日本釈名
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日本釈名(にほんしゃくみょう)は、江戸中期の語源辞書。貝原益軒著。上中下3巻。1699(元禄12)年自序、1670年に刊行。後漢の劉熙の同様の著作『釈名』にならって日本書紀・万葉集・倭名類聚抄などの古書にみられる和語を、23類に分類、五十音順に配列、語源を説いている。
日本釈名 | |
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言語 | 日本語 |
類型 | 古辞書 |
編者・監修者 | 貝原益軒 |
出版地 | 日本 |
最初の出版日 | 1670年 |
数量 ; 大きさ | 上中下3巻 |
構成
[編集]次のごとくである。[1]
- 巻之上:天象・時節・地理・宮室地名
- 巻之中:水火土石金玉・人品・形体・人事・鳥獣・虫・魚介
- 巻之下:米穀・草木・飲食・衣服・文具・武具・雑記・虚字
要訣
[編集]凡例において「要訣」として語源解釈の類型について論じており、新井白石の『東雅』がこれを批判した。「要訣」における分類は学史上しばしば注目される。[2][3]
- 自語:みだりに語源解釈できない本来の語
- 転語:「五音相通」による語
- 略語:語の一部の約音
- 借語:他の語の意味拡張
- 義語:複合により生じた語。
- 反語:仮名反。
- 子語:ある語を語根(「母語」とよばれる)とする語
- 例:「日(ひ)」は「昼(ひる)」を「母語」とする。
- 音語(いんご):漢語に由来するもの
- 例:杏子
語源説の特色
[編集]現代的な観点からは民間語源と言うべきものが多い。「北(きた)」の語源を、五行思想において北方が黒色にあたることから「汚し」に通じるとするなど、中国思想を利用する場合がある。[4]
刊本
[編集]- 益軒会, ed. (1973), 日本釈名, 益軒全集, 国書刊行会。初版明治43-44年。
- 貝原益軒 著、松下見林; 小泉吉永 編『日本釈名』 90巻、大空社出版〈江戸庶民文庫〉、2020年。ISBN 978-4-86688-090-7。
出典
[編集]脚注
[編集]参考文献
[編集]- 松尾, 捨次郎 (1944), “日本釈名と東雅について”, 日本語, 4
- 伊藤, 慎吾 (1928), “日本釈名”, 近世国語学史, 立川文明堂
- 土居, 文人 (2006), “近世までの語源学と主要参考文献”, 日本語の語源を学ぶ人のために, 世界思想社
- 田辺, 正男 (1959), 国語学史, 桜楓社出版