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迷惑防止条例

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』

迷惑防止条例(めいわくぼうしじょうれい、Trouble Prevention Ordinance)とは、公衆に著しく迷惑をかける暴力的不良行為等を防止し、もって住民生活の平穏を保持することを目的とする、日本条例の総称である。

概要

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現在では47すべての都道府県および一部市町村に、「迷惑防止条例」あるいは「公衆に著しく迷惑をかける暴力的不良行為等の防止に関する条例」[1]などの名称で定められている。

1962年に東京都で条例が制定され、全国に拡大した。当初は、愚連隊防止条例と呼ばれ、当時社会問題となっていた愚連隊による粗暴行為の防止に重点が置かれていた。現在では、ぐれん隊(愚連隊)による粗暴行為に加えて、ダフ屋行為、痴漢つきまといピンクビラ配布、押売盗撮覗き客引きスカウトなども禁じる。これらの違反に対しての罰則は、自治体ごとに定めているため、自治体によって大幅に異なるほか[2]、複数の条例を定めている自治体もある。条例の内容によっては問題になることもある[3]

迷惑防止条例は親告罪でないため、被害者告訴がなくても公訴を提起することができる。

2023年7月より、刑法の一部改正と、新法の施行により、痴漢、盗撮、覗きなどの性犯罪は、これらの条例ではなく、国の法律によってより厳しく罰せられることとなった。

47都道府県の条例

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47都道府県の条例
都道府県 題名
北海道 公衆に著しく迷惑をかける暴力的不良行為等の防止に関する条例
青森県 青森県迷惑行為等防止条例
秋田県 公衆に著しく迷惑をかける暴力的な不良行為等の防止に関する条例
岩手県 公衆に著しく迷惑をかける行為の防止に関する条例
宮城県 公衆に著しく迷惑をかける暴力的不良行為等の防止に関する条例
宮城県ピンクちらし根絶活動の促進に関する条例
山形県 公衆に著しく迷惑をかける暴力的不良行為等の防止に関する条例
福島県 福島県迷惑行為等防止条例
福島県ピンクビラ等の規制に関する条例
茨城県 公衆に著しく迷惑をかける行為の防止に関する条例
茨城県押売等防止条例
茨城県入場券等の不当な売買行為の防止に関する条例
栃木県 公衆に著しく迷惑をかける暴力的不良行為等の防止に関する条例
群馬県 公衆に著しく迷惑をかける暴力的不良行為等の防止に関する条例
埼玉県 埼玉県迷惑行為防止条例
千葉県 公衆に著しく迷惑をかける暴力的不良行為等の防止に関する条例
千葉県ピンクビラ等の掲示、頒布、差入れ等の禁止等に関する条例
東京都 公衆に著しく迷惑をかける暴力的不良行為等の防止に関する条例[4][注釈 1]
神奈川県 神奈川県迷惑行為防止条例
新潟県 新潟県迷惑行為等防止条例
長野県 公衆に著しく迷惑をかける暴力的不良行為等の防止に関する条例
山梨県 公衆に著しく迷惑をかける暴力的不良行為等の防止に関する条例
静岡県 公衆に著しく迷惑をかける暴力的不良行為等の防止に関する条例
愛知県 公衆に著しく迷惑をかける暴力的不良行為等の防止に関する条例
岐阜県 公衆に著しく迷惑をかける暴力的不良行為等の防止に関する条例
富山県 公衆に著しく迷惑をかける暴力的不良行為等の防止に関する条例
石川県 公衆に著しく迷惑をかける暴力的不良行為等の防止に関する条例
福井県 公衆に著しく迷惑をかける暴力的不良行為等の防止に関する条例
三重県 公衆に著しく迷惑をかける暴力的不良行為等の防止に関する条例
滋賀県 滋賀県迷惑行為等防止条例
京都府 京都府迷惑行為等防止条例
奈良県 公衆に著しく迷惑をかける暴力的不良行為等の防止に関する条例
大阪府 公衆に著しく迷惑をかける暴力的不良行為等の防止に関する条例
行商人の押売防止に関する条例
兵庫県 公衆に著しく迷惑をかける暴力的不良行為等の防止に関する条例
和歌山県 公衆に著しく迷惑をかける暴力的不良行為等の防止に関する条例
岡山県 公衆に著しく迷惑をかける暴力的不良行為等の防止に関する条例
広島県 公衆に著しく迷惑をかける暴力的不良行為等の防止に関する条例
山口県 山口県迷惑行為防止条例
山口県押売等防止条例
鳥取県 公衆に著しく迷惑をかける暴力的不良行為等の防止に関する条例
島根県 公衆に著しく迷惑をかける暴力的不良行為等の防止に関する条例
押売等の防止に関する条例
愛媛県 愛媛県迷惑行為防止条例
香川県 香川県迷惑行為等防止条例
高知県 高知県公衆に著しく迷惑をかける暴力的不良行為等の防止に関する条例
押売等防止条例
徳島県 徳島県迷惑行為防止条例
福岡県 福岡県迷惑行為防止条例
福岡県押売り等防止条例
佐賀県 公衆に著しく迷惑をかける暴力的不良行為等の防止に関する条例
長崎県 公衆に著しく迷惑をかける暴力的不良行為等の防止に関する条例
大分県 公衆に著しく迷惑をかける暴力的不良行為等の防止に関する条例
熊本県 公衆に著しく迷惑をかける暴力的不良行為等の防止に関する条例
宮崎県 公衆に著しい迷惑をかける行為の防止に関する条例
押売等防止条例
鹿児島県 公衆に不安等を覚えさせる行為の防止に関する条例
沖縄県 公衆に著しく迷惑をかける暴力的不良行為等の防止に関する条例

主な改正

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  • 令和3年6月15日:相手方が現に所在する場所における見張り等(住居のほか、勤務先や学校等)、拒まれたにもかかわらず、連続して文書を送る行為が規制対象になった。[5]
  • 令和3年8月26日:「つきまとい行為等の禁止」に係る規制対象行為の拡大(第5条の2第1項)、「つきまとい行為等に係る情報提供の禁止」の新設(第5条の3)。相手方の承諾なく、GPS等に係る位置情報の取得、GPS等の機器を取り付ける行為が規制対象として新設された。[6]

脚注

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注釈

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  1. ^ 2018年7月1日、迷惑防止条例の一部が改正され、恋愛感情以外の悪意の感情等に基づくストーカー行為も規制対象となる。

出典

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関連項目

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