最上稲荷
最上稲荷 | |
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本殿(霊光殿) | |
所在地 | 岡山県岡山市北区高松稲荷712 |
位置 | 北緯34度42分32.24秒 東経133度50分0.28秒 / 北緯34.7089556度 東経133.8334111度座標: 北緯34度42分32.24秒 東経133度50分0.28秒 / 北緯34.7089556度 東経133.8334111度 |
山号 | 最上稲荷山 |
宗派 | 日蓮宗 |
本尊 |
久遠実成本師釈迦牟尼仏 最上位経王大菩薩(祈祷本尊) |
創建年 | (伝)天平勝宝4年(752年) |
開基 | (伝)報恩大師 |
正式名 | 最上稲荷山妙教寺 |
別称 |
最上稲荷 高松稲荷 |
文化財 |
本堂ほか(国の登録有形文化財) 霊應殿(市指定文化財) |
公式サイト | 最上稲荷妙教寺 |
法人番号 | 8260005000466 |
最上稲荷(さいじょういなり)は、岡山県岡山市北区にある日蓮宗の寺である。正式名称は最上稲荷山妙教寺。所在地が岡山市北区高松地区であることから高松稲荷(たかまついなり)とも称される。
特別に神仏習合の祭祀形態が許された、仏教の流れを汲む貴重な稲荷として知られ、寺でありながら鳥居をそなえ、しめ縄の架けられた、神宮形式をあわせ持つ本殿(霊光殿)があるなど、神仏習合時代の形態を数多く残しており[1]、
伏見・豊川に並ぶ日本三大稲荷の一つともされ[1][2]、毎年正月三が日は県下最多の60万人余りの参拝客が訪れる[3]。
歴史・概要
[編集]岡山県内で唯一、明治初年の廃仏毀釈の被害を逃れた所といわれ、日蓮宗系「神仏習合」の祭祀形態を現在も残す。
歴史のある寺院であるが、第二次大戦後一時日蓮宗より独立(昭和29年7月24日)し、最上稲荷教総本山妙教寺となっていたが、平成21年7月に日蓮宗に復帰した。
最上尊信仰発祥の地であることから最上稲荷総本山と称されている。
本尊
[編集]祈祷本尊は最上位経王大菩薩(稲荷大明神)。最上位経とはすなわち法華経のことである。像容は右手に鎌、左肩に稲束を背負い、白狐にまたがる天女の姿をしており、稲荷神の本地とされる荼枳尼天の像容とその特徴を同じくする。
創建伝承
[編集]寺伝によれば、報恩大師が天平勝宝4年(752年)に孝謙天皇の病気平癒の勅命を受けて、吉備山中の八畳岩で修法し、最上位経王大菩薩を感得、天皇は全快したことに始まるという。
また後に桓武天皇の病気平癒祈願の功徳により、寺院建立の寄進申し出があった。これにより大師が霊地を求めていたある日、最上位経王大菩薩より「備中国、龍王山麓に堂宇を定むるべし」との宣告があり、このことを天皇に進言。天皇はその祈願所としてさっそく龍王山神宮寺を寄進創建した。これが現在の妙教寺であるという。
近世以降
[編集]羽柴秀吉の中国進攻の際に戦火により焼亡するも、江戸時代初期の慶長6年(1601年)この地を治めた旗本の花房職之が関東地方より日円聖人を招聘し、「稲荷山妙教寺」として再興した。このときに天台宗から日蓮宗へ改宗した。
寛保元年(1741年)に建立された霊応殿本殿(旧本殿)は岡山市重要文化財に指定されている。現在の本殿(霊光殿)は昭和54年 (1979年) に建造された。明治14年(1881年)に建立された根本大堂は老朽化のため、平成18年(2006年)に移転、修復された。2009年、本堂(根本大堂)など33件が国の登録有形文化財に登録された。
なお、昭和26年の宗教法人法の施行に伴い、信徒や有識者の勧めにより、妙教寺の第23世の稲荷日宣の代にして昭和29年7月に、宗教法人・最上稲荷教として日蓮宗から独立、包括法人を組織したが、55年後の平成21年7月24日、26世稲荷日應の判断により、傘下の寺院とともに日蓮宗に復帰した。日蓮宗には一般の寺院として復帰したが、「最上稲荷総本山」の通称は、引き続き使用される。
初詣シーズンには元旦~15日まで「新春開運大祈願祭」が催され、毎年岡山県下最大の参拝客(約60万人)で賑わう。
年表
[編集]- 1950年(昭和25年) - この年、山火事が発生し、仁王門を焼失[4]。
- 1958年(昭和33年) - この年、仁王門を再建[4]。仁王門内に金色仁王尊像と白狐像を建立。
- 1972年(昭和47年) - この年、岡山市高松[注 1]に大鳥居(高さ 27.5 m 、柱の直径 4.6 m 、重さ 2800 t)を建立[5]。
- 1985年(昭和60年) - この年、大鳥居の塗り直しが行われる[5]。
- 2009年(平成21年) - 4月1日、岡山市が政令指定都市に移行。これに伴い、所在地の地名が岡山市高松稲荷から岡山市北区高松稲荷になる。
- 2013年(平成25年) - 12月3日、老朽化した仁王門の改修工事が終了、記念式典[4]。
- 2014年(平成26年)
文化財
[編集]岡山市指定重要文化財
[編集]- 霊応殿本殿
国の登録有形文化財
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末寺
[編集]- 真如山妙福寺(北海道函館市元町) - 函館分院
- 蓮華院(神奈川県相模原市緑区三井)
- 法華山示現寺(神奈川県藤沢市用田)
- 清寿山立徳寺(愛知県名古屋市緑区梅里)
- 釜戸信友教会(岐阜県瑞浪市釜戸町)
- 大祥寺(三重県桑名市東方船着町)
- 桜妙山蓮岳寺(兵庫県赤穂市塩屋)
- 龍昌院(兵庫県西脇市和田町)
- 陽田山経王寺(鳥取県米子市陽田町) - 米子別院
- 太生山一心寺(岡山県岡山市南区妹尾)
- 蓮照院(岡山県津山市福渡町)
- 三原教会(広島県三原市中之町)
- 府中教会(広島県府中市高木町)
- 明照庵(広島県福山市道三町)
- 端間道場(福岡県小郡市)
- 龍華院(佐賀県嬉野市塩田町五町田甲)
名物 ゆずせんべい
[編集]名物土産。多数の製造元があり、参道で販売している。
(製造者)アイウエオ順
- 稲荷ときわや(岡山市北区高松稲荷)
- おかもと屋(同)
- 大黒屋(同)
- 長栄堂(同)
- 常盤堂(同)
- 姫屋(同)
- 福屋商店(同)
- 六車商店(同)
周辺施設
[編集]- 稲荷山健康センター (岡山市北区高松稲荷)[閉業]
- 吉備高原自転車道(岡山市北区高松稲荷、岡山県道701号岡山賀陽自転車道線)
- 大鳥居 (岡山市北区高松、岡山県道241号長野高松線)
- JR吉備線(桃太郎線)備中高松駅(岡山市北区高松)
交通アクセス
[編集]公共交通機関
[編集]- JR西日本吉備線(桃太郎線)備中高松駅 下車、約2km。徒歩30分。タクシーで5分。正月三が日には、備中高松駅北口から最上稲荷参道口の稲荷山バス停まで下電観光バスにより臨時バスが運行される[注 2]。
自家用車利用
[編集]※大型駐車場有り(有料・値段は季節等によって異なる)。なお、初詣および節分などのシーズンにおいては周辺道路が非常に渋滞するので、最上稲荷の公式ホームページ[参 1]のお正月の交通規制についてを参照のうえ迂回するのが望ましい。
- 岡山自動車道・岡山総社ICより国道180号を岡山方面へ東進し、備中高松交差点で北折して岡山県道241号長野高松線に入る。車で約10分。
- 山陽自動車道・吉備スマートICより岡山市道佐山辛川線(高速側道)を西進し、辛川市場交差点(感知式信号)で岡山県道61号妹尾御津線を北進。長野交差点で岡山県道241号長野高松線を南進。車で約15分。
- (岡山市街地より)国道180号を総社方面へ西進し、中川橋交差点で岡山県道61号妹尾御津線を北進。長野交差点で岡山県道241号長野高松線を南進。車で約30分。
- (高梁・総社・倉敷方面より)国道180号を岡山方面へ東進し、備中高松交差点で北折して岡山県道241号長野高松線を北進。総社を起点とした場合、車で約15分。
関連項目
[編集]- 龍泉寺(岡山市北区下足守) … 日蓮宗最上教総本山。
- 了法寺(東京都八王子市日吉町) … 最上稲荷と同じく日蓮宗に属する稲荷寺。稲荷信仰寺として最上稲荷などに対して勧進を行っている。通称萌え寺。
- 圓隆寺(広島市中区三川町) … 最上稲荷と同じく日蓮宗に属する稲荷寺で、稲荷を音読みしたとうかさんの通称で呼ばれる。広島三大祭りの1つである「とうかさん大祭」で知られる。
- 中国稲荷山鋼索鉄道 … 1944年まで境内をケーブルカーが走っていた。
脚注
[編集]注釈
[編集]- ^ 岡山市北区高松の当時の地名。
- ^ かつては天満屋バスステーションからの路線バスが運行されていたが、2018年9月1日から運行休止となった。この路線は最上稲荷周辺の交通規制のため正月三が日は運休となり、前述の備中高松駅からの臨時バスが路線バスの代替となっていた。
参照
[編集]出典
[編集]- ^ a b 最上稲荷について
- ^ 三大稲荷の選定には諸説あり一定していない。伏見稲荷大社では、「三大稲荷は地域により異なる」として、三大稲荷の三社を限定することはしていない。豊川では他の2箇所を「伏見・祐徳」としているが、一方で豊川が3大のひとつとしている祐徳では他の2か所を「伏見・最上」としている。[要出典]
- ^ 岡山)最上稲荷、今年も大勢の初詣客でにぎわう
- ^ a b c “最上稲荷仁王門の改修終了 関係者ら式典、通り初め”. 山陽新聞 (山陽新聞社). (2013年12月3日). オリジナルの2013年12月5日時点におけるアーカイブ。 2014年6月7日閲覧。
- ^ a b c “岡山・最上稲荷の大鳥居化粧直し 塗装終了、荘厳な赤銅色再び”. 山陽新聞 (山陽新聞社). (2014年9月24日) 2014年9月28日閲覧。
- ^ a b “ドーム屋根、仁王門よみがえる 岡山・最上稲荷で落慶法要”. 山陽新聞 (山陽新聞社). (2014年4月12日) 2014年6月7日閲覧。
参考文献
[編集]- 『吉備の国寺社巡り 2011年版』 山陽新聞社/発行 2011年