岩船郡
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岩船郡(いわふねぐん)は、新潟県(越後国)の郡。新潟県の中で複数自治体を含む唯一の郡である。
人口4,819人、面積309.39km²、人口密度15.6人/km²。(2024年11月1日、推計人口)
以下の2村を含む。
郡域
1879年(明治12年)に行政区画として発足した当時の郡域は、上記2村に村上市を加えた区域にあたる。
歴史
岩船郡の名称は古く古代律令制の時代からものである。古代に「磐船郡」と書いたことも多い[1]。
近代以降の沿革
幕末の知行
知行 | 村数 | 村名 | |
---|---|---|---|
幕府領 | 幕府領(米沢藩預地) | 1町 89村 |
内須川村、赤谷村(現・関川村南赤谷)、山本村、勝蔵村、打上村、辰田新村、下関村、久保村、金俣村、粟島浦、石住村、石栗新田、堀野村、中新保村、荒屋村(現・村上市新屋)、釜杭村、岩沢村、中原村、薦川村、黒田村、湯沢村(現・村上市黒田)、関口村、大平村(現・村上市北大平)、高根村、山口村(現・村上市高根)、寺尾村、宮下村、下中島村、鵜渡路村、上野村、川端村、猿沢村、檜原村、板屋越村、早稲田村、松岡村、塩野町村、小須戸村、荒沢村、大行院村、大須戸新田、大須戸村、葡萄村、中小屋村、大月村、野潟村、吉浦村、早川村、馬下村、新保村(現・村上市浜新保)、桑川村、笹川村、板貝村、今川村、脇川村、寒川村、越沢村、芦谷村、大沢村、大毎村、中村(現・村上市北中)、北黒川村、中津原村、上大鳥村、田中村(現・村上市北田中)、赤谷村(現・村上市北赤谷)、垣野内村、間瀬村、勝木村、碁石村、府屋町、金ヶ浦村、中浜村、岩崎村、堀之内村、原海村、温出村、大谷沢村、朴平村、荒川口村、塔ノ下村、遅郷村、杉平村、岩石村、小俣村、大代村、雷村、山熊田村、中継村、荒川村 |
幕府領(水原代官所) | 3村 | 桃川村、河内村、大平村(現・村上市南大平) | |
一橋徳川家領 | 17村 | 金屋村、大津村、中倉村、荒屋村(現・村上市荒屋)、名割村、山口村(現・村上市山口)、藤沢村、羽ヶ榎村、佐々木村、春木山村、上鍛冶屋村、鳥屋村、田中村(現・村上市南田中)、松沢村、岩野沢村、山田村、飯岡村 | |
藩領 | 越後村上藩 | 5町 77村 |
宮前村、蛇喰村、中村(現・関川村南中)、中束村、小口川村、新飯田村、高御堂村、大塚村、潟端村、新保村(現・村上市北新保)、長松村、八日市村、九日市村、塩谷町、今宿村、○岩舩町、三日市村、上有明村、下有明村、小出村、指合村、殿岡村、里本庄村、山屋村、上助淵村、下助淵村、七湊村、志田平村、松山村、浜新田村、村上城下[2]、天神岡村、中間町、興野村(現・村上市東興野)、坪根村、大関村、鋳物師村、菅沼村、赤沢村、門前村、大栗田村、上山田村、下山田村、上相川村、下相川村、日下村、小谷村、山辺里村、四日市村、小川村、興野村(現・村上市西興野)、古渡路村、十川村、新保村(現・村上市下新保)、大場沢村、上中島村、水野村、笹平村、小揚村、柳生戸村、三面村、岩崩村、茎太村、千縄村、布部村、猿田村、瀬波町、下渡村、羽下ヶ淵村、岩ヶ崎村、間島村、柏尾村、下大鳥村、板屋沢村、遠矢崎村、立島村、寝屋村、鵜泊村、長坂村、下大蔵村、上大蔵村 |
陸奥会津藩 | 1町 58村 |
大島村、鍬江沢村、幾地村、上関村、落合村、鮖谷村、大石村、安角村、蔵田島村、上川口村、下川口村、片貝村、聞出村、八ツ口村、畑村、大内淵村、沼村、金丸村、高田村、桂村、平内新村、小見村、上野山村、滝原村、湯沢村(現・関川村湯沢)、小見前新田、若山村、新保村(現・関川村上新保)、上野新村、朴坂村、小和田村、下鍛冶屋村、坂町村、野口新村、長政新田、渡辺新田、紀伊国新田、花立村、貝附村、名割新村、中野新村、新保村(現・村上市南新保)、梨木村、切田村、荒川縁新田、新光寺村、海老江村、荒島村、葛篭山村、宿田村、牛屋村、平林町、牧目村、興野村(現・村上市葛籠山)、川部村、高野新田、小岩内村、福田村、楢木新田[3] | |
幕府領・藩領 | 幕府領(米沢藩預地)・会津藩 | 1村 | 土沢村 |
- 慶応4年8月14日(1868年9月29日) - 戊辰戦争後の処分により、全域が村上民政局の管轄となる。
- 明治元年
- 明治2年2月3日(1869年3月15日) - 内藤信美が村上藩主として認められ、旧領地に復帰。
- 明治3年7月 - 村上藩の領地替えにより、本郡の全域が村上藩領となる。
- 明治4年
- 明治8年(1875年)(7町240村)
- 長政新田・渡辺新田・紀伊国新田が合併して渡辺三新田となる。
- 大行院村・大須戸新田が大須戸村に合併。
- 明治9年(1876年) - 湯沢村(現・村上市)が黒田村に、落合村が上関村にそれぞれ合併。(7町238村)
- 明治10年(1877年) - 中小屋村が葡萄村に、原海村が仲浜村にそれぞれ合併。(7町236村)
- 明治12年(1879年)
- 明治17年(1884年)(7町233村)
- 山口村(現・村上市高根)が高根村に合併。
- このころ野口新村が坂町村に合併。
- 明治19年(1886年)(7町228村)
町村制以降の沿革
町村制施行時の4町35村
- 七箇谷村 ← 上川口村、安角村、大石村、金俣村、久保村、鮖谷村、蔵田島村(現・関川村)
- 九箇谷村 ← 下川口村、沼村、八ツ口村、楢木新田、畑村、片貝村、大内淵村、金丸村、聞出村(現・関川村)
- 関村 ← 下関村、上関村、打上村、南赤谷村、内須川村、勝蔵村、辰田新村、大島村、土沢村、鍬江沢村、幾地村、山本村(現・関川村)
- 上保内村 ← 下鍛冶屋村、上鍛治屋村、荒島村、春木山村、梨木村、花立村、貝附村
- 中保内村 ← 佐々木村、切田村、羽ヶ榎村、坂町村、山口村[現・村上市山口]、藤沢村
- 南保内村 ← 名割村、新光寺村、南新保村、中野村、渡辺三新田
- 金屋村 ← 金屋村、中倉村、鳥屋村、荒屋村、荒川縁新田
- 大津村、海老江村(それぞれ単独村制)
- 川北村 ← 高田村、桂村、平内新村、小見村、上野山村、小見前新田、湯沢村、滝原村(現・関川村)
- 女川村 ← 上野新村、中束村、南中村、蛇喰村、若山村、朴坂村、上新保村、宮前村、小和田村(現・関川村)
- 平林村 ← 平林町、葛籠山村、川部村、小岩内村、宿田村
- 塩谷村 ← 塩谷町、長松村、北新保村、福田村、牛屋村
- 神納村 ← 松沢村、岩野沢村、山田村、飯岡村、桃川村、河内村、有明村、小出村、殿岡村、指合村、南大平村
- 東神納村 ← 里本庄村、山屋村、上助淵村、志田平村、七湊村、下助淵村
- 西神納村 ← 新飯田村、小口川村、高御堂村、大塚村、潟端村、今宿村、九日市村、牧目村、南田中村
- 岩船町 ← 岩船町、三日市村、八日市村
- 瀬波町 ← 瀬波町、羽下ヶ淵村、下渡村、浜新田村、松山村
- 村上町、村上本町(それぞれ単独町制)
- 山辺里村 ← 山辺里村、西興野村、四日市村、天神岡村、中間町、東興野村、坪根村、下相川村、上相川村、日下村、下山田村、上山田村
- 門前谷村 ← 門前村、大栗田村、赤沢村、菅沼村、鋳物師村、大関村、小谷村
- 館腰村 ← 大場沢村、古渡路村、十川村、小川村、下新保村
- 長津村 ← 笹平村、釜杭村、小揚村、柳生戸村
- 新屋村 ← 新屋村、堀野村、上中島村、石住村、中神保村、石栗新田、岩崩村、茎太村、三面村
- 布部村 ← 千縄村、布部村、猿田村
- 岩沢村 ← 岩沢村、中原村、黒田村
- 高根村 ← 関口村、北大平村、高根村、薦川村
- 鵜渡路村 ← 鵜渡路村、上野村、下中島村、寺尾村、宮下村
- 猿沢村 ← 猿沢村、川端村、檜原村、板屋越村
- 塩野町村 ← 塩野町村、小須戸村、松岡村、早稲田村
- 大須戸村 ← 大須戸村、葡萄村、荒沢村
- 黒川俣村 ← 北中村、大毎村、大沢村、北黒川村、中津原村、荒川村
- 八幡村 ← 勝木村、碁石村、下大蔵村、上大蔵村、長坂村、垣野内村、下大鳥村、上大鳥村、北田中村、北赤谷村、遠矢崎村、立島村、間瀬村、寝屋村、鵜泊村、板屋沢村
- 大川谷村 ← 府屋町、温出村、荒川口村、朴平村、杉平村、岩崎村、遅郷村、中浜村、堀之内村、岩石村、大谷沢村、塔ノ下村
- 中俣村 ← 中継村、小俣村、大代村、雷村、山熊田村
- 下海府村 ← 浜新保村、桑川村、笹川村、板貝村、今川村、脇川村、寒川村、越沢村、芦谷村
- 上海府村 ← 間島村、柏尾村、吉浦村、早川村、馬下村、野潟村、大月村、岩ヶ崎村
- 粟島浦(単独で自治体を形成、現・粟島浦村)
明治34年の合併
- 明治42年(1909年) - 粟島浦が改称して粟島浦村となる。
- 大正12年(1923年)3月31日 - 郡会が廃止。郡役所は存続。
- 大正15年(1926年)6月30日 - 郡役所が廃止。以降は地域区分名称となる。
- 昭和17年(1942年)7月1日 - 「岩船地方事務所」が村上町に設置され、本郡を管轄。
- 昭和21年(1946年)6月1日 - 村上町・村上本町が合併し、改めて村上町が発足。(3町20村)
- 昭和29年(1954年)
- 昭和30年(1955年)
- 昭和40年(1965年)11月3日 - 山北村が町制施行して山北町となる。(2町4村)
- 平成20年(2008年)4月1日 - 荒川町・山北町・神林村・朝日村が村上市と合併し、改めて村上市が発足し、郡より離脱。(2村)
変遷表
自治体の変遷
明治22年4月1日 | 明治22年 - 大正15年 | 昭和1年 - 昭和24年 | 昭和25年 - 昭和30年 | 昭和31年 - 昭和64年 | 平成1年 - 現在 | 現在 |
---|---|---|---|---|---|---|
村上本町 | 村上本町 | 昭和21年6月1日 村上町 |
昭和29年3月31日 村上市 |
村上市 | 平成20年4月1日 村上市 |
村上市 |
村上町 | 村上町 | |||||
岩船町 | 岩船町 | 岩船町 | ||||
瀬波町 | 瀬波町 | 瀬波町 | ||||
上海府村 | 上海府村 | 上海府村 | ||||
山辺里村 | 明治34年11月1日 山辺里村 |
山辺里村 | ||||
門前谷村 | ||||||
神納村 | 明治34年11月1日 神納村 |
神納村 | 昭和30年1月10日 神林村 |
神林村 | ||
東神納村 | ||||||
平林村 | 明治34年11月1日 平林村 |
平林村 | ||||
塩谷村 | ||||||
西神納村 | 西神納村 | 西神納村 | ||||
大川谷村 | 大川谷村 | 大川谷村 | 昭和30年3月31日 山北村 |
昭和40年11月3日 町制 | ||
八幡村 | 八幡村 | 八幡村 | ||||
黒川俣村 | 黒川俣村 | 黒川俣村 | ||||
中俣村 | 中俣村 | 中俣村 | ||||
下海府村 | 下海府村 | 下海府村 | ||||
館腰村 | 明治34年11月1日 館腰村 |
館腰村 | 昭和29年10月1日 朝日村 |
朝日村 | ||
長津村 | ||||||
新屋村 | 明治34年11月1日 三面村 |
三面村 | ||||
布部村 | ||||||
高根村 | 明治34年11月1日 高根村 |
高根村 | ||||
岩沢村 | ||||||
猿沢村 | 明治34年11月1日 猿沢村 |
猿沢村 | ||||
鵜渡路村 | ||||||
塩野町村 | 明治34年11月1日 塩野町村 |
塩野町村 | ||||
大須戸村 | ||||||
中保内村 | 明治34年11月1日 保内村 |
保内村 | 昭和29年12月1日 荒川町 |
荒川町 | ||
上保内村 | ||||||
南保内村 | 明治34年11月1日 金屋村 |
金屋村 | ||||
金屋村 | ||||||
海老江村 | ||||||
大津村 | ||||||
関村 | 明治34年11月1日 関谷村 |
関谷村 | 昭和29年8月1日 関川村 |
関川村 | 関川村 | 関川村 |
七箇谷村 | ||||||
九箇谷村 | ||||||
女川村 | 明治34年11月1日 女川村 |
女川村 | ||||
川北村 | ||||||
粟島浦 | 明治42年 粟島浦村 |
粟島浦村 | 粟島浦村 | 粟島浦村 | 粟島浦村 | 粟島浦村 |
市町村合併
1954年に昭和の大合併で村上市が発足した。平成の大合併では村上市を含む旧・岩船郡(関川村を除く)が合併することを目指したが、新市名の問題で村上市と対立して頓挫した。しかし、2006年に行われた村上市長選挙で早期合併を訴える新市長が当選し、村上市岩船郡6市町村合併任意協議会が復活した。しかし、2007年2月26日、粟島浦村が協議会からの離脱を表明して承認された。2008年4月1日、後述の4町村と村上市が新設合併により村上市となって離脱し、現在の形になる。
行政
- 歴代郡長
代 | 氏名 | 就任年月日 | 退任年月日 | 備考 |
---|---|---|---|---|
1 | 明治12年(1879年)4月9日 | |||
大正15年(1926年)6月30日 | 郡役所廃止により、廃官 |
脚注
参考文献
- 「角川日本地名大辞典」編纂委員会 編『角川日本地名大辞典』 15 新潟県、角川書店、1989年9月1日。ISBN 4040011503。[要ページ番号]
- 旧高旧領取調帳データベース
外部リンク
『越佐地図教科書』(国立国会図書館デジタルコレクション)- 1896年(明治29年)1月出版。人口 66,590人、戸数 11,536との記述あり