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「神宮式年遷宮」の版間の差分

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2005年6月9日 (木) 05:01時点における版

伊勢神宮では、20年ごとに内宮・外宮の御正殿を始め全ての建物・鳥居・宇治橋を建て替え、御神宝も造り替える。そして、ご神体も新神殿に遷る。これを式年遷宮という。

690年、持統天皇の御代に始まり、戦国時代などの中断期を除き、1993年の第61回式年遷宮まで連綿と続けられてきており、2013年には、第62回式年遷宮が予定されている。

遷宮においては、1万本以上の檜材が用いられるが、旧殿に使用された用材はは神宮内や摂社・末社をはじめ全国の神社の造営に再利用される。例えば、内宮御正殿棟持柱は、次は宇治橋神宮側鳥居になり、更にの鳥居になる。そして外宮御正殿棟持柱は、次は宇治橋おはらい町側鳥居になり、更に桑名の七里の渡の鳥居になるという具合である。

祭典と行事

(年月日は、左側が前回の日程、右側が今回の日程、日が書かれていないものは未決定である。※印は、御治定といい、天皇が日程を定める。)

山口祭

  • やまぐちさい
  • 1985年5月2日/2005年5月2日※
  • 遷宮の最初の行事。用材を切り出す御杣山の山口にある神を祭る儀式。
  • 現在、用材は木曽山中から切り出すが、この儀式は古来のまま内宮は神路山、外宮は高倉山と、いずれも境内背後の山で行われる。

木本祭

  • このもとさい
  • 1985年5月2日/2005年5月2日※
  • 心御柱にする木を切り出す前に、その木の神を祭る儀式。
  • 深夜に行われ非公開。

御杣始祭

  • みそまはじめさい
  • 1985年6月3日/2005年6月3日
  • 御樋代(御神体を納める容器)にする木を切り出す行事。
  • 前回と同じく、長野県上松町で行われる。
  • 用材は、「三ツ尾伐り」という古くからの作法で切り出す。

裏木曽御用材伐採式

  • うらきそごようざいばっさいしき
  • 1985年6月5日/2005年6月5日
  • 御樋代木は裏木曽でも切るため、その安全を祈願する。
  • 前回と同じく、岐阜県中津川市(元加子母村)で行われる。

御樋代木奉曵式

  • みひしろぎほうえいしき
  • <内宮>1985年6月10日/2005年6月9日<外宮>1985年6月11日/2005年6月10日
  • 木曽から切り出された御樋代木(各宮とも予備2本を含む。)を伊勢到着後両宮境内まで運び入れる儀式。
  • 内宮へは五十鈴川を木橇で遡る。(「川曳(かわびき)」)
  • 外宮へは宮川河畔の度会橋から市内を奉曵車で曳く。(「陸曳(おかびき)」)

御船代祭

  • みふなしろさい
  • <内宮>1985年9月17日/2005年9月<外宮>1985年9月19日/2005年9月※
  • 御樋代を納める御船代(船の形をしている。)を切り出す儀式。

御木曳初式

  • おきひきぞめしき
  • <内宮>1986年4月12日/2006年4月<外宮>1986年4月13日/2006年4月
  • 御木曳行事の皮切りとして、両宮御正殿棟持柱などの重要な用材(「役木」という。)を、特定の「神領民(江戸時代以前の伊勢神宮領地の住民)」が曳く儀式。
  • 方法は、御樋代木奉曵式と同様であるが、木橇・奉曵車は、各地域独自のものとなり、木遣り歌なども異なる。
  • 役木曳とも言う。

木造始祭

  • こつくりはじめさい
  • 1986年4月21日/2006年4月※
  • 造営工事の開始にあたって作業安全を祈る儀式。
  • 御木曳初式で運び入れられた用材に忌斧を打ち入れる。

御木曳行事

  • おきひきぎょうじ
  • 第1次陸曳(おかびき):1986年4月262729日5月10111718242531日6月1日/2006年5月567131420212728日6月34日
  • 第1次川曳(かわびき):1986年5月17・18・24・25日/2006年7月22232930日<予備日8月56日
  • 遷宮行事前半最大の大衆参加行事。
  • 行事の概略は、御木曳初式と同様である。
  • 全神領民が参加するほか、陸曳には全国から参集した「一日神領民」(前回は約2万人)も参加する。

仮御樋代木伐採式

  • かりみひしろぎばっさいしき
  • 1986年7月13日/2006年7月
  • 旧殿から新殿まで御神体を遷す際に御神体を入れる「仮御樋代」と「仮御船代」にする用材を切り出す儀式。

御木曳行事

鎮地祭

宇治橋渡納式

  • うじばしわたりおさめしき
  • 1989年1月1日/2009年1月
  • 架け替えられる宇治橋の最後の通行を儀式化。
  • 純市民行事として行われる。

宇治橋渡始式

  • うじばしわたりはじめしき
  • 1989年11月3日/2009年11月
  • 架け替えられた宇治橋を最初に渡る儀式。
  • 「渡女(わたりめ)」を先頭に、全国から選ばれた三世代揃った夫婦が続く。

立柱祭

御形祭

  • ごぎょうさい
  • <内宮>1992年3月11日/2012年3月<外宮>1992年3月13日/2012年3月
  • 御形(正殿の妻の束柱の装飾)を穿つ儀式。
  • 立柱祭に続き行われるが非公開。

上棟祭

  • じょうとうさい
  • <内宮>1992年3月26日/2012年3月<外宮>1992年3月28日/2012年3月※
  • 正殿の棟木を上げる儀式。
  • 綱を引っ張り棟木を上げる所作をする。

檐付祭

  • のきつけさい
  • <内宮>1992年5月23日/2012年5月<外宮>1992年5月25日/2012年5月
  • 新殿の屋根の萱を葺き始める儀式。

甍祭

  • いらかさい
  • <内宮>1992年7月21日/2012年7月<外宮>1992年7月23日/2012年7月
  • 新殿の屋根を葺き終える儀式。

お白石持行事

  • おしらいしもちぎょうじ
  • <内宮>1993年7月31日8月11日8月17日19日/2013年7・8月<外宮>1993年8月2日30日/2013年7・8月
  • 遷宮行事後半最大の大衆参加行事。前回は約21万人が参加した。
  • 宮川河原から採集した「お白石」を御木曳同様に陸曳・川曳で運び、正殿用地に敷き詰める行事。
  • 遷御後は、絶対に立ち入ることのできない、正殿そばまで入ることができる唯一の機会。
  • 基本的には、一日神領民も含め、御木曳行事参加者が参加する。

御戸祭

  • みとさい
  • <内宮>1993年9月13日/2013年9月<外宮>1993年9月15日/2013年9月
  • 新殿に扉を取り付ける儀式。

御船代奉納式

  • みふなしろほうのうしき
  • <内宮>1993年9月17日/2013年9月<外宮>1993年9月19日/2013年9月
  • 御船代を正殿内に納める儀式。

洗清

  • あらいきよめ
  • <内宮>1993年9月24日/2013年9月<外宮>1993年9月26日/2013年9月
  • 文字通り新殿内を洗い清める儀式。

心御柱奉建

  • しんのみはしらほうけん
  • <内宮>1993年9月25日/2013年9月<外宮>1993年9月27日/2013年9月
  • 心御柱を新正殿床下に立てる儀式。
  • 深夜に行われ非公開。詳細不明。

杵築祭

  • こつきさい
  • <内宮>1993年9月28日/2013年9月<外宮>1993年9月29日/2013年9月※
  • 新殿敷地を撞き固める儀式。

後鎮祭

  • ごちんさい
  • <内宮>1993年10月1日/2013年10月<外宮>1993年10月4日/2013年10月
  • 新殿敷地の平安を祈る儀式。

御装束神宝読合

  • おんしょうぞくしんぽうとくごう
  • <内宮>1993年10月1日/2013年10月<外宮>1993年10月4日/2013年10月
  • 遷宮に合わせ作り替えられた御装束と御神宝を読み合わせる儀式。

川原大祓

  • かわらおおはらい
  • <内宮>1993年10月1日/2013年10月<外宮>1993年10月4日/2013年10月
  • 「仮御樋代」・「仮御船代」・御装束神宝や遷御参加者を祓い清める儀式。

御飾

  • おかざり
  • <内宮>1993年10月2日/2013年10月<外宮>1993年10月5日/2013年10月
  • 殿内装飾。

遷御

  • せんぎょ
  • <内宮>1993年10月2日/2013年10月<外宮>1993年10月5日/2013年10月※
  • 御神体を旧殿から新殿へ遷す儀式。
  • 遷宮行事の中核神事。
  • 皇族を始め多数の参列者が見守るが、儀式は夜間行われ、照明もほとんどない。

大御饌

  • おおみけ
  • <内宮>1993年10月3日/2013年10月<外宮>1993年10月6日/2013年10月
  • 新殿において、初めて大御饌を奉る儀式。

奉幣

  • ほうへい
  • <内宮>1993年10月3日/2013年10月<外宮>1993年10月6日/2013年10月
  • 天皇から奉られる幣帛を奉納する儀式。

古物渡

  • こもつわたし
  • <内宮>1993年10月3日/2013年10月<外宮>1993年10月6日/2013年10月
  • 旧殿内の神宝類を新殿の西宝殿に移す儀式。

御神楽御饌

  • みかぐらみけ
  • <内宮>1993年10月3日/2013年10月<外宮>1993年10月6日/2013年10月
  • 御神楽に先立ち大御饌を奉る儀式。

御神楽

  • みかぐら
  • <内宮>1993年10月3日/2013年10月<外宮>1993年10月6日/2013年10月※
  • 天皇から派遣された宮中の楽師が御神楽などを奉納する儀式。

歴史

外部リンク