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: 徳勝龍はこれまで[[三役]]経験はおろか[[三賞]]の受賞歴も無く、直近13場所中12場所[[十両]]に在位し(直近で返り入幕を果たした[[2019年]]7月場所も4勝11敗と大敗し1場所で十両陥落している)、幕内での勝ち越しは2年半無いなど、ここ数年は「十両が主戦場で、たまに幕内に顔出すをと大負けする[[力士]]」に甘んじていた。事実、この優勝の直前場所に当たる2019年11月場所も西十両筆頭で8勝7敗のギリギリ勝ち越しによる再入幕であり、彼の父母や妻でさえも「勝ち越してくれたらそれでいい」「大負けしなければいいと思っていた」と言うほどで<ref>{{Cite web|title=徳勝龍の父・順次さんがパブリックビューイング会場で号泣「感無量。伊東監督にいい報告ができる」(スポーツ報知)|url=https://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20200126-01260132-sph-spo|website=Yahoo!ニュース|accessdate=2020-01-28|language=ja}}</ref><ref>{{Cite web|title=「えらいことになったなあ」初優勝した徳勝龍の母えみ子さんも夢心地…国技館で優勝見届ける(中日スポーツ)|url=https://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20200126-00010043-chuspo-spo|website=Yahoo!ニュース|accessdate=2020-01-29|language=ja}}</ref>、徳勝龍の優勝を予想する者はいない状況であった。 |
: 徳勝龍はこれまで[[三役]]経験はおろか[[三賞]]の受賞歴も無く、直近13場所中12場所[[十両]]に在位し(直近で返り入幕を果たした[[2019年]]7月場所も4勝11敗と大敗し1場所で十両陥落している)、幕内での勝ち越しは2年半無いなど、ここ数年は「十両が主戦場で、たまに幕内に顔出すをと大負けする[[力士]]」に甘んじていた。事実、この優勝の直前場所に当たる2019年11月場所も西十両筆頭で8勝7敗のギリギリ勝ち越しによる再入幕であり、彼の父母や妻でさえも「勝ち越してくれたらそれでいい」「大負けしなければいいと思っていた」と言うほどで<ref>{{Cite web|title=徳勝龍の父・順次さんがパブリックビューイング会場で号泣「感無量。伊東監督にいい報告ができる」(スポーツ報知)|url=https://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20200126-01260132-sph-spo|website=Yahoo!ニュース|accessdate=2020-01-28|language=ja}}</ref><ref>{{Cite web|title=「えらいことになったなあ」初優勝した徳勝龍の母えみ子さんも夢心地…国技館で優勝見届ける(中日スポーツ)|url=https://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20200126-00010043-chuspo-spo|website=Yahoo!ニュース|accessdate=2020-01-29|language=ja}}</ref>、徳勝龍の優勝を予想する者はいない状況であった。 |
2020年6月23日 (火) 20:58時点における版
番狂わせ(ばんくるわせ)は、予期せぬ事態により物事が思惑どおりに進まなくなること、またはスポーツの試合などにおいて戦力や過去の実績で上回る競技者や競技チームに対して格下と見なされる側が、事前の予想を覆して勝利することを指す言葉である[1]。時には「奇跡」とまで表現されることもある[2]。
概要
「番狂わせ」という言葉は江戸時代頃から存在する[3]。「番」とは、物事の順序を指す言葉で[4]、それが「狂う」ことから「予期せぬ事態によって支障が生じる[3]」「志と異なる[3]」「当てが外れる[3]」「異常[3]」「異変[3]」「尋常ではない様[3]」などの意味を持つようになった。
現代社会の日本では、スポーツなどの勝負事において「番狂わせ」という言葉が使用される機会が多いが、これは相撲の番付の下位に位置する力士が上位力士に勝利することを指して「番狂わせ」と呼ぶようになったことの影響と言われている[4]。格下と見做されるチームや体格で劣る者が、創意工夫をめぐらせて戦力差を補い、「番狂わせ」を呼び寄せる様は真剣勝負の世界の醍醐味とも評される[5]。その一方で、ラグビーのように強者が順当に勝ち進む可能性が高い競技もあり[5]、身体能力に勝る側に有利に作用するルール改正により、弱者が強者に勝利する可能性がさらに失われている、との指摘もある[5]。
類似表現として「大物食い」がある[6]。
英語における用法
英語において、日本語の「番狂わせ」に相当する、上位にランクされた他の競技者を打ち負かすことを意味する語として、upset と giant-killing がある。
- Upset
Upsetという単語は「動揺」「不安」など様々な意味を持つが、スポーツや政治の分野では「番狂わせ」の意味で用いられる[7]。
本来の語源は定かではないが、通俗的には、1919年にサラトガ競馬場で行われたサンフォードメモリアルステークスにおいて、アメリカ競馬史上最強馬の一頭に数えられる競走馬マンノウォー(1917年生、21戦20勝)を唯一破った馬 Upset (1917年生)に由来すると考えられていた[7]。ところが2002年、『ニューヨーク・タイムズ』 紙のオンライン版[8]データベースの全文検索能力を調査していた辞書調査員 George Thompson は、"upset" の動詞と名詞の用例をさかのぼって調べたところ、名詞の用例が1877年には存在していたことを突き止めた[9][7]。ただし、1919年のサラトガ競馬場での事件が upset の用法を広めることになったのは事実である。また、当然に、Upset の馬名の由来になっていた可能性も否定出来ないが、現在でもしばしば大きなスポーツイベントにおける最初の upset の使用として紹介される。
- Giant-killing
直訳すれば 「巨人殺し」 で、日本語の 「大物食い」 に当たる。『旧約聖書』「サムエル記」の「ダビデとゴリアテ」 の説話や、『グリム童話』 の 「勇ましいちびの仕立て屋」 のバリエーションの一つで 『ジャックと豆の木』 と共通点の多い『ジャック・ザ・ジャイアント・キラー』から来ている。イングランドで行われている世界最古のカップ戦であるFAカップにおいて4部や5部などの下位リーグのクラブが1部リーグのクラブを破った際などに用いられる[10][11]。
主な事例
選挙
- 1936年アメリカ合衆国大統領選挙
- 現職大統領で民主党のフランクリン・ルーズベルトが、共和党候補のアルフレッド・ランドンに勝利した。世界恐慌や世界的な政情不安の中、保守的なルーズベルトにこれらの問題を解決する能力はないと評され、過去5回の大統領選の結果を的中させた『リテラリー・ダイジェスト』誌の調査でも再選の見込みはないとされていた[12]。
- 1948年アメリカ合衆国大統領選挙
- 事前の世論調査により落選確実と見做されていた現職大統領で民主党のハリー・S・トルーマンが、共和党候補のトマス・E・デューイに勝利した。当時の民主党は公民権問題を巡って3派に分裂していたため、共和党が20年ぶりに政権の座に復帰するものと考えられていた[13]。
- 2016年アメリカ合衆国大統領選挙
- 不動産王として知られていた共和党のドナルド・トランプが民主党候補で元国務長官のヒラリー・クリントンに接戦の末、勝利した[14]。トランプは過激な言動や自身のスキャンダルなどで批判を浴びており[15]、政治家としての実務経験が欠如していたことからアウトサイダーと見做されていたが、変革を望む大衆からの支持を集めた[14][16]。一方のクリントンは事前の世論調査では優勢だったが[15]「既存の政治家」「富裕層の代表」と見做され、国務長官時代の私用メール問題が再熱したこともあり支持を伸ばすには至らなかった[14]。
オリンピック
- 氷上の奇跡
- 1980年2月22日に行われたレークプラシッドオリンピックアイスホッケー競技決勝ラウンドのアメリカ対ソビエト連邦戦で、アメリカがソ連を4-3で破った。ソ連はステート・アマと呼ばれる実質的なプロ集団であり、大会5連覇を目指す強豪であるのに対しアメリカはミネソタ大学の学生を中心としたアマチュアチームであり、出場12チーム中の世界ランキングも7位と評価が低かった[17]。アメリカは2月24日に行われた最終戦の結果、金メダルを獲得した。
- サラエボオリンピックスピードスケート競技男子500m
- 1984年2月10日、前年の世界選手権金メダリストで優勝候補と目されていた日本の黒岩彰が不調により記録が伸びず、38秒70の記録で10位に終わった[18]。これに対し、同じ日本の北沢欣浩が38秒30の記録を残し2位で銀メダルを獲得した。なお北沢はそれまで黒岩に勝利した経験がなく[19]、伏兵的な存在だった。
- シドニーオリンピックレスリング競技グレコローマンスタイル130kg級決勝
- 2000年9月27日、オリンピック3連覇とレスリング世界選手権9連覇の記録を保持し「人類最強」と呼ばれていたロシアのアレクサンドル・カレリンが決勝でアメリカのルーロン・ガードナーと対戦して敗れ、大会4連覇を逃した。この敗戦により、カレリンの1988年から2000年にかけて維持していた13年間無敗記録が途絶えた[20]。
- ソルトレイクシティオリンピックショートトラックスピードスケート競技男子1000m
- オーストラリアのスティーブン・ブラッドバリーが準々決勝、準決勝を上位選手の失格や転倒で勝ち上がり、決勝でも先頭集団から遅れをとりながら最終コーナーでの先頭集団の全員転倒を後方にいて難を逃れたブラッドバリーが1着でフィニッシュし、オーストラリアのみならず南半球に冬季オリンピック初の金メダルをもたらした[21]。
- ロンドンオリンピックバレーボール競技女子 ブラジル対韓国
- 2012年8月1日、前回覇者のブラジルに対し世界ランク15位の韓国が3-0のストレートで勝利した[22]。
- リオデジャネイロオリンピックレスリング競技女子53kg級決勝
- 2016年8月18日、オリンピック3連覇とレスリング世界選手権を合わせて16連覇中だった日本の吉田沙保里が決勝でアメリカのヘレン・マルーリスと対戦して敗れ、大会4連覇を逃した[23]。なお、マルーリスはこの勝利で吉田の個人戦連勝記録を206で止めるとともに、アメリカに初の女子レスリングでのオリンピック金メダルをもたらした。
- 平昌オリンピックアルペンスキー競技女子スーパー大回転
- メダル獲得の可能性が高い20番滑走が終わった段階でトップに立っていたオーストリアのアンナ・ファイトの連覇が確実と見られていたが、26番スタートのチェコのエステル・レデツカがファイトのタイムを0.01秒上回る快走を見せ、チェコスロバキア時代も含めてチェコにアルペンスキー競技における初の金メダルをもたらした[24]。レデツカの本業はスノーボードパラレル大回転であり、2017年の世界選手権で優勝するなどの実力者であるが、アルペンスキー競技においてはワールドカップでは7位、世界選手権では20位が最高だった。また、この種目では借り物のスキー板で滑っていた。この快挙で、19番スタートのオーストリアのコーネリア・ヒュッターが滑り終わった段階でファイトが連覇を果たしたと報道していたアメリカNBCが報道を訂正する事態になった[25]。レデツカは2月24日に行われたスノーボード女子パラレル大回転でも金メダルを獲得し、冬季オリンピック史上初めて1大会で異なる2つの競技(狭義上。アルペンスキーとスノーボードの統括団体は同じ国際スキー連盟であるため、広義の上では同一競技となる)で金メダルを獲得した女子選手となった[26]。
相撲
- 天明2年2月場所7日目 小野川対谷風
- 1778年に行われた63連勝中の大関・谷風と二段目の小野川の取組は、小野川が小股掬いで谷風を下し勝利。この番狂わせにより小野川の名前は世間に知られるようになった[27]。
- 昭和14年1月場所4日目、双葉山対安藝ノ海
- 1939年1月15日に行われた双葉山70連勝ならずの「世紀の一番」。安藝ノ海が双葉山を左外掛けによる奇襲で破る。この取り組みまで双葉山は無敵の69連勝を記録、誰もが70連勝の達成を信じて疑わなかった。安藝ノ海は双葉山攻略法を研究しており、それが実った形となった。その模様のラジオ中継では和田信賢の「70古来やはり稀なり」の名言が生まれた。日本のスポーツ史上で最初の号外で伝えられたといわれている。双葉山が敗れた瞬間、国技館では座布団だけでなくビール瓶、果ては火鉢までが宙を舞ったと伝えられる[28][29][30]。
- 令和2年1月場所、西前頭17枚目 徳勝龍の幕尻優勝
- 2020年1月場所、幕尻(幕内の最下位)の西前頭17枚目、33歳の徳勝龍が幕内最高優勝。
- 徳勝龍はこれまで三役経験はおろか三賞の受賞歴も無く、直近13場所中12場所十両に在位し(直近で返り入幕を果たした2019年7月場所も4勝11敗と大敗し1場所で十両陥落している)、幕内での勝ち越しは2年半無いなど、ここ数年は「十両が主戦場で、たまに幕内に顔出すをと大負けする力士」に甘んじていた。事実、この優勝の直前場所に当たる2019年11月場所も西十両筆頭で8勝7敗のギリギリ勝ち越しによる再入幕であり、彼の父母や妻でさえも「勝ち越してくれたらそれでいい」「大負けしなければいいと思っていた」と言うほどで[31][32]、徳勝龍の優勝を予想する者はいない状況であった。
- 同場所は開始早々、白鵬と鶴竜の両横綱が休場し、上位も崩れ混戦となる中、徳勝龍は2日目に魁聖に敗れたのみで順調に勝ち進む。9日目終了時点で、徳勝龍と西前頭4枚目正代の2人の平幕力士でが1敗のトップで並走し、その後を2敗で大関貴景勝が追う展開となったが、この時点でも「優勝は大関の貴景勝か、元関脇の実力者である正代だろう」「徳勝龍はそのうち脱落するだろう」の見方が大勢であった(審判部ですら、優勝争いトップである徳勝龍と上位力士との割をなかなか組まなかったほど[33])。しかし、その後も徳勝龍は神がかり的な逆転で勝ち進み(10~14日目には5日連続で突き落としで勝利している)、14日目には1敗同士の直接対決で正代を下し単独トップに躍り出ると、遂には幕尻でありながら史上初の千秋楽結びの一番に大抜擢され(幕尻力士がこれより三役に登場するのも史上初)、この「幕内の出場力士中、最上位VS最下位の対決」において、大関の貴景勝を力強く寄り切り、幕尻での幕内最高優勝を成し遂げた。
- なお、幕尻力士の優勝は過去に1例のみ、2000年3月場所での貴闘力の例もあるが、貴闘力の場合、番付は東前頭14枚目であり(大相撲の番付では東方が西方より上位と見做される、当時は西前頭14枚目に若の里がいたが、この場所を全休している)、真の意味での幕尻優勝は西前頭17枚目の徳勝龍が史上初である。
サッカー
- ベルリンの奇跡
- 1936年8月4日、ドイツで行われたベルリンオリンピックサッカー競技1回戦で、日本五輪代表がスウェーデン五輪代表を3-2で下した[要出典]。
- 1950 FIFAワールドカップ アメリカ合衆国対イングランド
- 1950年6月29日、ブラジルのベロオリゾンテで行われたグループリーグ第2戦でアメリカがイングランドに1-0で勝利した。イングランドはトム・フィニーやビリー・ライトらを擁す今でいう銀河系軍団で、第二次世界大戦後から23勝3引分け4敗の記録を残し[34]、地元のブラジルと共に優勝候補に挙げられていた[35]。これに対しアメリカはセミプロ数名を除けば全選手がアマチュア選手だった[35]。試合はイングランドが終始圧倒していたが、前半38分にジョー・ゲーチェンスのヘディングシュートが決まりアメリカが1-0と先制すると、イングランドの猛反撃を抑え勝利した[36]。「FIFAワールドカップ史上最大の番狂わせ(The biggest upset in World Cup history)」と評され[37]、FIFAからも公認されている(FIFAの公式呼称は「The miracle of Belo Horizonte(ベロオリゾンテの奇跡)」)[38]。
- 2018年6月10日、アメリカのデータ会社Gracenote社がワールドカップの各試合について、試合前の時点でデータに基づいて想定される両チームの勝利確率を算出した結果、アメリカがイングランドに勝利する確率は最も低い「9.5%」で、この試合の結果は「FIFAワールドカップ史上最大の番狂わせ(The biggest upset in World Cup history)」であることが計算でも確認された[39]。詳細は、1950 FIFAワールドカップ#FIFAワールドカップ史上最大の番狂わせ参照。
- 1966 FIFAワールドカップ イタリア対北朝鮮
- 1966年7月19日、イングランドのミドルズブラで行われたグループリーグ第3戦で北朝鮮がイタリアに1-0で勝利した。北朝鮮の大会前の評価は低かった[35]が、東側諸国と親善試合を行い強化されたチームだった。試合は34分にイタリアのジャコモ・ブルガレッリが負傷退場し、数的不利な状況になると42分に朴斗翼の得点で北朝鮮が先制し、後半もイタリアの反撃を抑えて1-0で勝利した。敗退が決まったイタリアの選手達は帰国後にジェノヴァの空港でファンから腐ったトマトを浴びせられた[35]。
- マイアミの奇跡
- 1996年7月22日、アメリカで行われたアトランタオリンピックサッカー競技・男子グループリーグD組第1戦で、日本五輪代表がブラジル五輪代表を1-0で下した[40]。ブラジルはオーバーエイジ枠のベベット、リバウド、アウダイールらに加え、ロベルト・カルロスやロナウドらを擁する「ドリームチーム」ともいえる陣容だった[40]。これに対し、日本は23歳以下の選手のみで構成されていたが全選手がプロ契約を結んでおり、事前の綿密な分析に基づく安定した試合運びで相手を抑えた[40]。
- 2002 FIFAワールドカップ フランス対セネガル
- 2002年5月31日、韓国のソウルで行われたワールドカップ開幕戦となったグループリーグ初戦で、FIFAランキング65位のセネガルが同1位のフランスを1-0で下した。フランスは前回大会の優勝国でさらにUEFA EURO 2000、FIFAコンフェデレーションズカップ2001でも優勝し、今大会でも優勝候補筆頭に挙げられていた。直前の親善試合でチームの司令塔であるジネディーヌ・ジダンが負傷し欠場が決まっていたものの、ティエリ・アンリ(イングランドプレミアリーグ)、ダヴィド・トレゼゲ(イタリアセリエA)、ジブリル・シセ(フランスリーグ・アン)といった各リーグ得点王を3人擁するなど攻撃陣を擁し、事前ではフランスの有利が予想されていた。一方、セネガルは初出場であったものの、主力選手の多くが旧宗主国であるフランスのリーグ・アンでプレーしており、組織的に強化されたチームだった。試合は30分にパパ・ブバ・ディオプの得点でセネガルが先制した。後半もフランスは反撃に出たものの、アンリのシュートがクロスバーを直撃する不運もありセネガルが逃げ切り1-0で勝利した[要出典]。
- 2014 FIFAワールドカップ・グループD
- グループDは、FIFAランキング7位のウルグアイ、同9位のイタリア、同10位のイングランドの3カ国が同グループに入り、いずれも優勝経験を持つ「死の組」となり、その中で同28位のコスタリカだけは大会前は蚊帳の外で「3強1弱」と言われていた。しかし、初戦のウルグアイ戦で前半に与えたPKをエディンソン・カバーニに決められ先制されながらも後半3得点を挙げ逆転勝利、続く2戦目のイタリア戦では前半終了間際にブライアン・ルイス・ゴンサレスが挙げた1点を守り切り、D組突破一番乗りを決めた[41]。第3戦のイングランド戦[42]、決勝トーナメント1回戦のギリシャ戦[43]、準々決勝のオランダ戦[44]で大会選定のマン・オブ・ザ・マッチに選ばれたGKのケイロル・ナバスを中心とした堅守速攻が光り、コスタリカは史上初のベスト8に進出した。
- 2015-16シーズンのプレミアリーグ
- レスター・シティFCがクラブ創設132年目にして初のプレミアリーグ優勝を果たした[45]。レスターは前シーズン14位で、一時最下位になった他、選手補強などの人件費も18番目の低予算であり、シーズン前の優勝オッズは5000倍で全くのノーマークであったが、クラウディオ・ラニエリ監督のもとジェイミー・ヴァーディがプレミアリーグ記録となる11試合連続ゴールをあげるなど、快進撃を続けて初優勝を果たした[46][47]。
- UEFA EURO 2016 アイスランド対イングランド
- 2016年6月27日、フランスのニースで行われた決勝トーナメント1回戦で、主要国際大会初出場のアイスランドがサッカーの母国イングランドに2-1で逆転勝利した[48][49]。アイスランドは人口約33万人の小国で、サッカー協会登録選手は100人前後しかおらず[50]、元イングランド代表選手のゲーリー・リネカーも「われわれの歴史上最悪の敗北。イングランドはプロサッカー選手より火山が多い国に負けた」とツイートした[51]。また、6月23日の国民投票でイギリスのEU離脱 (Brexit) が決まったこととEURO敗退を重ねて皮肉るメディアもあった[51]。アイスランドではこの試合の視聴率が史上最高の99.8%を記録した[52]。
- 2018 FIFAワールドカップ 日本対コロンビア
- 2018年6月19日、ロシアのサランスクにあるモルドヴィア・アリーナで行われたワールドカップのグループリーグH初戦で、FIFAランキング61位の日本が同16位のコロンビアを2-1で下した。大会前のサッカー日本代表のランキングは出場32か国の中でロシア(70位)、サウジアラビア(67位)に次ぎ3番目に低く[53]、また英国最大のブックメーカー『ウィリアムヒル』のオッズではコロンビアの勝利が1.70倍で引き分けが3.50倍、日本の勝利が5.50倍となっており[54]、AIによる予想でも0-2で日本の敗北との予想が出ていた[55]。さらに過去のワールドカップでは日本は勿論アジア勢は南アメリカ勢にこれまで3分15敗と1度も勝利したことがなかったが[56]、この歴史的勝利は日本では「サランスクの奇跡」とも伝えている[57]。
ボクシング
- キンシャサの奇跡
- 1974年10月30日に行われたWBA・WBC統一世界ヘビー級タイトルマッチ・モハメド・アリ対ジョージ・フォアマン戦で、アリが8回KO勝ちを収めて7年6か月ぶりに王座を奪還した[58]。王者のフォアマンは強打の持ち主でプロデビュー以来、40戦40勝37KOという記録を残していたが[59]、元王者のアリは32歳という年齢を迎え全盛期を過ぎたものと見做されていた[58]。そのため戦前はフォアマンの優位が予想されていた[58]。
- WBA・WBC・IBF統一世界ヘビー級タイトルマッチ・ジェームス・ダグラス対マイク・タイソン
- 1990年2月11日、日本の東京ドームで行われた同タイトルマッチで、ダグラスがタイソンに10回KO勝ちを収めて王座を獲得した[60]。タイソンはプロデビュー以来、37戦37勝33KOという記録を残していたが、この試合が初の敗戦となった。
- IBF世界スーパーバンタム級タイトルマッチ・小國以載対ジョナサン・グスマン
- 2016年12月31日、日本の島津アリーナ京都で行われた同タイトルマッチで、小國がグスマンを3-0判定で破り王座を獲得した[61]。これが世界初挑戦だった小國に対しグスマンはそれまで22勝22KO無敗(1無効試合)、KO率100%の戦績を残し下馬評でも優勢だったがこの試合で生涯初ダウンを奪われ初黒星を喫した[62]。
- WBC世界スーパーフライ級タイトルマッチ・シーサケット・ソー・ルンヴィサイ対ローマン・ゴンサレス
- 2017年3月18日、アメリカのマディソン・スクエア・ガーデンで行われた同タイトルマッチで、シーサケットがゴンサレスを2-0の判定で破り王座を獲得した[63]。ゴンサレスは46戦46勝38KOの戦績を残しパウンド・フォー・パウンドで1位を付ける強さを持っていたが、この試合でプロ初黒星を喫した[64]。
- WBO世界フライ級タイトルマッチ・木村翔対鄒市明
- 2017年7月28日、中国の上海東方体育中心で行われた同タイトルマッチで、木村が鄒を11回TKOで破り王座を獲得した[65]。鄒はライトフライ級で五輪を連覇し、プロでも世界王座を手にしており敵地での対戦となった木村が不利との予想の中、逆転KO勝ちを収めた。
- WBAスーパー・IBF・WBO統一世界ヘビー級タイトルマッチ・アンディ・ルイス・ジュニア対アンソニー・ジョシュア
- 2019年6月1日、アメリカのマディソン・スクエア・ガーデンで行われた同タイトルマッチで、22戦無敗21KOの戦績を残し、下馬評でも優勢が伝えられたイギリスのジョシュアが、薬物違反で資格停止となったアメリカのジャレル・ミラーの代役として挑戦者となったメキシコのルイスに7回1分27秒TKOで敗れ、プロ初黒星を喫した。この試合のオッズはジョシュア1倍に対し、ルイスには16倍がついていたが、ジョシュアは3回、7回に2度ずつダウンを奪われ、レフェリーストップされ、3つのベルトを失うことになった[66]。この出来事にフィリピンの英雄マニー・パッキャオはツイッターで「ボクシング史上最大の番狂わせの一つだ」と評した[67]。この勝利でルイスはメキシコ初のヘビー級王者となった。
ラグビーユニオン
- 日本代表のキャップ認定試合 日本代表対オールブラックスジュニア
- 国同士の対戦ではないが、日本ラグビーフットボール協会がキャップ認定している、1968年6月3日、ニュージーランドのウェリントン・アスレティックパークで行われた、日本代表が23-19でオールブラックスジュニアを破った一戦[68] は、ニュージーランド国中に強い衝撃を与え、現地報道機関はこぞって、「NZラグビー暗黒の日」という見出しをつけて報道[69]した。
- 国際親善試合 サントリー対ウェールズ代表
- 2001年6月3日、秩父宮ラグビー場で、社会人単独チームであるサントリー(後のサントリーサンゴリアス)対ウェールズ代表戦が行われ、サントリーが45-41でウェールズ代表を破った[70]。なお、ラグビー日本代表は2013年6月15日に東京・秩父宮ラグビー場でのテストマッチに勝利するまで一度もウェールズ代表に勝利したことがなかった。
- ラグビーワールドカップ2015日本対南アフリカ
- 2015年9月19日、イギリスのブライトン・コミュニティースタジアムで行われたラグビーワールドカップ、グループリーグ・プールBの試合において、これまでW杯通算1勝、2引き分けを挟んでW杯16連敗中だったワールドラグビーランキング13位の日本代表が過去2回のW杯優勝経験を持つランキング3位の南アフリカ代表を34-32で破った。
イギリスの地元紙であるガーディアンは、「W杯史上、比類のない試合。世界に波紋を広げた」と報道した[71]。同じくデイリー・テレグラフは電子版のトップで、「史上最大の番狂わせ」と伝えた[72][73]。事前のブックメーカーのオッズは南アフリカ勝利1倍、日本勝利34倍であった[74]。 - なお、BBCはラグビーワールドカップでの番狂わせとして、下記の6試合を挙げている[75]。また、ワールドラグビーの公式YouTubeチャンネルでも、「Top 5 Rugby World Cup Shocks」のタイトルで、紹介されている[76]。
- 日本代表は次の2019年母国開催のワールドカップでも当時世界ランキング2位のアイルランドを破り、英ガーディアン紙などが「日本はラグビーW杯でまたも番狂わせ」と報じた[77]。また、釜石での開幕戦となったフィジー対ウルグアイ戦でも、世界ランク19位のウルグアイが格上で世界ランク10位のフィジーに勝利し、「番狂わせ」と評され、ウルグアイは2003年以来の勝利を納めた[78]。
野球
- 2009 ワールド・ベースボール・クラシック ドミニカ共和国対オランダ
- 2009年3月10日、プエルトリコで行われた第1ラウンドD組で現役メジャーリーガー不在だったオランダが、全員メジャーリーガーで固め優勝候補の大本命だったドミニカ共和国に2度勝利して2次ラウンドに進出した[79]。
- 2013 ワールド・ベースボール・クラシック予選 パナマ対ブラジル
- 2012年11月15日、パナマで行われた予選3組1回戦でブラジルがパナマを3-2で降した。過去2大会いずれも出場しメジャーリーガーも多数擁しており予選突破本命視されていたパナマにWBC初出場のブラジルが勝利したこの試合は、「予選最大の驚き」とされた[80]。ブラジルは決勝戦でもパナマに1-0で勝利し、WBC本大会進出を決めた。
- 2017 ワールド・ベースボール・クラシック 韓国対イスラエル
- 2017年3月6日、韓国で行われた第1ラウンドA組で初出場のイスラエルが延長戦の末、2-1で韓国を破った[81]。2009年WBC準優勝や2015年のプレミア12優勝などを誇る韓国と比べるとイスラエルは国際大会の実績は乏しかったが、選手の大半がマイナーリーグの3Aに在籍するユダヤ系アメリカ人で構成されており、メジャー経験を有する選手も少なくなかった。イスラエルはその後チャイニーズタイペイにも15-7で、オランダに4-2で勝利し第1ラウンドを1位で通過した。第2ラウンド初戦でもキューバに4-1で勝利するがオランダと日本に敗れ、第2ラウンド敗退となった。
バスケットボール
- 2006年バスケットボール世界選手権 アメリカ対ギリシャ
- 2006年9月1日、さいたまスーパーアリーナで行われた準決勝でNBAのスター選手を集結させたアメリカに対して、全員が当時ヨーロッパのクラブチーム所属だったギリシャが101-95でこの試合に勝利した[82]。
- 2015年バスケットボール男子アメリカ選手権 カナダ対ベネズエラ
- 2015年9月10日、リオデジャネイロオリンピックアメリカ大陸予選を兼ねメキシコで行われたアメリカ選手権の準決勝で、グレイビス・バスケスら主力3人を欠きNBA所属が不在だったベネズエラが1次リーグを62-82で敗れ、この試合も先発全員をNBA所属で固めたカナダに対して79-78で勝利するとともに6大会ぶりとなるオリンピック出場権を手にした[83]。
テニス
- 2009年全仏オープン男子シングルス4回戦 ラファエル・ナダル対ロビン・セーデリング
- 全仏オープンで無敗4連覇中のスペインのナダルを世界ランク25位のスウェーデンのセーデリングが6-2, 6-7, 6-4, 7-6で破った[84]。なお、ナダルはクレーコートのローラン・ギャロスでの試合を得意としており、4大大会の歴史上において最大のアップセットと報じられた[84]。セーデリングは決勝に進むもスイスのロジャー・フェデラーに敗れ、フェデラーがキャリア・グランドスラムを達成した。
- 2017年全豪オープン男子シングルス2回戦 デニス・イストミン対ノバク・ジョコビッチ
- 全豪オープンで過去6度の優勝があり、3連覇が懸っていたセルビアのジョコビッチを世界ランク117位のウズベキスタンのイストミンが7-6, 5-7, 2-6, 7-6, 6-4で破った[85]。なお、ジョコビッチはこの試合前までイストミンに対して5戦無敗で1セットしか落としていなかったが、思わぬ形で2008年以来となる四大大会2回戦敗退を喫し、「テニス史上における世紀のアップセット」と呼ぶ声もあった[86]。
- 2017年全米オープン女子シングルス1回戦 アンゲリク・ケルバー対大坂なおみ
- 全米オープンの前回覇者であるドイツのケルバーを世界ランク45位の日本の大坂なおみが6-3, 6-1で破った[87]。全米前回覇者が1回戦で敗退するのは全137回のうち女子では2度目、男子を含めても3度目という歴史的な波乱となった。
陸上競技
- 第89回日本陸上競技選手権大会男子100m
- 日本体育大学1年の佐分慎弥が初出場ながら決勝まで進出し、元日本記録保持者で優勝候補筆頭だった朝原宣治らを抑え優勝、タイムも10秒40の自己ベストを記録した[88]。
- 第82回箱根駅伝 優勝・亜細亜大学
- 亜細亜大学が4連覇中だった駒澤大学や強豪校の順天堂大学らを抑えて初優勝を飾った。駒澤大学は前回の優勝メンバーのうち卒業生を除いた6人全員を配置するなど圧倒的な選手層で史上3校目の大会5連覇が期待されており、順天堂大学も後に山の神と称される今井正人らを擁していた。往路では距離が改正された4・5区で区間賞を出した順天堂大学が往路優勝するも駒澤も30秒差の2位に喰らい付き、亜細亜大学もトップから2分51秒差の6位だった。復路で順天堂はリードを広げるが、8区で選手が脱水症状で大ブレーキを起こし首位から陥落した。さらに9区では首位になっていた駒澤大学も亜細亜大学に抜かれるとそのまま逃げ切られてしまった。亜細亜大学は箱根駅伝の前哨戦ともいえる出雲駅伝では8位、全日本大学駅伝では11位と共に下位に甘んじており、時の監督であった岡田正裕監督(後に拓殖大学陸上競技部監督)が優勝を狙うと発言しても部員の多くの反応は鈍かったという[89]。
- 第36回クイーンズ駅伝 優勝・JP日本郵政グループ
- 創部3年目・クイーンズ駅伝出場2回目の新興チーム、JP日本郵政グループが初優勝をした。JP日本郵政グループはリオオリンピックで日本代表にもなった鈴木亜由子と関根花観を擁していたものの、予選会であるプリンセス駅伝では鈴木の怪我による欠場の影響もあり8位と低迷、本番でも鈴木は2番目に距離が短い2区・3.9kmに配置せざるを得ない状況であり、チーム内でも目標はシード権獲得(8位以内)としていた。[90]しかし、1区で中川京香がトップとわずか11秒差の4位で襷を繋げると以降、一度も順位を下げず3位で襷を受けた5区の鍋島莉奈が区間賞の走りで第一生命グループの田中智美らとの競り合いを制し首位に立つとアンカーの寺内希がしっかりと逃げ切った。一方で前回3位のユニバーサルエンターテインメントはシード権ギリギリの8位、3連覇中だったデンソーはエースだった高島由香が抜けた穴が大きく11位[注釈 1]、前回2位の豊田自動織機に至っては第1中継所での襷渡しのミスにより失格となり、優勝候補と目されていた前回大会のトップ3が揃って不振に喘いだ大会でもあった。
体操
- 第72回全日本体操競技選手権大会男子個人総合
- 順天堂大学2年(当時)の谷川翔がこの種目の11連覇が懸かっていた内村航平や、2017年世界体操競技選手権でこの種目の銅メダリスト、種目別において2種目で優勝した白井健三らを破り、大会史上最年少(19歳2ヶ月)で優勝を果たした[91]。谷川は2016年の全日本ジュニア体操競技選手権大会のこの種目で優勝を果たしていたが、この大会の最高順位は2016年の10位であり、全くの無名に近い選手だった。内村は予選のあん馬での落下が最後まで響き、決勝のみの成績では1位だったが総合3位に終わり、連覇が10でストップする形となり、国内では2008年全日本学生選手権以来10年ぶりの敗戦となった。
脚注
注釈
出典
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