「勝訴ストリップ」の版間の差分
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『'''勝訴ストリップ'''』(しょうそストリップ 英題:''Shouso Strip''<ref group="注釈">ブックレット等には略称として「SS」と表記されている。</ref>、''Winning Strip''<ref>[http://www.kronekodow.com/english/disco/disco_detail_49.html SR猫柳本線 DISCOGRAPHY]</ref>)は、[[2000年]][[3月31日]]に[[EMIミュージック・ジャパン|東芝EMI]](当時)より発売された[[日本]]の[[シンガーソングライター]]・[[椎名林檎]]の2作目の[[スタジオ・アルバム]]。売上が |
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初回限定版は、特殊ケース入り・豪華[[ブックレット]]仕様。 |
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2018年3月29日 (木) 00:00時点における版
『勝訴ストリップ』 | ||||
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椎名林檎 の スタジオ・アルバム | ||||
リリース | ||||
録音 |
カメスタ スタジオテラ | |||
ジャンル |
ロック オルタナティブ | |||
時間 | ||||
レーベル | Virgin Music | |||
プロデュース | 井上うに | |||
チャート最高順位 | ||||
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ゴールドディスク | ||||
ベストアルバム賞 ロック・アルバム・オブ・ザ・イヤー | ||||
椎名林檎 アルバム 年表 | ||||
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『勝訴ストリップ』収録のシングル | ||||
『勝訴ストリップ』(しょうそストリップ 英題:Shouso Strip[注釈 1]、Winning Strip[1])は、2000年3月31日に東芝EMI(当時)より発売された日本のシンガーソングライター・椎名林檎の2作目のスタジオ・アルバム。売上が250万枚を超えるメガヒットを記録した。
初回限定版は、特殊ケース入り・豪華ブックレット仕様。
概要
本作は『無罪モラトリアム』より約1年ぶりのスタジオ・アルバムである。前作『無罪モラトリアム』や、それに付随するシングル「歌舞伎町の女王」リリースの際は、自らを「新宿系」と名乗るなど、他者とは違った独特の雰囲気を醸し出していた椎名であったが、今作ではそういった独特の雰囲気を更に極めていく。先行シングルである「本能」を始め、「ギブス」、「罪と罰」などを中心に、前作よりも比較的激しい心情が表現されている。また、ライブ・ツアー「先攻エクスタシー」などで既に披露されていた「アイデンティティ」が初めて音源化された。
2000年4月3日付のオリコン週間アルバムチャートでは、初の首位を獲得している。最終的には230万枚以上を売り上げ、自身最大の売り上げを記録している作品となった。また、本作で日本ゴールドディスク大賞ロック・アルバム・オブ・ザ・イヤー[2]、第42回日本レコード大賞 ベストアルバム賞[3] を受賞している。
制作
アルバムの制作は1999年の夏に開始され、その夏が終わる頃にはすべてのレコーディングが終了していた[4]。当初は昔の曲ばかりを収録する予定で、まるで『無罪モラトリアム』の延長、あるいは『無罪モラトリアム』そのもののようなアルバムとなるはずだったが、椎名が多忙のせいでそれまでレコーディングできなかった新曲を入れようと決めたことで、最初の収録リストはリセットとなった[4]。スタッフが椎名のイメージを最優先する雰囲気を作ってくれたおかげで「これはこの人じゃなきゃダメだし、これは私が弾く」という具合にレコーディングも彼女の一存で進み、前作よりも自分に正直にエゴイスティックに制作出来たと本人は語っている[4]。一曲一曲が立っていてバラでも聞ける、まるでシングル・コレクションのようだった前作に対し、今作はアルバム全体を通して聞くことを前提に作られている[4]。
シンメトリー[4]
勝訴ストリップ | |
---|---|
01. 虚言症 | 13. 依存症 |
02. 浴室 | 12. 本能 |
03. 弁解ドビュッシー | 11. 病床パブリック |
04. ギブス | 10. サカナ |
05. 闇に降る雨 | 09. 月に負け犬 |
06. アイデンティティ | 08. ストイシズム |
07. 罪と罰 |
本作では、収録曲の配置(字数)が7曲目の「罪と罰」を中心にシンメトリーに並べられているほか、総合収録時間も55分55秒と、徹底的なこだわりを見せている。これらについては、BLANKEY JET CITYの浅井健一がエレキギターを弾くと決まった段階で、中心に「罪と罰」を配置し、13曲入りのアルバムにするという事は決定していたという。またオープニングとエンディングの曲も決まっていた。合計時間を55分55秒することについても最初に決めており、「『無罪モラトリアム』が「短い」と言われたため、少し延ばした」と語っている。このようなシンメトリーに対するこだわりは、以降の作品にも受け継がれてゆき、東京事変の作品に於いても反映されている。
また、本作の略称は「勝訴」と「ストリップ」の頭文字からそれぞれをとり、ブックレットに「SS」と表記されている。
楽曲について[5]
- 全作詞・作曲:椎名林檎
- 虚言症
- 浴室
- アルバム発売前には、プロモーションの一環としてこの曲のフルが無料配信された。「生死とかを超越した融合を実現したい」という欲望と提案について歌った曲。椎名自身、このアルバムの中で一番好きな曲かもしれないとも語っている。この曲は、ジャン=フィリップ・トゥーサンの同名小説でジョン・ラヴォフ監督による1987年公開のフランス映画をイメージしたそうで、椎名がいつもビデオを借りに行っていた東中野のレンタルビデオ屋で、そのビデオの背表紙を見た時に思いついたという。ただし、当時本人はその映画を観ていなかったとのこと。
- 本作では数少ないプログラミング主体の楽曲となっている。2003年に発表された9枚目のシングル「りんごのうた」のカップリング曲には、英語の歌詞でアレンジの異なる「la salle de bain」が収録されている(2008年発売のアルバム『私と放電』にも収録)。その他、2007年に発表された斎藤ネコとの共同名義でのアルバム『平成風俗』には、本作と「la salle de bain」を合わせたようなアレンジバージョンが収録されている。
- 弁解ドビュッシー
- デビュー当時、フェイバリット・アーティストにドビュッシーを挙げた椎名に対して、周囲が「何で?」という反応を示したこと、また、辛い恋をしていたことから出来た曲。それに対する「ドビュッシーを好きなことに説明とか弁解なんてあるかよ!」、「辛い恋することに弁解なんてあるかよ!」という2つの思いが合わさって「弁解ドビュッシー」になったという。
- ギブス
- 闇に降る雨
- ミュージック・ビデオも制作されており、ミュージック・ビデオ集「性的ヒーリング〜其ノ弐〜」に収録されている。椎名曰く「私の中での演歌的な部分を全部集めたような曲」とのことで、完成曲を「これって森昌子じゃん」と思ったという。またインタビューでは、サビの「雨だろうが運命(さだめ)だろうが」というフレーズに「当時よくこんな事言えたなぁ」と話している。
- アイデンティティ
- 初のライブツアー「先攻エクスタシー」や、学園祭ツアー「学舎エクスタシー」などで既に披露されていた曲。そのため、アルバム発売前からインターネットに歌詞が掲載されており、それを知った椎名は「漢字変換も殆ど正しくて驚いた」とのこと。ミュージック・ビデオも制作されている(ミュージック・ビデオ集「性的ヒーリング〜其ノ弐〜」収録)。レコード会社との契約交渉の際に言われた、「「正しい街」の詞の意味がわかんない」「こういうアレンジは間違い」などという言葉に対し、「てやんでい!」と思って作ったという曲。
- 罪と罰
- ストイシズム
- 椎名曰く、この曲は前作『無罪モラトリアム』に収録されている「積木遊び」のような箸休め的な曲であるという。演奏時間は2分を切り、椎名の楽曲では最短[注釈 2]。
- 歌詞カードに書かれている歌詞を歌っている他に、「あー」という声やドレミで歌っている声、しゃべり声など様々な音をミックスして作られた曲。「罪と罰」のサビの歌詞「あたしの名前をちゃんと呼んで」及び「不穏な悲鳴を愛さないで」を逆から言っている箇所がある。また「アクセル、ブレーキ、パーキング」と言っている箇所は、The Turtlesのメンバーに「それがサビになる曲を書く」と約束したことから歌われており、それをちゃんと守っている自分がストイックだということでタイトルが「ストイシズム」と付けられたとのこと。
- ライブで披露したのは後にも先にも2000年に行われた一夜限りのライブ「(稀)実演キューシュー 座禅エクスタシー」だけでのことである。
- 月に負け犬
- 椎名が18歳の頃に製作された楽曲。椎名の楽曲では珍しく一人称が「僕」となっているが、これは椎名自身でも言い切れない内容を詞にしており、他人事のように描写するためらしい。
- 上記の契約交渉の際に、同じくレコード会社の人間に「結局、虚勢を張ってんだか張ってねえんだかわかんねえんだよ!」と怒鳴られたという曲。その時何も言い返せなかったために、曲タイトルが「負け犬」になっているのだという。
- サカナ
- この楽曲もライブで披露したのは「(稀)実演キューシュー 座禅エクスタシー」だけでのことである。
- 病床パブリック
- 本能
- 100万枚近くを売り上げた、4枚目のシングルにして最大のヒット曲。ナース姿でガラスを叩き割るミュージック・ビデオが話題となった。
- 「ギブス」や「罪と罰」とは異なりシングルバージョンのまま収録されたが、アウトロで次曲「依存症」に繋がる構成となっている。
- 依存症
- 椎名曰く「自殺と言うか、何もかも全部疲れた」という曲。詞曲ともに、次作アルバムに対する投げかけが行われている。椎名が男性と対等に接したいにもかかわらず依存してしまうことを歌い、彼女の恋愛観を表現している。椎名の楽曲では最も演奏時間が長い[注釈 3]。
- 歌詞カードの「 」で空白になっている部分には、当時の椎名の愛車であったメルセデス・ベンツの愛称「ヒトラー」と入るが、これが問題となって自主規制でプロモーション用のサンプル盤が回収された[注釈 4]。特に意味があって名付けたわけではなく、当時、身の回りの物にドイツ語の名前を付けることにはまっており、他にも飼い猫にはゲーテとシューマン、テディベアはツルゲーネフ[注釈 5]、ギターにはディートリッヒと名付けていた[6][7]。
収録曲
全作詞・作曲: 椎名林檎、全編曲: 亀田誠治、椎名林檎 (注記を除く)。 | ||
# | タイトル | 時間 |
---|---|---|
1. | 「虚言症」 | |
2. | 「浴室」 | |
3. | 「弁解ドビュッシー」 | |
4. | 「ギブス」 | |
5. | 「闇に降る雨」 | |
6. | 「アイデンティティ」 | |
7. | 「罪と罰」 | |
8. | 「ストイシズム」 | |
9. | 「月に負け犬」 | |
10. | 「サカナ」 | |
11. | 「病床パブリック」 | |
12. | 「本能」(編曲: 亀田誠治) | |
13. | 「依存症」 | |
合計時間: |
演奏
虚言症
浴室
弁解ドビュッシー
ギブス
闇に降る雨
アイデンティティ
罪と罰
|
ストイシズム
月に負け犬
サカナ
病床パブリック
本能
依存症
|
脚注
注釈
- ^ ブックレット等には略称として「SS」と表記されている。
- ^ 『唄ひ手冥利〜其ノ壱〜』収録のカバー曲「i wanna be loved by you」は「ストイシズム」より僅かに短い1分44秒。
- ^ 「唄ひ手冥利〜其ノ壱〜」収録のカバー曲「枯葉」は6分30秒と「依存症」より若干長い。
- ^ 実際に販売された物ではその箇所は歌われていないが、コンサートでは歌われており、「実演ツアー 下剋上エクスタシー」でも実際には歌っていたが、映像化に際してピー音で被せられている。またその車は「罪と罰」のミュージック・ビデオや、ミュージック・ビデオ集「性的ヒーリング〜其ノ弐〜」のエンドロール(本楽曲がBGMとして使用されている)に登場している。
- ^ 本人はドイツ語と勘違いしていた。
出典
- ^ SR猫柳本線 DISCOGRAPHY
- ^ 日本ゴールドディスク大賞. “ゴールドディスク大賞受賞者一覧”. 2012年2月22日閲覧。
- ^ 日本レコード大賞 (2000年). “第42回日本レコード大賞”. 2011年7月19日時点のオリジナルよりアーカイブ。2012年2月22日閲覧。
- ^ a b c d e 電脳RAT/013「椎名林檎「勝訴ストリップ」インタビュー」
- ^ 電脳RAT/014「林檎ちゃん「勝訴ストリップ」全曲解説」
- ^ "椎名林檎の悦楽巡回". 1999-5-16. CROSS FM。
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を指定する場合、|url=
も指定してください。 (説明);|accessdate=
の日付が不正です。 (説明);|series=
は必須です。 (説明) - ^ 椎名林檎『RINGO FILE 1998‐2008』ロッキング・オン、2009年3月。ISBN 4860520793。