「児童虐待」の版間の差分
編集の要約なし |
m cewbot: ウィキ文法修正 38: HTMLの<i>タグの使用 |
||
18行目: | 18行目: | ||
1994年9月には、この学会設立の契機となった国際シンポジウム「児童虐待への挑戦」が、日本で始めて児童虐待の先進国から専門家を招いて開催された。この「専門家」とは、児童虐待防止の国際学会として1977年に設立されていた{{仮リンク|国際子ども虐待防止学会|en|International Society for the Prevention of Child Abuse and Neglect}} (ISPCAN)に集まっていた人々である<ref>徳永雅子(1995)「ISPCAN国際シンポジウム&セミナー『児童虐待への挑戦』に参加して」『保健婦雑誌』51巻3号</ref>。600人が集まったこのシンポジウムの講演において、ISPCANの会長を務めた米国コロラド大学の[[クルーグマン]]教授は、「子どもを親から離すだけでは何も解決しない」、「今後の日本が作る制度は、法律主導のアメリカモデルよりも、専門職主導のヨーロッパ大陸モデルをすすめる」 と、日本の児童虐待防止政策が進むべき道を提言した<ref>小林美智子「過去から学び、未来に向けて行動しよう: 日本の20年の経験と、虐待された子どもと親をケアする社会に向けて」 (「子ども虐待防止世界会議」名古屋、2014年9月16日 における基調講演)</ref>。これを契機に日本では、民間で児童虐待を扱う動きが急速に高まった。例えば、1999年に[[長谷川博一]]は、世代連鎖を断つことを理念として、親の治療グループ「親子連鎖を断つ会」を設立した<ref>『たすけて! 私は子どもを虐待したくない-世代連鎖を断ち切る支援-』径書房、2003年</ref>。 |
1994年9月には、この学会設立の契機となった国際シンポジウム「児童虐待への挑戦」が、日本で始めて児童虐待の先進国から専門家を招いて開催された。この「専門家」とは、児童虐待防止の国際学会として1977年に設立されていた{{仮リンク|国際子ども虐待防止学会|en|International Society for the Prevention of Child Abuse and Neglect}} (ISPCAN)に集まっていた人々である<ref>徳永雅子(1995)「ISPCAN国際シンポジウム&セミナー『児童虐待への挑戦』に参加して」『保健婦雑誌』51巻3号</ref>。600人が集まったこのシンポジウムの講演において、ISPCANの会長を務めた米国コロラド大学の[[クルーグマン]]教授は、「子どもを親から離すだけでは何も解決しない」、「今後の日本が作る制度は、法律主導のアメリカモデルよりも、専門職主導のヨーロッパ大陸モデルをすすめる」 と、日本の児童虐待防止政策が進むべき道を提言した<ref>小林美智子「過去から学び、未来に向けて行動しよう: 日本の20年の経験と、虐待された子どもと親をケアする社会に向けて」 (「子ども虐待防止世界会議」名古屋、2014年9月16日 における基調講演)</ref>。これを契機に日本では、民間で児童虐待を扱う動きが急速に高まった。例えば、1999年に[[長谷川博一]]は、世代連鎖を断つことを理念として、親の治療グループ「親子連鎖を断つ会」を設立した<ref>『たすけて! 私は子どもを虐待したくない-世代連鎖を断ち切る支援-』径書房、2003年</ref>。 |
||
2000年、厚生大臣は、児童虐待は[[殺人罪]]との境界領域にある事象であると<ref>[http://www.shugiin.go.jp/internet/itdb_kaigiroku.nsf/html/kaigiroku/007314519990729007.htm 第145回国会 青少年問題に関する特別委員会 第7号(平成11年7月29日(木曜日)]</ref>国会で訴えて、「[[児童虐待の防止等に関する法律]](児童虐待防止法)」の国会通過を図った。のち、2004年には同法を改正し、「関係省庁相互間その他関係機関および民間団体の間の連携の強化、民間団体の支援その他」を行ない、児童虐待の防止等のために必要な体制の整備に努めなければならない旨を明文化した<ref>[『子どもの虐待防止とNGO-国際比較調査研究』桐野由美子、明石書店、2005年]</ref>。同法において、被虐待児が病院を受診し、虐待を受けたと思われた場合には担当でなくとも速やかに警察に通報する義務があり(第6条)、通告義務は他の法が定める守秘義務より優先される(同条2項)、とも定められた(第6条2項)。厚労省は、このように、1994年にクルーグマンがわが国になした提言を無視して、行政主導の児童虐待防止政策拡大に突っ走り、さまざまの人権上の問題を日本の家族と子どもに生み出すこととなった<ref>上野加代子、野村知二(2003)『<児童虐待>の構築:捕獲される家族』世界思想社</ref>。例えば、この通告義務の強制は、児童相談所を児童遺棄のために悪用する傾向を助長している<ref name="riken" />。また、通告義務づけは、行政効率を悪化させること、市民を密告警察官に仕立てあげることなどから、国際的に重大な疑問も出されている<ref name="ainsworth">Frank Ainsworth, ‘Mandatory reporting of child abuse and neglect: does it really make a difference?’ |
2000年、厚生大臣は、児童虐待は[[殺人罪]]との境界領域にある事象であると<ref>[http://www.shugiin.go.jp/internet/itdb_kaigiroku.nsf/html/kaigiroku/007314519990729007.htm 第145回国会 青少年問題に関する特別委員会 第7号(平成11年7月29日(木曜日)]</ref>国会で訴えて、「[[児童虐待の防止等に関する法律]](児童虐待防止法)」の国会通過を図った。のち、2004年には同法を改正し、「関係省庁相互間その他関係機関および民間団体の間の連携の強化、民間団体の支援その他」を行ない、児童虐待の防止等のために必要な体制の整備に努めなければならない旨を明文化した<ref>[『子どもの虐待防止とNGO-国際比較調査研究』桐野由美子、明石書店、2005年]</ref>。同法において、被虐待児が病院を受診し、虐待を受けたと思われた場合には担当でなくとも速やかに警察に通報する義務があり(第6条)、通告義務は他の法が定める守秘義務より優先される(同条2項)、とも定められた(第6条2項)。厚労省は、このように、1994年にクルーグマンがわが国になした提言を無視して、行政主導の児童虐待防止政策拡大に突っ走り、さまざまの人権上の問題を日本の家族と子どもに生み出すこととなった<ref>上野加代子、野村知二(2003)『<児童虐待>の構築:捕獲される家族』世界思想社</ref>。例えば、この通告義務の強制は、児童相談所を児童遺棄のために悪用する傾向を助長している<ref name="riken" />。また、通告義務づけは、行政効率を悪化させること、市民を密告警察官に仕立てあげることなどから、国際的に重大な疑問も出されている<ref name="ainsworth">Frank Ainsworth, ‘Mandatory reporting of child abuse and neglect: does it really make a difference?’''Child and Family Social Work'', 7, 2002</ref>。このため、オランダのように、通告をあえて義務づけない国も存在する<ref name="riken" />。 |
||
== 児童虐待防止法における定義 == |
== 児童虐待防止法における定義 == |
2016年11月29日 (火) 00:19時点における版
この記事はその主題が日本に置かれた記述になっており、世界的観点から説明されていない可能性があります。 (2014年9月) |
人間関係 |
---|
種類 |
恋愛的な出来事 |
気持ちと感情 |
習慣 |
虐待 |
カテゴリ |
児童虐待(じどうぎゃくたい、英: child maltreatment, child abuse, cruelty to children)は、児童の周囲の人間(保護者、学校教師、施設職員など)が、児童に対して虐待を加える (Abuse)、もしくは育児放棄(ネグレクト)することである[1][2]。幼児の場合は特に「幼児虐待(ようじぎゃくたい)」と言う。児童虐待を行う親は「虐待親(ぎゃくたいおや)」(もしくは「虐待母(ぎゃくたいはは)」「虐待父(ぎゃくたいちち)」)と称される。虐待母の別名として、「鬼母(きぼ)」とも称される。
世界保健機構(WHO)では、Child maltreatmentは「18歳以下の子供に対して起きる虐待やネグレクト」と定義している[3]。アメリカ疾病予防管理センター(CDC)では、「親またはその他の養育者の作為または不作為によって、児童に実際に危害が加えられたり、危害の危険にさらされたり、危害の脅威にさらされること」と定義している[4]。
WHOは全成人の4人に1人は年少児に身体的虐待を、女性の5人に1人と男性の12人に1人は年少時に性的虐待を受けたと報告している[3]。WHOによれば毎年4.1万人の15歳以下児童が自宅にて殺されているという[3]。OECDは児童虐待に起因する医療・司法・逸失利益のコストは、米国においてはGDPの約1%、豪州においては少なくともGDPの1%に上ると推定している[5]。
歴史
1874年4月、アメリカ・ニューヨークにおけるメアリ・エレン・ウィルソン事件により、ニューヨーク児童虐待防止協会が設立された[6]。後年には、イギリスで1884年に、民間組織として児童虐待防止協会 (Society for Prevention for Cruelty to Children) が設立され、その後は全国児童虐待防止協会 (National Society for Prevention of Cruelty to Children) となる。1960年、フランスの歴史学者フィリップ・アリエスが『〈子供〉の誕生』(こどものたんじょう、フランス語: L'Enfant et la Vie familiale sous l' Ancien Regime)を発表した。1962年に、ブレスラウ生まれのユダヤ系ドイツ人で、ナチズムの勃興と共に米国に亡命し、米国で小児科医となったヘンリー・ケンプは、1962年に、「被殴打児症候群(英語: Battered Child Syndrome)」を報告した[7]。
日本においては、厚労省が、1981年に、従来不登校の問題等を扱っていた『児童相談事例集』の第13集[8] で、突然「保護者による虐待等の事例」の全冊特集を組んだ。この事例集には、「保護者による虐待」、「養育拒否等」、「父子家庭・未婚の母の場合」計19事例が掲載され、加えて、「児童相談所から家庭裁判所に出された親権喪失宣告の請求が承認されたという極めてまれな事例」をも収録した。これは、第二次臨時行政調査会が、鈴木善幸内閣が掲げた「増税なき財政再建」を達成すべく発足した時期と一致している。行財政改革がすすめば、英国のサッチャリズムが大幅な福祉切り捨てを行なった前例からも明らかの通り、厚生省の省益が大幅に失われるおそれは強かったから、厚生省が新たな省益確保の場として児童虐待に着目したとの指摘がある[9]。
わが国では、小児科医の小林美智子氏らが、ケンプの影響を受け、1994年に、「日本子ども虐待防止学会」が設立された。 1994年9月には、この学会設立の契機となった国際シンポジウム「児童虐待への挑戦」が、日本で始めて児童虐待の先進国から専門家を招いて開催された。この「専門家」とは、児童虐待防止の国際学会として1977年に設立されていた国際子ども虐待防止学会 (ISPCAN)に集まっていた人々である[10]。600人が集まったこのシンポジウムの講演において、ISPCANの会長を務めた米国コロラド大学のクルーグマン教授は、「子どもを親から離すだけでは何も解決しない」、「今後の日本が作る制度は、法律主導のアメリカモデルよりも、専門職主導のヨーロッパ大陸モデルをすすめる」 と、日本の児童虐待防止政策が進むべき道を提言した[11]。これを契機に日本では、民間で児童虐待を扱う動きが急速に高まった。例えば、1999年に長谷川博一は、世代連鎖を断つことを理念として、親の治療グループ「親子連鎖を断つ会」を設立した[12]。
2000年、厚生大臣は、児童虐待は殺人罪との境界領域にある事象であると[13]国会で訴えて、「児童虐待の防止等に関する法律(児童虐待防止法)」の国会通過を図った。のち、2004年には同法を改正し、「関係省庁相互間その他関係機関および民間団体の間の連携の強化、民間団体の支援その他」を行ない、児童虐待の防止等のために必要な体制の整備に努めなければならない旨を明文化した[14]。同法において、被虐待児が病院を受診し、虐待を受けたと思われた場合には担当でなくとも速やかに警察に通報する義務があり(第6条)、通告義務は他の法が定める守秘義務より優先される(同条2項)、とも定められた(第6条2項)。厚労省は、このように、1994年にクルーグマンがわが国になした提言を無視して、行政主導の児童虐待防止政策拡大に突っ走り、さまざまの人権上の問題を日本の家族と子どもに生み出すこととなった[15]。例えば、この通告義務の強制は、児童相談所を児童遺棄のために悪用する傾向を助長している[9]。また、通告義務づけは、行政効率を悪化させること、市民を密告警察官に仕立てあげることなどから、国際的に重大な疑問も出されている[16]。このため、オランダのように、通告をあえて義務づけない国も存在する[9]。
児童虐待防止法における定義
日本の児童虐待の防止等に関する法律第2条では、「児童虐待」を、「保護者(親権を行う者、未成年後見人その他の者で、児童を現に監護するものをいう)がその監護する児童(18歳に満たない者)に対し、次に掲げる行為をすること」としている。
- 一 児童の身体に外傷が生じ、又は生じるおそれのある暴行を加えること。
- 二 児童にわいせつな行為をすること又は児童をしてわいせつな行為をさせること。
- 三 児童の心身の正常な発達を妨げるような著しい減食又は長時間の放置、保護者以外の同居人による前二号又は次号に掲げる行為と同様の行為の放置その他の保護者としての監護を著しく怠ること。
- 四 児童に対する著しい暴言又は著しく拒絶的な対応、児童が同居する家庭における配偶者に対する暴力(配偶者(婚姻の届出をしていないが、事実上婚姻関係と同様の事情にある者を含む。)の身体に対する不法な攻撃であって生命又は身体に危害を及ぼすもの及びこれに準ずる心身に有害な影響を及ぼす言動をいう。)その他の児童に著しい心理的外傷を与える言動を行うこと。
民法第822条が親権者に認めている懲戒権と児童虐待との区別
我が国の民法第822条は、親権者に「懲戒権」を認めている。
第820条(監護及び教育の権利義務)
親権を行う者は、子の利益のために子の監護及び教育をする権利を有し、義務を負う。第822条(懲戒)
親権を行う者は、第820条の規定による監護及び教育に必要な範囲内でその子を懲戒することができる。
つまり日本では、民法によって、親権者には子を監護(監督および保護)する権利が定められ、しかもこれは権利であるが同時に義務だとされており、また親権者の義務とされている監護および教育にともなうものとして、懲戒権を認めている。この懲戒権においては、親権者の「子の利益となる範囲内」での体罰が容認されている。
2000年に「児童虐待の防止等に関する法律(児童虐待防止法)」が制定された結果、民法が親権者に認める懲戒行為と、「児童虐待の防止等に関する法律」でいう「児童虐待」の線引きが問題となった。児童相談所は、次節で見るようにつぎつぎと児童虐待の定義・規準のレベルを下げ、それに照らして「一時保護」と称する、親権者の同意なき児童の家族からの引き剥がしを各地で強行して、家族破壊を繰り返すようになり、児童虐待の定義の厳密化の必要が生ずるに至った。ここで2016年5月の第190国会において鈴木貴子代議士(新党大地)は、「「児童虐待防止」政策における政府の見解及び認識等に関する質問」(第275号)を行ない、これに対し内閣総理大臣安倍晋三が以下のように答弁して、児童虐待と懲戒権との関係が、国によって明確化された。
「児童虐待は、子の利益のため子の監護及び教育に必要な範囲内で行われる行為ではないため、民法(明治二十九年法律第八十九号)第八百二十二条の規定による懲戒には含まれない。」 [17](七について)
すなわち、児童虐待とは、子の利益を図る親権者の監護・教育目的を以てなされる以外の子に対する行為をいうのであり、子の利益を図る監護・教育目的を持って親権者が行なう範囲内の子に対する懲戒行為(体罰も含む)は、児童虐待とはみなされない。
厚労省と児童相談所による「児童虐待」定義の拡張
児童虐待の定義が、国の答弁によりこのように明確化される以前、厚労省は実務レベルにおいて児童虐待の定義・規準を、厚生大臣が児虐法審議時に国会で述べた「殺人罪との境界領域」から遠くかけ離れた方向に恣意的に拡張してきた。これについては、「厚労省が利権保持のために虐待認定の基準を調整している・・・わかりやすく言えば、レベルを下げている」と児童相談所関係者が指摘している。[18] その「規準」とは、具体的には、次のようなものであるが、これらはいずれも法律に定められた虐待の定義ではなく、とりわけ親権者の懲戒権を侵害しているところについては、日本国民に対し法的拘束力を持つものではない:
身体的虐待
「一方的に、何度もこぶしで殴る」「一方的に何度も蹴る」など。結果として外傷がなくとも、その可能性が明らかにあった場合を含む。手や脚を使うこと全てが含まれているわけではなくて、裁判などでは、手でたたいた身体部位やそのたたき方(「拳」「平手」の別)、継続時間、などの差異が焦点となることがある。また、児童の側が先に殴りかかって保護者の側がとっさに応戦し短く殴った場合は含まない(正当防衛)。
性的虐待
児童性的虐待のことで、児童を性行為の対象にしたり、児童に対して強制的に猥褻なものごと(自らの性器や性交)を見せ付けたりすること。ただし、日本では自宅で風呂を入った直後、身体が熱くなっていて冷ますために、一定時間自宅内を全く着衣無しの状態で素っ裸で歩きまわるような行為は、昔から男であれ女あれかなり広く行われていて一定の合理性があるので、その程度は性的虐待には全然あたらない(意図的に子供を追い回してわざわざ性器ばかりを見せつけるようなことを連日やりでもしない限り、性的虐待にはあたらない。また児童のほうが能動的に近づいてじろじろ見る場合も、親権者ではなくむしろ児童のほうに問題があるので、児童虐待にはあたらない)。
心理的虐待
児童に対して心理的な後遺症が残るほどの言葉の暴力、極端な恫喝を行うこと、また、無視しつづけること、存在自体を根本から否定すること、自尊心を踏みにじりつづける行為などが含まれ、虐待の根源とされる。離婚、別居など両親の不和家庭(環境)に多く見られる監護親によって別居親の存在を否定、削除させる事、これ即ち子どもにとって生命の誕生をも否定する事となり心理的成長阻害の代表的例となる。母親が子供に対して連日のように「あんたさえいなければ私は再婚できる。あんたさえ消えてくれれば。」「あんたの父親(母親)はろくな人間じゃない」などと言い続けることもこれに該当する。洗脳虐待も含まれる。
育児放棄
児童の心身の正常な発達を妨げるような著しい減食[19]、もしくは長時間の放置その他の保護者としての監護を著しく怠ること[20]。「長期間に渡って食事を与えない」の他にも、「病気になっても病院に受診させない[1]」、「乳幼児を暑い日差しの当たる車内への放置」、「習慣的に下着などを不潔なまま長期間 放置する[21]」、「(幼稚園、保育園、保育所、学校への)通学を行わせない」などが含まれる。保護者による治療拒否は特に医療ネグレクトと呼ばれ[22]、その結果が児童の生命・身体に重大な影響をおよぼす場合には親権停止の審判などの対象になるとされる[23]。また、うっかりおむつを数時間替え忘れた、といった程度のことも児童虐待にはあたらない。
虐待相談件数の「増加」傾向
相談件数
年度 | 相談件数 |
---|---|
1990 (H2) 年度 | 1,101 |
1995 (H7) 年度 | 2,722 |
2000 (H12) 年度 | 17,725 |
2005 (H17) 年度 | 34,472 |
2010 (H22) 年度 | 56,384 |
2013 (H25) 年度 | 66,701 |
こうした虐待の定義の恣意的拡張、そして近年通報することに関して厚生労働省などが広報活動を行っている結果、「相談件数」が増大してきている。
ただし、相談件数というのは、実際に虐待が行われている数と連動しているわけではなく、あくまで「相談(通報)」の件数である。この数字は「相談」(つまり「通報」)を政府や地方自治体がどの程度促するための告知活動を行っているか、その結果、国民・市民がどの程度、相談(通報)しようという意識を持ったか、ということのほうの影響をむしろ大きく受けている数字であり、広報活動の成果を示す数字や、人々がどれほど敏感になっているか、という意識の表れを示すものに過ぎないので、実態としての虐待数を把握するための基礎的数字としては使えない。 なお、相談(通報)された中には、調べてみたところ実際には誤った相談(誤報)で虐待ではなかった、というケースも含まれている。
日本の児童虐待相談件数は統計開始の1990年の1,101件から毎年増加し、2013年度には66,701件になった[25][26][24]。 「相談件数」の増加を実際に虐待が近年急増していると捉えるべきか、実際の虐待数はもっと多くて発覚する件数が増えていると捉えるべきなのかについて、九州保健福祉大学の大堂庄三も、「急増論は根拠がない」と指摘している[27]。
相談(通報)された案件の内訳
「平成18年度に全国の児童相談所で対応した児童虐待相談対応件数は、37,323件」で[24]あった。
平成18年度(2006年4月 - 2007年3月)に相談(通報)された件について、虐待内容による分類は「身体的虐待が15,364件(41.2%)で最も多く、次いでネグレクトが14,365件(38.5%)」と集計された[24]。虐待されていた児童の年齢は0 - 3未満が17.3%(6,449人)、3 - 学齢前児童が25.0%(9,334人)、小学生が38.8%(14,467人)、中学生が13.9%(5,201人)、高校生・その他が5.0%(1,872人)。性別では男児52.3%、女児47.7%で男児が若干多い[28]。ただし性的虐待に関しては、97.1%が女児で中高校生が65.0%[28]と、傾向が異なるとされた。相談された件では、虐待をする者は、62.8%が実母、22.0%が実父、義父・義母は合わせて8.3%で[24]、6割近くが実母によるものであることが分かる。
1999年の集計によれば、虐待をしているのは58.0%が実母、25.0%が実父であり、義父・義母は合わせて9.3%である(残りはその他)[28]。母の職業は3分の2が主婦・無職で、在宅型が多い[28]。虐待者の学歴は1993 - 1995年の統計において、中卒が34.3%、高卒が12.2%、高校中退が6.7%、大卒では2.4%であった(ただし、同統計において「その他・不明」が44.4%となっていて、その割合が大きいことに留意)。性的虐待では、虐待者の9割近くが中卒であるとの統計もある[28]。経済状況に関しては、(調査者が主観的に判断したところでは)1993 - 1995年の統計において、「貧困」52.5%、「普通」31.5%、「裕福」2.6%、だそうである[28]。
自らも虐待を受けた者の割合については、2007年の統計では、9.1% - 39.6%とされた[29]。
全国児童相談所長会が一時保護に親が同意しなかった614人の児童(平均年齢8.5歳)に対して調査した結果得た集計では、「「生命の危機がある」38人 (6.2%)、継続的治療が必要な外傷があるなど「重度の虐待」158人 (25.7%)、慢性的に暴力を受けるなど「中程度の虐待」254人 (41.4%)」である[30]。同調査によると、虐待が開始されてから児童相談所が一時保護するまでの期間は、3年以上(146人、23.8%)、1年以上3年未満(124人、20.2%)、6か月以上1年未満(82人、13.4%)、1か月以上6か月未満(108人、17.6%)、1か月未満(104人、16.9%)、無回答(50人、8.1%)である[30]。
児童相談所が児童虐待をした保護者に改善指導している途中、保護者の転居により行方が分からなくなってしまった児童の数が2009年だけでも39人いる[31]。
大阪府総合医療センター小児科の報告によれば、2000年から2010年までの10年間に同センターに入院した被虐児215例を検討したところ、主たる虐待者は、実母が55%、実父が18%であった。また入院前より児童相談所に通告されていたのは、全体の26%であった[32]。
影響
児童虐待は、以下の疾患の原因となる。
- 暴力行為の加害者もしくは被害者になる[3]
- 不安や自己破壊的行動 [2]
- 抑うつ[3][2]
- 喫煙[3]
- 肥満[3]
- ハイリスクな性的行動[3]
- 望まない妊娠[3]
- アルコール乱用、薬物乱用[3][2]
保護者以外の主体による児童虐待
児童にとって、虐待は誰がこれを行なったかに関わりなく、上記のような悪影響を及ぼす。保護者以外の主体による児童虐待には、次のようなものがある:
学校体罰
日本の学校教育法の第11条は、校長および教員が、教育上必要があると認めるときは、文部科学大臣の定めるところにより、学生、生徒および児童に懲戒を加えることができる、と定めている。ただし、同法の場合は、同時に体罰を加えることはできないとして、学校体罰を明確に禁止している。体育授業中などで認められる懲戒としては、通常行われているような、運動場内のマラソン・うさぎ飛び・正座などであって、社会通念上(懲戒として)相当にして、かつ危険をともなわないことを要する、とする判例はある[34]。よって(運動場内のマラソン・うさぎ飛び・正座などは正当な懲戒の範囲に当たり、虐待ではない、という判断がされているわけなので)、同法で教師に認められた懲戒、から逸脱ししている体罰は「殴る」「蹴る」や「用便(トイレにゆくこと)を認めない」などだと解釈されている[34]。
行政的児童虐待
児童相談所内に設置された「保護所」内では、恒常的に児童相談所職員による収容児童に対する虐待行為がなされている。それは、上に掲げた児童相談所自身が定めた「虐待」の定義をはるかに超える苛酷なものである[35]。紙1枚を探すのに収容女児9名を丸裸にした相模原市児童相談所の事案[36]、川崎市中部児童相談所職員による収容児童下半身の猥褻写真撮影[37]などが明るみに出ているが、これらは氷山の一角に過ぎず、全国各地でこのような行為がなされていることを長年児童相談所に勤務した職員が摘示している[38]。また、児童養護施設においても、施設内虐待が横行[39]し、児童を管理するため恒常的に向精神薬の投与がなされ[40]ている。
児童虐待防止法が、虐待の主体を局限している問題
児童虐待防止法は、日本では厚生労働省、各自治体の児童相談所、保健機関、学校、民間団体などが児童虐待の対策に取り組んでおり、「何人も、児童に対し、虐待をしてはならない(児童虐待防止法第3条)」としている。ところが第2条では虐待の主体を保護者のみに限定し、児童相談所は、学校や児童相談所自身が行なう児童虐待についてはあえて対象外としている。保護者に対しては、上記のような厳しい恣意的な虐待基準を適用して児童の「保護」を続けながら、他方では、学校体罰や児童相談所が行なう行政的児童虐待を免罪するという、著しいダブルスタンダードな制度であり、いうまでもなく児童にとっては、誰が行なおうとも虐待は虐待なのであって、このような我が国の現行制度で児童を真に虐待から守ることはできない。
原因
学説によれば、保護者による児童虐待は、いくつかの要因によって起きる複雑な現象である[41]とされている :
配偶者を身体的に虐待する者(ドメスティックバイオレンス)は、子どもを身体的に虐待する割合が、より高い。しかしながら、夫婦喧嘩が児童虐待の原因となっているのか、あるいは夫婦喧嘩と虐待が、虐待する者の性質によって引き起こされたのかは、不明である。
望まれなかった妊娠で生まれた子どもは、虐待を受けたりネグレクトされたりする割合が、より高い。そして、望まれなかった妊娠では、意図的な妊娠と比較して、虐待的な人間関係である割合が、より高い。望まれなかった妊娠では、妊娠期間中に妊婦が身体的虐待を受けるリスクが、より高く、母の精神衛生が悪化し、母と子の関係の質が悪化する。
薬物依存は、児童虐待の重要な要因である。米国のある研究によれば、薬物依存が証明された患者では、 (多いのは、アルコールやコカインやヘロインであるが)子どもを虐待する割合が、ずっと高い。、また、裁判所が命じたサービスや治療から脱落する割合が高い。別の研究によれば、児童虐待のケースの3分の2以上では、薬物依存の問題を抱えている。この研究は、アルコールと身体的虐待、コカインと性的虐待の関係が深いと報告している[42]。
失業と経済的困窮は、児童虐待の増加と関係している。2009年のCBSニュースは、経済不況の時に、米国の児童虐待件数が増加したことを報道している。子どもの世話をあまりしてこなかった父親が、子どもの世話をするようになると、子どものケガが増えるのである[43]。
子どもの殺害に関する1988年の米国の研究は、非生物学的な親は、生物学的な親に比べて、100倍も多く子どもを殺害すると報告している[44]。非生物学的な親とは、例えば義理の親、同居人、生物学的な親のボーイフレンドやガールフレンドである。これについての進化的心理学による説明は、他人の生物学的な子どものために自分の資源を使うことは、繁殖で成功するチャンスを増やすには、良い戦略ではないということである。もっと一般的に言えば、義理の子どもは、虐待を受ける割合が、ずっと高いということである。これはシンデレラ現象と呼ばれている。
片親に育てられる子どもは虐待を受けやすい。米国の統計によれば、片親家庭の子どもが虐待を受ける率は、子ども1000人に対して27.3人であり、それは、両親のいる家庭の子どもが虐待を受ける率15.5人の、約2倍である[45]。また米国の高校生1000人を対象とした調査では、実父と実母のいる家庭で育った子どもが虐待を受ける割合が、3.2%であったのに対して、それ以外の形態の家庭で育った子どもが虐待を受ける割合は、18.6%であった[46]。虐待の加害者に最もなりやすいのは、片親の実母である[47]。
子どもの正常な発達についてよく知らない親は、しつけのつもりで子どもを虐待してしまうことがある。例えば1歳の子どもに排尿管理をさせようとして罰を与えても効果はない[46]。
児童相談所による「児童拉致」 と凶悪虐待事案の見逃し
児童拉致
上に記してきたような学説は、もちろん、学問的な論議の対象として意味があるが、もとより、行政権力が裁判所の令状にもよらず児童の強制的な「一時保護」をおこない、家族を破壊する法的根拠とはならない。そもそも、最初の子どもが生まれたときに、子育てを完全に理解している親はいない。子どもの発達には何が必要かを、親が理解すると、体罰で強制する育児から、教えて直す育児に転換することが可能となる。親が子どもに教える姿勢を持つと、子どもを叩くより子どもと話をする状況を作ることが可能となる。目標は、子どもが自分で自分を改善させてゆく状態である[48]。行政は、本来、こうした「教えて直す育児」の方法について、粘り強く市民を説得・啓蒙しなければならないところである。下記に見るとおり、国際的には、WTOがこのような虐待予防のための教育啓蒙を推奨し、また米国では啓蒙活動が広く行政によって行われている。
ところが日本の児童相談所は、このような予防のための育児指導をほとんど全く行なわず、家庭の育児方針に対する権力的介入のみに児童虐待行政の主軸を置いて、上記のような法的根拠のない恣意的な基準により、裁判所の令状もないまま児童を家族から「一時保護」と称して連れ去っている。これにより、家族の自治が侵害され、児童相談所があたかも家庭秘密警察のように機能するようになってきた[49]。これは、特定の学説の受け入れを、説得に拠らず、国家の行政権力に基づいて市民に強要する行為にほかならず、全体主義国家ならともかく、日本のような自由主義の理念のもとで法制度が構築されている国とは相容れない[9]。このため、このような「児童虐待」にたいする児童相談所の行政行為が、近年は子どもの「拉致」として認識されるようになってきた[50]。
凶悪虐待事案の見逃し
虐待死
期間 | 虐待死(人) | 心中死(人) | 計(人) |
---|---|---|---|
2004(H16).1.1 - 2004.12.31 | 50 | 8 | 58 |
2005(H17).1.1 - 2005.12.31 | 56 | 30 | 86 |
2010(H22).4.1 - 2011.3.31 | 51 | 47 | 98 |
2011(H23).4.1 - 2012.3.31 | 58 | 41 | 99 |
日本の社会では大人の自殺者数は毎年3万人ほどに達してしまっている。
58人や、41人(子供の虐待死の数)と、30,000人(自殺者全体の数)という数字を比べると、自殺全体のほうの問題の大きさが判る。
なお「自殺」と言っても、実際は本人が望んで死んでいるというより、社会的に追い込まれて死んでいる(一種の社会的虐待を受けている)人が大半である。
日本の行政というものの運営の実態が、非常に怠慢で、縦割り行政を改善する努力が不足していて連携不足で、大人(特に大人の男性が多い)を「見殺し」にしてしまっていることが指摘されている[51]。ようやくわずかながらに連携をとりはじめたのは2011年や2012年のことである。
子供の心中以外の虐待死でも、実は、貧困な家庭が多く、まず大人のほうが貧困状態に追い込まれてしまっている事例が多い。因果関係をたどると、日本では、まず親(大人)が社会的に追い込まれて(つまり、大人が社会的、行政的に放置され(一種の社会的虐待を受けている)ことによって、その結果、子供にまで累禍が及んでいる事例が多い。よって日本では、児童虐待について考察する時、ただミクロ的、表面的に子供に起きている事象にだけ視線を向けるのではなく、そもそも、日本の社会、日本の行政においては、果たして人間全般が大切に扱われているか? 日本では大人(親)はどういう状況におかれているか? 果たして日本の行政では大人(親)はまともに人間として扱われているのか? 行政の怠慢が原因で、日本の大人の中に人間らしく生きられないほどに追い込まれている人が多いのではないか? ということも十分に考察する必要がある。
心中以外
厚生労働省の平成20年度の統計によると、1年間で64例67人の児童(幼児)が虐待死している[52]。死亡した児童の年齢は0才児が59.1%で最も多く、1歳児は14.1%で、死亡した児童の88.5%が0 - 5歳、同年の統計の最年長は16才[52]。
通常の虐待事例と同じく、加害者としては実母が最も多く[52]59.0%で、16.4%が実父である[52]。また望まない妊娠/計画していない妊娠が31.3%あり、10代の妊娠が22.4%である[52]。養育者については実父母が44.8%、一人親(未婚)が19.0%、内縁関係が15.5%であった(判明したもののみ集計)[52]。加害の動機については、「しつけのつもり」(22.7%)、「子どもの存在の拒否・否定」(11.9%)、「泣きやまないことにいらだったため」(11.4%) などがある(動機が判明しているもののみを集計)[52]。特殊なものとしては「保護を怠ったことによる死亡」が6.0%、代理ミュンヒハウゼン症候群が4.5%、妄想などの精神症状が3.0%である[52]。また揺さぶられ症候群による頭蓋内出血による死亡は平成18年1月から平成20年3月までの間で1件であった[52]。
なお、平成20年度の統計では「子どもの暴力などから身を守る」、「慢性の疾患や障害の苦しみから子どもを救おうという主観的意図」などの子供の側の要因による殺人は1件もない[52]。
日本法医学会の「被虐児の法医解剖剖検例に関する報告、第2回調査、1990〜1999年」によれば、被虐児の死亡例459人中、加害者は、実母49.2%、実父15.9%、実母と実父9.6%であった[53][54]。
心中
厚生労働省の平成20年度の統計によると、1年間に心中に際して殺された児童は43例61人であった[52][55](心中未遂で子どもは殺されたが加害者が死亡しなかった事例を含む)。殺された児童の年齢については、心中以外の場合のような極端な偏りはないものの、0歳が11.7%、1歳が6.7%、2歳が3.3%、3歳が8.3%で、3歳以下が30.0%を占めている[52]。同年の統計の最年長は16才。主たる加害者の7割は実母で[52]、心中以外の事例よりも実母の割合が高い(この場合「心中」といっても、「同意ある二つの自殺」ではなく、「一つの殺人と一つの自殺」である。つまり無理心中である)。児童の虐待死のうち、事前に児童相談所に通報が無かったものは79.5%[56]であり、児童相談所が把握しているのは実際の虐待の一部分だけである。
典型的な虐待死を放置する児童相談所の怠慢
2016年1月に埼玉県狭山市のマンションで、3歳の女児が死亡しているのが見つかり、母親とその内縁夫が女児の火傷を放置したとして保護責任者遺棄容疑で逮捕され、女児の体から暴行痕も見つかった事件が発生した。山梨県立大学の西澤哲教は、について、母親が10代で出産したシングルマザーで別のパートナーがおり、女児が乳幼児健診を受けていなかったことを挙げ、「虐待の典型」と指摘した[57][58]。しかし、この児童相談所による児童見殺しともいえる事案[38]については、狭山警察署が2回臨場しているものの、管轄の所沢児童相談所はまったくこれを放置し、事後に「警察が通告しなかったのが悪い」と開き直っていて、虐待死見逃しという職務怠慢に対する反省が全くみられない。
診断と予防
診断
子どもが、あざ(手の形をした)、噛み傷、裂傷、やけど、凍傷、骨折、頭蓋骨骨折、眼科外傷、脊髄損傷、内臓損傷、口腔内損傷、適切な説明の無い怪我、肛門や性器のあざ、性感染症などの場合、これらは身体的虐待の可能性を検討する[59]。
また、子供の行動や感情が年齢相応に発達しておらず、また神経発達症(注意欠陥多動性障害、自閉症スペクトラム障害など)ではない場合、これらは虐待の可能性を検討する[60]。
また、子どもが重度で継続した感染(疥癬やアタマジラミなど)を持っていた場合、適切でない衣装や靴をずっと着用していた場合、栄養失調と思われる場合、これらはネグレクトの可能性を検討する[21]。
予防
多くの国で行政組織や民間団体などが対策を講じている。WHOの「暴力と外傷の予防」部門の Mikton 氏は、児童虐待予防のための対策の効果を、先行する諸研究を検討して評価した。その結果、家庭訪問、親への教育、頭部外傷予防、多方面の介入には、児童虐待を減らす効果が認められた。また、家庭訪問、親への教育、性的虐待予防には、児童虐待のリスクを減らす効果が認められた[61]。
各国の状況
機関での保護率 | 虐待の確認率 | ||
イングランド | 1.5% | カナダ | 2.2% |
カナダ | 2.2% | イスラエル | 1.8% |
豪州 | 3.3% | 米国 | 1.2% |
米国 | 4.8% | オランダ | 0.4% |
英国 | 0.2% |
2000年の被虐待児童数は、ドイツは31,000人、フランス18,000人である[62]。米国が突出している。
アメリカ合衆国
児童虐待については、国家レベルでも、州レベルでも対策が講じられている。国家レベルで扱っている組織としてはNational Alliance of Children's Trust Funds およびPrevent Child Abuse Americaが挙げられ、どちらも各州にメンバー(支部)がありそれらを束ねている。また、連邦政府のChildren's Bureau[63]がある。州レベルでは、各州政府の児童保護サービス(Child Protective Services, CPS)がある。
米国各地域のChild Advocacy Center(CAC)によって、児童虐待に関する調査が行われている。このChild Advocacy Centerというのは、最初はアラバマ州のハンツビルで地方検事のRobert Cramerによって構成されたチームで、児童虐待についての捜査を迅速かつ効率的に行い、最終的には子供のトラウマを減らしたりすることを目的としていた。
また、米国政府は、児童虐待を防止するためにいろいろな施策を行っている[64]。
- 看護師による家庭訪問‥‥妊娠中と生後2年間は、看護師が定期的に子どもを訪問する
- 親教室‥‥育児の仕方、利用できる制度・組織について説明する
- 子どもへの安全教育‥‥良いタッチと悪いタッチの区別を子どもに教える
- 育児のサポートグループ
- 養子制度
- 緊急時のホットライン、Crisis Nurseries 緊急収容施設
また間接的な施策として、
その結果、2010年の保健福祉省による報告(NIS-4)では、身体的虐待・性的虐待は6割以上の減少傾向にあるとしている[67]。ただし、精神的ネグレクトは1割程度の増加傾向にある[67]。
なお、米国では、有形力の行使による児童懲戒が認められており、「虐待」とはみなされていない。ある調査によれば、大人の82%は、「子どもの頃に、親にスパンクされたことがある」と答えている。また、多くの人は「親によるたいていの体罰は、虐待ではない」と答えている[68]。日本のある育児雑誌が読者アンケートを行ったところ、回答した親の62%は「子どものおしりをたたくことがある」と答え、55%は「子どもの頭をたたくことがある」と答え[69]、「子どもをたたかない主義」と答えたのは12.2%であった[70]。
ミネソタ大学の「早期教育と発達のためのセンター」は、罰の使用について、「教育的な雰囲気の中で、良い行いに対するポジティブな賞賛やご褒美などと共に、軽い罰を例外的に使用するのであれば、罰の使用は容認できる」としている[71]。
米国の裁判所や 児童保護サービス(Child Protective Services)は、親の処遇を決める際に、次の諸点を考慮している[72]。
- 子どものケガの重さ
- 子どもの年齢と発達の度合い
- 体罰の方法
- 体罰の頻度
- 体罰が子どもの精神や発達に与えた影響
- 体罰の動機(目的)
米国児童保護サービス(CPS)は、2013年には約67.9万人の児童が虐待の被害者となったとしている[73]。
児童の年齢 | 不適切行為 | 虐待 | ネグレクト |
---|---|---|---|
0-2歳 | 33.4 | 27.3 | 6.1 |
3-5歳 | 34.9 | 26.8 | 9.9 |
6-8歳 | 42.4 | 33.1 | 13.1 |
9-11歳 | 38.3 | 30.4 | 10.9 |
12-14歳 | 37.6 | 28.6 | 12.6 |
15-17歳 | 29.0 | 21.6 | 10.9 |
重症度 | 白人 | 黒人 | ヒスパニック |
---|---|---|---|
深刻 | 4.6 | 8.8 | 5.2 |
中程度 | 7.2 | 13.7 | 8.1 |
強く疑われる | 0.7 | 1.5 | 0.8 |
計 | 12.6 | 24.0 | 14.2 |
フィンランド
フィンランド国立健康福祉研究所は、児童虐待を予防するために、育児の重荷を分かち合うことを勧めている[76]。
- 母親は、小さい子どもを虐待することがある
- 母親が支援なく放置されると、子どもを虐待することがある
- 母親は、育児のストレスや重荷を分かち合う人を必要としている
- 人間の子どもは、非常に多くの世話を必要としている
- 人間の子どもは、自立するまでに長い時間がかかる
- 一人で育児が出来るという人はいない
- 親の利益と子の利益は完全には一致しない
- 複数の大人が育児に関わると、子どもの発達は促進される
日本
この節には独自研究が含まれているおそれがあります。 |
日本の実数・実態としては、1950年ころからの警察庁のしっかりした統計をきちんと調べてみると、1950年代からの60年ほどの間に右肩下がりに減少(激減)してきていることが判る[77]。その比率は、実に百分の4や、百分の7という水準まで激減してきているのである[77]。なお、激減してきた後の最近(2007年からの10年ほど)だけに限定して見ると、件数は、ほぼ横ばいの状態と推定できる[77]。 近年日本のマスコミ関係者などが、何か事件がひとつあった時に、よく調べもせず「急増している」などとまことしやかに話をすることがあるが、これはあくまで調査不足であって根拠が無く、間違いである[77]。
実際に世の中で行われている児童虐待に関する網羅的な統計はない。なお、日本では「虐待」という名称ではしっかりした統計はとられてこなかった歴史がある。日垣隆によれば、日本の警察は「民事不介入の原則」を盾に、虐待をそもそも事件として取り扱っていなかった、という経緯がある、とのことである[78]。 しかし、警察には他殺数の統計は、被害者の年齢帯ごとにしっかり残されているので、それが参考になる[77]。 推移(増減)に関して言うと、「通報数」や「報告数」というのはその通報制度を行政機関がどの程度宣伝・告知しているかによって反応数が変化し、また人々が何を「児童虐待」と認知するかという解釈によってもブレる。解釈によるブレの影響を受けない形で、総数はともかくとして、推移(傾向)を把握しようとする場合は、死亡数に着目するのがひとつの方法で、 以前から警察が子供も含めて殺人件数をとっており、幼児他殺被害者数について調べてみると、たとえば0歳児の被害者は1950年ころは277人であったが、その後グラフは右肩下がりで減少してきており、2009年には11人にまで'減ってきている。1 - 9歳までの他殺被害者も1950年代の473人からグラフは右肩下がりに減少してきており、2009年の段階で36人まで減ってきている。つまり、明らかに0 - 9歳に対する命にかかわるような虐待の件数はこの60年ほどで激減してきているのである[77]。つまり277人→11人は百分の4(4/100)まで激減したわけであるし、473人→36人でも7/100まで激減したわけである。
平成16年あたりから見ると横ばい状態であり、平成20年ころからの数値を見てみると日本の厚生労働省が発表した児童虐待死亡事件件数の推移は、平成20年度が67名で、平成21年度が49名で減少した[79]。平成22年度が51名、平成23年度が58名[80]。つまり、平成20年ころからは、ほぼ横ばいで推移している。
保健機関
保健機関も児童虐待防止に貢献している。保健機関とは市町村保健センターと保健所を指す。母子保健事業は、保健所では未熟児や障害児などに対する事業、市町村保健センターは乳幼児健診や育児教室といった一般市民が利用できる事業を実施している。虐待に関し保健機関で行なっていることは、親を育てることにつきる。妊娠中から若年妊娠や母子家庭、低出生体重児といった虐待ハイリスクに対し、相手の土俵である家庭への訪問を繰り返す。そして、一緒に育児をしながら親子関係を育て、訪問者との信頼関係を築き、仲間づくりを促進して孤立を防ぐといった支援を行なっている[81]。以上のような保健機関の活動は虐待予防に貢献している。実際、日本の児童虐待の12.5 %は保健機関で発見されているという統計がある[82]。
また、虐待は、親が心の問題を抱えていることがリスク因子の一つであり(このことは全国主要病院小児科・被虐待児調査でも明らかにされた[83]。)、そのような親に対し、保健所では精神保健事業も行なっている。そのため、保健機関は母子保健だけでなく、精神保健の面からも虐待予防に貢献しているということができる[84]。
医療機関
子供を診療する機会がある医療機関においては、被虐待児を診療する機会もある。実態調査からは、1年間で全国の小児医療機関の約1/4で被虐待児が診療されており、累積的には80 %の医療機関で診療が行われていることが推測されている。このような被虐待児の診療を通して、医療機関で虐待が発見されることがある。
しかし、医療現場における虐待予防にも課題がある。渡部誠一らによる2005 年の調査によれば、わが国において、子供を診療する機会の多い医師の児童虐待への関心自体は低くはないそうである。全体では約90 %の医師が子ども虐待に関心を持っていたという。しかし、実際に通告することについては、60 %前後の医師が抵抗があると回答していた。通告や子ども虐待へ関わることの抵抗と躊躇の背景として、虐待診断に自信がない、診療時間外の仕事になり時間がとれない、家族とのトラブルが心配、の3点を大きなものとして医師はあげていたという。子ども虐待に対する一般医師の関わりを支援するためには、これら3点の対応を検討する必要がある、という指摘がある[85]とはいえ、一方で、子どもの患者に対する医療過誤(細菌汚染)を、虚偽の虐待通告により被害児童を児相送致し隠蔽した事例が報告[9]されており、過度の通告の奨励は、医療機関による児童相談所の悪用を生むおそれがある。
学校
学校が児童虐待防止に果たす役割も大きい。児童虐待への対応において、学校は以下の様な特徴をあげることができる[86]。
- 他の児童福祉施設、保健・医療機関または警察関係機関などと比べても、その量的規模が圧倒的に大きい。
- 教員免許を持ち、様々な研修を経た教員がおり、その人的規模が圧倒的に大きい。
- 子供が一日の大半を過ごす場所であり、教職員は日常的に子供たちと長時間接していることで、その変化に気づきやすい立場にいる。
- 養護教諭、生徒指導主任、学年主任、教頭、校長、スクールカウンセラーなどの異なる知識・経験・能力を持った職員集団がいる。そのため、複数でチームとなって課題解決に当たることができる。
- 家庭や保護者に対して働きかけをすることができる。
これらのことから、学校は児童生徒に対して網羅的に目配りができ、日常的な変化に敏感に反応して対応できる。実際に、小学校の学級担任が子供の様子から虐待を疑い、児童相談所に通告し、児童が保護された事例もある。学校は全児童虐待の13.5 %の発見に関わっている[87]。しかし他方で、国連「児童の権利委員会」は、2010年に発出した日本への最終見解において、「62. 委員会は,学校において行動面での期待を満たさない児童が,児童相談所に送致されていることを,懸念をもって注目する。」[88]と指摘し、日本の学校が児童相談所を、学校が邪魔と見做す児童を遺棄するため悪用している事実を摘示すると共に、それに対する人権上の憂慮を表明した。
なお、高校などでは、近い将来親になる生徒に、児童虐待について授業を行い、児童虐待を防止しようとする試みもある[89]。
他
日本では、他にも以下のような状況あるいは特徴が見られる。
- 児童虐待を担当する職員が少ない[90]
- 死因の調査が充分には行われていない
- 離婚後に片親は、子どもにほとんど関与できなくなる( 益子行弘「離婚しても共同養育による虐待防止を[リンク切れ]」) [91]→「共同親権」も参照
- 共働き家庭ほど虐待が少ない[92]
脚注
- ^ a b OECD 2011, p. 247.
- ^ a b c d 英国国立医療技術評価機構 2009, Introduction.
- ^ a b c d e f g h i j “Child maltreatment”. 世界保健機構. 2015年7月1日閲覧。
- ^ definition CDC
- ^ OECD 2011, p. 246.
- ^ New York Times 2009.12.15
- ^ Battered Child Syndrome[リンク切れ]
- ^ 厚生省児童家庭局編(1981)『児童相談事例集』第13集、日本児童福祉協会
- ^ a b c d e 南出喜久治・水岡不二雄(2016)『児相利権: 「子ども虐待防止」の名でなされる児童相談所の人権蹂躙と国民統制』八朔社
- ^ 徳永雅子(1995)「ISPCAN国際シンポジウム&セミナー『児童虐待への挑戦』に参加して」『保健婦雑誌』51巻3号
- ^ 小林美智子「過去から学び、未来に向けて行動しよう: 日本の20年の経験と、虐待された子どもと親をケアする社会に向けて」 (「子ども虐待防止世界会議」名古屋、2014年9月16日 における基調講演)
- ^ 『たすけて! 私は子どもを虐待したくない-世代連鎖を断ち切る支援-』径書房、2003年
- ^ 第145回国会 青少年問題に関する特別委員会 第7号(平成11年7月29日(木曜日)
- ^ [『子どもの虐待防止とNGO-国際比較調査研究』桐野由美子、明石書店、2005年]
- ^ 上野加代子、野村知二(2003)『<児童虐待>の構築:捕獲される家族』世界思想社
- ^ Frank Ainsworth, ‘Mandatory reporting of child abuse and neglect: does it really make a difference?’Child and Family Social Work, 7, 2002
- ^ http://www.shugiin.go.jp/internet/itdb_shitsumon.nsf/html/shitsumon/b190275.htm
- ^ 若林亜紀「『児童相談所』何とかしてよ」『週刊新潮』2007年11月29日号
- ^ 英国国立医療技術評価機構 2009, Chapt.1.3.6.
- ^ 英国国立医療技術評価機構 2009, Chapt.1.3.5.
- ^ a b 英国国立医療技術評価機構 2009, Chapt.1.3.
- ^ 5.保護者による治療拒否の事例への対応(厚生労働省)
- ^ 医療ネグレクトにより児童の生命・身体に重大な影響がある場合の対応について(厚生労働省)
- ^ a b c d e 厚生労働省「平成18年度 児童相談所における児童虐待相談対応件数等」
- ^ a b 厚生労働省 児童虐待の定義と現状 http://www.mhlw.go.jp/seisakunitsuite/bunya/kodomo/kodomo_kosodate/dv/about.html
- ^ 厚生労働省 平成25年度の児童虐待相談対応件数等 http://www.mhlw.go.jp/stf/houdou/0000052785.html
- ^ 子どもの虐待-虐待増加論への疑問と「子ども」の誕生-[リンク切れ]
- ^ a b c d e f 児童虐待、国際比較刑事政策研究所加藤久雄法律事務所内。2010年8月14日閲覧
- ^ 「児童虐待の実態II」東京都福祉局 2007.12月 http://www.fukushihoken.metro.tokyo.jp/jicen/site_map/files/hakusho2.pdf [リンク切れ]。慶應義塾大学加藤久雄研究会 http://www.law.keio.ac.jp/~hkatoh/gyakutai/2_1_B.htm
- ^ a b 児童虐待:不同意の一時保護 4割が「虐待1年以上」[リンク切れ]
- ^ 毎日新聞児童虐待:97人不明に 改善指導中に転居…05年度以降[リンク切れ]
- ^ 日本小児科学会雑誌、2011年、115巻1号、p77
- ^ Division of Violence Prevention. “The Adverse Childhood Experiences (ACE) Study”. cdc.gov. Centers for Disease Control and Prevention. January 2016閲覧。
- ^ a b 床谷文雄『親子の法律相談』2010年、p.213
- ^ 児童相談所は拉致誘拐し精神薬で廃人にするところです
- ^ http://www.asahi.com/articles/ASHDG54N6HDGULOB00D.html
- ^ http://www.kanaloco.jp/article/69202
- ^ a b 山脇由貴子(2016)『告発 児童相談所が子供を殺す』文春新書
- ^ http://gyakutai.yogo-shisetsu.info/
- ^ 吉田耕平(2013)「児童養護施設の職員が抱える向精神薬投与への揺らぎとジレンマ」『福祉社会学研究』10号
- ^ Fontana VJ (October 1984). “The maltreatment syndrome of children”. Pediatric Annals 13 (10): 736–44. PMID 6504584.
- ^ Famularo R, Kinscherff R, Fenton T (1992). “Parental substance abuse and the nature of child maltreatment”. Child Abuse Negl 16 (4): 475–83. PMID 1393711.
- ^ Hughes, Sandra (20 May 2009) CBS News
- ^ Roach, Jason; Pease, Ken (2011). “Evolution and the Prevention of Violent Crime”. Psychology 02 (04): 393–404. doi:10.4236/psych.2011.24062. ISSN 2152-7180.
- ^ US Third National Incidence Study of Child Abuse and Neglect[リンク切れ] Department of Health and Human Services
- ^ a b What Factors Contribute to Child Abuse and Neglect?[リンク切れ] 米国政府文書
- ^ Fathers, Mothers, and Child Abuse and Neglect[リンク切れ] Institute for American Values
- ^ Discipline and Development 「しつけと発達」p4
- ^ この行政に対し、大阪の高層マンションジーニス大阪の住民から、児童相談所設置反対運動が起こり始めた
- ^ グーグルで「児童相談所 拉致」と検索すると、18万件以上ヒットする。
- ^ NHK 視点・論点「自殺対策『生きる支援』強化を」NPO法人ライフリンク 2012年04月13日 (金)
- ^ a b c d e f g h i j k l m 厚生労働省子ども虐待による死亡事例等の検証結果等について(第6次報告)、資料1 死亡事例集計結果
- ^ 児童虐待死亡例の検討、小児科診療、2011年、91巻10号、p1531
- ^ 被虐児の法医解剖剖検例に関する報告 日本法医学会
- ^ 「心中未遂で子どもは殺されたが加害者が死亡しなかった事例を含む」。以下同様
- ^ 平成22年4月9日全国児童相談所長会議資料
- ^ 全身に複数の暴行痕 狭山市3歳女児虐待死[リンク切れ]日テレNEWS24(2016年1月13日4時14分配信)2016年1月13日閲覧。
- ^ 「10代出産など虐待の典型」[リンク切れ]NHKさいたま放送局(2016年1月13日16時14分配信)2016年1月13日閲覧。
- ^ 英国国立医療技術評価機構 2009, Chapt.1.1.
- ^ 英国国立医療技術評価機構 2009, Chapt.1.4.
- ^ World Health Organization「Child Maltreatment Prevention」
- ^ 原田綾子著『「虐待大国」アメリカの苦闘』ミネルヴァ書房、2008、ISBN 4-623-05020-3
- ^ Child Abuse & Neglect
- ^ 米国厚生省「Child Maltreatment Prevention[リンク切れ]」
- ^ 米国政府「Healthy Marriage Initiative」
- ^ 米国政府「National Reasponsible Fatherhood Clearinghouse」
- ^ a b アメリカ合衆国保健福祉省 2010, p. 3.15.
- ^ Discipline and Development 「しつけと発達」p17、p18
- ^ 子育てのリアリティー p174、ISBN 978-4-86412-049-4 プチタンファン「お母さんの実感アンケート1999年」より
- ^ 同書p191、「お母さんの実感アンケート2001年」より
- ^ What is the Difference Between Discipline and Punishment 「しつけと罰の違いはどこにあるか」、ミネソタ大学、早期教育発達センター
- ^ Where and How to Draw the Line Between Reasonable Corporal Punishment and Abuse 「容認できる体罰と虐待との境界線をどこに引くべきか」デューク大学法学部Coleman教授ら、2010年、p130
- ^ “Child Abuse Prevention”. アメリカ疾病予防管理センター. 2015年7月1日閲覧。
- ^ アメリカ合衆国保健福祉省 2010, p. 4.13.
- ^ アメリカ合衆国保健福祉省 2010, p. 4.23.
- ^ National Institute for Health and Welfare「Sharing the burden of parenting under ,ulticultural stress: Primary prevention of child abuse and neglect」
- ^ a b c d e f 内海聡『児童相談所の怖い話』三五館、2013年
- ^ 日垣隆『世間のウソ』「第八話 児童虐待のウソ」108 - 118頁。(新潮新書、2005)
- ^ 厚生労働省「子供虐待による死亡事例等の検証結果等について」
- ^ 「子ども虐待による死亡事例等の検証結果について 第9次報告」
- ^ 津崎哲郎;橋本和明編(2008)『最前線レポート 児童虐待はいま』京都 ミネルヴァ書房 ,p.117
- ^ 子どもの虹情報研修センター(インターネットアーカイブ) https://web.archive.org/web/20110809101551/http://www.crc-japan.net/contents/knowledge/b234_situation.html
- ^ 子どもの虹情報研修センター[リンク切れ]
- ^ 津崎哲郎;橋本和明編(2008)『最前線レポート 児童虐待はいま』京都 ミネルヴァ書房 ,p.117
- ^ 津崎哲郎;橋本和明編(2008)『最前線レポート 児童虐待はいま』京都 ミネルヴァ書房
- ^ 谷口卓;末光正和編(2007)『実践から学ぶ児童虐待防止』東京 学苑社
- ^ 子どもの虹情報研修センター(インターネットアーカイブ) https://web.archive.org/web/20110809101551/http://www.crc-japan.net/contents/knowledge/b234_situation.html
- ^ http://www.mofa.go.jp/mofaj/gaiko/jido/pdfs/1006_kj03_kenkai.pdf
- ^ 谷口卓;末光正和編(2007)『実践から学ぶ児童虐待防止』東京 学苑社
- ^ 児童虐待 岩波新書 p180 ISBN 978-4-00-431030-3
- ^ なお、日本と欧米諸外国とを比較すると、日本では、父親が子育てに関与する時間が短い(家庭教育に関する国際比較調査 国立女性教育会館)
- ^ 「共働き家庭ほど虐待は少ない 通説と逆の結果が出た」、日経デュアル、2014年5月9日。
参考文献
- Fourth National Incidence Study of Child Abuse and Neglect (NIS-4): Report to Congress (Report). アメリカ合衆国保健福祉省. 2010-01.
{{cite report}}
:|date=
の日付が不正です。 (説明) - CG89 : When to suspect child maltreatment (Report). 英国国立医療技術評価機構. 2009-07.
{{cite report}}
:|date=
の日付が不正です。 (説明) - Doing Better for Families (Report). OECD. 2011. Chapt.7 Child maltreatment. doi:10.1787/9789264098732-9-en。
- 南出喜久治, 水岡不二雄 (2016). 児相利権: 「子ども虐待防止」の名でなされる児童相談所の人権蹂躙と国民統制. 八朔社. ISBN 486014077{{ISBN2}}のパラメータエラー: 無効なISBNです。
- 山脇由貴子 (2016). 告発 児童相談所が子供を殺す. 文春新書. ISBN 4166610902
関連項目
- 機能不全家族
- 毒親
- 虐待サバイバー
- アダルトチルドレン
- 家庭内暴力
- 兄弟姉妹間の虐待
- 過干渉
- 子殺し
- 白雪姫コンプレックス
- いじめ
- 孝
- 児童労働
- 教育問題
- 赤ちゃんポスト
- 乳児院
- 児童福祉 / 児童保護サービス / 児童相談所
外部リンク
政府機関・国際機関
- Child maltreatment - WHO
- Child Abuse Prevention - 米国CDC
- Domestic violence and abuse - NICE Pathway
- 厚生労働省 - 児童虐待防止対策
- 子育てに悩んでいる方へ 日本政府によるテレビCM
その他