「本朝高僧伝」の版間の差分
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2020年7月26日 (日) 21:57時点における版
『本朝高僧伝』(ほんちょうこうそうでん)とは、日本の高僧の伝記集。卍元師蛮撰、75巻、元禄15年(1702年)の成立である。
概要
自序によると、「元禄十五歳次三月詰旦」とあり、成立までに30年あまりを費やしたという。500員に満たない『元亨釈書』の僧伝を補うべく、古代から近世に至る1662人の僧尼の伝記を集めている。禅僧の伝記集である『延宝伝燈録』に続けて、各宗に及ぶ僧伝として編纂された。所処の史料を揚げ、中には雑記稗説、蠢簡霊篇にいたるまで見逃すことはなかったという。
十科分類
体裁は中国の『高僧伝』にならい、十科分類をしている。
- 法本
- 浄慧
- 浄禅
- 感進
- 浄律
- 壇興
- 浄忍
- 遠遊
- 読誦
- 願雑
特色としては、「法本」の一科をたて、日本に初めて仏法を伝えた人々の伝記を収めている。「願雑」は『元亨釈書』にも存在するが、そのなかに楽邦篇を設け、浄土往生を願った人々の伝記を収録している。「願雑」には神仙篇があり、これは『元亨釈書』にも存在する項目であるが、多くの神々の列伝をあげているのは、神仏習合の日本の文化によるものと見られる。日本の僧伝中、最多の伝記を集めているが、浄土真宗・日蓮宗を省いている。
テキスト
- 『大日本仏教全書』「史伝部」
参考文献
- 『角川第二版日本史辞典』p885、高柳光寿・竹内理三:編、角川書店、1966年
- 『国史大辞典』第十二巻p838、吉川弘文館、1991年
- 『岩波日本史辞典』p1062、監修:永原慶二、岩波書店、1999年