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* 青春の肖像(1月9日・16日・23日 / 3回 / 原作:藤原審爾、脚本:田村幸二) |
2020年6月18日 (木) 11:25時点における版
サンヨーテレビ劇場(サンヨーテレビげきじょう)は、1958年1月7日 - 1961年7月28日にラジオ東京テレビ(KRT)→TBS系列で放送されたテレビドラマ枠である。三洋電機の一社提供だった。
概要
現代作家のユニークな作品をドラマ化してゆく方針で放送開始。基本的に単発形式のドラマを放送し、連続であっても2 - 4週程度であった。放送開始当初は、VTRがまだ用いられていないため生放送であった(当時のドラマは生放送が主流)。
原則的に制作は、KRT→TBSであった。ただし例外として、後にJNN基幹局となる北海道放送、大阪テレビ放送→朝日放送(当時TBS系列)、中部日本放送、RKB毎日放送が制作するドラマもこの枠で放送された。特に10月 - 11月の芸術祭参加作品ではそれが顕著であった。
基本的には、小説や戯曲を原作にとったドラマが放送されたが、オリジナル作品も放送されるようになる。1958年10月31日に放送された『私は貝になりたい』は、この放送枠の代表的作品であるとともに、テレビドラマ史全体における名作とされた。また、この作品は2インチVTRに記録されており、TBSのアーカイブスに現存する最古の映像資料でもある。さらに、翌1959年11月20日放送の『いろはにほへと』とあわせて、この放送枠の作品が2年連続で芸術祭文部大臣賞(現在の大賞)を受賞するという快挙を遂げている。
放送時間
いずれも日本標準時(JST)。
- 1958年1月7日 - 8月26日:火曜日20時30分 - 21時00分
- 1958年9月5日 - 1959年3月27日:金曜日22時00分 - 22時30分
- 1959年4月3日 - 1961年7月28日:金曜日22時00分 - 22時45分
例外として、芸術祭参加作品を中心に、時間枠を拡大して放送したドラマもあった。
作品リスト
特記がない作品は、KRTおよびTBS制作である。
1958年
- 華燭(1月7日・14日 / 2回 / 原作:中山義秀)
- あべこべ夫婦(1月21日 / 原作:獅子文六『夫婦百景』より)
- 失格女房とその良人(1月28日 / 原作:獅子文六『夫婦百景』より)
- 学生夫婦(2月4日 / 原作:獅子文六『夫婦百景』より)
- 中間夫婦(2月11日 / 原作:獅子文六『夫婦百景』より)
- 晩い結婚(2月18日 / 原作:里見弴)
- 二枚の招待状(2月25日 / 原作:井上靖)
- ボロ家の春秋(3月4日・11日 / 2回 / 原作:梅崎春生)
- 二等寝台車(3月18日 / 原作:中野実)
- 吹雪(3月25日 / 原作:石坂洋次郎、脚本:若尾徳平)
- 裸の王様(4月1日・8日 / 2回 / 原作:開高健、脚本:鈴木政男)
- 清貧の書(4月22日 / 原作:林芙美子)
- 白い橋(4月29日 / 原作:ドストエフスキー『白夜』、脚本:飯島正)
- 下宿の娘たち(5月6日・13日 / 2回 / 原作:畔柳二美、脚本:若尾徳平)
- 白い病葉(5月20日 / 原作:飯田謙助『山の精よねむれ』、脚本:田村幸二・三田祐介)
- 選挙と花見(5月27日 / 原作:伊藤永之助『新警察日記』より)
- 愛をみつめるもの(6月3日・10日 / 2回 / 原作:『問題の子等と四十年』)
- 探偵女房(6月17日 / 原作:獅子文六、脚本:堀江史朗)
- 火の山(6月24日・7月1日 / 2回 / 原作:井上友一郎)
- 七人の紳士(7月8日・15日 / 2回 / 原作:井上靖)
- 密会(7月22日 / 原作:吉村昭)
- 踊る葬列(7月29日 / 原作:井上靖)
- プロ野球オールスターゲーム中継中止時のBプログラムとして予定されていた。しかし中継が実施されたため、8月3日の17時15分 - 17時50分に振り替え放送された。
- ああ江田島(8月5日・12日・19日・26日 / 4回 / 原作:菊村到、脚本:鈴木政男)
- 父ありき(9月5日・12日・19日 / 3回 / 原作:池田忠雄・柳井隆雄・小津安二郎、脚本:田村幸二)
- この作品より、放送枠が金曜22時00分へ移行された。
- 梵化(9月26日・10月3日 / 2回 / 作:池部良・藤島泰輔)
- 愛染天使(10月10日・17日「妻の素顔」・24日「去る女」/ 3回 / 原作:藤原審爾、脚本:山下与志一)
- 私は貝になりたい(10月31日 / 題名・遺書:加藤哲太郎、物語・構成:橋本忍、演出:岡本愛彦)
- 第13回芸術祭大賞受賞。22時00分 - 23時40分に拡大。TBS現存最古の映像資料。
- 風立ちぬ(11月7日・14日・21日 / 3回 / 原作:堀辰雄、脚本:田村幸二)
- 消防芸者(11月28日 / 原作:火野葦平、脚色:猪俣勝人)
- RKB毎日放送製作。第13回芸術祭参加作品。22時00分 - 23時00分に拡大。
- 親馬鹿ちゃんりん(12月5日 / 作:尾崎一雄)
- 風と雲と(12月12日・19日・26日 / 3回 / 作:畔柳二美)
1959年
- 阿部一族(1月2日 / 原作:森鷗外、脚本:熊谷久虎)
- 22時00分 - 23時05分に拡大。
- 青春の肖像(1月9日・16日・23日 / 3回 / 原作:藤原審爾、脚本:田村幸二)
- 謀殺のカルテ(1月30日・2月6日 / 2回 / 原作:有馬頼義、脚本:八木柊一郎)
- 燃えろ燃えろ(2月13日・20日 / 2回 / 原作:菊村到、脚本:若尾徳平)
- にあんちゃん 十才の少女の日記(2月27日 / 原作:安木末子、脚本:田井洋子)
- 山崎豊子短編集(原作:山崎豊子)
- 羅生門(4月3日 / 原作:芥川龍之介、脚本:佐々木武観)
- この作品より、放送枠が45分に拡大。22時00分 - 22時45分となる。
- しあわせ(4月10日 / 原作:植草圭之助、脚本:小幡欣治)
- 貸借り帳消し胸算用(4月17日 / 原作:井原西鶴『西鶴諸国噺』、脚本:平田廉三)
- こころ(4月24日 / 原作:夏目漱石、脚本:矢代静一)
- 雁(5月1日・8日 / 2回 / 原作:森鴎外、脚本:小幡欣治)
- 殉愛(5月15日・22日・29日 / 3回 / 原作:ロマン・ロラン『ピエールとリュース』、脚本:田中澄江)
- 母の社会科(6月5日 / 原作:由起しげ子、脚本:秋月桂太)
- おいらん女中(6月12日 / 原作:獅子文六『すれちがい夫婦』、脚本:戌井市郎)
- おばあさん(6月19日 / 原作:若杉光夫、脚本:小森静男)
- 先生のこと(6月26日 / 原作:上田敏雄、脚本:小松君郎)
- 夢十夜より「恋文」「百合の館」(7月3日 / 原作:夏目漱石『夢十夜』、脚本:「恋文」田村幸二・「百合の館」若尾徳平)
- 2話のオムニバス形式。
- 張込み(7月10日 / 原作:松本清張、脚本:若尾徳平)
- 鱧の皮(7月17日 / 原作:上司小剣、脚本:田村幸二)
- 愛情について 別れて生きるときも(7月24日・31日 / 2回 / 原作:田宮虎彦、脚本:小幡欣治)
- 貧乏さん(8月7日 / 原作:三宅雪子、脚本:小松君郎)
- 人情紙風船(8月14日・21日 / 2回 / 原作:三村伸太郎)
- 船場の娘(8月28日 / 原作:織田作之助)
- 愛と空白の共謀(9月4日 / 原作:松本清張)
- シャモとゴタシン(9月11日・18日 / 2回 / 作:羽仁進)
- 最期の一句(9月25日 / 原作:森鴎外、脚本:魚住大二、演出:中川晴之助)
- 遊女濃安都(10月2日)
- 江口の里(10月9日 / 原作:有吉佐和子)
- 京都三条通り(10月16日)
- ペッペッ教(10月23日 / 原作:源氏鶏太)
- 奔流(10月30日 / 作:中江良夫、演出:吉村繁雄)
- 朝日放送製作。第14回芸術祭参加作品。22時00分 - 23時00分に拡大。
- 黒い炎(11月6日 / 原作:海野十三『麻雀殺人事件』)
- 紅葉の宿(11月13日)
- いろはにほへと(11月20日 / 作:橋本忍、演出:岡本愛彦)
- 第14回芸術祭大賞受賞。22時00分 - 23時45分に拡大。
- 亭主のためいき(11月27日 / 作:中村武志)
- 山を見るな(12月4日・11日 / 2回 / 作:菊村到)
- 挑戦(12月18日 / 作:猪俣勝人)
- 東京の風(12月25日 / 作:菊田一夫)
1960年
- あけぼの草子(1月1日)
- 窓(1月8日)
- かんざし(1月15日 / 作:井伏鱒二)
- せっちゃん(1月22日 / 作:高久めぐみ)
- きょうあるいのち(1月29日 / 原作:川村清枝・川村源七、脚本:田井洋子、演出:岡本愛彦)
- 三十石ばなし(2月5日)
- 世は抜きとり(2月12日)
- ふところ(2月19日 / 作:小松君郎)
- アゴ伝(2月26日・3月4日 / 2回 / 作:大江賢次)
- 平和な物語(3月11日 / 原作:石川達三)
- 残月車会党(3月18日)
- 並木(3月25日 / 原作:川端康成)
- 血と虹(4月1日 / 作:猪俣勝人・柴英三郎・岡本愛彦)
- 義民甚兵衛(4月8日 / 原作:菊池寛)
- 契約結婚(4月15日 / 作:由起しげ子)
- 題名のないドラマ(4月22日 / 原案:飯島正)
- 晩春の騒ぎ(4月29日)
- きょうもおしまい(5月6日)
- 正義派(5月13日 / 原作:志賀直哉、脚色:田村幸二)
- グッド・バイ(5月20日 / 原作:太宰治)
- おその(5月27日 / 原作:久保田万太郎)
- 笑い(6月3日 / 原作:菊池寛、脚色:柴英三郎)
- 螢(6月10日 / 原作:久保田万太郎)
- 能面の家(6月17日 / 原作:曽野綾子、脚色:池上金男)
- おとなしい目撃者(6月24日 / 作:武田泰淳)
- 女(7月1日 / 作:八住利雄、演出:岡本愛彦)
- 3話のオムニバス形式。
- 祇園ばやし(7月8日 / 原作:吉井勇、脚色:倉岡健一)
- トイレット部長(7月15日)
- 砂時計(7月22日 / 原作:梅崎春生)
- 妻の波紋(7月29日 / 作:明田鉄男、脚色:小田和生)
- 先祖伝来(8月5日 / 作:津上忠)
- バカヤロウの風景(8月12日 / 原案:大竹省三『地震雷火事おやじ』、脚本:白坂依志夫)
- 死と恋と波と(8月19日 / 原作:井上靖、脚色:池上金男)
- おさん(8月26日 / 原作:太宰治)
- 再発(9月2日 / 原作:遠藤周作、脚色:青江舜二郎)
- もなかの皮(9月9日 / 原作:有吉佐和子、演出:真船禎)
- 意識不明(9月16日 / 原作:佐野洋、脚色:池上金男)
- 花のワルツ(9月23日)
- 姉妹(9月30日 / 原作:畔柳二美、演出:中川晴之助)
- 黄山瀬(10月7日 / 原作:田宮虎彦、脚色:山田万亀、演出:住田明美)
- 中部日本放送製作。
- どっちが笑う(10月14日 / 原作:武者小路実篤)
- 待たれている者(10月21日)
- 勝敗(10月28日 / 作:柴英三郎、演出:大坂六郎)
- 北海道放送製作。第15回芸術祭参加作品。22時00分 - 23時00分に拡大。
- ある裁判(11月4日 / 作:新井豊)
- 寧楽秘抄(11月11日 / 原作:吉屋信子、脚色:茂木草介)
- 大阪府芸術祭参加作品。22時00分 - 23時00分に拡大。
- ゆび(11月18日 / 作:田中千禾夫、演出:大脇明、音楽:芥川也寸志、歌:友竹正則、ギター演奏:阿部保夫)
- 中部日本放送製作。第15回芸術祭参加作品。22時00分 - 23時00分に拡大。
- ドキュメントフィルム日本1960(11月25日 / 構成:白坂依志夫、演出:岡本愛彦、撮影:木村忠夫、構成協力・監修:土門拳)
- ドキュメンタリー番組。第15回芸術祭参加作品。
- 危険のような(12月2日 / 作:キノトール)
- 霧の中の少女(12月9日 / 原作:田中寿美子『ビジネス・マダム - 共かせぎ百科』、脚色:田井洋子、演出:鈴木利泰)
- ころすなかれ(12月16日 / 作:菊村到)
- かあちゃんしぐのいやだ(12月23日 / 原作:平林良孝)
- 赤坂ふらんす亭(12月30日 / 作:菊田一夫)
1961年
- 女は同じ物語(1月6日 / 原作:山本周五郎)
- 厳しい春(1月13日 / 作:田村幸二)
- 町はそよ風(1月20日・27日 / 2回 / 原作:広津和郎、脚色:岡田達門、演出:鈴木利泰)
- 息子の青春(2月3日 / 原作:林房雄、脚色:菅原卓)
- 妻の青春(2月10日 / 原作:林房雄、脚色:菅原卓)
- 良人の青春(2月17日 / 原作:林房雄、脚色:菅原卓)
- 集団就職(2月24日 / 原作:遠藤周作、脚色:真船禎)
- 女であること(原作:川端康成、脚色:北条誠、演出:岩崎文隆)
- 妙子の章(3月3日)
- 音子の章(3月10日 / 朝日放送製作)
- さかえの章(3月17日)
- 市子の章(3月24日)
- 魚紋(3月31日 / 原作:田井洋子、演出:蟻川茂男、音楽:山下毅雄)
- 北国の春(4月7日)
- 植物的接吻(4月14日 / 原作:三宅艶子『トイレッタ』)
- 翡翠(4月21日 / 原作:澤野久雄、脚本:茂木草介)
- 妻の経験(4月28日 / 原作:石坂洋次郎、脚本:光畑碩郎)
- 秋扇(5月5日 / 作:矢田世津子)
- 仮面の女(5月12日 / 作:茂木草介、演出:山田智也)
- 朝日放送製作。モノドラマ形式。
- 恋はペガサスに乗って(5月19日 / 作:水沼一郎)
- ダゴンさんの恋人(5月26日 / 原作:庄野潤三、脚本:長谷部慶次)
- 回転木馬(6月2日 / 原作:中村真一郎、脚本:寺島アキ子)
- 川のある下町の話(6月9日 / 原作:川端康成、演出:岩崎文隆)
- 青い花(6月16日 / 原作:辻久一、演出:山田智也)
- 朝日放送製作。
- ある村のはなし(6月23日 / 作:田中澄江)
- 銀婚式(6月30日 / 原作:藤沢桓夫、演出:石浜恒夫)
- 茶の間の時計(7月7日 / 原作:北条誠、脚本:山田豊)
- それは毒だ(7月14日 / 原作:獅子文六、演出:篠原甫)
- 妻よしあわせの花を(7月21日 / 原作:中野実、脚本:棟明郎、演出:岩崎文隆)
- 大出世物語(7月28日 / 原作:源氏鶏太)
参考文献
- 毎日新聞縮刷版
- 朝日新聞縮刷版
- テレビドラマデータベース
KRT(現:TBS)系 火曜20時台後半枠 | ||
---|---|---|
前番組 | 番組名 | 次番組 |
サンヨーテレビ劇場
(1958.1.7 - 1958.8.26) |
||
KRT系 金曜22時台前半枠 | ||
サンヨーテレビ劇場
(1958.9.5 - 1959.3.27) |
サンヨーテレビ劇場
(22:30 - 22:45) ※15分拡大 |
|
KRT→TBS系 金曜22:00 - 22:45枠 | ||
サンヨーテレビ劇場
(22:00 - 22:30) 落語中継 (22:30 - 22:45) |
サンヨーテレビ劇場
(1959.4.3 - 1961.7.28) |
マンハッタン・スキャンダル
(22:00 - 23:00) |