コンテンツにスキップ

英文维基 | 中文维基 | 日文维基 | 草榴社区

港龍安啓

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
港龍から転送)

港龍 安啓(こうりゅう やすひろ、1961年9月12日 - )は、徳島県小松島市中田町出身で宮城野部屋に所属した元大相撲力士。本名は沢原 安啓(さわはら やすひろ)。最高位は西前頭4枚目(1986年11月場所)。身長174cm、体重120kg。得意手は右四つ、寄り、下手投げ

来歴・人物

[編集]

小松島市立小松島中学校在学時から相撲を始め、1年生と2年生の時には、徳島県大会の個人戦で優勝という実績を残した。団体戦でも活躍した。

中学校卒業後に上京して角界入りし、1977年3月、第43代横綱吉葉山が興した宮城野部屋から初土俵を踏んだ。

巡業中での申し合い数は全力士の中で一、二を争う程で、実によく稽古をした。その甲斐あって1983年9月場所で十両昇進、1986年7月場所で新入幕を果たす。

しかし入幕5場所目の1987年3月場所、椎間板ヘルニアに罹ったことで全休。

同場所直後に腰を手術し、以後は、再起を目指して腰痛との闘いを続けていた。

だが、本場所の土俵に復帰することは遂に叶わず、三段目下位まで番付を落とした1988年1月場所を最後に26歳で廃業した。

廃業後は、徳島県小松島市中田町(1988年頃)→徳島市丈六町(2006年頃)にて「ちゃんこ鍋港龍」を経営していた。ちゃんこ鍋ただ1種類のみを提供することで知られていたが、後に店を明け渡した。 現在、香川県高松市太田下町にて「ちゃんこ鍋港龍」を経営している。

息子の沢原魁門は香川県立高松工芸高校で野球部の正捕手を務め、後にフィジーカーとして活動。

エピソード

[編集]
  • 容貌から「子泣きジジイ」と呼ばれた。
  • 幕内時代は横綱双羽黒の露払いを務めたことがある。
  • 1987年は1月場所で負け越し、翌場所から椎間板ヘルニアにより5場所連続休場したため、6場所連続で負け越し。相撲雑誌の新年号の恒例企画「記録で見る相撲界」の6場所すべて勝ち越した力士と負け越した力士では、港龍は「6場所すべて負け越した力士」に掲載された(1988年1月号)。前年の1986年は1月から9月まで8勝7敗と5場所連続で勝ち越し、11月は最高位の前頭4枚目まで上がったが、6勝9敗と負け越したため、6場所すべて勝ち越しとならなかった。

主な成績・記録

[編集]
  • 生涯成績:284勝249敗58休 勝率.533
  • 現役在位:65場所
  • 幕内成績:29勝31敗15休 勝率.483
  • 幕内在位:5場所

場所別成績

[編集]
港龍 安啓
一月場所
初場所(東京
三月場所
春場所(大阪
五月場所
夏場所(東京)
七月場所
名古屋場所(愛知
九月場所
秋場所(東京)
十一月場所
九州場所(福岡
1977年
(昭和52年)
x (前相撲) 東序ノ口30枚目
5–2 
西序二段83枚目
2–5 
東序二段110枚目
5–2 
西序二段58枚目
3–4 
1978年
(昭和53年)
東序二段69枚目
6–1 
東序二段9枚目
5–2 
西三段目60枚目
0–7 
西序二段13枚目
4–3 
西三段目87枚目
4–3 
西三段目65枚目
3–4 
1979年
(昭和54年)
西三段目78枚目
3–4 
東序二段3枚目
5–2 
東三段目67枚目
6–1 
東三段目18枚目
4–3 
東三段目8枚目
3–4 
西三段目20枚目
5–2 
1980年
(昭和55年)
東幕下58枚目
2–5 
西三段目23枚目
5–2 
東幕下60枚目
4–3 
東幕下51枚目
4–3 
西幕下41枚目
5–2 
東幕下24枚目
3–4 
1981年
(昭和56年)
西幕下34枚目
2–5 
西幕下57枚目
4–3 
西幕下44枚目
5–2 
東幕下24枚目
5–2 
東幕下13枚目
4–3 
西幕下8枚目
2–5 
1982年
(昭和57年)
西幕下25枚目
4–3 
東幕下20枚目
5–2 
東幕下11枚目
5–2 
東幕下6枚目
2–5 
東幕下21枚目
6–1 
東幕下6枚目
1–6 
1983年
(昭和58年)
西幕下25枚目
5–2 
西幕下14枚目
4–3 
東幕下9枚目
4–3 
東幕下5枚目
5–2 
東十両13枚目
3–12 
西幕下8枚目
3–4 
1984年
(昭和59年)
東幕下17枚目
5–2 
西幕下9枚目
4–3 
西幕下5枚目
5–2 
西十両13枚目
3–12 
西幕下9枚目
5–2 
西幕下3枚目
5–2 
1985年
(昭和60年)
西十両12枚目
7–8 
西十両13枚目
9–6 
西十両9枚目
10–5 
西十両5枚目
8–7 
東十両5枚目
8–7 
西十両3枚目
7–8 
1986年
(昭和61年)
東十両5枚目
8–7 
西十両筆頭
8–7 
東十両筆頭
8–7 
西前頭12枚目
8–7 
東前頭10枚目
8–7 
西前頭4枚目
6–9 
1987年
(昭和62年)
東前頭10枚目
7–8 
西前頭11枚目
休場
0–0–15
西十両8枚目
休場
0–0–15
東幕下10枚目
休場
0–0–7
東幕下51枚目
休場
0–0–7
東三段目33枚目
休場
0–0–7
1988年
(昭和63年)
東三段目93枚目
引退
0–0–7
x x x x x
各欄の数字は、「勝ち-負け-休場」を示す。    優勝 引退 休場 十両 幕下
三賞=敢闘賞、=殊勲賞、=技能賞     その他:=金星
番付階級幕内 - 十両 - 幕下 - 三段目 - 序二段 - 序ノ口
幕内序列横綱 - 大関 - 関脇 - 小結 - 前頭(「#数字」は各位内の序列)

幕内対戦成績

[編集]
力士名 勝数 負数 力士名 勝数 負数 力士名 勝数 負数 力士名 勝数 負数
板井 0 2 巨砲 0 2 大錦 2 0 魁輝 2 1
霧島 1 0 起利錦 0 2 麒麟児 1 2 蔵間 1 0
高望山 1 1 小錦 0 1 逆鉾 0 1 佐田の海 2 1
薩洲洋 0 2 陣岳 1 1 太寿山 1 2 大徹 3 1
孝乃富士 1 1 隆三杉 0 1 多賀竜 1 2 玉龍 1 0
寺尾 1 0 闘竜 3 1 栃剣 1 3 花乃湖 1 2
藤ノ川 1 0 富士乃真(富士光) 1 0 前乃臻 1 0 益荒雄 0 1

四股名の変遷

[編集]
  • 沢原 安啓(さわはら やすひろ)1977年5月場所 - 同年9月場所
  • 港龍 安啓(こうりゅう -)1977年11月場所 - 1988年1月場所

関連項目

[編集]

参考文献

[編集]