモー アーカーシャガルバーヤ オーン アリカ マーリ ムリ スヴァーハー |
帰命したてまつる。虚空蔵尊よ。オーン。怨敵を打ち滅ぼす者よ。スヴァーハー。 | |
ノウマク・サマンダ・ボダナン・アキャシャ・サンマンダドギャタ・ビシッタラン・バラダラ・ソワカ | namaḥ samantabuddhānāṃ ākāśasamanta-nugata vicitrāmbara dhara svāhā
ナマハ サマンタブッダーナーン アーカーシャサマンタヌガタ ヴィチットラーンバラ ダラ スヴァーハー |
帰命したてまつる。あまねき諸仏に。虚空に同等なる者よ。色とりどりの衣を纏いし者よ。スヴァーハー。 | |
オン・ギャギャナウ・ゲンジャヤ・ア・ソワカ | oṃ gaganagaṅ jāya ā svāhā
オーン ガガナガンジャーヤ アー スヴァーハー |
オーン。虚空蔵に。アー。スヴァーハー。 | |
オン・ギャギャネイ・ギャギャナロシャネイ・ウン | oṃ gagane gaganalocane hūṃ
オーン ガガネー ガガナローチャネー フーン |
オーン。虚空に。虚空眼に。フーン。 | |
延命菩薩 | オン・トン・バザラ・ユク | oṃ ṭuṃ vajra yuḥ
オーン トゥン ヴァジュラ ユフ |
オーン。調伏金剛尊よ。ユフ。 |
大随求菩薩 | 一切如来随心真言:オン・バラ・バラ・サンバラ・サンバラ・インドリヤビジュダネ・ウン・ウン・ロロ・サレイ・ソワカ | oṃ bhara bhara sambhara sambhara indriya-viśuddhane hūṃ hūṃ ruru cale svāhā
オーン バラ バラ サンバラ サンバラ インドリヤヴィシュッダネー フーン フーン ルル チャレー スヴァーハー |
オーン。済度したまえ。済度したまえ。広く済度したまえ。広く済度したまえ。六根浄化尊よ。浄めたまえ。浄めたまえ。破砕したまえ。遊行尊よ。スヴァーハー。 |
一切如来心中心真言オン・サラバタターギャタボリテイ・ハラバラビギャタ・バエイ・シャマヤソバメイ・バギャバチ・サラバハンベイ・ビャク・ソバサチラバンバト・ボニボニ・ビボニ・シャレイ・シャラネイ・バヤビギャテイ・バヤカラネイ・ボウヂボウヂ・ボウダヤボウダヤ・ボウヂリボウヂリ・サラバタターギャタ・キリダイヤ・ジュシッタイ・ソワカ | oṃ sarva-tathāgata-mūrtte pravara-vigata-bhaye śamaya-sva-me bhagavati sarva-pāpe bhyaḥ svastir-bhavatu muni-muni vimuni-(vimuni) cari-calane (bhagavate) bhaya-vigate bhaya-haraṇi bodhi-bodhi bodhaya-bodhaya buddhili-buddhili sarva-tathāgata-hṛdaya-juṣṭe svāhā
オーン サルヴァタターガタムールテー プラバラビガタバイェー シャマーヤスヴァ メー バガヴァティ サルヴァパーペーッビャハ スヴァスティル バヴァトゥ ムニ ムニ ヴィムニ チャレー チャラネー ヴァヤヴィガテー バヤハーラネー ボーディ ボーダヤ ボーダヤ ブッディリ ブッディリ サルヴァタターガタフリダイヤ ジュステー スヴァーハー |
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除悪趣菩薩 | ノウマク・サマンダ・ボダナン・ドバンシャナン・アビュダラ・ニサトバダトン・ソワカ | namaḥ samanta-buddhānāṃ dhvaṃsa naṃ abhyuddhara niḥsattvadhātuṃ svāhā
ナマハ サマンタブッダーナーン ドヴァンサ ナン アッビュッダラ ニヒサットヴァダートゥン スヴァーハー |
帰命したてまつる。あまねき諸仏に。除去しため。ナン。悪趣界を救いたまえ。スヴァーハー。 |
馬鳴菩薩 | オン・バザラ・シャキャラ・ウン・ジャク・ウン・バン・コク | oṃ vajra-cakra hūṃ jaḥ hūṃ vaṃ hoḥ
オーン ヴァジュラチャックラ フーン ジャハ フーン ヴァン ホーホ |
オーン。金剛輪尊よ。フーン。ジャハ。フーン。ヴァン。ホーホ。 |
日光菩薩 | オン・ソリヤハラバヤ・ソワカ | oṃ sūryaprabhaya svāhā
オーン スーリヤップラバヤ スヴァーハー |
オーン。太陽の様に輝ける者よ。スヴァーハー。 |
オン・ロホウニュタ・ソワカ | oṃ rūpoddyota svāhā
オーン ルーポッデョータ スヴァーハー |
オーン。姿輝ける者よ。スヴァーハー。 | |
月光菩薩 | オン・センダラ・ハラバヤ・ソワカ | oṃ candraprabhaya svāhā
オーン チャンドラップラバヤ スヴァーハー |
オーン。月の様に輝ける者よ。スヴァーハー。 |
多羅菩薩 | ノウマク・サマンダ・ボダナン・キャロダオンバベイ・タレイ・タリニ・ソワカ | namaḥ samanta-buddhānāṃ karuṇa-udbhave tāre tāriṇi svāhā
ナマハ サマンタブッダーナーン カルノードバヴェー ターレー ターリニ スヴァーハー |
帰命したてまつる。あまねき諸仏に。悲愍より生じたる救母よ。救度する者よ。スヴァーハー。 |
仏 | 真言 | サンスクリット語 | 訳 |
---|---|---|---|
聖観音 | オン・アロリキャ・ソワカ | oṃ ālolik svāhā
オーン アーローリク スヴァーハー |
オーン。泥土より生じた者よ[注 50]。スヴァーハー。 |
ノウマク・サマンダ・ボダナン・サラバ・タタギャタバロキタ・ギャロダ・マヤ・ラララ・ウン・ジャク・ソワカ | namaḥ samanta-buddhānāṃ sarva-tathāgata-avalokita-karuṇā-maya ra ra ra hūṃ jaḥ svāhā
ナマハ サマンタブッダーナーン サルヴァタターガターヴァローキタカルナーマヤ ラ ラ ラ フーン ジャハ スヴァーハー |
帰命したてまつる。あまねき諸仏に。一切如来の観見する者よ慈悲深き者よ。ラ、ラ、ラ。フーン。ジャハ。スヴァーハー。 | |
ノウマク・サマンダボダナン・ボダタランジ・サンボリチ・バラダノウ・キャリ・ダラ・ダラ・ダラヤ・ダラヤ・サラバン・バキャバチ・アキャラバチ・サンマエイ・ソワカ | namaḥ samantabuddhānāṃ buddhadhāraṇi smṛtibaladhanakāri dhara dhara dhāraya dhāraya sarvaṃ bhagavaty ākāravati samaye svāhā
ナマハ サマンタブッダーナーン ブッダダーラニ スンリティバラダナカーリ ダラ ダラ ダーラヤ ダーラヤ サルヴァン バガヴァティ アーカーラヴァティ サマイェー スヴァーハー |
帰命したてまつる。あまねき諸仏に。仏陀の保持者よ。念と力を所有する者よ。保持せよ。保持せよ。一切を保持せよ。保持せよ。形相をそなえた世尊よ。本誓ある者よ。スヴァーハー。 | |
十一面観音 | オン・ロケイジンバラ・ラジャ・キリク | oṃ lokeśvara-rāja hrīḥ
オーン ローケーッシュヴァララージャ フリーヒ |
オーン。世自在の王よ。フリーヒ。 |
オン・マカ・キャロニキャ・ソワカ | oṃ mahā-kāruṇikāya svāhā
オーン マハーカールニカーヤ スヴァーハー |
オーン。大悲を持てる者よ。スヴァーハー。 | |
千手観音 | 大悲心陀羅尼:大悲心陀羅尼を参照 | ||
大悲呪心呪:オン・バザラ・タラマ・キリク・ソワカ | oṃ vajra-dharma hrīḥ
オーン ヴァジュラ ダルマ フリーヒ |
オーン。金剛法よ。フリーヒ。 | |
准胝観音 | 大準提呪:ノウボ・サッタナン・サンミャクサンボダ・クチナン・タニヤタ・オン・シャレイ・シュレイ・ソンデイ・ソワカ | namaḥ saptānāṃ saṃyak-sambuddha-koṭināṃ tadyathā oṃ cale cūle cundī svāhā
ナマハ サプターナーン サムヤクサンブッダコーチナーン タディヤター オーン チャレー チューレー チュンディー スヴァーハー |
帰命したてまつる。7千万[注 51])人の正等覚よ。即ち曰く。オーン。遊行尊よ。頂髻尊よ。清浄尊よ。スヴァーハー。 |
小準提呪:オン・シャレイ・シュレイ・ジュンテイ・ソワカ | oṃ cale cūle cundī svāhā
オーン チャレー チューレー チュンディー スヴァーハー |
オーン。遊行尊よ。頂髻尊よ。清浄尊よ。スヴァーハー。 | |
如意輪観音 | 大心陀羅尼(心秘密真言):オン・ハンドメイ・シンダマニ・ジンバラ・ウン | oṃ padme cintāmani jvala hūm
オーン パドメー チンターマニ ジュヴァラ フーン |
オーン。蓮華尊よ。如意宝珠尊よ。火焔尊よ。フーン。 |
小心陀羅尼(心中心真言):オン・バラダ・ハンドメイ・ウン | oṃ varada-padme hūm
オーン ヴァラダ パドメー フーン |
オーン。施願(施与)したもう蓮華尊よ。フーン。 | |
根本陀羅尼:ナウボウ・アラタンナウ・タラヤヤ・ノウマク・アリヤ・バロキテイ・ジンバラヤ・ボウジサトバヤ・マカサトバヤ・マカキャロニキャヤ・タニャタ・オン・シャキャラバリチ・シンダマニ・マカハンドメイ・ロロ・チシュタ・ジンバラ・アキャラシャヤ・ウン・ハッタ・ソワカ | namo ratna-trayāya nama āryāvalokiteśvarāya bodhi-sattvāya mahā-sattvāya mahā-kāruṇikāya Tadyathā oṃ cakra-varti cintāmaṇi mahā-padme, ru ru tiṣṭhat jvala, ākarṣāya hūṃ phaṭ svāhā
ナモー ラトナトラヤーヤ ナマ アーリヤーヴァローキテーッシュヴァラーヤ ボーディサットヴァーヤ マハーサットヴァーヤ マハーカールニカーヤ タディヤター オーン チャックラヴァルティ チンターマニ マハーパドメー ル ル ティシュタット ジュヴァラ アーカルシャーヤ フーン パット スヴァーハー |
帰命したてまつる。三珠よ。帰命したてまつる。聖観自在菩薩よ。大衆生よ。大悲を持てる者(大悲尊)よ。即ち曰く。オーン。転輪聖王よ。如意宝珠尊よ。大蓮華尊よ。ルル。とどまりたまえ。光明を引摂したまえ。フーン。パット。スヴァーハー。 | |
馬頭観音 | オン・アミリト・ドバンバ・ウン・ハツタ・ソワカ | oṃ amṛtodbhava hūm phaṭ svāhā
オーン アムリトードバヴァ フーン パット スヴァーハー |
オーン。不死の甘露より生起した者よ。フーン。パット。スヴァーハー。 |
ノウマク・サマンダ・ボダナン・キャナヤ・バンジャ・ソハタヤ・ソワカ | namaḥ samantabuddhānāṃ khādaya bhañja sphoṭaya svāhā
ナマハ サマンタブッダーナーン カーダヤ バンニャ スポータヤ スヴァーハー |
帰命したてまつる。あまねき諸仏に。噛砕せよ。粉砕せよ。破壊せよ。スヴァーハー。 | |
不空羂索観音 | 随作事成就真言:オン・アボキャ・ビジャシャ・ウン・ハッタ | oṃ amogha-vijaya hūm phaṭ
オーン アモーガヴィジャヤ フーン パット |
帰命してたまつる。不空の勝者よ。フーン。パット。 |
秘密小心真言:オン・ハンドマ・ダラ・アボキャ・ジャヤニ・ソロソロ・ソワカ | oṃ padma-dhara-amogha-jayani suru suru svāhā
オーン パドマダラアモーガジャヤニ スル スル スヴァーハー |
オーン。蓮華を持ちて、空しからず調伏する者よ。出現したまえ。出現したまえ[注 52]。スヴァーハー。 | |
オン・アボギャバンシャ・クロダギャラシャヤ・マカ・バシュバテイ・ヤマ・バロダ・クベイラ・ボラカンマ・ベイシャ・ダルマクラ・サンマエン・ウン・ウン | oṃ amoghapāśa krodhākarṣaya mahāpaśupati yama varuna kubera brahma veṣa dharma-kula-samayam hūṃ hūṃ
オーン アモーガパーシャ クローダーカルシャヤ マハーパシュパティ ヤマ クベーラ ブラフマ ヴェーシャ ダルマクラサマヤン フーン フーン |
オーン。不空羂索尊よ。忿怒尊よ。大獣主(シヴァ)よ。ヤマよ。ヴァルナよ。クベーラよ。ブラフマンの相貌がある者よ。蓮華部の三昧耶を。フーン。フーン。 | |
オン・アボキャ・ハンドマ・ハンシャ・コロダ・カラシャヤ・ハラベイシャヤ・マカハジャハテイ・エンマ・バロダ・クベイラ・ボラカンマ・ベイシャダラ・ハンドマコラ・サンマヤ・ウン・ウン | oṃ amogha-padma-pāśakrodhākarṣaya praveśaya mahāpaśupati yama varuṇa kuvera brahma veṣadharaa padma-kula-samaya hūṃ hūṃ
オーン アモーガパドマパーシャ クローダーカルシャヤ プラヴェーシャヤ マハーパーシュパティ ヤマ ヴァルナ クヴェーラ ブラフマヴェシャダラ パドマクラサマヤ フーン フーン |
オーン。空しからざる蓮華と羂索を持つ忿怒尊よ。引き寄せ。入らしめよ。大獣主よ。ヤマよ。ヴァルナよ。クヴェーラよ。ブラフマーの相貌がある者よ。蓮華部の誓願ある者よ。フーン。フーン。 | |
白衣観音 | オン・シベイテイ・シベイテイ・ハンダラ・バシニ・ソワカ | oṃ śvete śvete pāṇḍara-vāsinī svāhā
オーン シュヴェーテー シュヴェーテー パーンダラヴァースィニー スヴァーハー |
オーン。光白尊よ。光白尊よ。純白衣尊よ。スヴァーハー。 |
ノウマク・サマンダ・ボダナン・タターギャタ・ビシャヤ・サンバベイ・ハンドマ・マリニ・ソワカ | namaḥ samanta-buddhānāṃ tathāgata-viṣaya-sambhave padma-mālini svāhā
ナマハ サマンタブッダーナーン タターガタヴィシャヤサンバヴェー パドママーリニ スヴァーハー |
帰命したてまつる。あまねき諸仏に。如来の境より生じ、(仏の功徳を装身の)蓮華鬘とする尊よ。スヴァーハー。 | |
楊柳観音 | オン・バザラダラマ・ベイサジャ・ラジャヤ・ソワカ | oṃ vajra-dharma bhaiṣajya-raja svāhā
オーン ヴァジュラダルマ バイシャジャヤラージャ スヴァーハー |
オーン。金剛法よ。医薬王よ。スヴァーハー。 |
明王
仏 | 真言 | サンスクリット語 | 訳 |
---|---|---|---|
不動明王 | 大呪(火界呪):ノウマク・サラバタタギャテイビャク・サラバボッケイビャク・サラバタタラタ・センダマカロシャダ・ケンギャキギャキ・サラバビギナン・ウンタラタ・カンマン | namaḥ sarvatathāgatebhyaḥ sarvamukhebhyaḥ, sarvathā traṭ caṇḍa-mahāroṣaṇa khaṃ khāhi khāhi sarvavighanaṃ hūṃ traṭ hāṃ māṃ
ナマハ サルヴァタターガテーッビャハ サルヴァムケーッビャハ サルヴァター トラット チャンダマハーローシャナ カン カーヒ カーヒ サルヴァヴィガナン フーン トラット ハーン マーン |
帰命したてまつる。全方位の一切如来よ。一切時一切処に。トラット。暴悪なる大忿怒尊よ。カン。一切障碍を滅尽したまえ滅尽したまえ。フーン。トラット。ハーン。マーン。 |
中呪(慈救呪):ノウマク・サマンダ・バザラダン・センダマカロシャダ・ソワタヤ・ウン・タラタ・カン・マン | namaḥ samanta-vajrāṇāṃ caṇḍa-mahāroṣaṇa sphoṭaya hūṃ traṭ hāṃ māṃ
ナマハ サマンタヴァジュラーナーン チャンダマハーローシャナ スポータヤ フーン トラット ハーン マーン |
帰命したてまつる。あまねき諸金剛尊よ。暴悪なる大忿怒尊よ。粉砕したまえ。フーン。トラット。ハーン。マーン。 | |
小呪(一字呪):ノウマク・サマンダ・バザラダン・カン | namaḥ samanta-vajrāṇāṃ hāṃ
ナマハ サマンタヴァジュラーナーン ハーン |
帰命したてまつる。あまねき諸金剛尊よ。ハーン | |
孔雀明王 | オン・マヤラギランデイ・ソワカ | oṃ māyūrā-krānte svāhā
オーン マーユーラークラーンテー スヴァーハー |
オーン。無敵の孔雀よ。スヴァーハー。 |
降三世明王 | オン・ソンバ・ニソンバ・ウン・バザラ・ウン・パッタ | oṃ sumbha nisumbha hūṃ vajra hūṃ phaṭ
オーン スンバ ニスンバ フーン ヴァジュラ フーン パット |
オーン。スンバ神よ。ニスンバ神よ。フーン。金剛よ。フーン。パット。 |
大威徳明王 | オン・シュチリ・キャラ・ロハ・ウン・ケン・ソワカ | oṃ ṣṭrīḥ kāla rūpa hūṃ khām svāhā
オーン シュトリーヒ カーラ ルーパ フーン カーン スヴァーハー |
オーン。シュトリーヒ。カーラ神の姿をとるものよ。フーン。カーン。スヴァーハー。 |
オン・チリカラ・ロハ・ウン・ケン・ソワカ | oṃ ṭrikara-ropa hūṃ khām svāhā
オーン トリカラローパ フーン カーン スヴァーハー |
オーン。三界殺害熱悩尊よ。フーン。カーン。スヴァーハー。 | |
金剛夜叉明王 | オン・バザラ・ヤキシャ・ウン | oṃ vajra-yakṣa hūṃ
オーン ヴァジュラヤクシャ フーン |
オーン。金剛夜叉よ。フーン。 |
オン・マカヤシャ・バザラサトバ・ジャク・ウン・バン・コク・ハラベイサヤ・ウン | oṃ mahā-yakṣa vajra-sattva jaḥ hūṃ vaṃ hoḥ praveṣaya hūṃ
オーン マハーヤクシャ ヴァジュラサットヴァ ジャハ フーン ヴァン ホーホ プラヴェーシャヤ フーン |
オーン。大夜叉よ。金剛薩埵よ。ジャハ。フーン。ヴァン。ホーホ。入れたまえ。フーン。 | |
軍荼利明王(甘露軍荼利明王) | オン・アミリテイ・ウン・ハッタ | oṃ amṛte hūṃ phaṭ
オーン アムリテー フーン パット |
オーン。不死甘露尊よ。フーン。パット。 |
金剛軍荼利明王 | オン・キリ・キリ・バザラ・ウン・ハッタ | oṃ kīli kīli vajra hūṃ phaṭ
オーン キーリ キーリ ヴァジュラ フーン パット |
オーン。キーリ、キーリ。 金剛よ。フーン。パット。 |
烏枢沙摩明王 | オン・クロダノウ・ウン・ジャク | oṃ krodhana hūṃ jaḥ
オーン クローダナ フーン ジャハ |
オーン。忿怒尊よ。フーン。ジャハ。 |
オン・シュリ・マリ・ママリ・マリ・シュシュリ・ソワカ | oṃ śrimali mamali mali śuśri svāhā
オーン シュリマリ ママリ マリ シュシュリ スヴァーハー |
オーン。吉祥を保持し給え。幸福を保持し給え。保持し給え。華麗な吉祥に。スヴァーハー。 | |
大元帥明王 | ナウボウ・タリ・タボリ・ハラボリ・シャキンメイ・シャキンメイ・タラサンタン・オエンビ・ソワカ | namas tariḥ taburiḥ bharaburiḥ śakyame śakyame trasaddhām oyaṃvi svāhā
ナマス タリヒ タブリヒ バラブリヒ シャッキャメー シャッキャメー トラサッダーン オヤンヴィ スヴァーハー |
解読不能。 |
愛染明王 | オン・マカラギャ・バザロシュニシャ・バザラ・サトバ・ジャク・ウン・バン・コク | oṃ mahārāga vajroṣnīṣa vajrasattva jaḥ hūṃ vaṃ hoḥ
オーン マハーラーガ ヴァジュローシュニーシャ ヴァジュラサットヴァ ジャハ フーン ヴァン ホーホ |
オーン。大愛染尊よ。金剛仏頂尊よ。金剛薩埵よ。ジャハ。フーン。ヴァン。ホーフ。 |
ウン・タキ・ウン・ジャク・ウン・シッヂ | hūṃ ṭaki hūṃ jaḥ hūṃ siddhi
フーン タキ フーン ジャハ フーン スィッディ |
フーン。タキー神。フーン。ジャハ。フーン。成就せよ。 | |
ウン・シッチ | hūṃ siddhi
フーン スィッディ |
フーン。成就せよ。 | |
無能勝明王 | オン・コロコロ・センダリ・マトウギ・ソワカ | oṃ huru huru caṇḍāli mātaṅgi svāhā
オーン フル フル チャンダーリ マータンギ スヴァーハー |
オーン。取り去りたまえ。取り去りたまえ。チャンダーリーよ。マータンギーよ。スヴァーハー。 |
ノウマク・サマンダボダナン・ジリン・ジリン・リン・リン・シリン・シリン・ソワカ | namaḥ samanta-buddhānāṃ dhriṃ dhriṃ riṃ riṃ jriṃ jriṃ svāhā
ナマハ サマンタブッダーナーン ドゥリン ドゥリン リン リン ジュリン ジュリン スヴァーハー |
帰命したてまつる。あまねき諸仏に。ドゥリン、ドゥリン、リン、リン、ジュリン、ジュリン。スヴァーハー。 | |
青面金剛 | オン・デイバヤキシャ・バンダ・バンダ・カカカカ・ソワカ | oṃ deva-yakṣa bandha bandha ha ha ha ha svāhā
オーン デーヴァヤクシャ バンダ バンダ ハハハハ スヴァーハー |
オーン。天の薬叉よ。縛せよ。縛せよ。ハハハハ。スヴァーハー。 |
天
諸尊 | 真言 | サンスクリット語 | 訳 |
---|---|---|---|
帝釈天 | ノウマク・サマンダ・ボダナン・インダラヤ・ソワカ | namaḥ samanta-buddhānāṃ indrāya svāhā
ナマハ サマンタブッダーナーン インドラーヤ スヴァーハー |
帰命したてまつる。あまねき諸仏に。インドラ神よ。スヴァーハー。 |
ノウマク・サマンダ・ボダナン・シャカラヤ・ソワカ | namaḥ samanta-buddhānāṃ śakrāya svāhā
ナマハ サマンタブッダーナーン シャクラーヤ スヴァーハー |
帰命したてまつる。あまねき諸仏に。強力な神よ。スヴァーハー。 | |
オン・バザラユダ・ソワカ | oṃ vajrāyudha svāhā
オーン ヴァジュラーユダ スヴァーハー |
オーン。金剛武器よ。スヴァーハー。 | |
火天 | ノウマク・サマンダ・ボダナン・アギャナウエイ・ソワカ | namaḥ samanta-buddhānāṃ agnaye svāhā
ナマハ サマンタブッダーナーン アグナイェー スヴァーハー |
帰命したてまつる。あまねき諸仏に。アグニ神に。スヴァーハー。 |
オン・バザラナラ・ソワカ | oṃ vajranala svāhā
オーン ヴァジュラナラ スヴァーハー |
オーン 金剛火よ スヴァーハー。 | |
焔摩天 | ノウマク・サマンダ・ボダナン・ヤマヤ・ソワカ | namaḥ samanta-buddhānāṃ yamāya svāhā
ナマハ サマンタブッダーナーン ヤマーヤ スヴァーハー |
帰命したてまつる。あまねき諸仏に。ヤマ神よ。スヴァーハー。 |
羅刹天 | ノウマク・サマンダ・ボダナン・ニルリテイ・ソワカ | namaḥ samanta-buddhānāṃ nirṛtye svāhā
ナマハ サマンタブッダーナーン ニルリティェー スヴァーハー |
帰命したてまつる。あまねき諸仏に。ニルリティ女神に。スヴァーハー。 |
オン・バザラ・ダンダ・ソワカ | oṃ vajradaṇd.a svāhā
オーン ヴァジュラ ダンダ スヴァーハー |
オーン 金剛刑杖よ。スヴァーハー。 | |
水天 | ノウマク・サマンダ・ボダナン・バロダヤ・ソワカ | namaḥ samanta-buddhānāṃ varuṇāya svāhā
ナマハ サマンタブッダーナーン ヴァルナーヤ スヴァーハー |
帰命したてまつる。あまねき諸仏に。ヴァルナ神に。スヴァーハー。 |
ノウマク・サマンダ・ボダナン・アハンハタエイ・ソワカ | namaḥ samanta-buddhānāṃ apāṃpataye svāhā
ナマハ サマンタブッダーナーン アパーンパテイェー スヴァーハー |
帰命したてまつる。あまねき諸仏に。水の主に。スヴァーハー。 | |
オン・ボダシリ・ソワカ | oṃ budhaśri svāhā
オーン ブダシュリ スヴァーハー |
オーン めでたき水曜よ スヴァーハー。 | |
オン・ノウギャバザラ・ソワカ | oṃ nāgavajra svāhā
オーン ナーガヴァジュラ スヴァーハー |
オーン 龍金剛よ スヴァーハー。 | |
風天 | ノウマク・サマンダ・ボダナン・バヤベイ・ソワカ | namaḥ samanta-buddhānāṃ vāyave svāhā
ナマハ サマンタブッダーナーン ヴァーヤヴェー スヴァーハー |
帰命したてまつる。あまねき諸仏に。ヴァーユ神よ。スヴァーハー。 |
オン・バザラニラ・ソワカ | oṃ vajrānila svāhā
オーン ヴァジュラニラ スヴァーハー |
オーン 金剛風よ スヴァーハー。 | |
毘沙門天(多聞天) | ノウマク・サマンダ・ベイシラマンダヤ・ソワカ | namaḥ samanta-buddhānāṃ vaiśravaṇāya svāhā
ナマハ サマンタブッダーナーン ヴァイシュラヴァナーヤ スヴァーハー |
帰命したてまつる。あまねき諸仏に。ヴィシュラヴァスの御子よ。スヴァーハー。 |
毘沙門天呪:アリ・ナリ・トナリ・アナロ・ナビ・クナビ | aṭṭe taṭṭe vanaṭṭe anade nāḍi kunaḍi svāhā
アッテー タッテー ヴァナッテー アナデー ナーディ クナディ スヴァーハー |
富裕者よ。曲芸者よ。讃歌によって踊る者よ。火神よ。歌神よ。醜悪な歌神よ[注 53]。スヴァーハー。 | |
ノウマク・サマンダ・ヤキシャシバラ・ソワカ | namaḥ samanta-buddhānāṃ yakṣeśvara svāhā
ナマハ サマンタブッダーナーン ヤクシェーシュヴァラ スヴァーハー |
帰命したてまつる。あまねき諸仏に。薬叉の主よ。スヴァーハー。 | |
オン・バザラバイラバ・ソワカ | oṃ vajrabhairava svāhā
オーン ヴァジュラバイラヴァ スヴァーハー |
オーン 金剛怖畏尊よ スヴァーハー。 | |
伊舎那天 | ノウマク・サマンダ・ボダナン・イシャナヤ・ソワカ | namaḥ samanta-buddhānāṃ īśanāya svāhā
ナマハ サマンタブッダーナーン イーシャーナーヤ スヴァーハー |
帰命したてまつる。あまねき諸仏に。イシャーナ神に。スヴァーハー。 |
ノウマク・サマンダ・ボダナン・ロダラヤ・ソワカ | namaḥ samanta-buddhānāṃ rudrāya svāhā
ナマハ サマンタブッダーナーン ルドラーヤ スヴァーハー |
帰命したてまつる。あまねき諸仏に。ルドラ神に。スヴァーハー。 | |
梵天 | ノウマク・サマンダ・ボダナン・ボラカンマネイ・ソワカ | namaḥ samanta-buddhānāṃ brahmaṇe svāhā
ナマハ サマンタブッダーナーン ブラフマネー スヴァーハー |
帰命したてまつる。あまねき諸仏に。ブラフマー神よ。スヴァーハー。 |
オン・モウノウバザラ・ソワカ | oṃmanunavajra svāhā
オーン マヌナヴァジュラ スヴァーハー |
オーン。寂黙金剛よ。スヴァーハー。 | |
地天 | ノウマク・サマンダ・ボダナン・ハラチビエイ・ソワカ | namaḥ samanta-buddhānāṃ pṛthiviye svāhā
ナマハ サマンタブッダーナーン プリティヴィイェー スヴァーハー |
帰命したてまつる。あまねき諸仏に。プリティヴィー女神よ。スヴァーハー。 |
日天 | ノウマク・サマンダ・ボダナン・アニチャヤ・ソワカ | namaḥ samanta-buddhānāṃ ādityāya svāhā
ナマハ サマンタブッダーナーン アーディティヤーヤ スヴァハー |
帰命したてまつる。あまねき諸仏に。アーディティヤ神よ。スヴァーハー。 |
オン・バザラクンダリ・ソワカ | oṃ vajrakuṇd.ali svāhā
オーン ヴァジュラクンダリ スヴァーハー |
オーン。金剛瓶よ。スヴァーハー。 | |
月天 | ノウマク・サマンダ・ボダナン・センダラヤ・ソワカ | namaḥ samanta-buddhānāṃ candrāya svāhā
ナマハ サマンタブッダーナーン チャンドラーヤ スヴァーハー |
帰命したてまつる。あまねき諸仏に。チャンドラ神よ。スヴァーハー。 |
オン・バザラハラバ・ソワカ | oṃ vajraprabha svāhā
オーン ヴァジュラプラバ スヴァーハー |
オーン。金剛光よ。スヴァーハー。 |
その他諸天
仏 | 真言 | サンスクリット語 | 訳 |
---|---|---|---|
那羅延天 | オン・バラバザラ・ソワカ | oṃ balavajra svāhā
オーン バラヴァジュラ スヴァーハー |
オーン。大力金剛よ。スヴァーハー。 |
ノウマク・サマンダボダナン・ビシッダベイ・ソワカ | namaḥ samantabuddhānāṃ viṣṇave svāhā
ナマハ サマンタブッダーナーン ヴィシュナヴェー スヴァーハー |
帰命したてまつる。あまねき諸仏に。ヴィシュヌ神に。スヴァーハー。 | |
持国天 | オン・チリタラシタラ・ララ・ハラハタナウ・ソワカ | oṃ dhṛtarāṣṭra-rārā-pramadana svāhā
オーン ドリタラーシュトララーラープラマダナ スヴァーハー |
オーン。ドリタラシュートラの明美なる楽欲よ。スヴァーハー |
持国天王呪:アキャネイ・キャネイ・クリ・ケンダリ・センダリ・マトウギ・ジョウグリ・フロシャニ・アンチ | agaṇe gaṇe gauri gāndhāri caṇḍāli mātangi jaṅguli saṃkule vrūsali agasti
アガネー ガネー ガウリ ガンダーリ チャンダーリ マータンギ ジャングリ サンクレー ヴルーサリ アガスティ |
無数の鬼神よ。ガネーシャ神よ。ガウリ(パールヴァティ)女神よ。ガーンダーリーよ。チャンダーリよ。マータンギーよ。ジャーングリー[注 54] よ。言え。行け。縛すぞ。縛すぞ。スヴァーハー。 | |
増長天 | オン・ビロダカ・ヤキシャヂハタエイ・ソワカ | oṃ virūḍhaka-yakṣādhipataye svāhā
オーン ヴィルーダカヤクシャーディパタイェー スヴァーハー |
オーン。薬叉の主なるヴィルーダカよ。スヴァーハー。 |
広目天 | オン・ビロバクシャ・ナカヂハタエイ・ソワカ | oṃ virūpākṣa-nāgādhipataye svāhā
オーン ヴィルーパークシャ ナーガーディパタイェー スヴァーハー |
オーン。龍族の主なるヴィルーパークシャよ。スヴァーハー。 |
四天王総呪 | オン・ア・ウン・ラ・ケン・ソワカ | oṃ a hūm ra khaṃ svāhā
オーン ア フーン ラ カン スヴァーハー |
オーン。ア。フーン。ラ。カン。スヴァーハー。 |
オン・ザンバラ・シャレンダラヤ・ソワカ(陀羅尼集経十一) | oṃ jaṃbhāra jalendrāya svāhā
オーン ジャンバーラ ジャレンドラーヤ スヴァーハー |
オーン。鬼神統べる。龍統べる王たちよ。スヴァーハー。 | |
弁才天 | オン・ソラサバタエイ・ソワカ | oṃ sarasvatye svāhā
オーン サラスヴァティェー スヴァーハー |
オーン。サラスヴァティー女神に。スヴァーハー。 |
吉祥天 | オン・マカシリエイ・ソワカ | Oṃ mahā-śriye svāhā
オーン マハーシュリイェー スヴァハー |
オーン。大ラクシュミー女神に。スヴァーハー。 |
摩利支天 | オン・アニチヤ・マリシエイ・ソワカ | oṃ ādityāya marīciye svāhā
オーン アーディティヤーヤ マリーチイェー スヴァーハー |
オーン。アーディティヤ[注 55] よ。マリーチー天女よ。スヴァーハー。 |
心真言:ノウマク・サマンダ・ボダナン・オン・マリシエイ・ソワカ | namaḥ samanta-buddhānāṃ oṃ marīciye svāhā
ナマハ サマンタブッダーナーン オーン マリーチイェー スヴァーハー |
帰命したてまつる。あまねき諸仏に。オーン。マリーチー天女よ。スヴァーハー。 | |
大黒天 | オン・マカキャラヤ・ソワカ | oṃ mahā kālāya svāhā
オーン マハーカーラーヤ スヴァーハー |
オーン。マハーカーラ(シヴァ)神よ。スヴァーハー。 |
聖天、(歓喜天、毘那耶迦、誐那缽底) | 毘那耶迦:オン・キリク・ギャクン・ウン・ソワカ | oṃ hrīḥ gaḥ hūṃ svāhā
オーン フリーヒ ガハ フーン スヴァーハー |
オーン。フリーヒ(観音)。ガハ(毘那耶迦)。フーン。スヴァーハー。 |
誐那缽底:オン・マカギャダハタエイ・ソワカ | oṃ mahāgaṇapataye svāhā
オーン マハーガナパタイェー スヴァーハー |
オーン。大集団の主よ。スヴァーハー。 | |
金剛墔天:オン・バザラグダ・ソワカ | oṃ vajragūḍha svāhā
オーン ヴァジュラグーダ スヴァーハー |
オーン。金剛傘蓋天よ。スヴァーハー。 | |
金剛衣天:オン・バザラバシ・ソワカ | oṃ vajravaśi svāhā
オーン ヴァジュラヴァシ スヴァーハー |
オーン。金剛能力(衣服)よ。スヴァーハー。 | |
金剛食天:オン・バザラマラ・ソワカ | oṃ vajramāla svāhā
オーン ヴァジュラマーら スヴァーハー |
オーン。金剛鬘よ。スヴァーハー。 | |
調伏天:オン・バザラジャヤ・ソワカ | oṃ vajrajaya svāhā
オーン ヴァジュラジャヤ スヴァーハー |
オーン。金剛調伏天よ。スヴァーハー。 | |
韋駄天 | オン・イダテイタ・モコテイタ・ソワカ | oṃ vidhati mahāghota svāhā
オーン ヴィダティ マハーゴータ スヴァーハー |
オーン。奉れ。大威容尊よ。スヴァーハー。 |
倶摩羅天 | オン・バザラケンダ・ソワカ | oṃ vajraghaṇṭā svāhā
オーン ヴァジュラガンター スヴァーハー |
オーン。金剛鈴よ。スヴァーハー。 |
大自在天 | オン・マケイシバラヤ・ソワカ | oṃ maheśvarāya svāhā
オーン マヘーッシュヴァラーヤ スヴァーハー |
オーン。マヘーシュヴァラ(シヴァ)神よ。スヴァーハー。 |
迦楼羅天 | オン・ギャロダヤ・ソワカ | oṃ garudaya svāhā
オーン ガルダヤ スヴァーハー |
オーン。ガルダよ。スヴァーハー。 |
オン・キシハ・ソワカ・オン・ハキシャ・ソワカ | oṃ kṣipa svāhā oṃ pakṣi svāhā
オーン クシパ スヴァーハー オーン パクシ スヴァーハー |
オーン。搏撃する者よ。スヴァーハー。オーン。翼ある者よ。スヴァーハー。 | |
緊那羅天 | オン・カサナン・ビカサナン・ソワカ | oṃ hasanāṃ vihasanāṃ svāhā
オーン ハサナーン ヴィハサナーン スヴァーハー。 |
オーン。笑ある者よ。哄笑ある者よ。スヴァーハー。 |
乾闥婆天 | オン・ビシュダ・サバラ・バケイニ・ソワカ | oṃ viśuddha-svara-vāhini svāhā
オーン ヴィシュッダスヴぁラヴァーヒニ スヴァーハー |
オーン。清浄なる音を運ぶ者よ。スヴァーハー。 |
訶梨帝母 | オン・ドドマリ・カキテイ・ソワカ | oṃ dudumāli hārite svāhā
オーン ドゥドゥマーリ ハーリテー スヴァーハー |
オーン。青鬘の首飾りせるハーリティーよ。スヴァーハー。 |
妙見菩薩 | オン・ソヂリシュタ・ソワカ |
|
|
オン・スネリ・スネリ・チッタ・ソワカ |
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||
オン・マカリシエイ・ジリベイ・ソワカ |
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その他諸尊
諸尊 | 真言 | サンスクリット語 | 訳 |
---|---|---|---|
難陀竜王 | ノウマク・サマンダ・ボダナン・ナンドハナンド・ソワカ | namaḥ samanta-buddhānāṃ nandopanandayoḥ svāhā
ナマハ サマンタブッダーナーン ナンドーパナンダヨーホ スヴァーハー |
帰命したてまつる。あまねき諸仏に。難陀と抜難陀よ。スヴァーハー。 |
ノウマク・サマンダ・ボダナン・ナンダヤ・ソワカ | namaḥ samanta-buddhānāṃ nandāya svāhā
ナマハ サマンタブッダーナーン ナンダーヤ スヴァーハー |
帰命したてまつる。あまねき諸仏に。難陀よ。スヴァーハー。 | |
烏波難陀竜王 | ノウマク・サマンダ・ボダナン・ウハナンダエイ・ソワカ | namaḥ samanta-buddhānāṃ nandopanandaya svāhā
ナマハ サマンタブッダーナーン ウパナンダーヤ スヴァーハー |
帰命したてまつる。あまねき諸仏に。烏波難陀よ。スヴァーハー。 |
諸龍 | ノウマク・サマンダ・ボダナン・メイギャシャニエイ・ソワカ | namaḥ samanta-buddhānāṃ megha-aśanāya svāhā
ナマハ サマンタブッダーナーン メーガーシャナーヤ スヴァーハー |
帰命したてまつる。あまねき諸仏に。雲を噉食する者よ。スヴァーハー。 |
諸天総呪 | オン・ロキャロキャ・キャラヤ・ソワカ | oṃ lokālola-kārāya svāhā
オーン ローカーローカカーラーヤ スヴァーハー |
オーン。世間、非世間の創造主よ。スヴァーハー。 |
諸尊 | 真言 | サンスクリット語 | 訳 |
---|---|---|---|
土曜 | オン・シャニシシャラ・シセイテイ・ソワカ | oṃ śanaiścaraśceṭe svāhā
オーン シャナイシュチャラシュチェーテー スヴァーハー |
オーン。めでたき歩み遅き星よ[注 56]。スヴァーハー。 |
日曜 | オン・アニチヤ・シリ・ソワカ | oṃ ādityaśri svāhā
オーン アーディッティヤシュリ スヴァーハー |
オーン。めでたき太陽よ。スヴァーハー。 |
月曜 | オン・ソマ・シリ・ソワカ | oṃ somaśri svāhā
オーン ソーマシュリ スヴァーハー |
オーン。めでたき月よ。スヴァーハー。 |
火曜 | オン・アギャラカ・シリ・ソワカ | oṃ aṅgārakaśri svāhā
オーン アンガーラカシュリ スヴァーハー |
オーン。めでたき熒惑星[注 57] よ。スヴァーハー。 |
水曜 | オン・ボダ・シリ・ソワカ | oṃ budhaśri svāhā
オーン ブダシュリ スヴァーハー |
オーン。めでたき智者星よ。スヴァーハー。 |
オン・ボダ・ダキシャタラ・ソワミナン・ケイトマ・ソワカ | oṃ budhanakṣatrasvāminaṃ ketuman svāhā
オーン ブダナクシャトスヴァーミナン ケートゥマン スヴァーハー |
オーン。智者の宿の首長に。光り輝くものよ。スヴァーハー。 | |
木曜 | オン・ボラカサハチシリ・ソワカ | oṃ bṛhaspatiśri svāhā
オーン ブリハスパティシュリ スヴァーハー |
オーン。めでたき大主星[注 58] よ。スヴァーハー。 |
金曜 | オン・シュキャラ・シリ・ソワカ | oṃ śukraśri svāhā
オーン シュックラシュリ スヴァーハー |
オーン。めでたき明星よ。スヴァーハー。 |
羅睺 | ノウマク・サマンダ・ボダナン・オン・ラカベイ・アソララジャヤ・ソワカ | namaḥ samantabuddhānāṃ oṃ rāhave asurarājāya hūṃ svāhā
ナマハ サマンタブッタナーン オーン ラーハヴェー アスララージャーヤ フーン スヴァーハー |
帰命したてまつる。あまねき諸仏に。オーン。アスラの王たるラーフ[注 59] に。フーン。スヴァーハー。 |
計都 | ノウマク・サマンダボダナン・ケイトシリ・ソワカ | namaḥ samantabuddhānāṃ ketuśri svāhā
ナマハ サマンタブッダターナーン ケートゥシュリ スヴァーハー |
帰命したてまつる。あまねき諸仏に。めでたき計都[注 60] よ。スヴァーハー。 |
諸尊 | 真言 | サンスクリット語 | 訳 |
---|---|---|---|
双女宮 | ノウマク・サマンダ・ボダナン・カンニヤハタエイ・ソワカ | namaḥ samanta-buddhānāṃ kanyāpataye svāhā
ナマハ サマンタブッダーナーン カニヤーパタイェー スヴァーハー |
帰命したてまつる。あまねき諸仏に。乙女の主に。スヴァーハー。 |
獅子宮 | ノウマク・サマンダ・ボダナン・シンカハタエイ・ソワカ | namaḥ samanta-buddhānāṃ siṃhapataye svāhā
ナマハ サマンタブッダーナーン シンハパタイェー スヴァーハー |
帰命したてまつる。あまねき諸仏に。獅子の主に。スヴァーハー。 |
巨蟹宮 | ノウマク・サマンダ・ボダナン・キャラカタカハタエイ・ソワカ | namaḥ samanta-buddhānāṃ karkaṭākapataye svāhā
ナマハ サマンタブッダーナーン カルカターカパタイェー スヴァーハー |
帰命したてまつる。あまねき諸仏に。蟹の主に。スヴァーハー。 |
男女宮 | ノウマク・サマンダ・ボダナン・ミタナハタエイ・ソワカ | namaḥ samanta-buddhānāṃ mithunapataye svāhā
ナマハ サマンタブッダーナーン ミトゥナパタイェー スヴァーハー |
帰命したてまつる。あまねき諸仏に。夫婦の主に。スヴァーハー。 |
牛密宮 | ノウマク・サマンダ・ボダナン・ビリシャハタエイ・ソワカ | namaḥ samanta-buddhānāṃ vṛṣapataye svāhā
ナマハ サマンタブッダーナーン ヴリシャパタイェー スヴァーハー |
帰命したてまつる。あまねき諸仏に。牡牛の主に。スヴァーハー。 |
白羊宮 | ノウマク・サマンダ・ボダナン・メイシャハタエイ・ソワカ | namaḥ samanta-buddhānāṃ meṣapataye svāhā
ナマハ サマンタブッダーナーン メーシャパタイェー スヴァーハー |
帰命したてまつる。あまねき諸仏に。牡羊の主に。スヴァーハー。 |
双魚宮 | ノウマク・サマンダ・ボダナン・ミナハタエイ・ソワカ | namaḥ samanta-buddhānāṃ mīnapataye svāhā
ナマハ サマンタブッダーナーン ミーナパタイェー スヴァーハー |
帰命したてまつる。あまねき諸仏に。双魚の主に。スヴァーハー。 |
摩竭宮 | ノウマク・サマンダ・ボダナン・マキャラハタエイ・ソワカ | namaḥ samanta-buddhānāṃ makarapataye svāhā
ナマハ サマンタブッダーナーン マカラパタイェー スヴァーハー |
帰命したてまつる。あまねき諸仏に。マカラの主に。スヴァーハー。 |
賢瓶宮 | ノウマク・サマンダ・ボダナン・クンバハタエイ・ソワカ | namaḥ samanta-buddhānāṃ kumbhapataye svāhā
ナマハ サマンタブッダーナーン クンバパタイェー スヴァーハー |
帰命したてまつる。あまねき諸仏に。賢瓶の主に。スヴァーハー。 |
弓宮 | ノウマク・サマンダ・ボダナン・ダンハタエイ・ソワカ | namaḥ samanta-buddhānāṃ dhanu pataye svāhā
ナマハ サマンタブッダーナーン ダヌタイェー スヴァーハー |
帰命したてまつる。あまねき諸仏に。天弓の長に。スヴァーハー。 |
蝎虫宮 | ノウマク・サマンダ・ボダナン・ビリシャシカハタエイ・ソワカ | namaḥ samanta-buddhānāṃ vṛścikapataye svāhā
ナマハ サマンタブッダーナーン ヴリシュチカパタイェー スヴァーハー |
帰命したてまつる。あまねき諸仏に。天蝎の主に。スヴァーハー。 |
秤宮 | ノウマク・サマンダ・ボダナン・トラハタエイ・ソワカ | namaḥ samanta-buddhānāṃ tūlāpataye svāhā
ナマハ サマンタブッダーナーン トゥーラーパタイェー スヴァーハー |
帰命したてまつる。あまねき諸仏に。秤量の長に。スヴァーハー。 |
諸尊 | 真言 | サンスクリット語 | 訳 |
---|---|---|---|
昴宿 | ノウマク・サマンダ・ボダナン・キリチキヤ・ダキシャタラ・ソワカ | namaḥ samantabuddhānāṃ kṛttikā nakṣatra svāhā
ナマハ サマンタ ブッダナーン クリッティカー ナクシャトラ スヴァーハー |
帰命したてまつる。あまねき諸仏に。クリッティカーよ。スヴァーハー。 |
畢宿 | ノウマク・サマンダ・ボダナン・ロウキニ・ダキシャタラ・ソワカ | namaḥ samantabuddhānāṃ rohiṇī nakṣatra svāhā
ナマハ サマンタ ブッダナーン ローヒニー ナクシャトラ スヴァーハー |
帰命したてまつる。あまねき諸仏に。ローヒニーよ。スヴァーハー。 |
觜宿 | ノウマク・サマンダ・ボダナン・モリガシャラ・ダキシャタラ・ソワカ | namaḥ samantabuddhānāṃ mṛgaśiro nakṣatra svāhā
ナマハ サマンタ ブッダナーン ムリガシロー ナクシャトラ スヴァーハー |
帰命したてまつる。あまねき諸仏に。ムリガシラスよ。スヴァーハー。 |
参宿 | ノウマク・サマンダ・ボダナン・アルドラ・ダキシャタラ・ソワカ | namaḥ samantabuddhānāṃ ārdrā nakṣatra svāhā
ナマハ サマンタ ブッダナーン アーッルドラ― ナクシャトラ スヴァーハー |
帰命したてまつる。あまねき諸仏に。アールドラ―よ。スヴァーハー。 |
鬼宿 | ノウマク・サマンダ・ボダナン・ホシャヤ・ダキシャタラ・ソワカ | namaḥ samantabuddhānāṃ puṣya nakṣatra svāhā
ナマハ サマンタ ブッダナーン プシヤ ナクシャトラ スヴァーハー |
帰命したてまつる。あまねき諸仏に。プシヤよ。スヴァーハー。 |
井宿 | ノウマク・サマンダ・ボダナン・ホダラバソ・ダキシャタラ・ソワカ | namaḥ samantabuddhānāṃ punarvasu nakṣatra svāhā
ナマハ サマンタ ブッダナーン プナルヴァス ナクシャトラ スヴァーハー |
帰命したてまつる。あまねき諸仏に。アールドラ―よ。スヴァーハー。 |
柳宿 | ノウマク・サマンダ・ボダナン・アシレイシャ・ダキシャタラ・ソワカ | namaḥ samantabuddhānāṃ āśleṣa nakṣatra svāhā
ナマハ サマンタ ブッダナーン アーシュレーシャ ナクシャトラ スヴァーハー |
帰命したてまつる。あまねき諸仏に。アーシュレーシャよ。スヴァーハー。 |
星宿 | ノウマク・サマンダ・ボダナン・マギャ・ダキシャタラ・ソワカ | namaḥ samantabuddhānāṃ maghā nakṣatra svāhā
ナマハ サマンタ ブッダナーン マガー ナクシャトラ スヴァーハー |
帰命したてまつる。あまねき諸仏に。マガーよ。スヴァーハー。 |
軫宿 | ノウマク・サマンダ・ボダナン・カシタ・ダキシャタラ・ソワカ | namaḥ samantabuddhānāṃ hastā nakṣatra svāhā
ナマハ サマンタ ブッダナーン ハスター ナクシャトラ スヴァーハー |
帰命したてまつる。あまねき諸仏に。ハスターよ。スヴァーハー。 |
亢宿 | ノウマク・サマンダ・ボダナン・サバチ・ダキシャタラ・ソワカ | namaḥ samantabuddhānāṃ svātī nakṣatra svāhā
ナマハ サマンタ ブッダナーン スヴァーティー ナクシャトラ スヴァーハー |
帰命したてまつる。あまねき諸仏に。スヴァーティーよ。スヴァーハー。 |
張宿 | ノウマク・サマンダ・ボダナン・ホロバホツログダ・ダキシャタラ・ソワカ | namaḥ samantabuddhānāṃ pūrvaphalgunī nakṣatra svāhā
ナマハ サマンタ ブッダナーン プールヴァパルグニー ナクシャトラ スヴァーハー |
帰命したてまつる。あまねき諸仏に。プルヴァパルグニーよ。スヴァーハー。 |
翼宿 | ノウマク・サマンダ・ボダナン・ウッタラホツログダ・ダキシャタラ・ソワカ | namaḥ samantabuddhānāṃ uttaraphalgunī nakṣatra svāhā
ナマハ サマンタ ブッダナーン ウッタラパルグニー ナクシャトラ スヴァーハー |
帰命したてまつる。あまねき諸仏に。ウッタラパルグニーよ。スヴァーハー。 |
角宿 | ノウマク・サマンダ・ボダナン・シッタラ・ダキシャタラ・ソワカ | namaḥ samantabuddhānāṃ citrā nakṣatra svāhā
ナマハ サマンタ ブッダナーン チットラー ナクシャトラ スヴァーハー |
帰命したてまつる。あまねき諸仏に。チットラーよ。スヴァーハー。 |
氐宿 | ノウマク・サマンダ・ボダナン・ビシャカ・ダキシャタラ・ソワカ | namaḥ samantabuddhānāṃ viśākhā nakṣatra svāhā
ナマハ サマンタ ブッダナーン ヴィシャーカー ナクシャトラ スヴァーハー |
帰命したてまつる。あまねき諸仏に。ヴィシャーカーよ。スヴァーハー。 |
女宿 | ノウマク・サマンダ・ボダナン・シラマダ・ダキシャタラ・ソワカ | namaḥ samantabuddhānāṃ śravaṇā nakṣatra svāhā
ナマハ サマンタ ブッダナーン シュラヴァナ― ナクシャトラ スヴァーハー |
帰命したてまつる。あまねき諸仏に。シュラヴァナ―よ。スヴァーハー。 |
斗宿 | ノウマク・サマンダ・ボダナン・オッタラシャダ・ダキシャタラ・ソワカ | namaḥ samantabuddhānāṃ uttarāṣādhā nakṣatra svāhā
ナマハ サマンタ ブッダナーン ウッタラーシャーダー ナクシャトラ スヴァーハー |
帰命したてまつる。あまねき諸仏に。ウッタラーシャーダーよ。スヴァーハー。 |
尾宿 | ノウマク・サマンダ・ボダナン・モラ・ダキシャタラ・ソワカ | namaḥ samantabuddhānāṃ mūla nakṣatra svāhā
ナマハ サマンタ ブッダナーン ムーラ ナクシャトラ スヴァーハー |
帰命したてまつる。あまねき諸仏に。ムーラよ。スヴァーハー。 |
箕宿 | ノウマク・サマンダ・ボダナン・ホロバアシャダ・ダキシャタラ・ソワカ | namaḥ samantabuddhānāṃ pūrvāṣādha nakṣatra svāhā
ナマハ サマンタ ブッダナーン プールヴァーシャーダー ナクシャトラ スヴァーハー |
帰命したてまつる。あまねき諸仏に。プールヴァーシャーダーよ。スヴァーハー。 |
房宿 | ノウマク・サマンダ・ボダナン・アドラダ・ダキシャタラ・ソワカ | namaḥ samantabuddhānāṃ anurādhā nakṣatra svāhā
ナマハ サマンタ ブッダナーン アヌラーダー ナクシャトラ スヴァーハー |
帰命したてまつる。あまねき諸仏に。アヌラーダーよ。スヴァーハー。 |
心宿 | ノウマク・サマンダ・ボダナン・セイシッタ・ダキシャタラ・ソワカ | namaḥ samantabuddhānāṃ jyeṣṭhā nakṣatra svāhā
ナマハ サマンタ ブッダナーン ジェーッシュター ナクシャトラ スヴァーハー |
帰命したてまつる。あまねき諸仏に。ジェーシュターよ。スヴァーハー。 |
虚宿 | ノウマク・サマンダ・ボダナン・ダンニシタ・ダキシャタラ・ソワカ | namaḥ samantabuddhānāṃ dhaniṣṭhā nakṣatra svāhā
ナマハ サマンタ ブッダナーン ダニッシュター ナクシャトラ スヴァーハー |
帰命したてまつる。あまねき諸仏に。ダニシュターよ。スヴァーハー。 |
危宿 | ノウマク・サマンダ・ボダナン・サタビシャ・ダキシャタラ・ソワカ | namaḥ samantabuddhānāṃ śatabhiṣā nakṣatra svāhā
ナマハ サマンタ ブッダナーン シャタビシャー ナクシャトラ スヴァーハー |
帰命したてまつる。あまねき諸仏に。シャタビシャーよ。スヴァーハー。 |
室宿 | ノウマク・サマンダ・ボダナン・ホロババダラハダ・ダキシャタラ・ソワカ | namaḥ samantabuddhānāṃ pūrvabhadrapadā nakṣatra svāhā
ナマハ サマンタ ブッダナーン プールヴァバドラパダー ナクシャトラ スヴァーハー |
帰命したてまつる。あまねき諸仏に。プールヴァバドラパダーよ。スヴァーハー。 |
奎宿 | ノウマク・サマンダ・ボダナン リバチ・ダキシャタラ・ソワカ | namaḥ samantabuddhānāṃ revatī nakṣatra svāhā
ナマハ サマンタ ブッダナーン レーヴァティー ナクシャトラ スヴァーハー |
帰命したてまつる。あまねき諸仏に。レーヴァティーよ。スヴァーハー。 |
壁宿 | ノウマク・サマンダ・ボダナン・ウッタラバダラハダ・ダキシャタラ・ソワカ | namaḥ samantabuddhānāṃ uttarabhadrapadā nakṣatra svāhā
ナマハ サマンタ ブッダナーン ウッタラバドラパダー ナクシャトラ スヴァーハー |
帰命したてまつる。あまねき諸仏に。ウッタラバドラパダーよ。スヴァーハー。 |
胃宿 | ノウマク・サマンダ・ボダナン・バラジ・ダキシャタラ・ソワカ | namaḥ samantabuddhānāṃ bharaṇī nakṣatra svāhā
ナマハ サマンタ ブッダナーン バラニー ナクシャトラ スヴァーハー |
帰命したてまつる。あまねき諸仏に。バラニーよ。スヴァーハー。 |
婁宿 | ノウマク・サマンダ・ボダナン・アシャバジイ・ダキシャタラ・ソワカ | namaḥ samantabuddhānāṃ aśvinī nakṣatra svāhā
ナマハ サマンタ ブッダナーン アシュヴィニー ナクシャトラ スヴァーハー |
帰命したてまつる。あまねき諸仏に。アシュヴィニーよ。スヴァーハー。 |
二十七宿に牛宿を加えたものが二十八宿。
諸尊 | 真言 | サンスクリット語 | 訳 |
---|---|---|---|
牛宿 | ノウマク・サマンダ・ボダナン・アビシャ・ダキシャタラ・ソワカ | namaḥ samantabuddhānāṃ Abhijit nakṣatra svāhā
ナマハ サマンタ ブッダナーン アビジト ナクシャトラ スヴァーハー |
帰命したてまつる。あまねき諸仏に。アシュヴィニーよ。スヴァーハー。 |
勤行の際に唱える真言
作法 | 真言 | サンスクリット語 | 訳 |
---|---|---|---|
普礼真言 | オン・サラバ・タターギャタ・ハンナ・マンナ・ナウ・キャロミ | oṃ sarva-tathāgata-pāda-vandanaṃ karomi
オーン サルヴァタターガタ パーダ ヴァンダナン カローミ |
オーン。一切如来の御足を敬礼することを我なす。 |
発菩提心真言 | オン・ボウヂ・シッタ・ボダハダヤミ | oṃ bodhi-cittam utpādayāmi
オーン ボーディチッタム ウットパーダヤーミ |
オーン。菩提心を、我は発起す。 |
三摩耶戒真言 | オン・サンマヤ・サトバン | oṃ samayas tvaṃ
オーン サマヤス トヴァン |
オーン。汝は三昧耶なり。[23] |
大金剛輪陀羅尼 | ノウマク・シッチリヤ・ジビキャナン・サラバ・タタギャタナン・アン・ビラジ・ビラジ・マカ・シャキャラ ・バシリ・サタ・サタ・サラテイ・サラテイ・タライ・タライ・ビダマニ・サンバンジャニ・タラマチ・シッタギリヤ・タラン・ソワカ | namah striya-dhvikānāṃ sarva tathāgatānaṃ āṃ viraji viraji mahā-cakra-vajri sata sata sarate sarate trayi trayi vidhamani sambhañjani tramati-siddhāgriya trāṃ svāhā
ナマハ ストリヤドヴィカーナーン サルヴァ タターガターナン アーン ヴィラジ マハーチャックラバジリ サタ サタ サラテー サラテー トラユィ トラユィ ヴィダマニ サンバンジャニ トラマティスィッダーグリヤ トラーン スヴァーハー |
帰命したてまつる。三世の一切如来に。アーン。離垢尊よ。離垢尊よ。大輪金剛尊よ。有情の者よ。有情の者よ。流転する者よ。流転する者よ。済度する者よ。済度する者よ。消滅させる者よ。粉砕する者よ。三慧成就最勝尊よ。トラーン。スヴァーハー。 |
作法 | 真言 | サンスクリット語 | 訳 |
---|---|---|---|
普通施餓鬼陀羅尼(雲集鬼神召喚陀羅尼) | ナウボウ・ボボリ・キャリタリ・タターギャタヤ | namo bhū-pūri kāri tāri tathāgatāya
オーン ブープーリ カーリ ターリ タターガターヤ |
オーン。大地に遍満し、衆生済度に精進の如来よ。[注 61] |
破地獄門開咽陀羅尼 | ナウボウ・ボボテイリ・キャリタリ・タターギャタヤ | namo bhū-pūri pūteri kāri tāri tathāgatāya
オーン ブープーリ プーテーリ カーリ ターリ タターガターヤ |
オーン。大地に遍満し、衆生済度に精進の如来よ。[注 61] |
加持飲食陀羅尼(無量威徳自在光明加持飲食陀羅尼) | ノウマク・サラバ・タターギャタ・パロキテイ・オン・サンバラ・サンバラ・ウン | namaḥ sarva-tathāgatāvalokite oṃ sambhara sambhara hūṃ
ナマハ サルヴァタターガターヴァローキテー オーン サンバラ サンバラ フーン |
帰命したてまつる。一切如来観自在尊よ。オーン。養いたまえ。養いたまえ。フーン。 |
蒙甘露法味陀羅尼 | ノウマク・ソロバヤタターギャタヤ・タニャタ・オン・ソロソロ・ハラソロ・ハラソロ・ソワカ | namaḥ surūpāya tathāgatāya, tad-yathā oṃ sru sru prasru prasru svāhā
ナマハ スルーパーヤ タターガターヤ タディヤター オーン スル スル プラスル プラスル スヴァーハー |
帰命したてまつる。妙身如来に。即ち曰く。オーン。放出せよ。放出せよ。現前せよ。現前せよ。スヴァーハー。 |
布施一切施餓鬼陀羅尼(毘盧舎那一字心水輪観陀羅尼) | ノウマク・サマンダ・ボダナン・バン | namaḥ samanta-buddhānāṃ vaṃ
ナマハ サマンタブッダーナーン ヴァン |
帰命したてまつる。あまねき諸仏に。鑁(ヴァン)。 |
五如来宝号招請陀羅尼 | 過去宝勝如来真言:ナウボウ・バギャバテイ・ハラボタ・アラタンナウヤ・タターギャタヤ | namo bhagavate prabhūta-ratnāya tathāgatāya
ナモー バガヴァテー プラブータラトナーヤ タターガターヤ |
帰命したてまつる。世尊に。宝勝如来に。 |
妙身如来真言:ナウボウ・バギャバテイ・ソロバヤ・タターギャタヤ | namo bhagavate surūpāya tathāgatāya
ナモー バガヴァテー スルーパーヤ タターガターヤ |
帰命したてまつる。世尊に。妙身如来に。 | |
甘露王如来真言:ナウボウ・バギャバテイ・アミリテイ・アランジャヤ・タターギャタヤ | namo bhagavate amṛta-rājāya tathāgatāya
ナモー バガヴァテー アムリタラージャーヤ タターガターヤ |
帰命したてまつる。世尊に。甘露王如来に。 | |
広博身如来真言:ナウボウ・バギャバテイ・ビホラギャタラヤ・タターギャタヤ | namo bhagavate vipulagātrāya tathāgatāya
ナモー バガヴァテー ヴィプラガーットラーヤ タターガターヤ |
帰命したてまつる。世尊に。広博身如来に。 | |
離怖畏如来真言:ナウボウ・バギャバテイ・アバエンキャラヤ・タターギャタヤ | namo bhagavate abhayaṃ-karāya tathāgatāya
ナモー バガヴァテー アバヤンカラーヤ タターガターヤ |
帰命したてまつる。世尊に。離怖畏如来に。 | |
発菩提心真言 | 前掲 | 前掲 | 前掲 |
三昧耶戒真言 | 前掲 | 前掲 | 前掲 |
大宝楼閣善住秘密根本陀羅尼 | ノウマク・サラバ・タターギャタナン・オン・ビホラギャラベイ・マニハラベイ・タターギャタ・ニダシュニ・マニマニ・ソハラベイ・ビマレイシャギャラ・ゲンビレイ・ウンノン・ジンバラ・ジンバラ・ボダビロキテイ・グギャ・ジシュチタ・ギャラベイ・ソワカ | namaḥ sarva-tathāgatānāṃ, oṃ vipula-garbhe maṇi-prabhe tathāgata-nidarśane maṇi maṇi suprabhe vimale sāgara-gambhīre hūṃ hūṃ jvala jvala buddha-vilokite guhya-adhiṣṭhita-garbhe svāhā
|
帰命したてまつる。一切如来に。オーン。広博胎蔵に。宝珠光明に。如来の教示に。宝珠よ。宝珠よ。妙光よ。無垢に。海の如き深妙に。フーン。フーン。放光よ。放光よ。仏観よ。秘密加持胎蔵よ。スヴァーハー。 |
心真言 | オン・マニバジレイ・ウン | oṃ maṇi-vajre hūṃ
オーン マニヴァジュレー フーン |
オーン。宝珠金剛尊よ。フーン。 |
随心真言 | オン・マニダレイ・ウン・ハッタ | oṃ maṇi-dhare hūṃ phaṭ
オーン マニダレー フーン パット |
オーン。宝珠を持ちたる尊よ。フーン。パット。 |
その他
作法 | 真言 | サンスクリット語 | 訳 |
---|---|---|---|
目覚めた時 | オン・バサラ・チシュタ・ウン | oṃ vajra tiṣṭha hūṃ
オーン ヴァジュラ ティッシュタ フーン |
オーン。金剛よ。起てよ。フーン。 |
湯加持(食事や沐浴で湯を張る) | オン・アミリテイ・ウン・ハッタ | oṃ amṛte hūṃ phaṭ
オーン アムリテー フーン パット |
オーン。不死の甘露よ。フーン。パット。 |
口を漱ぐ | オン・バサラサト・サク・ソワカ | oṃ vajra-sādhu saḥ svāhā
オーン ヴァジュラサードゥ サハ スヴァーハー |
オーン。金剛喜尊よ。サハ。スヴァーハー。 |
楊枝を使う | アン・ラン・アン・ラン・ソポホ[注 62] | oṃ raṃ oṃ raṃ svāhā
オーン ラン オーン ラン スヴァーハー |
オーン。焼浄せよ。オーン。焼浄せよ。スヴァーハー。 |
洗目 | オン・ボダロシャニ・ソワカ | oṃ buddhalocane svāhā
オーン ブッダローチャネー スヴァーハー |
オーン。仏眼尊よ。スヴァーハー |
洗面 | オン・バサラ・カサ・カク・ソワカ | oṃ vajra-hāsa haḥ svāhā
オーン ヴァジュラハーサ ハハ スヴァーハー |
オーン。金剛笑尊よ。スヴァーハー |
オン・ラン・ソワカ | oṃ raṃ svāhā
オーン ラン スヴァーハー |
オーン。焼浄せよ。スヴァーハー | |
着白衣 | オン・シベイテイ・シベイテイ・ハンタラ・ハシニ・ソワカ | oṃ śvete śvete pāṇḍara-vāsinī svāhā
オーン シュヴェーテー シュベーテー パーンダラヴァースィニー スヴァーハー |
オーン。白衣尊よ。白衣尊よ。白衣被着尊よ。スヴァーハー |
着袈裟 | オン・バン・ウン | oṃ vaṃ hūṃ
オーン ヴァン フーン |
オーン。鑁尊よ。フーン。 |
オン・シドヤ・ソワカ | oṃ siddyha svāhā
オーン スィッデャ スヴァーハー |
オーン。悉地よ。スヴァーハー。 | |
食事 | オン・アミリテイ・ウン・ハッタ・ソワカ | oṃ amṛte hūṃ phaṭ
オーン アムリテー フーン パット スヴァーハー |
オーン。甘露尊よ。フーン。パット。スヴァーハー |
オン・ムクテイ・ソワカ | oṃ mukti svāhā
オーン ムクティ スヴァーハー |
オーン。解脱尊よ。スヴァーハー | |
オン・アボキャ・ホジャマニ・ハンドマ・バジレイ・タタアギャタ・ビロキテイ・サマンダ・ハラサラ | oṃ amogha-pūja-maṇi-padma-vajre tathāgata-vilokite samanta-prasara hūṃ
オーン アモーガプージャマニパドマヴァッジュレー タターガタヴィローキテー サマンタプラサラ フーン |
オーン。空しからざる供養と、摩尼宝珠蓮華の如来の観見において、あまねく十方に現れ来たれ。フーン。 | |
オン・サラバマニ・ソワカ | oṃ sarva-maṇi svāhā
オーン サルヴァマニ スヴァーハー |
オーン。一切宝珠に。スヴァーハー。 | |
ノウマク・サマンダ・バザラダン・タラタ・アモガ・センダ・マカシャロダ・ソハタヤ・ウン・タラマヤ・ウン・タラタ・カン・マン | namaḥ samanta-vajrāṇāṃ traṭ amogha-caṇḍa-mahāroṣaṇa sphoṭaya hūm trāṇaya trāṇaya hūṃ traṭ hāṃ māṃ
ナマハ サマンタヴァジュラーナーン トラット アモーガチャンダマハーローシャナ スポータヤ フーン トラーナヤ トラーナヤ フーン トラット ハーン マーン |
帰命したてまつる。あまねき金剛尊に。残害破障したまえ。効験あらたな暴悪大忿怒尊よ。打ち砕きたまえ。フーン。保護尊よ。保護尊よ。フーン。残害破障したまえ。ハーン。マーン。 | |
オン・マクラサイ・ソワカ | oṃ mahorase svāhā
オーン マホーラセー スヴァーハー |
オーン。大腹者に。スヴァーハー。 | |
隠所(便所) | オン・クロダノウ・ウン・ジャク | oṃ krodhana hūṃ jaḥ
オーン クローダナ フーン ジャハ |
オーン。忿怒尊よ。フーン。ジャー。 |
オン・シュリ・マリ・ママリ・マリ・シュシュリ・ソワカ | oṃ śrimali mamali mali śuśri svāhā
オーン シュリマリ ママリ マリ シュシュリ スヴァーハー |
オーン。吉祥を保持し給え。幸福を保持し給え。保持し給え。吉祥に。スヴァーハー。 | |
オン・ドパ・ドパ・カヤドパ・プラジバリン・ソワカ | oṃ dhūpa dhūpa kāya-dhūpa prajvāline svāhā
オーン ドゥーパ ドゥーパ カーヤドゥーパ プラッジュヴァーリネー スヴァーハー |
オーン。香よ。香よ。身香よ。燃ゆる者よ。スヴァーハー。 | |
オン・バサラナウカ・タ・ソワカ | oṃ vajrodaka ṭha svāhā
オーン ヴァジュローダカ タ スヴァーハー |
オーン。金剛水よ。タ。スヴァーハー。 | |
臥眠 | オン・バサラ・シャンテイ・ソワカ | oṃ vajra-śanti svāhā
オーン ヴァジュラシャンティ スヴァーハー |
オーン。金剛静寂尊よ。スヴァーハー |
眠気を覚ます(除睡呪) | タニャタ・イテイ・ミテイ・シテイ・ビキャナセンテイ・バダヂ・ソワカ | iti miti jiti bikanaśanti padhakṣi svāhā
イティ ミティ ジティ ビカナシャンティ パダクシ スヴァーハー |
|
色欲を断つ(文殊滅淫慾我慢陀羅尼) | クリクリテイノウ・ウドウドテイノウ・ドコドコテイノウ・クタクタテイノウ・ジャビトジャビトテイノウ・クタコクタコテイノウ・ウシュウシュテイノウ・ヤビジャヤビジャテイノウ・トコタ・クタタ・ソワカ | kuli-kuli-tena yudho-yudho-tena duho-duho-tena kyuta-kyuta-tena namito-namito-tena kyutaho-kyutaho-tena yusu-yusu-tena yamina-yamina-tena duhota kyutata-svāhā
クリクリテーナ ユドーユドーテーナ ドゥホードゥホーテーナ キュタキュタテーナ ナミトーナミトーテーナ キュタホーキュタホーテーナ ユスユステーナ ヤミナヤミナテーナ ドゥホータ キュタタ スヴァーハー |
|
経や真言を間違えた時 | オン・コロコロ・ジャヤ・ボッケイ・ソワカ | oṃ huru huru jaya-mukhe svāhā
オーン フル フル ジャヤムックェ スヴァーハー |
オーン。恐ろしい勝利の教門よ。スヴァーハー。 |
痔[注 63] を治す(仏説療痔経呪) | タニャタ・アランメイ・シリ・シリ・マカシツ(シツ)・サンバト・ソワカ | Tadyathā, (oṃ sarva grathita) me śṝ śṝ mākaṣṭi saṃ-bhavatu svāhā
タディヤター メー シュリー シュリー マーカシュティ サンバヴァトゥ スヴァーハー | |
タニャタ・センメイ・センメイ・シャセンメイ・センマデイシャ・センデイ・ソワカ | Tadyathā śame śame sa śame, śa manisā jadi svāhā
シャメー シャメー サ シャメー シャ マニ サー ジャディ スヴァーハー | ||
滅飲酒罪真言 | オン・サマンダバロキテイ・ソワカ | oṃ svāhā
オーン スヴァーハー |
オーン。 スヴァーハー。 |
滅食五辛罪真言 |
ハラベイ・ハラベイ |
|
|
吉祥浄土変真言 | ハラ・ドボウ・オン・ボッケン・シュタン・シリー |
|
随求。滅悪。穢土を浄土となし、地獄の苦しみを救済し、吉祥あらしめ給え。 |
脚注
注釈
- ^ 「呪」は「咒」と書かれることもあるが、「咒」は「呪」の異体字(俗字)であり意味の違いもない。
- ^ 初期大乗仏教経典の1つである『正法華経』に「総持句」(dhāraṇīmantrapadāni)という箇所があり、当時「dhāraṇī」と「mantra」を同等であるとした用語例が存在する。『大集経』の早い時期に成立したと思われる前半部分(主に曇無識訳) では、陀羅尼は経説の多聞と憶持力を意味する言葉とされ呪や真言との関連は見られないが、後半(那連提耶舎訳)では、陀羅尼と呪は区別されずに「陀羅尼呪」(dhāraṇīmantra)として説かれている。これは、『大集経』の前半が成立したときには無関係であった呪(真言)と陀羅尼とが、後半の諸品が成立するまでに同化したことを示している。
- ^ 語源は、神聖なる思想を意味する「man」と盛るための器を意味する「tra」からなり、神聖な思想を盛るための道具すなわち「神聖なる語」が原義である
- ^ 空海は、著書『大日経開題』に「真言とは梵には漫怛羅と曰う。」と記したが、『声字実相義』において「仏界の文字は真実なり。故に経に真語者、実語者、如語者、不誑語者、不異語者と云う。此の五種の言、梵には曼荼羅と云う。此の一言の中に五種の差別を具するが故に、龍樹は秘密語と名づく。此の秘密語を則ち真言と名づくるなり。訳者、五が中の一種を取って翻ずるのみ。」と記し、また『十住心論』において「真言とは且く語密に就いて名を得。若し具に梵語に據らば曼荼羅と名づく。」と記した。しかし、真言・種子・契経・三摩地を包摂するのが法曼荼羅であるから、真言を曼荼羅の一つとして解釈すれば、「真言は曼荼羅である」と言えることから、「maṇḍala」の訳とする説は一般的ではない。
- ^ 釈迦が「わが徒は、『アタルヴァ・ヴェーダ』の呪法と夢占いと相占いと星占いを行ってはならない。鳥獣の声を占ったり、懐妊術や医術を行ったりしてはならない」と説いたのは、当時のインドにおいて科学と呪術が未分化であったことを示す。
- ^ 「明」を会得した者を「持明者」(vidyā-dhara)と呼び、衆生を救済せよという命に従う持明者の王を明王(vidyā-rāja)という。
- ^ 帛尸黎蜜多羅訳「mahāmāyūryā vidyārājñyā etarhi hṛdayaṃ(大孔雀明王の心呪)」
- ^ 『prajñā-pāramitā-hṛdaya』を鳩摩羅什は『摩訶般若波羅蜜大明呪経』、支謙は『摩詞般若波羅蜜神呪経』と漢訳。(
- ^ 「mahāmantro mahāvidyāmantro ’nuttaramantro ’samasama-mantraḥ」を「是大神呪。是大明呪。是無上呪。是無等等呪。(大いなる神呪であり、大いなる明呪であり、無上の呪であり、比類無き呪である。)」
- ^ 例えば、不空訳『金剛頂一切如来真実摂大乗現証大教王経』では、「hṛdaya」を「真言」あるいは「心真言」と訳し、施護訳『仏説一切如来真実摂大乗現証三昧大教王経』では「心大明」または「大明」と訳している。
- ^ 旧訳では「呪」、「密呪」、「神呪」等とも。
- ^ 金剛界大日如来の種子は真言の最後の音節、胎蔵大日如来の種字は真言の初めの音節、水天や火天の種字は名の初音節、阿弥陀如来、不動明王の種字はその本誓を顕わす字、観音菩薩の種字は通種字。
- ^ 前三種を聖者の真言、第四は諸天衆真言、第五は地居天者真言または諸神真言という。
- ^ 神秘語である「svāhā」は、もとはアグニに捧げるマントラに由来するものであるが、後の時代になると他の神に対しても用いられるようになった。
- ^ アーリヤ民族が初めてインドに呪文を持ち込んだわけではなく、彼らがインドに移住した時、既にドラヴィダ人等の原住民族も彼ら独自の呪文を用いていた。
- ^ 『家庭経』には、後の十二天の真言のような呪文も散説している。
- ^ 『長阿含経』、『中阿含経』、『梵網経 』、『梵動経』などには「世人が長寿無病を願望して、迷信的な呪術を用いるのは至当であるが、世間を超越し世俗の繋縛から解脱するために出家した比丘がこれらを用いることは目的に反する無益な行為である」とあり、『スッタニパータ』「迅速」には「わが信徒は、『アタルヴァ・ヴェーダ』の呪法と夢占いと相の占いとを行ってはならない」と説いている。このように釈迦が呪文唱誦を禁止したことが記されているのは、釈迦が在世の頃すでに教団内でも呪術行為が行われていたからに他ならない。
- ^ 当初のパリッタは、呪術的要素はなく主に三宝への帰依を表明することで守護の恩恵にあずかることを主眼とした経典であったたが、民間信仰の影響を受けて呪術的な「パリッタ」へと展開された。
- ^ この『カンダ・スッタ』は、ある比丘が毒蛇に咬まれて死亡するという事件をきっかけとして釈迦が弟子たちに教えたものと伝承されている。インドでは毒蛇が棲息する地域が多く、蛇除けの呪文は各地の民衆によって昔から用いられており、『アタルヴァ・ヴェーダ』にも同種の呪文が見られる。
- ^ 『カンダ・スッタ』を唱えて毒蛇や蠍を避ける他に、『メッタ・スッタ(慈経/Mettha sutta)』を唱えて夜叉の障害を防ぐ、『央掘摩経/Aṅgulimāla sutta)』を唱えて安産を願う、『モーラ・スッタ(孔雀経/mora sutta)』を唱えて迫りくる危機や災難を回避するなどもあった。『モーラ・スッタ』の本文は内容が簡潔すぎて理解しにくいが、『ジャータカ』第159話の釈迦が前世で孔雀として生を受けていた時の逸話がパリッタに取り入れられたものであり、『ジャータカ』を読めば内容を理解することができる。
- ^ 紀元前に上座部の化地部から分かれた法蔵部には、従来の三蔵に「呪蔵」と「菩薩蔵」(mantra piṭakaあるいはdhāraṇī piṭaka)が加えられた。法蔵部は後に成立する大乗仏教に影響を与えたとされる。
- ^ 「パリッタ(護呪)」はその後、南方上座部仏教の伝播に伴って現在のスリランカや東南アジアにまで広がり、現代でも現代の上座部仏教でも護身のための呪文として数々のパリッタが読誦されている
- ^ ヒンドゥー教では、ブラフマン(梵天)を創造者として、「音声」はブラフマンの一部であるから、マントラの呪法を用いることで森羅万象を支配できると考え、これによって解脱をはかった。
- ^ 釈迦の十大弟子の内、6人がバラモン階級の出身。
- ^ 「浄土三部経」や『維摩経』では、釈迦がシャーリプトラに説法をしたとき、多数の菩薩、インドラ神、ブラフマー神(梵天)、竜や夜叉などバラモン教に由来する神霊が説法の場に集まったと描かれている。『無量義経』においては、釈迦の説法の相手はアーナンダとなっているが、聴衆の99.9%が、天、竜、阿修羅、迦楼羅天等の天竜八部衆などの神霊鬼霊の類であり、人間の比丘が占める割合は0.001%となっており、ヒンドゥー教の神々を帰依させるための説法となっている。『法華経』に至っては、釈迦の説法を聞くために集まった神々・神霊と人間の聴衆の比率が、1京:1万と聴衆のほぼ全てがバラモン教・ヒンドゥー教の神々となっており、ヒンドゥー教を強く意識して成立したことが明らかである 。
- ^ 般若経系の経典『道行般若経』に初めて「大乗(mahāyāna」の語が用いられた。般若経系の経典には「空」と「智慧」が主要なテーマとされるが、多くは「陀羅尼品」と呼ばれる章をもち、「陀羅尼」による記憶と言語の神秘的力について説いている。さらには、経典そのものが特別な力を持つ呪文・明呪であるという思想が見られ、これが『般若心経』の「神呪」に繋がった。
- ^ 最初期の密教経典においては、除災・延命・招福等の現世利益を目的とする「真言」と成仏や解脱を目的とする「陀羅尼」とは区別されていた。
- ^ 2世紀には仏像の前で「陀羅尼」を読誦する儀礼が行われ始めた。
- ^ 両経における結呪作法には、非仏教的・非アーリヤ部族系の呪文を唱えて諸天や諸鬼神に守護を祈願する民間信仰に根差した呪術行為の特徴が見られる。
- ^ グプタ朝時代には、結界法・作壇法・護摩法・観仏法・諸尊法・請雨法・止雨法・治病法等の密教儀礼が詳細になっていった。
- ^ Samā (沙履)、Araḍā(阿羅隷)、Gauri (星利)、Caṇḍāli (栴陀利)、Mātaṅgi(摩登替)、Pukkasīなど。
- ^ しかし、複雑化した体系は、かえって大衆への普及ができず、日常祭祀や民間信仰に重点を置いた大衆重視のヒンドゥー教の隆盛を変えられなかった。そのためヒンドゥー教に対抗するため、シヴァ神を倒す降三世明王など仏道修行の保護と仏敵降伏を祈願する忿怒尊や護法尊が作られた。
- ^ 慣用音では「タニャター」「トニヤト」「トジト」。
- ^ 「呪文のうち文字数が少ないものを真言と呼び、文字数が多いものを陀羅尼と呼ぶ」と説明されることがあるのはこのためである。しかし、真言・陀羅尼・明呪はかなり古い時期に混同され、通常は区別されない。
- ^ 楞厳呪の一部を抜き出した「八句陀羅尼」又は「白傘蓋陀羅尼」など。
- ^ 金剛界の真言に多い。
- ^ 「めでたし」「あなかしこ」等の訳もある。
- ^ 火神アグニの妻
- ^ そもそも真言は、文法的に正確なサンスクリット語ではないことも多く、研究者によって解釈が異なるものも多い。真言・陀羅尼には、無義語を含むものさえあり、さらに解読を困難にしている。
- ^ 1遍を4秒で唱えるとしても100日間だと毎日12時間、50日間だとでは毎日22時間唱えなければ達成できない。
- ^ 他にも「ra」と「la」を書き分けるなど、梵語の発音の違いを識別する用字を試みた例は多いが必ずしも貫徹できていない。同一訳経家においてすら異字があり、時代や人によっても相異がある。
- ^ 例えばsvāhāを薩婆(二合引)訶(引)と表記。
- ^ 「e」と「o」の母音は、全て長音表記としたが、日本語の長音ほど長くは伸ばさない。現代サンスクリット語は「V」と「W」を区別しないが、漢訳経典等から当時「B」の発音に酷似していたことが判明しているため、ここでは「V」は「ヴァ行」の発音とした。
- ^ 観音の異名である摩尼宝蓮華(マニパドマ)尊に対する呼びかけの真言と解釈されるが、amogha(アボキャ)は不空成就如来を、vairocana(ベイロシャノウ)は大日如来を、mahā-mudrā(マカボダラ)は阿閦如来を、maṇi(マニ)は宝生如来を、padma(ハンドマ)は阿弥陀如来を指すと解釈され、金剛界五仏(五智如来)に対して光明を放つように祈願している真言ともされる。
- ^ 「gate」を「gatā(行く女)」の単数・呼格または、「gati(行くこと)」の女性・単数・呼格とし、「prajñāpāramitā(般若波羅密多)」を「仏母」と見なす解釈もある。
- ^ 無能勝明王と同じ真言
- ^ 「取り去りたまえ取り去りたまえ。」は伝承による訳。「速疾に速疾に」や「畏るべし畏るべし」とする説もあるが、サンスクリット原文が存在しないため不明。
- ^ 「密教の神々—その文化史的考察」(佐藤任 著、平河出版社、1979年7月, ISBN 978-4582766738)ではチャンダーリーはインドの賎民の女、またマータンギーは摩登伽族の女と解釈している。
- ^ 「真言陀羅尼」(坂内龍雄 著、平河出版社)ではチャンダーリもマータンギも、狩猟や漁業や屠殺や獄卒をする最下層の種族の女性名で、元はアーリヤ民族以外の未開種族が進行した農業豊穣女神であり、危険な汚穢の種族を摂受して、仏法領の守護者としたと解釈している。
- ^ 「アーローリク」は「泥土」の俗語で「泥土より生じたもの」=「清浄蓮華」を示す。泥中に根を張りながら泥にまみれることなく、清浄な美しい花を咲かせる蓮華の姿を、ヒンドゥー教や仏教では、智慧や慈悲の象徴とする。
- ^ 「倶胝」インドの数の単位で1,000万。漢訳仏典ではしばしば「億」と訳す。
- ^ 「ソロソロ」はこの訳の他に、「入我我入あれかし」とも
- ^ 『法華経論』(本田義英)によると、それぞれクベーラ、シヴァ、シヴァ、ヴィジュヌ、シヴァ、シヴァの異名。
- ^ 穣虞梨童女。観音菩薩の化身ともいわれる。
- ^ 摩利支天は日天(アーディティヤ)の眷属とされる。
- ^ 『曼荼羅図典』(大法輪閣)では、土星の「使者」とある。
- ^ 『曼荼羅図典』(大法輪閣)では、石炭、罰の星ともある。
- ^ 直訳すると「祈祷の主」。讃歌を唱える聖者の主の意で「神々の師」ともいわれる。
- ^ 「覆障」、「黄幡神」、「蝕神」、「太陽首」とも訳される
- ^ 「彗星」、「流星」とも訳される。
- ^ a b 呪義未詳
- ^ 黄檗宗
- ^ 出来物全般のこと。
出典
- ^ 「しん‐ごん【真言】」 - デジタル大辞泉
- ^ 『般若心経秘鍵』真言は不思議なり。観誦すれば無明を除く、一字に千理を含み、即身に法如を証す。
- ^ 『大毘盧遮那成仏経疏巻十二』「破除一切無明煩惱之闇故。名之爲明。然明及眞言義有差別。若心口出者名眞言。從一切身分任運生者。名之爲明也。」
- ^ 『曼荼羅乃研究』栂尾祥雲, 高野山大学出版部, 1927年[要ページ番号]
- ^ 『仏説一切如来真実摂大乗現證三昧大教王経』「大明呪句二差別。是中差別無所有。」
- ^ 『総釈陀羅尼義讃』「或有一字真言乃至二字三字乃至百字千字萬字。複過此數乃至無量無邊。皆名陀羅尼真言密言明。」
- ^ 『曼荼羅乃研究』栂尾祥雲, 高野山大学出版部, 1927年[要ページ番号]「呪文・密言を呼ぶに種々の異称ある中、真言若しくは呪、神呪などと訳する「曼怛羅(mantra)」なる名称が最も古く、次に明若しくは明呪と訳する「尾儞也(vidāya)」なる異称が出来、それから最後に総持と訳する「陀羅尼(dhāraṇī)」なる語が起こったのである。かく種々の異称があるにせよ、その指示する者が何ぞやと云へば、矢張り同一の呪文密語の體に他ならぬのである」
- ^ 『密教大辞典』(法蔵館)「眞言に種々の異名あり。密語・密言・陀羅尼・明・神呪・呪・密号等これなり。」
- ^ 『大日経疏』「真言梵曰漫怛攞(真言は梵語でマントラという)」
- ^ 『大日経疏』(善無畏)「真言梵曰漫怛攞。即是真語如語不忘不異之音。龍樹釋論。謂之祕密號。舊譯云呪。非正翻也。」
- ^ 阿理生, 「Prajnaparamitahrdaya(『般若心経』)の成立試論」『印度學佛教學研究』 58巻 2号 2009-2010年 p.975-970, doi:10.4259/ibk.58.2_975
- ^ 『初回金剛頂経』
- ^ 『一切如来の真実の集成である大乗の現観と名づけるタントラの注・真実の燈明』アーナンダガルバ
- ^ 山中行雄, 山下勤, 「仏教文献に見られる呪術的療法の伝統について」『日本醫史學雜誌』 55(1), 77-96, 2009-03-20, NAID 10024792882
- ^ 『十誦律』「不犯者、若読誦治歯呪・腹痛呪・治毒呪、若為守護安隠不犯。(治歯呪・腹痛(を治す)呪・治毒呪や守護安穏のために呪を読誦するならば、不犯である。)」
- ^ 『四分律』「不犯者、若誦治腹内虫病呪、若誦治宿食不消呪、若学書若誦、世俗降伏外道呪、若誦治毒呪以護身故無犯。(腹の虫を鎮める呪を誦える者、消化不良を治す呪を誦える者、書を学ぶために誦える者、世俗の降伏呪を誦える者、毒を癒す呪を誦える者、これらは護身のためであるゆえに不犯である。)」
- ^ 『密教百話』富田学純, 世相軒, 大正14年[要ページ番号]
- ^ 『聖不動尊大威怒王秘密陀羅尼経』
- ^ 金剛智三蔵訳『仏説七倶胝仏母准提大明陀羅尼経』
- ^ 「真言陀羅尼」(坂内龍雄 著、平河出版社)[要ページ番号]
- ^ 蓮華部心念誦儀軌
- ^ 金剛頂経
- ^ a b c 秋山 学「呉音から西洋古典語へ(第2部)梵語語基表と呉音読み漢字索引」、文藝言語研究. 文藝篇 (61)、p. 11, 2012年
参考文献
- 『密教大辞典』密教辞典編纂会・密教大辞典再版委員会, 法蔵館
- 『密教事典』佐和隆研,法蔵館, 1975年
- 『印と真言の本―神仏と融合する密教秘法大全』藤巻一保・羽田守快・大宮司朗, 学研, 2004年, ISBN 978-4056033335
- 『曼荼羅乃研究』栂尾祥雲, 高野山大学出版部, 1927年
- 『面白いほどよくわかる密教 -曼荼羅・仏像から修法、教理、寺院まで徹底解説-』渋谷申博, 日本文芸社, 2009年, ISBN 978-4537256765
- 『密教の神々—その文化史的考察』佐藤任, 平河出版社, 1979年7月, ISBN 978-4582766738
- 『真言陀羅尼』坂内龍雄, 平河出版社, 1981年, ISBN 978-4892030406
- 『平成新編ダラニ大辞典』有賀要延, 国書刊行会, 1992年, ISBN 978-4336034007
- 『真言秘法書』早稲田大学図書館蔵, 書写年不明